平成19年度における職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例の運用状況について
2023年7月31日
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平成19年度における職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例(平成18年大阪市条例第16号)の運用状況について、同条例第31条の規定に基づき次のとおり公表する。
平成20年5月23日
大阪市長 平松 邦夫
1 公益通報制度
(1)受付件数
771件(うち顕名による通報185件)
(2)受付状況
区分 | 内部通報窓口 | 外部通報窓口 | 合計 |
---|---|---|---|
面会 | 72 | - | 72 |
電話 | 166 | - | 166 |
郵便 | 117 | 23 | 140 |
ファクシミリ | 54 | 25 | 79 |
ホームページ・メール | 253 | 61 | 314 |
合計 | 662 | 109 | 771 |
※内部通報窓口は、総務局法務監察室及び各所属コンプライアンス所管担当である。
(3)処理状況
ア 調査等に基づき、大阪市公正職務審査委員会から是正措置等を勧告したもの(第9条関係) 12件
イ 調査を契機に直ちに是正措置等がなされたもの 20件
ウ 調査等を実施したが、勧告を必要とするまでには至らなかったもの(事実がなかったものや、証拠収集の限界を主な理由として事実確認が不可能と判断したものを含む) 241件
エ 正式調査の必要性が認められなかったもの 298件
オ 平成20年度に継続するもの 483件
※イ~エのうち、委員会の付言として特に意見を述べたものが177件ある。
(4)所属別被通報件数
所属 | 内部通報窓口 | 外部通報窓口 | 合計 |
---|---|---|---|
環境局 | 122 | 16 | 138 |
教育委員会事務局 | 98 | 18 | 116 |
交通局 | 105 | 1 | 106 |
総務局 | 40 | 15 | 55 |
建設局 | 37 | 10 | 47 |
健康福祉局 | 37 | 9 | 46 |
水道局 | 28 | 4 | 32 |
消防局 | 23 | 1 | 24 |
ゆとりとみどり振興局 | 17 | 2 | 19 |
市民局 | 15 | 2 | 17 |
その他の局 | 71 | 16 | 87 |
区役所 | 72 | 9 | 81 |
分類できないもの | 33 | 8 | 41 |
合計 | 698 | 111 | 809 |
※1件の通報で複数所属に関係するものがあるため、受付件数711件とは一致しない。
(5)勧告の概要
ア 校庭開放事業実施要綱に一部住民の排除規定が存する不適正があった件(平成19年4月9日)
大阪市においては、市立学校等の体育施設を地域に開放し、地域住民に継続的なスポーツの場や機会を提供する「校庭開放事業」を行っている。具体には、市立学校等ごとに地域団体等の代表者で構成する「運営委員会」に対し、事業委託を行う方法により実施している。
実施にあたっては、事業の目的、方針に従ってすべての住民が公平・平等に利用できるようにする必要があるが、市立喜連東小学校運営委員会において、平成18年度の運営規約を大阪市と協議を行うことなく、一部住民の排除する改正を行ったにもかかわらず、事業委託を継続したことは不適正であるため、規約改正もしくは委託先の変更等の具体的な措置を取るよう勧告した。
※その後、「運営委員会規約」の改正、学校体育施設開放事業業務についての業務委託契約の締結等、勧告の趣旨に沿った是正措置が取られたことを確認し、処理を終了した。
イ 職員の人事考課シートが所属で保管中に紛失した件(平成19年8月1日)
大阪市においては、職員の人材育成の一環として、係員レベルにおいても自己評価及び上司による面談を通じた人事考課を行い、面談実施に際しては「人事考課シート」(以下「シート」という。)を作成している。
適切な管理を怠ったために、シートを紛失し、さらにその事実に気づくことなく、本人や面談者に確認をせずに、「シートの提出がないもの」と思い込んだうえに、新たなシートを作成したことが確認できる。
これらの事実は、本人の開示請求、公益通報により判明したものであり、今般の公益通報等がなければ、事実が判明しなかった可能性がある。
シートの取扱いについては、人事考課制度の趣旨に照らして慎重を期すべきであるにもかかわらず、上記の取扱いは明らかに杜撰であるため、事務フローを再点検のうえ、シート管理等に厳正を期し再発防止に努めるよう勧告した。
※その後、要領に沿った書類管理の徹底の指示、フロー及び管理状況を把握するための帳票を作成し、それらに基づいた事務処理を進めること等、勧告の趣旨に沿った是正措置が取られたことを確認し、処理を終了した。
ウ 臨港地区市有地において転貸等の不適正事例が多数ある件(通報3件)(平成19年9月26日)
大阪市では、臨港地区における土地について、港湾法の趣旨に則った利用を行うことを前提として、民間事業者等に対して賃貸借契約による貸付を行っている。
土地を賃借している協同組合法人が、賃借権の譲渡の事実は確認できないものの、すべての賃貸地(3箇所)において、大阪市の承認を得ないまま、組合員に無断転貸を行い、金員のやりとりが行われていることが確認できる。
賃借権の譲渡、無断転貸等の不適正事例及びこれらにともなう金員のやりとりなどについては、事実関係について徹底的な調査を行うとともに、その対応については契約解除を含め迅速かつ毅然と行うよう勧告した。
また、賃貸地への日常的な巡視の強化、適正利用についての指導強化、不適正事例発見時の迅速な対応を強力に推し進めるよう意見を述べた。
エ 定時制高等学校教員の出勤管理等の勤怠管理に不適正があった件(通報2件)(平成19年9月26日)
都島第二工業及び第二工芸高等学校において、出勤簿等の勤怠関係書類の事務処理が必ずしも適正とはいえず、また勤務時間中にもかかわらず、職員の勤怠状況が把握されていないなど、適正な勤怠管理が行われていないとの疑義を招く状況にあると認定せざるを得ないため、勤怠管理を適正に行うとともに、関係書類の取扱いについても適正に行うよう勧告した。
※その後、勤怠状況の把握が適正に行われていること、勤怠関係書類の取扱いが適正化されていること等、勧告の趣旨に沿った是正措置が取られたことを確認し、処理を終了した。
オ 職員による市施設の占有黙認等の理解しがたい便宜供与及び環境事業センターにおける服務規律に徹底が欠ける件(平成19年12月8日)
環境局西部環境事業センターにおいて、所属職員の1名がサンドバッグ・バーベル等のトレーニング機器を持ち込み、事業施設の一部を排他的に占有、私物化し、勤務時間中に自由に使用しているにもかかわらず、環境局は施設管理権の行使等を行わず、そのような行為を黙認しているという状態が見られる。本件に関して、数次の立入調査を実施し、自浄能力による改善を期待したが、口頭での「改善実施」の言が繰り返されるばかりで改善が見られないため、速やかに施設管理権を行使し、不適正状態を是正するよう勧告した。
さらに、全11環境事業センターの多くにおいて、実働作業が伴わない時間中の待機態度について、服務規律の確保について疑念を持たざるを得ない状況にあることも確認されたため、休憩時間の厳守等の施設全般にわたる服務指導の徹底を勧告した。
カ 業界団体等が参加する遠隔地開催の発表会に市職員が多数参加している件(平成19年12月8日)
(社)日本水道協会が開催する水道学会(「水道研究発表会」)に、多数の水道局職員を参加させているにもかかわらず、水道局は参加させる職員の選定基準を策定せず、参加職員の発表会参加や他の発表の聴講等の動向管理も行っておらず、出張の効果が上がっているかどうかの検証についても不十分である状態が見られる。
また、発表会終了後には、参加職員と業者との飲食をともなう会合が行われているなど、本来の勤務場所を離れた上司の管理の行き届かない遠隔地において、業者と接触する機会があることは対外的な疑念を招きかねない。
そのため、来年以降も発表会への職員出張を継続するのであれば、必要性の精査はもとより、参加者の人数、動向管理、復命方法及び習得知識の職場への有効なフィードバックの方法等について、検討、改善を図るよう勧告した。
※その後、要綱等を制定することにより、論文選考基準の策定、選考機関の設置等を行うとともに、参加に必要な手続きを明確化したこと等、一定勧告の趣旨に沿った是正措置が取られたことを確認したうえで、下記のとおり意見を付して、処理を終了した。
1.学会での習得知識の職場への有効なフィードバック方法について、一層の検討を行われたい
2.平成20年度の学会参加結果を、参加者の復命書等を沿え、本委員会に報告されたい。
3.業者との疑義を招く接触の防止に努められたい。
4.出張先での無断職場離脱は服務違反であるばかりか、それ以後の旅費支給も問題であり、本事案の再考を含めた制度の見直しを研究されたい。
キ 区役所に不適正資金が存在していることが判明した件(通報に基づかない勧告)(平成20年2月4日)
東住吉区役所に不適正資金が存在していることが発見されたことに端を発し、全庁的に不適正資金調査を行ったが、不適正資金を金庫以外の場所に保管している可能性が否定できないことや、東住吉区役所だけが不適正資金が必要とされる特有の事情が認められないこと、選挙関係経費以外の経費や公金外現金から不適正資金が捻出される可能性を否定できないこと、等により、不適正資金についての一層の調査が必要と考えられる。このため、大阪市内部統制体制を活用して徹底的な実態解明、原因の特定、責任の所在を明らかにするとともに、大阪市における公会計システムのチェック体制を含めた有効な再発防止策を講じ、不断にその実効性を検証するよう勧告した。
※未解明のままの諸課題はあるものの、問題の範囲が相当程度明らかになっており、今後の対応については専門機関・組織を設置することなどにより解決を図るべきであると判断し、一旦終了することとした。
ク 市有地を当該地域の町会役員が私物化していた件(平成20年2月20日)
環境局所管の市有地を、地元町会の役員が私物化して排他的利用を行っている事実を把握しながら、必要な使用承認手続きを行わず、口頭による使用承認を行ったために、当然作成されるべき公文書が存在せず、意思形成過程及び責任の所在が不明となっていた。このため、速やかに必要な行政手続きをとり、適正な管理に戻すよう勧告した。また、各局が所管する土地の現況等について、日常的に知り得る立場にある区役所職員等から所管局に対して、その現況を報告するシステムを整備して、連携して対応するよう勧告した。
※その後、使用に関して必要な行政手続きが取られたこと、当該土地の日常的な管理状況の把握については区役所と連携して行うこと等、一定勧告の趣旨に沿った是正措置が取られたことを確認したうえで、下記のとおり意見を付して、処理を終了した。
1.許可証の記載事項を尊重し、逸脱した使用がなされることのないよう、日常的な管理状況の把握により一層努められたい。
2.許可事項に変更が生じた場合は定められた手続きを行うなど、法令を遵守されたい。
ケ 都市公園内のテニスコートが、地域の一部住民により排他的に利用されていた件(平成20年2月29日)
都市公園の一画に設置されたテニスコートについて、公園所管局から無償での使用承認を受けた区役所が、地元住民等で構成される運営委員会に管理委託していたところ、テニスコートの周囲がフェンスで囲まれ、施錠管理されたため、運営委員会に連なる一部の住民以外には非常に使いにくい外観となっていた。このため、少なくとも当該区の区民については平等に利用できる旨の看板を立てる等の措置をとり、利用機会の公平の趣旨が徹底されるよう具体的な方策を講じるよう勧告した。また、都市公園内のテニスコート整備にあたっては、整備基準を明確にし、他の地域においても地域住民の要望に対応できるよう手続きのマニュアル化に努めるよう勧告した。

(6)調査を契機に直ちに是正措置等がなされたもの
ア 諸手当の不正受給分を戻入しない市職員の存在についての指摘
イ 課税地と公図上の地番のねじれのため適正な徴税事務が滞っているとの指摘
ウ 職場内で決められた喫煙場所以外での喫煙行為があるとの指摘
エ 飲食店で副業を行っている市職員の存在についての指摘
オ 電子データ記録媒体の有料保管場所が過大に過ぎるとの指摘
カ 退職予定者が勤務時間中に再就職先への面接に行っているとの指摘
キ 保育所の職員給食が規定以上の分量であるとの指摘
ク 退勤時の職員証による打刻を他の職員に依頼しているとの指摘
ケ 所属と被災者の事実認定が異なるとして公務災害申請が行われないとの指摘
コ 公共交通機関による通勤届をしながら、自家用車で通勤しているとの指摘(通報2件)
サ 消防車両の過積載が常態化しているとの指摘
シ 労働安全衛生委員会での個人情報の取り扱いが不適正であるとの指摘
ス 労働安全衛生委員会が適正に開催されていないとの指摘
セ 勤務時間のあり方が不適正で、勝手に休憩をとっているとの指摘
ソ 債権者登録ができないと明示されていないのに、受付を行わないとの指摘
タ 入居申込資格の判定があまりに形式的で、不利益を受けているとの指摘
チ ある職員が、現場に単独で出張しており、職場離脱をしているとの指摘
ツ 恒常的に代決が行われており、適正な意思決定がなされていないとの指摘
テ 住民情報担当における手数料収入精算業務のあり方が非効率的であるとの指摘
2 不当要求行為
(1)報告件数
2件
(2)不当要求行為の概要
ア 水道料金の請求トラブルをきっかけにNPO法人活動への賛助金を要求してきた件
イ 消費者センターにおいて、市販されている商品により生じた損害として、当該販売会社に弁償させるよう、大阪市から指導するよう要求した件
3 公正職務審査委員会
(1)開催状況
42回(計138時間20分)
(2)審議状況の公表
平成19年12月12日に実施
(3)その他
平成20年2月20日、平成20年3月8日、平成20年3月14日、市長あてに「意見書」を提出
ア カードリーダー不正打刻問題の主体的調査の実行と、勤怠関係制度の悪用防止策の策定が必要とされる件(平成20年2月20日)
市長がカードリーダー不正打刻問題の全庁調査を指示したことにより、既に調査中であった通報の一部については、調査及び審議を終了し、市の主体的調査に委ねることとした。さらに現在の調査に加え、「自宅から直接の市内出張」、「市内出張先から自宅への直帰」、「打刻モレ」等の場合に、後刻事後的に出退勤時刻等のデータ入力を行った回数が一定回数以上にのぼる職員への個別事情聴取を行うこと、職員証の「執務中」携帯を「勤務日にあっては常時」携帯に改めることについて要望を行った。
イ 水道局において通報処理の遅れが目立つ件(平成20年3月8日)
水道局において、公益通報の調査等を行う際、他の所属に比較して通報処理において遅れが目立っているため、制度の趣旨等を汲み取り迅速に回答を行うこと、できるだけ詳細にかつ事実に基づいて記載すること、問題事項が発見された際には、できるだけ速やかに改善措置をとり、再発防止に努めることについて要望を行った。
ウ 不適正資金問題についての調査の件(その1)(平成20年3月8日)
全庁調査が行われているが、調査結果を集約するにあたっては、集約作業以後も、調査継続の必要性が認められる事項については調査を継続すること、公会計システム及びその運用上の問題が認められる場合は、不適正資金の捻出、費消を担当した職員の個人責任に矮小化することなく、業務の執行管理を含めた管理監督者の責任に焦点をあてるべきであること、特に財政・会計当局が連携して現場実態の詳細把握を行い、実効性のある再発防止策の構築に努めることについて要望を行った。
エ 不適正資金問題についての調査の件(その2)(平成20年3月14日)
責任問題や再発防止については別途の専門機関、組織を設置するなどして、市長の権限と責任において解決を図るべきであること、証憑類が現存しないことのみを理由として返還の対象期間が不当に狭められることは市民感情としては納得できないと考えること、返還額の決定については、市民感情等を考慮しながら、適正かつ合理的な取扱を検討すること、処分関係については、実際に捻出・費消・保管を担当した職員個人の責任に矮小化することなく、組織全体の責任を重く問うべきであること、再発防止策の策定については、オール市役所の体制で公会計システムの改革に早急に取り組み、順次速やかに実施すること、会計事務全般についてのコンプライアンス意識の確保、涵養に一層の努力を行うとともに、不適正な会計手続き防止のための具体的な方策を検討すること、各種団体に対する委託費について、会計処理及び支出使途が事業目的に合致しているかを含めて調査を実施し、その結果を公表されるよう努めることについて要望を行った。
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