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答申第174号

2024年3月22日

ページ番号:21269

【要旨】

  「大阪市教育委員会総務部における、1)交際費、使用料及び出張に関する復命書等を含む支出関係文書一切(1990年度~1991年度)2)交際費、食糧費、使用料及び出張に関する復命書等を含む支出関係文書一切(1995年度)<支出決議書、支出命令書、精算書、領収書、差引簿等>」他5件の情報公開請求があった。
  大阪市教育委員会(以下「実施機関」という。)は、請求の対象となった各文書について、特定の個人を識別することができる情報が記載され、あるいは、これらを公開すると、相手方に不快の念を抱かせ、市に対する相手方の信頼を損なうおそれがあり、会合への参加を拒否したり、率直な意見表明を控えたりする等事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、当初の決定において部分公開決定を行った。
  請求者は当該各決定を不服とし、当該非公開部分の公開を求めて異議申立てを行ったので、審査会に対して諮問があった。
なお、実施機関は、非公開とした部分のうち、食糧費に関する文書については「公務員以外の相手方の氏名及び肩書」を除く部分を公開し、また交際費に関する文書については「ご霊前等、お供え、お祝い及び見舞いの相手方」を除く部分を公開しており、異議申立人は、公開された部分について、異議申立てを取り下げている。
  審査会は審議の結果、実施機関が行った各決定により非公開とされたもののうち、公共性が高く、かつ独立行政法人が保有する情報の公開に関する法律の適用を受ける団体等であるものについては、その団体名につき公開すべきであるとの判断を示した。

【概要】

1 争点及びその決定の理由 

(1)争点:

   「公務員以外の相手方の氏名及び肩書」の条例第7条第1号該当性及び「ご霊前等、お供え、お祝い及び見舞いの相手方」の条例第7条第1号及び第5号該当性 

(2)理由:

  「公務員以外の相手方の氏名及び肩書」は、個人に関する情報であって、当該情報そのものにより、又は他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができるものであり、かつ、同号ただし書アからウまでのいずれにも該当しないため。(条例第7条第1号該当性)
  「ご霊前等、お供え、お祝い及び見舞いの相手方」は、これを公開することにより、相手方に不快、不信の念を抱かせ、あるいは市に対する相手方の信頼を損ねるおそれがあり、以後の事務事業の公正若しくは円滑な執行に支障が生じる可能性があると認められるため。(条例第7条第5号該当性)
  また、相手方が個人である場合は、特定の個人が識別され、又は識別され得るものであり、公表や披露されることがもともと予定されていないため。(条例第7条第1号該当性) 

2 審査会の判断 

1結論 

  実施機関が行った部分公開決定により非公開とされたもののうち、交際費の精算報告書に記載された団体へのお祝いの相手方に係る情報については、平成3年6月22日支払分の相手方の団体名を除き公開すべきである。
  実施機関のその余の判断は、妥当である。 

2理由要旨 

(1) 「公務員以外の相手方の氏名及び肩書」の条例第7条第1号該当性について

  上記情報について、当審査会が見分したところ、国及び地方公共団体の公務員以外の者の社会的活動に関わる情報であると認められ、会議の名称及びこれから推知される会議の目的、相手方出席者の所属団体等に照らすと、事務打合せ、非公式の協議や懇談に関する情報であり、法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務としてそのような会合に出席したとはいい難く、その他の者が権限に基づいて当該法人等のために契約の締結等をしたということもできないから、「個人に関する情報」であり、当該情報そのものにより特定の個人を識別できることは明らかであり、また、本件情報1のうち公務員以外の相手方の役職名についても、他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができると認められる。
  また、ただし書アからウまでのいずれにも該当しない。

(2) 「ご霊前等、お供え、お祝い及び見舞いの相手方」の条例第7条第1号及び第5号該当性について

ア   「ご霊前等並びに個人あてお祝い及び見舞いの相手方」に係る情報の条例第7条第1号該当性について
    ご霊前等は、個人である交際の相手方に対して弔意を表すためのものであり、また、個人あてお祝い及び見舞いについても、交際の相手方の慶事、病気といった私生活上の事実等に着目して支出されているものであることから、当該交際の相手方に係る情報は、第7条第1号本文に該当し、かつ本市が交際費として当該交際の相手方にご霊前等の経費の支出を行ったという事実が公表されているとは認められないため、同号ただし書アに該当せず、また、ただし書イ及びウにも該当しないことは明らかである。
  したがって、その余の点につき判断するまでもなく、これらを非公開

イ  「団体へのお祝いの相手方」に係る情報の条例第7条第5号該当性について

(ア)   当該交際は、相手方との信頼関係あるいは友好関係を形成するという交際事務であり、広い意味での市行政の円滑な運営を図ることを目的として行われていることから、教育委員会の交際事務に係る情報は、「本市の機関及び国等が行う事務又は事業に関する情報」に該当することは明らかである。

(イ) 一般に、交際費の支出の要否、内容等は、実施機関と相手方とのかかわり等を斟酌して個別に決定されるという性質を有するものであり、交際の相手方の公表や披露が当然予定されているような場合は格別、相手方を識別しうる情報を実施機関が一方的に公開することにより、相手方ごとの支出の有無及びその金額が明らかになれば、実施機関に対し不満や不快の念を抱く者が出ることが容易に予想される。そのような事態は、交際の相手方との間の信頼関係あるいは友好関係を損なうおそれがあり、交際それ自体の目的に反するばかりか、ひいては交際事務の目的が達成できなくなるおそれがある。
  団体へのお祝いについては、教育委員会としてこれを代表する者が、各種の会合や祝賀会等に出席する際に、会費相当額、所要経費相当額あるいは招待を受けた側としてふさわしい額を、お祝いとして支出されるものであるが、こういった会合等に出席するかどうかは、主催者等との関係、評価等を勘案して決定されているものであることが認められる。
  本件文書を当審査会が見分したところ、平成3年6月22日支払分の相手方以外の団体については、公共性の高い団体であり、かつ「独立行政法人が保有する情報の公開に関する法律」の適用を受ける団体であったり、団体自身の内部規程により情報公開の制度を定めている団体であるなど、情報公開に積極的な団体であることから、当該各団体名を公開しても今後の適正な事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとまでは認められず、条例第7条第5号に該当しない。一方、平成3年6月22日支払分の相手方の団体は、公共性の点で上述の団体と異なり、当該団体名の公表や披露が予定されているとは認められないので、当該団体名を実施機関が一方的に公開することにより、実施機関に対し不満や不快の念を抱く者が出ることが予想され、今後の交際事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、条例第7条第5号に該当する。

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