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「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の解説及び審査の実例(2条)

2019年4月22日

ページ番号:437245

「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の解説及び審査の実例(2条)

解説及び審査の実例(第2条)

第1項の趣旨・解説

本条の趣旨

 ヘイトスピーチの定義については、表現活動の「目的」、「態様」及び「発信対象が不特定多数であるかどうか」の3つの観点からの要件を設けています。

 第1条に規定されている「市民等の人権擁護」という目的からすると、ヘイトスピーチの対象は人種、民族による属性に限定されるものではありませんが、条例制定当時、大阪市内で特定の人種、民族に対するヘイトスピーチが多く行われていた現実を踏まえ早急に具体的な方策を講じていくことが求められていたことから、対象を人種、民族に係るものに限定して制度を開始することとし、条例を制定しました。

 

第1号の趣旨

   第1号は、「目的」の観点からの要件として、特定人等について、「社会からの排除」、「権利又は自由の制限」、「憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること」のいずれかを目的として行われることを定めたものです。

 目的としての「社会からの排除」や「権利又は自由の制限」は個人の尊厳を害するものであることは明らかですが、「憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること」については、憲法が保障する表現の自由を考慮し、その目的が「明らかに認められるもの」に限り、ヘイトスピーチに該当することとしています。

第1号の解説
 人種又は民族に係る特定の属性を有する個人に向けられた表現活動だけではなく、一定の集団に属する者全体に向けられた表現活動についても、名誉毀損などの特定人等の具体的な損害が認められるか否かを問わず、ヘイトスピーチの概念に含めています。
第2号の趣旨

  第2号は、「態様」の観点からの要件として、「特定人等を相当程度侮蔑し又は誹謗中傷するもの」又は「特定人等(当該特定人等が集団であるときは、当該集団に属する個人の相当数)に脅威を感じさせるもの」を定めたものです。

第2号の解説

   「相当程度」という要件を設けたのは、 憲法が保障する表現の自由を考慮し、短絡的な解釈・運用を避け、単なる批判や非難は対象外とする趣旨ですが、「相当程度」の判断に当たっては、個々の事例ごとに一般的な社会通念などに従って、客観的に判断することになります。

第3号の趣旨

   第3号は表現活動の「発信対象が不特定多数であるかどうか」すなわち当該表現活動の受け手の観点からの要件として、「不特定多数の者が表現の内容を知り得る状態に置くような場所又は方法で行われるもの」を定めたものです。

第3号の解説

  例えば、仲間うちでの悪口程度の会話や、会員のみが参加できる集会での発言など、特定の者だけが受け手になるようなものは基本的には対象とはならず、一般公衆が受動的に表現内容を知り得る状態にあるかが判断の基本となりますが、具体的には個々の事例ごとに判断していくこととなります。

第1項の審査の実例

※個別具体の案件に対する審査の実例であり、類似した案件であっても、その表現活動全体の特徴によっては、過去の実例とは異なる判断がなされる場合も考えられますので、予めお含みおきください。

実例(具体例)

条例第2条第1項第1号に該当する表現活動

・「不逞犯罪ゴキブリくそ〇〇、日本からたたき出せ」等の表現を繰り返した表現活動

・「侵略中のほぼ敵国なのに排斥されないほうがオカシイ」「△△人が不要か必要か国民投票で決めようか」等の表現をインターネット上に掲載している表現活動

※〇〇は、特定の人種・民族の蔑称

※△△は、特定の人種・民族の名称

条例第2条第1項第2号に該当する表現活動

・「殺せ、殺せ、△△人」等の表現を繰り返した表現活動

・「調子に乗るんじゃねえよ!腐れ〇〇が!!ヘイトされるには、ヘイトされる理由があるんだよ!日本国内での腐れ〇〇の犯罪数を見てみろ!!!おのれら腐れ〇〇がいなかったら 日本は100倍平和なんだよ!!さっさと地球上から消えろ!!腐れ〇〇が!!!!!」等の表現をインターネット上に掲載している表現活動

※〇〇は、特定の人種・民族の蔑称

※△△は、特定の人種・民族の名称

条例第2条第1項第3号に該当する表現活動

インターネットを通じて、不特定多数の者が閲覧・視聴できる状態においていた表現活動

第2項の趣旨・解説

趣旨

 条例における「表現活動」には、他の表現活動の内容を拡散する活動を含むものであることを定めたものです。

解説

  近年の情報通信手段の発展に伴い、表現活動は多様化しており、直接受け手に訴える手法だけでなく他の表現内容を拡散する手法が採られることも考えられます。表現活動には、公共の場所での演説、インターネットのウェブサイトへの書き込みや動画の掲載といったことのほか、他人の演説や示威運動などの動画をDVDなどに記録し頒布したり、インターネットのウェブサイトに掲載するといった他の表現活動の内容をさらに拡散する活動も含まれます。

第3項及び第4項の趣旨・解説

趣旨

 第3項では、条例における「市民」の範囲を、第4項では「市民等」の範囲を定めたものです。

解説

  条例における「市民等」については、条例の目的である人権の擁護の対象となるほか、条例第5条の規定による「拡散防止の措置及び認識等の公表」という本市による措置を受ける対象となるものであることから、本市の区域内に居住する者又は本市の区域内に通勤し若しくは通学する者である「市民」と、ヘイトスピーチにおける表現内容の対象となり得る「人種若しくは民族に係る特定の属性を有する市民により構成される団体」としています。

 「居住する者」は、必ずしも住所を有する者に限定せず、居所を有している者も含むものです。また、「通勤する者」とは、本市の区域内で事業を営む者も含みます。

 「団体」とは、単なる集団ではなく一定の目的によって結集した人の集合体であって、代表者や意思決定の仕組みの定めがあるなど一定の組織化が図られたものをいい、法人格を持たないものも含みます。

 「市民等」は条例第5条の規定による「拡散防止の措置及び認識等の公表」という本市による措置を受ける対象となるものであり、個人でない場合の「市民等」については、一定の組織化が図られたものであることが求められることから、「集団」ではなく「団体」であることを要件としているものです。

 

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