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答申第123号

2024年3月22日

ページ番号:21362

1 件名

 平成12年8月1日付け大環事第597号による部分公開決定に対する異議申立てについての答申

2 本件文書の概要

 一般廃棄物収集運搬業者に関する廃棄物処理業者等の行政処分等に関する審査委員会の答申及び審査委員会開催結果並びに一般廃棄物許可業者の違反行為の処分状況に関する文書

3 審査会の判断

(1) 結論

 次の部分を除いては、公開すべきである。
 1)許可業者である個人又は法人である許可業者の代表者の生年月日、年齢及び個人印、2)許可業者の従業員の氏名、生年月日、年齢及び個人印、3)聴聞調書等に記載された当事者、補佐人、立会人等の氏名、生年月日、年齢、印影、肩書、収入、病歴、生活保護受給の有無等、4)事情聴取を受けた者等の氏名、肩書、5)謝罪文及び誓約書、6)許可業者及び従業員の刑事処分の内容(逮捕件名及び月日、公判月日、判決月日、刑確定月日、刑罰の種別、期間、執行猶予の有無及びその期間)等、7)許可業者名、社印、代表者印、許可番号、商号・屋号、所属団体名、住所、車両番号、搬入物写真、排出事業所名、代表者印及び住所、8)聴聞調書に記録された当事者等の発言内容(弁明書等を含む。)並びに主宰者の報告書、審査委員会の議事録及び行政処分の検討資料案におけるその引用部分(ただし、行政処分の検討資料案中の「被処分者の主張」欄を除く。)、9)上記「被処分者の主張」欄に主宰者の報告書等が資料として引用されており、かつ、当該報告書等に当事者等の発言内容が引用されている場合の当該発言内容、10)事情聴取記録に記載された事情聴取の内容及び関係者等から任意に提出された資料並びに主宰者の報告書や審査委員会の議事録等におけるその引用部分、11)検査及び取締りの手法並びに検査態勢等に関する記載内容、12)処分要綱の内容等今後の規制・取締りのあり方に関する記載内容

(2) 理由要旨

ア 行政手続法第24条第4項及び大阪市行政手続条例第24条第4項の規定は、聴聞手続の当事者又は参加人に便宜を与える趣旨から、当事者又は参加人に聴聞調書等の閲覧請求権を付与したにとどまり、進んで当事者又は参加人以外の者に対して、情報公開条例に基づくその公開を禁止する趣旨を含むものではないと解される。
 したがって、本件文書のうち、聴聞調書等及び聴聞調書等関連内容に係る情報は、条例第7条第7号に該当しない。

イ 許可業者及び従業員の生年月日、年齢、個人印及び刑事処分の内容並びに従業員の氏名等の情報については、いずれも個人の戸籍的事項や経歴等に関する情報として、本号本文に規定する「個人に関する情報」に該当し、かつ、当該情報そのものにより、又は他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることは明らかである。
 また、謝罪文や誓約書については、個人の人格と密接に関わる情報が赤裸々に綴られており、個人識別性のある部分を除いたとしても、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあると解されるので、その全文が個人情報に該当すると認められる。
 したがって、いずれの情報も条例第7条第1号に該当すると認められる。

ウ 許可業者名、社印、代表者印、許可番号、商号・屋号、所属団体名、住所、車両番号、排出事業所名、代表者印及び住所、許可業者及び従業員の刑事処分の内容等については、いずれも行政処分等を受けた許可業者の名称が識別される情報であって、これらの情報が公開されることにより、不測の風評が生じるなど、当該許可業者の社会的信用、名誉等が損なわれ、営業活動等に一定の支障が生じるおそれがあることは否めない。
 また、法令等の規定による公表制度が整備されていない中で、公文書の公開という形で違反行為を行った許可業者の名称を一方的に公開することは、既に課せられた行政処分による制裁を超えた予期せぬ制裁を当該許可業者に与えることになる。
 以上の点から、上記の各情報を公開すると、「当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害する」相当の蓋然性があると認められるので、これらの情報は、条例第7条第2号本文に該当すると認められる。
 なお、上記の各情報は、生活環境の保全及び公衆衛生の向上といった公益に関連する情報ではあるが、対市民との関係において許可業者の正当な利益を侵してまで公表しなければならない重大な公益侵害があったとはいえないので、条例第7条第2号ただし書にも該当しない。

エ 審査委員会の議事録に記載された情報については、許可業者に対する行政処分等の意思決定が現時点ではすべて終了しており、かつ、事後公開することにより、今後の審査委員会での自由な意見交換や意思決定に支障を及ぼす特段の事情は認められないので、本件議事録は条例第7条第4号に該当しない。

オ 聴聞調書等に記載されている当事者等の意見陳述・質問等の発言内容は、事後的にであっても公開が前提となると、今後、聴聞の当事者等が、人格権の侵害、営業活動上の支障等を回避するために聴聞の機会を放棄する等により、聴聞の機能を低下させ、公正な行政処分を行うという事務事業の適正な遂行に支障が生ずるおそれがあると認められる。
 よって、聴聞調書等に記録された当事者等の発言内容は、条例第7条第5号に該当する。
 ただし、聴聞調書等に記録された当事者等の発言内容のうち、「被処分者の主張」欄の記載内容については、被害者の主張の概要を記載したものであり、かつ、被処分者の氏名等は非公開とされていることから、公開しても、今後の当事者等の発言に影響を与えるとは考えられないので、条例第7条第5号に該当しない。

カ 事情聴取記録等に記載された事情聴取の内容については、公開が前提となると、事情聴取を回避され、また、正確で詳細な供述を得ることが困難となるなど、今後、公正な行政処分を行うという事務事業の適正な遂行に支障が生じるおそれがあると認められる。
 また、関係者等の協力を得て任意に提出を受けた資料についても、これを一方的に公開すると、関係者等との信頼関係を損い、調査への協力を拒まれるなどして、必要な資料を収集することが困難となり、今後、公正な行政処分を行うという事務事業の適正な遂行に支障が生じるおそれがあると認められる。
 よって、上記の情報はいずれも条例第7条第5号に該当すると認められる。

キ 審査委員会の議事録等に記載された検査・取締りの手法、態勢等に関する記載内容については、これを公開すると、検査・取締りの実施方法などのほか、検査・取締りを実施する者にしか知りえない内実やいわゆる「手の内」が許可業者の知り得るところとなり、今後、違反行為を容易にし、その発見を困難にするなどの支障が生じるおそれがあると認められる。
 よって、検査・取締りの手法、態勢等に関する記載内容は、条例第7条第5号に該当する。

ク 審査委員会の議事録に記載された処分要綱の内容等今後の規制・取締りのあり方に関する記載内容は、審査委員会で決定された事項ではなく、委員が傍論的に述べた個人的見解であるが、当該内容が公開された場合、将来そのような規制・取締り等が実施されるものとの印象を許可業者に与えることは否定できず、今後の許可業者に対する指導業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
  よって、処分要綱の内容等今後の規制・取締りのあり方に関する記載内容については、条例第7条第5号に該当する。

ケ 聴聞調書や審査委員会の議事録等に記載された上記以外の情報については、議事の進行、処分の対象となった違反行為の日時、工場名、違反の内容、経過、これに対する処分案の内容及びそれを提案する理由、根拠並びに当該処分案の軽重に対する意見などに関するものであり、既に違反行為を行った許可業者に対する処分が確定している現在においては、これを公開しても、今後の許可業者に対する指導等の事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれは認められない。
 むしろ、行政処分の内容が適正に決定されていることを説明し、本市の廃棄物行政に対する市民の理解と信頼をより一層確かなものとするためにも、事案の概要や処分基準、処分結果等既に公開しているものに加えて、上記の各情報を公開する意義は大きいと考えられる。
 よって、これらの情報は、条例第7条第5号に該当しない。

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