大阪市人権問題職員研修実施要綱
2024年10月2日
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1 策定にあたって
すべての人間の尊厳と権利についての平等を謳った「世界人権宣言」が昭和23(1948)年に国際連合総会において採択され、この宣言の理念は「国際人権規約」をはじめ多くの人権に関する国際的条約として具体化され、平和の基礎として、今や人権の擁護と促進の取組みは、国際的な潮流であり、責務でもある。
国内においても、人間にとって固有の権利である基本的人権は、日本国憲法に「犯すことのできない永久の権利」として保障されている。
しかしながら、わが国には、男女共同参画にかかわる問題、高齢者をめぐる問題、子どもをめぐる問題、障がいのある人をめぐる問題、多文化共生をめぐる問題、同和問題(部落差別)、野宿生活者・HIV感染者・ハンセン病回復者・犯罪被害者・性的マイノリティ等をめぐる問題など、人権にかかわるさまざまな問題があり、さらに、国際化・高度情報化・高齢化等、社会構造の変化や科学技術の発展、地球環境の変化などにより新たな人権問題が発生してきている。
本市においては、平成21年2月に「大阪市人権行政推進計画~人権ナビゲーション~」を策定し、大阪市を「人権が尊重されるまち」へ導くための原動力(エンジン)である人権教育・啓発を継続的・総合的に推進するとともに、人権侵害が起こったときの備え(エアバッグ)として、人権相談等、救済に向けた取組みを行いながら、市民が「人権が尊重されるまち」になったと実感できる、住んでよかったと誇りをもって語れる「国際人権都市大阪」をめざしているところである。
すべての市民の人権を尊重するため、市民から賛同と協力が得られる人権行政を推進し、市民が「人権が尊重されるまち」になったと実感できる大阪にするためには、「大阪市人権行政推進計画~人権ナビゲーション~」に基づき、職員一人ひとりが職務を問わず、人権行政の担い手であることを認識し、積極的に人権尊重の視点から職務を遂行することができるよう「人権の視点!100!」を活用するなど研修の手法や内容について検討していくこととし、人権行政の担い手としての職員を育成するため大阪市人権行政推進本部のもと人権問題研修の推進を図ることとしている。
(1) 研修推進体制の確立
職員に対する人権問題研修を効果的に実施するためには、大阪市人権行政推進本部のもと、引き続き総務局(職員人材開発センター)及び市民局(ダイバーシティ推進室)並びに各所属との有機的な連携関係を推進していく必要がある。
そうした、連携関係の中で、それぞれの研修について、その目的、内容などを明確に位置づけ、また、各所属における研修についての計画の策定、実績の報告、推進状況の点検等を実施し、効果的な促進を図ることとする。その際、各所属に設置されている人権行政推進委員会の機能を十分に活かすことが必要である。本市における人権問題職員研修は、総務局(職員人材開発センター)が実施する指定研修の中での人権問題科目、及び総務局(職員人材開発センター)と市民局(ダイバーシティ推進室)が共催して実施する指定外研修、並びに各所属が実施する所属別研修に大別することができる。それぞれの研修は大阪市人権行政推進本部のもとそれぞれの実施主体がその主体性と責任において実施しなければならない。
(2) 研修の方法
それぞれの研修を企画、立案、実施するに際しては、以下の諸点に留意すること。
ア 少人数によるグループ討議方式などの参加・体験型研修を多く取り入れ、研修が単に形式的なものに終わることのないよう留意すること。
イ 人権啓発用教材などを研修素材として活用することにより、「感性に訴える」研修内容となるよう工夫すること。
ウ 研修を受講する職員の研修内容・方法などについてニーズを把握することに努め、受講者の学習要求に即した効果的な研修となるよう留意すること。
2 研修
(1)指定研修における人権問題科目
人権問題に関する基本的な内容について、また、本市人権行政を推進する上での現状と課題についての正しい理解と認識を養うため、各種の指定研修に人権問題の科目をおく。
指定研修の人権問題科目は総務局(職員人材開発センター)が企画、立案、実施し、各人権課題を所管する部局はその内容等に関し適切な助言を行う。
(2)指定外人権問題研修
管理職が、人権問題についての正しい理解と認識のもと、それぞれの職場において適切な対応をなし、また職員に対して正しい指導をしうる資質を養うため、次に掲げる指定外の人権問題研修を実施する。
- 人権問題研修(管理者層)
- 人権問題指導者研修
指定外人権問題研修は、総務局(職員人材開発センター)と市民局(ダイバーシティ推進室)の共催とし、各人権課題を所管する部局の協力を得ながら、市民局(ダイバーシティ推進室)が企画、立案し、総務局(職員人材開発センター)が実施する。
(3)所属別人権問題研修
ア 方針及び内容
職員一人ひとりが人権問題について正しい理解と認識を得るには、各所属がその主体性と責任をもってきめ細かい研修を実施する必要がある。各所属の研修担当部署は、それぞれの人権行政推進委員会と連携をとりながら、所属における職場実態に応じた人権問題研修を企画、立案、実施する。
その際、総務局(職員人材開発センター)及び市民局(ダイバーシティ推進室)は、それぞれの所属の研修の手法や内容などについて適切な指導、助言を行い、効果的な研修の促進を図る。
講師については、基本的には所属の課長級職員があたるものとする。その際、人権問題指導者(研修リーダー)を十分に活用すること。なお、必要な場合には外部講師を依頼する。研修実施に伴う所要経費については、実施主体である当該所属において負担する。
イ 年間計画の策定及び報告
各所属の研修担当部署は、年度当初にその年度の研修実施計画を策定し、総務局(職員人材開発センター)及び市民局(ダイバーシティ推進室)に報告すること。
ウ 実施状況報告
各所属の研修担当部署は、年度当初に前年度の研修実施状況を作成し、総務局(職員人材開発センター)及び市民局(ダイバーシティ推進室)に報告すること。
3 人権問題指導者(研修リーダー)の育成と活用
(1) 指導者の役割
人権問題を正しく理解・認識するには広く深い人権意識の涵養が不可欠であるが、人権意識は単に研修を受講するだけで養われうるものではなく、たゆまぬ自己啓発の積み重ねが重要である。
人権問題指導者は、このような視点から、日常において職員を適切に指導する任務を担うものである。また、各所属の人権問題研修においては、とりわけ少人数の参加・体験型研修において講師あるいは助言者として指導的な役割を果たす。
(2)指導者研修の実施
所属長の推薦を受けた課長級職員を対象に、前記の指定外人権問題研修の一環として人権問題指導者研修を実施し、それを修了した者は、各所属における人権問題指導者として上記(1)の役割を担うものとする。
(3) 所属における指導者の育成
各所属においては、指導者研修修了者を対象とした研修の実施等によって指導者の資質の向上に努め、併せて、修了者の積極的な活用等を通して、所属における指導者をさらに育成し、所属別人権問題研修の充実に努めること。
4 人権行政推進委員会について
(1) 人権行政推進委員会の役割
各所属に設置されている人権行政推進委員会は、所属における人権問題研修の実施において重要な役割を果たすべきである。各所属においては、それぞれの人権行政推進委員会を有効に機能させ、所属における人権問題研修の企画、立案、実施に際し、人権行政推進委員会と研修担当部署との有機的な連携を維持するよう努めなければならない。
(2) 活動状況報告
各所属の人権行政推進委員会は、年度当初に前年度の委員会の活動状況を市民局(ダイバーシティ推進室)に報告すること。
(附則)
昭和49年11月5日付「職員に対する同和問題研修に関する実施要綱」を本実施要綱に改定し、平成元年5月29日から実施する。
(附則)
平成元年5月29日付「大阪市同和問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改定し、平成18年4月18日から実施する。
(附則)
平成18年4月18日付「大阪市人権問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改定し、平成19年4月1日から実施する。
(附則)
平成19年4月11日付「大阪市人権問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改定し、平成21年9月15日から実施する。
(附則)
平成21年9月15日付「大阪市人権問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改定し、平成24年4月1日から実施する。
(附則)
平成24年4月1日付「大阪市人権問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改訂し、平成25年10月1日から実施する。
(附則)
平成25年10月1日付「大阪市人権問題職員研修実施要綱」を本実施要綱に改訂し、令和4年4月1日から実施する。探している情報が見つからない
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