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平成31年度(2019年度)市政運営の基本方針

2019年2月14日

ページ番号:461610

平成30年9月に決定した「平成31年度 市政運営の基本的な考え方」に基づき進められた平成31年度(2019年度)予算編成作業等での様々な議論を踏まえ、「平成31年度(2019年度)市政運営の基本方針」を策定しました。

(目次)

 

1 本市を取り巻く状況

2 基本認識、めざす姿、これまでの取組み

3 具体的な取組み

(1)豊かな大阪をめざした政策推進

  a 市民サービスの拡充

   ア 子育て・教育環境の充実

   イ 暮らしを守る福祉等の向上

   ウ 各区の特色ある施策の展開

  b 府市一体となった成長の実現

   ア 大阪の成長戦略の実行

   イ 都市インフラの充実

   ウ 防災力の強化

   エ 成長産業の育成


(2)新たな価値を生み出す市政改革

  a 質の高い行財政運営の推進

  b ICTの徹底活用

  c 官民連携の推進

  d ニア・イズ・ベターのさらなる徹底

  e 府市連携・一元化の推進

 
(3)新たな自治の仕組みの構築

  a 副首都・大阪の確立に向けた取組みの推進

  b 地方分権改革の推進


4 平成31年度(2019年度)予算編成

1 本市を取り巻く状況

[人口減少時代の到来]

  • 人口減少時代に突入したことを受け、国においては、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を策定し、将来にわたって「活力ある日本社会」を維持することを将来の方向性としている。本市においても、近年増加傾向にあった人口は今後減少に転じ、人口減少・高齢化の進展が見込まれており、「経済」「市民生活、医療・福祉」「まちづくり」の各分野に影響を与えることが懸念されている。

[現役世代の負担増]

  • 人口減少・高齢化が進展すると、本市では、1990年に現役世代(15~64歳)6.2人で高齢者(65歳以上)1人を支えていたものが、2018年には2.5人で1人となっており、さらに2040年には1.7人で1人を支えなければならないと推計され、今後、現役世代の負担はさらに大きくなる。
  • あわせて、近年の大阪経済は全体として緩やかな拡大基調にあるが、長期的にみると、産業構造の転換の遅れや企業の流出等により、大阪の全国シェアの長期低落傾向が続くとともに、世帯所得についても、依然として低所得者層が多い状況となっている。
  • また、わが国の子どもの貧困率は長期的な傾向として緩やかに上昇し、2015年には13.9%と高い水準にある。国の定める基準による貧困率は、小5・中2のいる世帯において、大阪府全体では14.9%となるなか、本市では15.2%となっており、概ね6人に1人が相対的貧困に陥っている。

[地域コミュニティの機能低下]

  • 地域においては、少人数世帯・高齢単身世帯の増加やマンションなどの共同住宅の増加といった、地域コミュニティを取り巻く社会環境の変化、また、個人の生活様式や価値観も多様化するなど人と人とのつながりの希薄化がみられ、これまで地域で担ってきた自助・共助の機能が低下する一方で、地域課題はより一層複雑・多様化している。

[厳しい財政状況]

  • 本市財政は、人件費や投資的・臨時的経費の抑制を図ってきているものの、最も税収の多かった平成8年度決算と比較すると、税収が1割以上減少する一方で、生活保護費等の扶助費は約2.5倍、市債の償還のための公債費は約2倍に増嵩するなど、義務的な経費が高い伸びを示している。今後の財政収支概算(2019年度~2028年度)では、期間半ばに通常収支不足が一旦解消する見込みであるものの、万博関連経費の増に加え、高齢化の進展等に伴う扶助費の増や、投資的事業の財源として発行する起債償還の増等により、期間後半からは再び収支が悪化する見込みであることから、依然として厳格な財政運営が求められている。

(本市を取り巻く状況に関するデータについては参考資料参照)

 

2 基本認識、めざす姿、これまでの取組み

[基本認識]

  • 本市を取り巻く厳しい状況を克服し、将来にわたり、豊かな大阪を実現するため、これまでの改革の成果を活かし、新たな価値を生み出す改革に取り組むとともに、都市の成長を実現することで、財源を生み出し、市民サービスを拡充しなければならない。
  • なかでも、将来のまちを担う子どもたちに対し、家庭の経済状況に関わらず、まちを支え、しっかりと生き抜く力を身に着けてもらうための支援を行う必要がある。
  • あわせて、現役世代が子どもを安全で安心な環境の中で育てることができるよう、切れ目なく支援することで、現役世代の活力を生み出し、その活力を高齢者にも還元する流れを作るとともに、真に支援を必要とする高齢者等には徹底して支援を行う必要がある。
  • また、成長を通じて、市民の安全・安心を守る取組みを充実すると同時に、都市インフラの充実や防災力の向上など、未来への投資を行い、それをまた成長につなげなくてはならない。
  • さらに、地域課題に関わる様々な活動主体の自律的な取組みを支援し、市民生活の安全・安心を支える地域コミュニティを活性化させ、自助・共助の力を取り戻さなければならない。

[めざす姿]

  • 将来も活気があり続けるために、誰もが安心して暮らすことができ、なかでも子どもたちの教育環境や子育てしやすい環境を整備し、すべての子どもが等しく教育・医療が受けられる「子どもの教育・医療 無償都市大阪」をめざす。
  • 大阪・関西が持つ強みに磨きをかけて、高い付加価値や技術革新を生み出すとともに、緊密なアジアの成長力を取り込み成長する都市を実現することにより、国内外からヒト・モノ・カネ・情報が集まる魅力があふれ、世界で存在感を発揮する東西二極の一極として、副首都にふさわしい大阪をめざす。
  • 地域において、多様な活動主体が「自らの地域のことは自らの地域が決める」という意識のもと、相互に理解し信頼し合いながら協働して豊かなコミュニティが形成されること、さらにこれらの活動主体と行政とが協働して「公共」を担う、活力ある地域社会の実現をめざす。

[これまでの取組み]

  • 子どもの教育を未来への投資と捉え、4歳児からの幼児教育の無償化を国に先駆け実施し、すべての子どもが等しく教育を受けられる環境づくりを進めた。あわせて、こども医療費助成の拡充に向けた取組みや、子どもの生活に関する実態調査を実施するとともに、子どもの貧困対策を推進した。
  • 現役世代への重点投資として、待機児童対策をはじめ、英語教育の充実、中学校給食やICT機器による授業、塾代助成といったこども・教育施策に重点を置くとともに、市民の暮らしを守るために、高齢者施策の充実や若者・女性が活躍できる環境整備を行うなど、政策転換を進めてきた。
  • 大阪城公園や天王寺公園など重点エリアにおける都市魅力の向上のほか、地震・津波等にかかる防災・減災対策の推進、観光を大阪の新たな基幹産業とする取組みなど、大阪の成長に向けた取組みを展開した。
  • 特区制度を活用したビジネス環境の整備や、民間の柔軟かつ優れたアイデアを活用した公園施設の一体的な管理・運営手法の導入、地下鉄・バス事業の民営化、幼稚園・保育所の民営化など、民間の力をより一層活用するための取組みを進めた。
  • 多様な活動主体が参加して地域課題に取り組む地域活動協議会の組織運営や財政的な支援など、地域住民による自律的な地域運営の実現に向けた取組みを積極的に支援してきた。
  • 市民に身近なところで自律的な基礎自治行政を行うため、区長に対し権限と財源の大幅な移譲を行い、区の特性を活かしたまちづくりを進めてきた。
  • 市政改革において、スリムで確固たる行財政基盤の構築に向けた施策・事業の見直しを実行し、生み出した効果を政策推進に活用してきた。

3 具体的な取組み

[取組みを進めるにあたって]

 現在の市政運営は、これまでの取組みを継続するだけでなく、この間できなかったこと、修正すべきことを含めて取り組んでいく新たなステージに入った。

 そうしたなか、「大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び「市政改革プラン2.0」を取りまとめ、政策推進と市政改革において、今後取り組んでいく方向性を明らかにし、着実に取組みを推進してきた。

 平成31年度(2019年度)は、引き続き、市民サービスの拡充や大阪の成長のための政策推進と、新たな価値を生み出す市政改革について、着実に取り組むことで、その成果をより一層市民に行きわたらせる。

 また、政策の推進にあたっては、持続可能な開発目標(SDGs)の要素を最大限反映し、SDGs達成に向けた取組みを促進していく。

 さらに、市民サービスの拡充、大阪の成長、財政基盤の安定を未来においても確かなものとし、都市機能の充実や、それを支える制度づくりに向け、「副首都ビジョン」による取組みを進め、副首都・大阪の確立をめざす。

(1)豊かな大阪をめざした政策推進

a 市民サービスの拡充

ア 子育て・教育環境の充実
  • すべての子どもが等しく教育及び医療を受けられるまちをめざし、国に先行して3歳児からの幼児教育の無償化に取り組むとともに、幼児教育の質の向上を図るほか、18歳までの医療費の無償化を実施する。
  • 安心して子育てや働くことができるよう、妊娠から子育てまでの切れ目のない相談・支援や待機児童解消特別チームで取りまとめた保育を必要とする児童数を上回る保育所入所枠の確保、病児・病後児の保育、妊婦健康診査公費負担額の拡充等を推進する。
  • 子どもの確かな成長をめざして、全国学力・学習状況調査等も踏まえ、学力向上を図るとともに、ICTの活用や英語教育の充実、おいしい給食の実現をめざした中学校給食の改善など教育環境の整備を進める。また、学校現場の負担軽減や塾代助成など課外学習支援にも取り組む。
  • 子どもの成長を社会全体で支えるため、NPOや市民・地域団体など多様な主体と連携するとともに、子どもの安心・安全を守れるよう、子どもの貧困対策の推進や、専門性の向上・環境整備など児童虐待防止体制のより一層の強化を行う。
イ 暮らしを守る福祉等の向上
  • 市民の暮らしを守り、住民福祉のさらなる向上に注力するため、特別養護老人ホームの入所枠拡大や認知症対策など、待機高齢者対策や独り暮らし高齢者支援をはじめ、真に支援が必要な方にしっかりとサービスが届くよう取り組む。
  • 元気な高齢者がこれからも元気で居ていただくため、地域でのつながりの拡大や健康寿命の延伸などを図る。
  • 大阪を支える人材力の強化に向け、就業支援を通じた自立支援や、安心して暮らせるセーフティネットの構築、さらなる女性の活躍の促進など、若者、子育て世代、女性、高齢者、障がいのある方など、意欲のあるすべての人が能力を発揮できる環境を整備する。
  • 地域や府警とも連携しながら、地域の状況を踏まえた防犯対策に引き続き取り組み、街頭犯罪の発生件数等の減少をめざす。また、地域に影響を及ぼす空家等に対し、総合的な対策を推進する。
ウ 各区の特色ある施策の展開
  • 市民ニーズにきめ細かく応えるよう、市民にもっとも身近な区政については、ニア・イズ・ベターを徹底し、区長の責任と権限のもと、地域の実情に即した特色ある施策を展開する。
  • 多くの行政課題を抱える西成区の現状を打ち破るための「西成特区構想」について、これまでの実績を踏まえた構想の取組みを進めるとともに、引き続き、府や府警とも連携し、あいりん地域を中心とする環境整備の取組みを推進する。

b 府市一体となった成長の実現

ア 大阪の成長戦略の実行
  • 大阪・関西の経済発展に大きな効果が得られ、大阪の魅力を全世界に発信できる絶好の機会である「2025年日本国際博覧会」の成功に向けて、実施主体となる(一社)2025年日本国際博覧会協会と連携して開催準備を進める。
  • 新たな国際観光拠点をめざす夢洲で、世界最高水準の成長型IR(統合型リゾート)の誘致をあわせて実現することにより、「2025年日本国際博覧会」との相乗効果を発揮させ、大阪の成長の起爆剤とする。
  • 世界に対し「大阪」を強くアピールできる絶好の機会であり、今後の大阪の都市格の向上に向け大きな意義を持つG20サミットの開催が成功するよう本市の取組みを推進する。
  • 「大阪の成長戦略」の成長目標を達成するため、国家戦略特区など国の政策と連動しながら、地方税ゼロの延長を始めとした海外との競争に向けた環境整備や産業の育成を進めるほか、御堂筋の空間再編を通じて都心の活性化等につなげていくとともに、大阪の都市魅力創造のため、観光・都市魅力、文化、スポーツ、国際化の各分野の取組みを推進する。
  • 適法民泊への積極的な誘導や、違法民泊の取り締まりの強化により、市民の快適な生活環境及び宿泊客の安全・安心を確保するとともに、国内外から大阪を訪れる観光客と市民との交流を促進し、さらなる都市魅力の向上を図る。
  • 成長戦略を迅速に実行するため、「副首都ビジョン」を踏まえ、府市一体となった取組みを進める。
イ 都市インフラの充実
  • これまで以上に国内外の活力を取り込みながら、関西経済をけん引できるよう、広域的な観点に立ち、うめきた2期区域のまちづくりをはじめ、リニア中央新幹線や北陸新幹線の大阪までの開業、なにわ筋線の実現、淀川左岸線延伸部の整備など、都市インフラの整備を着実に進める。
ウ 防災力の強化
  • 南海トラフ巨大地震をはじめとした大規模災害に備え、首都機能のバックアップも見据えつつ、災害救助物資の備蓄を拡充するとともに防潮堤の整備を確実に推進するほか、地下空間の防災・減災対策を進めるなど、ソフト・ハード両面を組み合わせた防災力の強化を図る。
  • 特に近年の大型台風や大規模地震などを教訓として、地域防災計画や各種マニュアルを検証するとともに、訓練の充実により市民・職員の災害対応能力の強化を図るほか、SNSの活用等による効果的な情報発信や情報収集の仕組みを構築する。
エ 成長産業の育成
  • 大阪経済の成長を加速化させるため、MICE誘致や新たな観光拠点形成などによる観光の基幹産業化をはじめ、先端技術の社会実装の推進を含めたイノベーションを生み出すビジネス環境づくりや生産性の向上に取り組むとともに、環境・新エネルギーや健康・医療関連産業などの成長分野の強化や果敢に挑戦する中小企業への支援等を進める。

(2)新たな価値を生み出す市政改革

a 質の高い行財政運営の推進

  • 「市政改革プラン2.0」(中間見直し版)に基づき、市民・利用者の視点に立ったサービスの向上、効率的な行財政運営に向けた歳出の削減及び歳入の確保や、公共施設の総合的かつ計画的な維持管理等に取り組み、より一層、質の高い行財政運営をめざす。
  • 職員が持つ能力を十分に引出し、高い士気を持って業務を執行できるよう人材育成の強化を図るとともに、職場力(チームワーク)を発揮できる職場環境づくりを推進し、あわせて、PDCAサイクルの徹底など、改革推進体制の強化を図る。

b ICTの徹底活用

  • 最小の投資で最大の効果を得るために、ICTでできることはICTでやることを基本方針として、AIの活用、行政手続きオンライン化の推進、データの利活用など、ICTの徹底活用を通じて市民サービスの向上やビジネスの活性化、行政運営の効率化を図っていく。

c 官民連携の推進

  • 水道事業や下水道事業をはじめとした官が担っている事業を民間が担うことにより、コスト削減とサービス向上が期待できるものは積極的に民間活力の活用を推進する。また、公共施設の整備等にあたっては、PPP/PFI手法の活用などを促進する。

d ニア・イズ・ベターのさらなる徹底

  • 「市政改革プラン2.0(区政編)」に基づき、地域社会における住民自治の拡充をめざして、地域コミュニティの活性化や地域の課題解決に向けた活動の活性化を促進し、また、地域活動協議会等による多様な協働を推進するとともに、多様な市民活動への支援メニューの充実を図る。
  • 区長の権限・責任の拡充と区民参画のさらなる推進を図るため、区長権限の明確化や区間連携の促進に取り組むとともに、区民が区政運営に参加・参画する仕組みの充実を図り、また、区民サービスの向上と効率的な区行政の運営に取り組む。

e 府市連携・一元化の推進

  • 副首都にふさわしい都市機能の充実に向け、府及び市の広域行政並びに類似する施設・施策、事務事業などについて、府市連携・一元化の取組みを推進する。

(3)新たな自治の仕組みの構築

a 副首都・大阪の確立に向けた取組みの推進

  • 副首都・大阪にふさわしい大都市制度としての総合区制度及び特別区制度について、市会、大都市制度(特別区設置)協議会での議論を踏まえ、「副首都ビジョン」に沿って副首都・大阪を確立するため必要な制度面の取組みを進める。

b 地方分権改革の推進

  • 関西広域連合の一員として、国の出先機関を関西広域連合へ「丸ごと」移管するよう国に求める。
  • また、補完性の原則に基づく事務・権限、財源の国から地方への移譲の徹底を国に求め、地方分権型道州制の実現をめざす。

4 平成31年度(2019年度)予算編成

 厳しい財政状況のなか、市民の安全・安心を支える安定した財政基盤の構築に向け、市民感覚を持って行財政改革を徹底的に行い、補てん財源に依存することなく収入の範囲内で予算を組むことを原則とするなど、将来世代に負担を先送りすることのないよう財政健全化への取組みを進めるとともに、限られた財源のもとでの一層の選択と集中を全市的に進める。

  • 予算編成を通じ、引き続き行財政改革を進めるとともに、府・市間の取組の推進にあたっては、住民の視点等を踏まえ、府・市の役割分担に応じた負担となるよう取り組む。
  • 特別会計繰出金など、多額の一般財源を要する事項については、引き続き、精査する。
  • 区長・局長マネジメントのもと、PDCAサイクルを徹底し、歳出・歳入両面にわたって更なる自律的な改革に取り組む。
  • 自律した自治体型の区政運営の推進に向け、基礎自治行政に関しては、区長自らの努力で広告料収入などを確保する場合の財源も活用しながら、区長が区の特性や地域の実情に即した施策を展開・充実できるよう、その決定権に基づき、局予算も含め予算を編成する。
  • 公共事業については、より一層の選択と集中を進め、資産(投資)の組換えという手法も活用し、推進するとともに、その財源となる市債発行については、将来世代の負担を勘案し、必要最小限とするため厳しく精査する。
  • 財政運営の透明性や財政規律を一層確保する観点から、予算編成過程を公表するとともに、平成31年度(2019年度)当初予算の公表にあわせて今後の財政収支概算を改訂する。

 

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