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答申第160号

2024年3月22日

ページ番号:21439

【要旨】

 「大阪市嘱託職員要綱 大阪市非常勤嘱託職員要綱『各局で保有している嘱託の雇用の要綱』(給与、勤務時間等が記載されているもの)」の情報公開請求があった。
  大阪市教育委員会(以下「実施機関」という。)は、請求の対象となった各要綱の報酬月額については個人の財産に関する情報であり、個人が識別することができる情報であるとして非公開としたが、請求者は、当該決定を不服とし当該部分の公開を求めて異議申立てを行ったので、審査会に対して諮問があった。
  審査会は審議の結果、大阪市教育委員会が行った決定のうち、「習熟度別指導など個に応じた指導を取り入れた少人数授業の実施における非常勤嘱託員に関する取扱要綱」及び「大阪市立公立幼稚園における非常勤嘱託員に関する要綱」の報酬月額は、公開すべきであるとの判断を示した。

【概要】

1 争点及びその決定の理由 

(1)争点:

 請求の対象となった各要綱に記載された非常勤嘱託職員の報酬月額の条例第7条第1号該当性。 

(2)理由:

 報酬月額は個人の財産に関する情報であり、「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるもの」に該当し、かつ同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しないと認められるため。 

2 審査会の判断 

1結論 

 実施機関が非公開とした報酬月額のうち、「習熟度別指導など個に応じた指導を取り入れた少人数授業の実施における非常勤嘱託員に関する取扱要綱」及び「大阪市立公立幼稚園における非常勤嘱託員に関する要綱」の報酬月額は、公開すべきである。 

2理由要旨 

(1) 非常勤嘱託職員の報酬月額は、あくまでもそれぞれの要綱に記載された一般的な規定としての勤務条件のひとつにすぎないため、個人に関する情報であっても、当該情報そのものにより特定の個人を識別することができるものであるとは認められない。
しかし、当該要綱で勤務条件等が定められている非常勤嘱託職員の氏名が、「他の情報」として通常入手しうるものであって、これと照合することにより特定の個人の報酬月額が明らかになる場合には、特定の個人の資産、収入等財産に関する個人情報が明らかになると認められるため、要綱に記載されている報酬月額は、同号本文に該当すると解される。
  この点、本市では、本市において任用されている非常勤嘱託職員の、職務遂行に係る情報に含まれる当該職員の氏名については、行政が判断を行うにあたり、重要な役割を担う非常勤嘱託職員の場合、例えば意思形成過程に影響を及ぼす有識者等の場合においては、公開によって特段の支障の生ずるおそれがないかぎり、求められれば公にすることが予定されていることから、当該氏名は通常入手しうる「他の情報」であると解される。また、その他の場合であっても、当該氏名について名札や掲示等により示されている場合においては、当該氏名についても通常入手しうる「他の情報」であると解される。
  一方、氏名を公にすることが予定されておらず、特に名札や掲示等により氏名が示されているわけではない場合など、当該氏名が通常入手しうる情報ではない場合は、特定の個人の報酬月額が明らかになるわけではなく、また特定の個人の報酬月額が明らかにならない以上、個人の権利利益を害するおそれがあるともいえないので、それぞれの要綱に記載されている非常勤嘱託職員の報酬月額は、本号本文に該当するとは認められず、公開することが妥当である。

(2) 次に、各要綱に記載されている非常勤嘱託職員の報酬月額のうち、条例第7条第1号本文に該当すると認められるものについて、同号ただし書に該当するかどうかであるが、当該報酬月額が勤務条件の一部としてインターネットや広報紙等で公開されている場合など、当該報酬月額が「慣行として公にされている又は公にすることが予定されている」情報であると認められる場合は、同号ただし書アに該当するので、公開するべきである。しかし、実施機関において当該報酬月額を公にする慣行もない場合、当該職員の職又は職務内容そのものに関する情報であると認められず、その性質上人の生命等を保護するため公にすることが必要であると認められる情報でないことも明らかであるので、同号ただし書アからウまでのいずれにも該当しないと解することができるため、非公開とすることが妥当である。

(3)  各要綱において勤務条件等が定められている非常勤嘱託職員の氏名については、実施機関によると、名札や掲示等により示されているとのことであり、当該氏名は通常入手しうる「他の情報」であると解されるため、各要綱に記載されている非常勤嘱託職員の報酬月額は「他の情報」である当該氏名と照合することにより、特定の個人の資産、収入等財産に関する個人情報が明らかになることとなるため、同号本文に該当すると解される。

(4) 次に、当該各要綱のうち「習熟度別指導など個に応じた指導を取り入れた少人数授業の実施における非常勤嘱託員に関する取扱要綱」及び「大阪市立公立幼稚園における非常勤嘱託員に関する要綱」については、当該報酬月額が勤務条件の一部として常時インターネットで公開されていることから、当該報酬月額は同号ただし書アの「慣行として公にされている又は公にすることが予定されている」情報に該当すると認められる。
  一方、各要綱のうち、上述の2要綱以外に記載されている報酬月額は、インターネット等で公開されていることもなく、また上記(2)で述べたとおり、その性質上ただし書アからウまでのいずれにも該当しないことは明らかである。

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