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答申第163~167号

2024年3月22日

ページ番号:21279

【要旨】

 「平成17年3月30日付けで超過勤務手当の不適切な請求に係る処分を受けた職員氏名、部署、処分内容、処分の基となった行為。」の情報公開請求があった。
 大阪市長等が請求の対象となった各文書に記載された情報のうち「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」、「所属コード」及び「氏名」を個人に関する情報であり、個人を識別することができる情報であるとして非公開とした部分公開決定について、請求者は当該決定を不服とし、当該部分の公開を求めて不服申立てを行ったので、審査会に対して諮問があった。
 審査会は審議の結果、大阪市長等が行った決定は妥当であるとの判断を示した。

【概要】

1 争点及びその決定の理由 

(1)争点:

 請求の対象となる各文書に記載されている「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」、「所属コード」及び「氏名」(以下「本件各情報」という。)の条例第7条第1号該当性 

(2)理由:

 個人に関する情報で、特定の個人が識別され、又は識別され得る情報であり、いずれの情報も、その内容、性質からして、同号ただし書ア及びイのいずれにも該当せず、かつ公務員が受ける勤務評定や懲戒処分等については、職務に関する情報ではあっても、「職務の遂行にかかる情報」には該当しないと認められることから、ただし書ウにも該当しないと認められるため。 

2 大阪市情報公開審査会の判断 

1結論 

 大阪市長等(以下「実施機関」という。)が行った部分公開決定は、妥当である。

2理由要旨 

(1) 公務員の「氏名」は行政事務に関する情報ではあるが、同時に当該公務員の私生活においても個人を識別する基本的な情報として一般に用いられていることから、仮に職務遂行に係るものであっても、「個人に関する情報」であるとともに、「氏名」はそれ自体により、処分を受けた職員を識別することができる情報であり同号本文に該当する。
 次に、「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」は、職員の所属部課名及びその役職名であり「個人に関する情報」であるものの、同一名称の役職にある者が複数名存在する場合、それ自体では直接的に処分を受けた者を特定するものではないが、今回の処分は、結果的に所属課のほぼ全職員が対象者となっている特殊な状況にあるため、「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」は、行政資料センターに配架されている職員録等に記載されている情報等、入手可能であると通常考えられる情報と照合することにより、処分を受けた職員を識別することができる情報であると認められ、同号本文に規定する「特定の個人を識別できる」情報に該当する。
 同様に、「所属コード」は事務管理のために所属部課毎に定められた番号であり、どこの所属を指すものか記載している文書と照合することにより所属部課名を明らかすることが可能な情報であるところ、今回の処分は、結果的に当該課のほぼ全職員が対象者となっている特殊な状況にあることから、所属部課が明らかになることにより処分を受けた職員を識別することができる情報であると認められ、同号本文に該当すると認められる。

(2) 次に条例第7条第1号ただし書該当性について検討すると、ただし書ウは、公務員等の職務遂行に係る情報のうち、公務員の職及び職務遂行の内容に係る部分について公開することとしているが、職務の遂行に係る情報とは、公務員が行政庁又はその補助機関として、その担任する職務を遂行する場合における当該職務遂行に関する情報であり、公務員が受ける懲戒処分その他行政措置は、当該公務員にとっては、職務に関する情報であっても、当該懲戒処分等を受けること自体は、当該公務員が担任する職務の遂行そのものではない。よって、本件各情報はただし書ウに該当しない。
 ただし書アについて、実施機関の説明によると、職員がその職務に関する行為又は職務外の行為により懲戒処分の対象となった場合、社会的影響等を総合的に勘案した上で公にすべきものと判断したものについて、処分対象者の所属(局・区)、職種、当時の年齢、処分内容、処分年月日及び事件概要について随時に公表を行うとともに、平成14年度からは、概ね、毎年1回懲戒免職及び停職処分事案について上記情報をとりまとめ公表を行っていたが、本件処分の程度は戒告、文書訓告及び口頭注意であり、本件処分に係わる各情報は、公表される情報として扱われていなかった。
 なおまた、平成17年7月26日付けで「懲戒処分の公開基準」を策定し、同年7月1日以降の地方公務員法(昭和25年法律261号)第29条に基づく懲戒処分(懲戒免職、停職、減給、戒告)については、当該基準により公表を行っているところ、本件処分と同じ内容の処分に係る情報の公表について、当該基準に照らすと、戒告については、被処分者の所属(局・区のみ)、階級、職種、年齢、処分内容、処分年月日及び事案概要の情報をホームページ上で公表されることとなるが、「氏名」は公表の対象ではなく、「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」及び「所属コード」についても、本件各文書で示されているような部課名までは公表の対象とされていない。文書訓告及び口頭注意については懲戒処分ではないので、そもそも公表の対象とはならない。
 したがって本件各情報は、ただし書アに規定する「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当しないものと認められる。
 また、本件各情報は、その内容からただし書イに該当しないことは明らかである。

(3) 以上により、本件各文書に記載されている被処分者の「氏名」、「所属/現職(旧所属及び旧補職を含む)」、「所属コード」は、条例第7条第1号に該当し、非公開が妥当であると認められる。

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