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平成30年4月18日付け裁決(答申第20号)

2023年2月17日

ページ番号:436260

裁決書

審査請求人 ○○○○
処分庁 大阪市長              

 審査請求人が平成29年9月14日付けでした、処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)による平成29年8月16日付け法人市民税決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(平成29年度財第24号。以下「本件審査請求」という。)について、次のとおり裁決します。

主文
 本件審査請求を棄却します。

事案の概要
1 処分庁は、平成29年8月16日付けで審査請求人に対し、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)に係る法人市民税額を○○○○円(均等割額)とする本件処分を行いました。
2 審査請求人は、平成29年9月14日付けで大阪市長に対し、本件審査請求を提起しました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
(1) 本件事業年度に係る法人市民税について、平成27年度、平成28年度と同じく減免をお願いする、何故今頃遅れて決定通知が届くのか。審査請求人は数年実質赤字であり、活動の人件費、交通費を払われずボランティアでやっている。
(2) 今次事象発生の唯一の原因は単に「税金減免申請の忘れ」だけであり、「遡及申請」を認めてほしい。
2 処分庁の主張
(1) 本件処分について
ア 本件処分は、地方税法(以下「法」という。)第321条の11第2項の規定に基づき、審査請求人から法人市民税の申告書の提出がなかったため、その調査により行ったものであり、また、法第17条の5第1項の規定に基づき、決定は法定納期限の翌日から起算して5年を経過した日以後においては、することができないとされていることから、平成29年8月16日に行った本件処分は適法である。
イ 法人市民税は、本市の市域内に事務所等を有する法人に対して課税されるもので、均等割と法人税割の申告納付が必要である。均等割は、本市の市域内に事務所等を有する区ごとに課税され、赤字等であるかどうかは関係がない。
ウ 以上のとおり、本件処分は適正であり、審査請求人の主張は認められない。
(2) 減免について
ア 平成27年3月9日付けで審査請求人宛てに送付した法人市民税申告納付依頼状において、法人市民税(均等割)申告書の提出期限を同年4月30日と明記し、同封している法人市民税減免申請書にも「注2 この申請書を法人市民税申告書の提出期限までに提出されないときは、減免されませんのでご注意ください。」とお知らせしている。
イ 審査請求人は平成19年10月1日に設立されており、平成29年大阪市規則第82号による改正前の大阪市市税条例施行規則(以下「規則」という。)第4条第1項に規定する「初めて市内に事務所等を有することとなつたもの」には該当しないことから、審査請求人が本件事業年度に係る法人市民税の免除を受けようとする場合は、平成27年4月30日までに法人市民税の均等割申告書と減免申請書を提出しなければならないが、提出がなされなかったため、減免の適用はできない。
ウ 法第20条の5の2及び規則第5条第2項には、災害その他やむを得ない理由により期限までに申告、申請、請求その他書類の提出をすることができないと認める場合には、当該行為をすべき者の申請により、期日を指定して当該期限を延長すると規定しているが、審査請求人が主張する「単に減免申請を忘れただけである」という理由は、災害その他やむを得ない理由には該当せず、減免申請書の提出期限の延長はできない。

理由
1 本件審査請求に係る法令等の規定
(1) 特定非営利活動法人に係る法人市民税の申告義務等について
ア 市町村民税は、市町村内に事務所又は事業所を有する法人に対しては、均等割額及び法人税割額の合算額によって課するとされています(法第294条第1項第3号)。
イ 前記法人のうち、法第312条第3項第4号に掲げる公共法人等は、毎年4月30日までに均等割申告書を、前年4月1日から3月31日までの期間中において有する事務所等の所在地の市町村長に提出しなければならないこととされています(法第321条の8第19項)。
 法第312条第3項第4号に掲げる公共法人等とは、法第294条第7項に規定する公益法人等で均等割のみを課されるものであり、法第294条第7項の公益法人等には特定非営利活動促進法第2条第2項に規定する特定非営利活動法人(以下「特定非営利活動法人」という。)が含まれます。
(2) 法人市民税の決定について
ア 市町村長は、納税者が均等割申告書を提出しなかった場合においては、その調査によって均等割額を決定するものとされています(法第321条の11第2項)。
イ また、均等割額の決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過した日以後においてはすることができないとされています(法第17条の5第1項)。
(3) 特定非営利活動法人に係る法人市民税の減免について
 特定非営利活動法人で収益事業を行わないものが減免申請書を市長に提出した場合には、市民税が免除されることになりますが(大阪市市税条例第45条第5項第3号)、この減免申請書は、法第321条の8第19項に規定されている市民税の納期限である毎年4月30日が申請期限となります(規則第4条第1項)。
2 本件処分の適法性及び妥当性について
 大阪市行政不服審査会は、本件審査請求に係る答申(平成29年度答申第20号)において、本件審査請求について、審査請求人は審査請求の趣旨を「平成27年度、平成28年度と同じく減免をお願いする」と記入し、さらに、反論書においても、今次事象発生の唯一の原因は単に「税金減免申請の忘れ」だけであり、「遡及申請」を認めてほしい旨を主張していることから、本件審査請求は、本件事業年度に係る法人市民税の減免を求める趣旨の申立てであると解されるとして、却下すべきものであるとしています。
 しかしながら、審査請求人は審査請求書の「審査請求に係る処分の内容」に「平成26年度法人市民税決定通知」と記載し、さらに、審査請求の理由として「何故今頃遅れて決定通知書が届くのか」とも記載しており、本件審査請求は、処分庁が減免をしなかったことだけではなく、本件処分に対する不服を主張しているとも解されることから、審査庁としては、本件審査請求を適法なものとして、次のとおり判断します。
(1) 審査請求人から提出された履歴事項全部証明書によると、審査請求人は特定非営利活動法人であり平成19年10月1日に設立されているところ、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの期間(以下「本件期間」という。)中に本市内に事務所又は事業所を有していたことについて特に争いがないことからすると、審査請求人は本件期間中に本市内に事務所又は事業所を有していたものと認められます。また、本件処分に係る法人税割額が○○○○円であることについても特に争いはありません。
 したがって、前記1(1)イのとおり、審査請求人は平成27年4月30日までに本件事業年度に係る均等割申告書を市長に提出しなければならないことになります。
 しかしながら、審査請求人から平成27年4月30日までに本件事業年度に係る法人市民税の均等割申告書の提出がなかったため、前記1(2)アの規定によって、本件処分がなされたものです。
 また、均等割額の決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過した日以降においてはすることができないとされているところ、本件処分は、法定納期限の平成27年4月30日の翌日から起算して5年以内である平成29年8月16日になされています。
(2) 次に、審査請求人は、本件事業年度は赤字決算であることから、法人市民税の減免を求める趣旨の主張をしています。しかしながら、前記1(1)アのとおり、法人市民税の均等割は本市域内に事務所を有している法人に対して課されるものであり、赤字であるか否かを問わないため、審査請求人の主張は採用できません。
(3) したがって、本件処分に違法又は不当な点は認められません。
3 減免について
 審査請求人は、本件事業年度に係る法人市民税について減免を求める趣旨の主張をしています。
 しかしながら、当該法人市民税の減免については、審査請求人から減免申請書が提出された事実が認められず、当該主張は本件処分への違法性又は不当性に対する主張ではないため採用することはできません。
4 結論
 以上のとおり、本件処分に違法又は不当な点は認められず、本件審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

平成30年4月18日
大阪市長 吉村 洋文

裁決書(平成29年度答申第20号)

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