市民と市政をつなぐ広聴ガイドライン
2023年4月1日
ページ番号:199350
めざすべき方向
大阪市では、市民の声を基本として市民に信頼される市政を運営するという考えから、全国に先駆けて公聴課を設置し、様々な広聴活動を行ってきました。
広聴機能は、マネジメントサイクルPDCAのC(チェック)にあたり、市民の日常生活と行政の施策・事業運営との間の、どこに、どのようなギャップが存在するのかを明らかにするとともに、寄せられた声に対して説明責任を果たすなどの基本的な機能を有しており、市民参画、市民と協働した市政を推進する上で必要不可欠なものです。
また、広聴は、広聴担当部署のみが行うものではなく、各々担当する業務に関してそれぞれが行うものであり、職員一人ひとりが担うものであるという意識をもつことが肝要です。
そこで、全庁的に寄せられる市民の声に対し、当該所属から直接市民に回答するなどの取扱いにより、市民の声と向き合う姿勢を見直し、市民への説明責任を果たし、かつ、市民ニーズを施策・事業に反映させるという、広聴マインドを醸成するとともに、市民の市政への信頼を確保するために、平成18年3月に本ガイドラインを作成しました。
その後、市民協働や、地域・区役所を中心とした取組み、情報公開の推進などにより、市民の市政に対する関心が高まり、広聴機能の重要性がより一層増加する中、平成24年には、市政に対する理解や関心を深めていただくための「市民の声の見える化」の実施、および区域内における基礎自治に関する区役所の権限強化を行うための区シティ・マネージャーの設置に伴い、本ガイドラインを改定してきたところです。
そして今般、市民の声データベースシステムの機能拡充などの再構築に伴い、各担当の責務を見直すなど本ガイドラインを改定しました。
職員の皆さんにおかれては、市民と協働した市民本位の市政の推進に向け、広聴が大きな役割を果たすことを再認識し、日々の市民の声の対応において、広聴マインドの醸成につながる本ガイドラインを活用し、市民の市政に対する理解と信頼の確保に努めてください。
《本ガイドラインのキーポイント》
1 各所属から直接市民に対し迅速に回答すること
2 市民の声を施策や事業に反映すること
3 市民の声を広く市民と情報共有すること
1 目的
このガイドラインは、全庁的に寄せられる市民の声に対し適切に対応するために、その取扱いを標準化し、市民への説明責任を果たすとともに、施策・事業への一層の反映を図るという職員一人ひとりの広聴マインドを醸成し、もって市民の市政に対する理解と信頼の確保を図ることを目的とする。
《広聴マインドについて》
「mind」を辞書で引くと、「心」「精神」「~の言うことをきく」といった訳語が出てきます。一方、広聴の「聴」の文字にも、「心」の文字が含まれています。
「広聴マインド」という場合、そこには心の働きがなければなりません。市民と協働した市民本位の市政を実現するという心の働きが必要不可欠なのです。この心の働きがあってはじめて、申出内容を的確に聴き取り、申出人の立場を斟酌し、なぜそのような申出をされるに至ったのかを理解し、事業の改善等につなげていくといったことが可能となります。そして、このプロセスを正確に機能させるためには、誠実に市民と向き合うことが欠かせません。
日常の業務と市民の日常生活との間の「ギャップ」を埋め、市民の市政への信頼を得るために、職員一人ひとりが広聴マインドをもって業務にあたりましょう。
2 各所属広聴広報委員及び広聴広報幹事の責務
ア 市民の声への所属としての適切な対応
イ 所属内の職員に対する、本ガイドラインの周知・徹底や研修などによる広聴マインドの醸成
ウ 市民の声の施策反映
エ 市民との情報共有(「市民の声の見える化」登録)
(注)広聴広報委員及び、広聴広報幹事は、「広聴広報事務取扱規程」第2条に定めるものをいう。
(注1) 広聴広報委員
局部等の総務担当部長(総務担当部以外の部において、広聴広報事務を分掌する局部等にあっては、当該部の長)及び副 区長並びに市長の指名する職にあるもの
(注2) 広聴広報幹事
局部等の総務担当課長(総務担当課以外の課において、広聴広報事務を分掌する局部等においては、当該課の長) 及び市長の指名する職にあるもの
3 各担当の責務
(1)受付部署
受付部署は、市民との窓口であることを自覚し、常に市民の立場にたって誠実な対応を心がけるとともに、申出人に回答するため責任を持って、その申出内容に関する所管部署を特定し、伝達を行わなければならない。
(2)受付所属広聴担当部署
受付所属広聴担当部署においては、受付所属広聴担当部署及び広聴担当以外の部署が受け付けた市民の声を、申出人に回答するため責任を持って、その申出内容に関する所管部署を特定し、伝達を行わなければならない。
(3)申出内容の所管所属広聴担当部署
申出内容の所管所属広聴担当部署においては、市民の声の的確な処理に向けた以下のような取り組みを行い、申出人に回答並びに市民の声のホームページ公表(市民の声の見える化)まで責任を持ってその進捗管理に努めなければならない。
・市民の声に対する回答作成部署の決定及び適切な助言、指導
・回答期限の遵守など的確な進捗管理
・回答内容のチェック及び申出人への回答送付
・「市民の声の見える化」登録
(4)申出内容の所管部署
(5)広聴統括部署
≪各担当の責務でのチェックポイント≫
担うべき責務を認識すること(・自らの責務を認識できているか)
4 迅速に回答するために ~回答は各所属から直接に~
(1)受付
ア 市民の声の受付
市民の声は、各区役所・局・室で申出人の主訴を的確に把握し、受け付けることを基本とする。
また、受付日は、原則として本市へ申出が到達した日とする。
・来訪または電話で寄せられた場合
⇒本市へ申出があった日を受付日とする。
・投書・窓口で文書により寄せられた場合
⇒本市へ申出が到達した日を受付日とする。
・インターネット・ファクシミリで寄せられた場合
⇒受信日を受付日とする。
イ 市民の声の処理
受け付けた市民の声は「市民の声データベースシステム」(以下「データベース」という。)を用いて処理するものとする。データベースへの入力は受付日の翌開庁日までに行わなければならない。
ウ 市民の声として取り扱う場合
「市民の声」とは、次に掲げるものとする。
・各所属へ市民から寄せられる本市行政に関する意見・提案、要望、苦情、相談・問合せなど
・申出人への回答を要するもので、所属長等決裁を要すると判断されるもの
・申出人への回答は不要であるが、所属長等までの供覧が必要と判断されるもの
※申出内容が、区政・市政に関するものでなくても、市民への説明責任を果たす観点から、区政・市政にある程度の関連がある場合や、今後、区政・市政として扱われる見込みのある場合等は、市民の声で積極的に対応すること。
ただし、次に掲げるものは「市民の声」として取り扱わない。
1 各事業の簡易な問合せや市に寄せられる情報提供・通報、各所属所管部署で完結するもの
・催し物の開催日時や場所などの問合せ
・証明書の発行や各種届出等の手続きの説明など
※最小限の決裁等の事務処理により速やかに回答等の対応を行うとともに、回答の送付においても一括する等、事務処理の軽減を図る。
2 申出人と本市との間で係争中のものや同案件について判決のあったもの
3 市長や所属長の個人的な意見・見解について聞きたい等、区政・市政に関する内容でないもの
4 独立行政法人、国または府・警察、公社・公団等の所管に関するものについては、移ちょうをするなど適切な処理を行う。
エ 情報提供として取り扱う場合
・申出内容が、各事業の簡易な問合せや各所属所管部署で完結するもの
・所属が特定できず、他所属に伝達する必要があるもの
市政に関するもので所属が特定できず、全所属あるいは全区役所などに伝達する必要があるもの
・市政外または関連団体の内容であるが、本市にも趣旨的にまったく関係なしとできないもの
・既にデータベース処理されている件について、再度、同一人から同一内容の申出があった場合
オ 他の制度による受付
団体からの申出(要望)については、「団体との協議等のもち方に関する指針」又は「要望等記録制度指針」、「要望等記録制度対応マニュアル」により対応する。
また、市民からの要望等であっても、要望等記録制度で対応することを要望者が強く希望した場合には、「要望等記録制度指針」、「要望等記録制度対応マニュアル」により対応する。
≪受付でのチェックポイント≫
開かれた窓口として以下の点に留意し誠実な初期対応を行うこと(・たらいまわしにしなかったか・市民の意見等の主訴を的確に把握しているか・すぐにデータベースに入力したか)
(2)伝達
ア 回答・供覧の区分
ただし、以下の場合は、参考として供覧を行う。
・申出人の連絡先が不明の場合
・「訴えること」自体を申出人が希望していると判断できるもの
※申出人への文書回答、もしくはメールでの回答は行わないが、申出人が後日、来訪や電話をされる可能性があり、受付部署で申出人に口頭説明する必要がある場合は、回答としての処理を行うこと。
※なお、回答を要しない場合においても、公表にあたり市民への説明責任を果たすために、原則、市の考え方の作成を行うこと。
イ 受付所属広聴担当部署からの伝達
申出人の主訴を的確に把握し、回答・供覧の別を判断し、受付日の2開庁日後までに申出内容の所管所属広聴担当部署または所管部署に対し伝達を行わなければならない。伝達を受けた所管所属広聴担当部署は、申出人の主訴を的確に把握し、伝達を受けた日の翌開庁日までに申出内容に関する所管部署に伝達を行わなければならない。
≪伝達でのチェックポイント≫
回答・供覧を適切に分別し、迅速に関連部署等に伝達すること(・期限内に迅速にかつ的確な部署に伝達したか)
(3)回答・供覧
ア 回答・供覧の取扱い
イ 回答・供覧期日
ただし、年末年始やゴールデンウィークなど、回答・供覧期日までの必要な開庁日数が確保できない場合には、8日間の開庁日の確保を限度として、回答・供覧期限を延長することができる。
ウ 所管部署における回答案作成
エ 申出内容の所管所属広聴担当部署における進捗管理責任
オ 回答が遅れる場合の処理
カ 所管部署における回答・供覧業務
あわせて、「市民の声の見える化」のために、申出内容並びに回答について公表用データの作成を行う。
キ 申出内容の所管所属広聴担当部署における回答・供覧業務(各広聴担当部署から回答の場合)
また、申出人への処理完了日に、処理完了登録を行わなければならない。
あわせて、所管部署から送付された公表用データが問題のない内容になっているかチェックし、公表に向けた「市民の声の見える化」登録を行う。
ク 所管所属における公表用データ作成期限
なお、回答が遅れる旨の中間回答を行った案件については、遅くとも申出人に回答を送付してから14日以内には作成を完了する。
ケ 受付所属広聴担当部署における業務
コ 広聴統括部署における業務
≪回答・供覧でのチェックポイント≫
迅速かつ誠実に、公表を含め市民に対して説明責任を果たすこと(・質問に答えているか・回答は形式的ではなく、納得のいくものとなっているか・調査し、市民の声が寄せられるに至った理由が解明されているか・期限内に市民に回答が返されているか)
回答は原則として文書回答とするが、申出人よりメールアドレスが記載されているものについては、メールにより回答する。ただし、メールにより回答する場合には「大阪市情報通信ネットワーク利用の手引」を遵守すること。
5 他の行政機関へ移ちょうする場合
・申出内容が本市所管外の事案については、関係する行政機関へ伝達する。(大阪市個人情報の保護に関する法律の施行等に関する条例の規定を遵守し、慎重に取扱うこと。)
・文書で寄せられた場合、原本は受付部署で保管し、関係する行政機関へは写しを添付して送付する。
6 市民の声を市政に反映するために ~市民の声を“かたち”に~
よって、個々の市民の声を体系的にとらえ、分析するなどにより、その結果を市民ニーズとして、次なる施策・事業に展開していかなければならない。
このような考え方に立ち、広聴統括部署は、寄せられた市民の声について各種統計、分析を行うことにより、市民ニーズをより的確に把握し、施策・事業への反映に向けた取り組みを行うこととする。
各所属は、寄せられた市民の声を集約し、各施策に応じて体系的に分析することにより、寄せられた市民の声の趣旨を踏まえ、各種施策の立案及び事務事業の運営方法の改善等に最大限に活用・反映することとする。
≪市民の声を市政に反映する上でのチェックポイント≫
市民ニーズを施策・事業に反映すること(・市民の声の分析などの資料に基づいて課内等で議論したか・施策・事業への反映を行ったか)
7 市民と情報を共有するために ~市民とともに~
寄せられた市民の声の要旨とそれに対する本市の考え方を、広く市民と情報共有することにより、本市の考え方について理解を深めていただくことができるとともに、より高度な意見を喚起することができるなどの効果も期待される。さらに、市民への説明責任を果たす一助ともなり得る。
このような考え方に立ち、広聴統括部署は、寄せられた市民の声のご意見等の要旨とそれに対する本市の考え方を、定期的に市ホームページに公表することとする。
なお、公表にあたっては、次に該当するものについては掲載しないものとする。(詳細は、「市民の声の見える化 取扱い要領」を参照のこと)
1 市民の声の内容から、個人が類推・特定されるおそれがあり、公表することが適当でないと判断されるもの。
2 市民の声の意見・回答内容を公表することが適当でないと判断されるもの。
例
・専ら第三者を誹謗・中傷・差別する内容であるもの
・専ら社会的差別を助長するおそれがあると認められる内容であるもの
・専ら営利を目的とした内容であるもの
・専ら公序良俗に反する内容であるもの など
※上記の例に該当しても、公表用データの該当部を省略することが可能な場合は、公表を行うこと
3 継続案件(同一の方からほぼ同一の、あるいは関連した申出内容を継続してやり取りされているもの)等、公表内容が本市の考え方等について十分に理解を深めていただけるものになっているか等の観点から、回答時点では公表することが適当でないと判断されるもの。
ただし、継続案件についても、最終的に完結した場合は、公表を保留していた申出内容を公表用データに追記する等の方法により、公表を行わなくてはならない。
4 申出者が公表を希望しないもの
5 個人情報や法人等情報を削除することにより、申出内容が意味不明になるもの
6 趣旨が不明確、または趣旨が個別の事情に限定されるものであり、不特定多数の市民に波及もしくは該当しないもの
7 過去の申出内容の要旨及び回答を併記しなければ、当該案件の要旨及び回答内容が当該申出人にしか理解できないもの
≪市民と情報を共有する上でのチェックポイント≫
広く市民との情報の共有化を図ること(・タイムリーな公表となっているか・公表内容は十分か)
8 個人情報の保護
≪個人情報の保護のチェックポイント≫
大阪市個人情報の保護に関する法律の施行等に関する条例の規定を遵守すること(・データベース上の個人情報を適切に削除したか・公表用データから個人情報を適切に削除したか)
参考資料
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