【第123号】ママとパパのハッピー・スタディーズ~親から幸せ元気になろう~その2 ホリスティック実践教育研究所 所長 金 香百合
2024年4月15日
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さて、今回は、子育てで意識していただくと良い「家庭教育」や「地域教育」に注目したいと思います。
子どもを元気にする家庭教育や地域教育
自尊感情を育む話は前回にありました。それを具体化するのに、ぴったりなのは家庭や地域の中で、子どもが多様な楽しい体験をすることです。人と関わりながら、ごく小さなことからチャレンジし、その結果ではなく、プロセスをほめてもらい、自信をつけていってほしいのです。
ただ、第一子のとき、親は不慣れなために、完璧主義で子どもに厳しく接してしまう傾向が見受けられます。「ゆったりと、柔軟に、まずは否定しないで受容する」対応が子どものやる気を高め、自尊感情を育みます。そのとき、誰かと比べて否定せず、周りを気にしすぎて同調圧力をかけないようにすると、自分らしくのびのびと成長していきやすい環境になります。
さて、いくつかの具体的な関わりから考えてみましょう。
7.「生きる力」を総合的に伸ばす
今の社会は激変しつつあり、唯一の正解がない時代に突入しています。なるべく良い学校を出て、大企業等、安定した仕事に就くことがゴールというような単純な時代ではありません。この時代を生きていく子どもたちにとって、自分で考え、工夫し、問いを立て、答えを作り出す力は必須です。また多様な人々とつながる力も大切でしょう。だからといって、すべてに完璧をめざすのではなく、弱点や短所も受けいれる人間関係をつくれたらいいですね。
8.生きる基本の食育
休日などの、親に時間的余裕があるときに、みんなでお料理をつくることはどうでしょう。おとなも子どもも、協力して、ごはんをたいたり、レタスをちぎったり、プチトマトのヘタをとったり。餃子を包んだり、ハンバーグを丸めたり。成長に合わせて、まな板や包丁、ピーラー、レンジやコンロなどの使い方を教えます。子どもが知らないことは、教育の三段論法が有効です。「(大人が)して見せて、(子どもに)させてみて、ほめてあげる」子どもの生きる力は、様々な体験にチャレンジしながら伸びていきます。性差を問わず、料理ができることは、美味しいものを食べて健康を維持したり、人を喜ばせたりと、大きな才能になります。公民館などで、「こどもクッキング」などのイベントもあります。さらには、注目されているプログラミング教育でも、料理体験が効果的といわれています。段取りを考える力が養われて役立つそうです。一方で、学校給食などにみられる、行き過ぎた「完食主義」は逆効果になるかかえって、食べることを苦痛にさせてしまう場合があります。
9.地域教育
近年、都市化や核家族化などから、地域のつながりをもたない親子も多くなりました。もったいないと思います。地域にある公園や図書館や児童館や科学館や美術館や公民館などの催し物、地域のお祭りやイベント、子ども会などに参加することで、子どもの人生を豊かにする種まきになると思います。お金のあるなしに関わらず、工夫を面白がり、生活を楽しめる人に育てていくことをお勧めします。「ふるさと」と思える場所をもち、そこにある歴史や文化の継承に誇りを持つことは、自尊感情を育みます。
10.安全教育
家庭内での子どもの事故や、子どもが巻き込まれる交通事故は、非常に悲しいものです。交通教育では、親の自転車に子どもを同乗させるときも、共に道を走っているという認識を気づかせてあげてください。また、子どもが自転車に乗り始めるころは、信号はもちろん、信号のない道路なども、危険をしっかり教えながら、伴走してください。いじめや暴力にあったら、すぐに身近にいる大人に助けを求めることも教えてください。
11.おうち性教育
この言葉も、ずいぶん広がっています。「旧ジャニーズ事務所問題」もあって、子どもたちが性差や年齢に関わらず、性犯罪の被害にあっていることが、多くの人の知るところとなりました。物心のつく4,5歳くらいから、予防教育は必要です。水着で隠れる場所はプライベートゾーン、で人に見せたり、さわられたりしてはいけない大切な場所であるとやさしく教えてください。万が一、そんなことがおこったら、すぐにママやパパに話すように。被害者は全く悪くないこと、加害者が悪いということを、しっかりと伝えてください。この分野の絵本も、たくさん発行されています。ぜひ、子どもと一緒に読んでみてください。
12.防災教育
今、日本各地で地震・津波・台風・大雨・竜巻などの災害が頻発しています。ここ大阪でも南海トラフが30年以内に発生すると予測されています。災害については、予防の工夫があればあるほど、死傷者は少なくなることが統計的にわかっています。最近は、地域で子育て防災講座などが頻繁に開催されています。ぜひ、ご参加ください。例えば、常日頃からできることとして、家の家具には支え棒などで倒壊しないよう備える。災害備品の用意は十分に備える。子ども用の災害リュックを用意する。中には子どもの好きなぬいぐるみや絵本なども入れる。アレルギーなどに対応している食品なども準備してください。乳幼児では、抱っこ紐、おんぶ紐なども重要な備品です。手をつないでいるだけではなく、大人のからだにくくりつけて一緒に行動するということをイメージしておいてください。
最後に~すべての人は子どもでした~
子どもたちが幸せに元気に育っていくことーそれは親はもちろん、すべての大人たちに大事な役割です。すべての人がかつては子どもでした。その時の「子ども心」を失わず、子どもの視点から自分や社会をみつめ、内省し、子どもを慈しむ輪を共に広げていきましょう。
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