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令和元年9月17日付け裁決(答申第8号)

2022年12月22日

ページ番号:485070

裁決書

審査請求人 ○○○○
処分庁 大阪市長  

 審査請求人が平成31年3月4日付けで提起した処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)による平成○○年○月○○日付け公売公告処分(以下「本件処分1」といい、これに係る公売公告を「本件公売公告」という。)及び同年○月○○日付け不動産等の最高価申込者決定処分(以下「本件処分2」という。)(以下、本件処分1及び本件処分2を併せて「本件各処分」という。)に係る審査請求(平成30年度財第36号。以下「本件各審査請求」という。)について、次のとおり裁決します。

主文
 本件各審査請求を棄却します。

事案の概要
1 審査請求人は、平成17年度第3期分から平成21年度第4期分までの固定資産税・都市計画税(土地・家屋)(以下「固定資産税等」という。)について、各納期限までに納付しませんでした。
2 処分庁は、上記1の固定資産税等及び延滞金を徴収するため、平成22年10月25日付けで、審査請求人が所有する別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)に対する差押処分を行いました。
3 処分庁は、平成○○年○○月○○日に審査請求人あて公売予告通知書を送付し、本件処分1を行いました。
4 処分庁は、平成○○年○月○○日に公売を実施し、本件処分2を行いました。
5 審査請求人は、平成31年3月4日、大阪市長に対し、本件各処分の取消しを求めて審査請求を提起しました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
(1) 運送業の許認可(昭和○○年○月○○日付け大阪陸運局長免許状、昭和○○年○月○○日付け大阪陸運局長認可書)を受けている。
(2) 本件不動産については、相続した昭和○○年当時からも建物の状況は変わっておらず、平成年間に作成した近畿運輸局大阪支局長あて「証明願」には、車庫の収容能力が○○.○平方メートルである旨の記載があった。そうすると、○○○○はなく、本件公売公告に「○○○○」と記載されているのは誤りであり、誤った記載に基づく本件処分1は違法である。
(3) 不動産業者による運送業務に対する嫌がらせ(妨害)である。
(4) 誤りのある違法な本件処分1に基づいてされた本件処分2もやはり違法である。
2 処分庁の主張
(1) 差押処分について
 本件各処分に先立ち、審査請求人が固定資産税等を滞納したことを理由に、平成22年10月25日付けで本件不動産の差押えを行っているが、差押えをした本件不動産は国税徴収法(以下「徴収法」という。)に規定される差押禁止財産に該当せず、審査請求人に対し、差押書を送達することで通知しており、当該差押えは有効である。
(2) 本件処分1について
 本件処分1については、平成○○年○月○○日の公売日の10日以上前である平成○○年○月○○日に、公売財産の名称等、公売方法、日時、場所等の公売公告の際に掲げるべき事項を、本市本庁舎1階玄関前掲示板の見やすい場所に掲示して公告しており、適法になされている。
 審査請求人が提出した写真については、建物全体を撮影したものではなく、同人名義の土地上の建物の1階内部のみを撮影したものであり、この写真から○○○○か否かは判明しない。審査請求人名義の土地は2筆あり、不動産登記簿によると合計地積は○○.○○平方メートルとなる。一方、その2筆の土地上にある建物の不動産登記簿によると、床面積が1階は○○.○○平方メートル、2階は○○.○○平方メートル(昭和○○年○月○○日新築)とされている。
 このことから、建物の床面積(1階部分)が、敷地である同人名義の土地の地積を超えている以上、○○○○、また、公売広報掲載写真から見ても○○○○と判断できる。
 なお、徴収法第95条第1項に規定されている公売公告に表示すべき公売財産の表示は、買受希望者が、その公売財産を特定することができ、かつ、その現況を把握する手掛かりとすることができる程度に記載すると解されている。この点について、本件公売公告には、「財産の表示」として登記簿による表示を、併せて、「公法上の規制・接道状況」、「地盤・地勢」、「使用状況等」を、更に「特記事項」として「○○○○」旨を記載しており、その公売財産の表示は、買受希望者がその公売財産を特定することができ、かつ公売財産の現況を把握する手掛かりとすることができる程度の記載であり、違法性はない。
(3) 本件処分2について
 本件処分2については、平成○○年○月○日、公売の入札後に見積価額○○○○円以上の入札者のうち、最高の価額であった○○○○円による入札者を最高価申込者として決定し、その氏名、価額を告げた後、入札の終了を告知した。また、平成○○年○月○○日に不動産等の最高価申込者決定通知書を滞納者である審査請求人に送付して通知するとともに、これらの事項を公告した。なお、当該公告は、本市本庁舎1階玄関前掲示板の見やすい場所に掲示して行っており、適法になされている。

理由
1 本件各審査請求に係る法令等の規定
(1) 滞納処分について
 固定資産税等に係る滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る地方団体の徴収金を完納しないときは、市町村の徴税吏員は、当該地方団体の徴収金につき、滞納者の財産を差し押さえなければならないとされています(地方税法(以下「法」という。)第373条第1項第1号及び第702条の8第1項)。
 地方団体の徴収金の滞納処分については、徴収法に規定する滞納処分の例によるとされています(法第373条第7項及び第702条の8第1項)。
(2) 公売について
 差押財産は徴収法第5章第3節の定めるところにより換価しなければならないとされています(徴収法第89条第1項)。
 差押財産を換価するときは、公売に付さなければならず、公売は入札又はせり売の方法により行わなければならないとされています(徴収法第94条)。
(3) 公売公告について
 差押財産を公売に付するときは、公売の日の少なくとも10日前までに公売財産の名称、数量、性質及び所在、公売の方法、公売の日時及び場所その他公売に関し重要と認められる事項等について公告しなければならないとされています(徴収法第95条第1項)。
 当該公告は、公売を実施する執行機関の掲示場その他公売執行機関の庁内の公衆の見やすい場所に掲示して行うこととされています(同条第2項)。
(4) 最高価申込者の決定について
 見積価額以上の入札者のうち最高の価額による入札者を最高価申込者として定めなければならないとされています(徴収法第104条第1項)。
2 本件各処分の適法性及び妥当性について
(1) 本件処分1について
 審査請求人は、本件建物の1階床面積は、当該建物内の車庫の収容能力○○.○平方メートルに近似しており、当該建物が○○○○事実はなく、本件公売公告の記載に誤りがあったことから、本件処分1は違法である旨主張しています。
 しかしながら、審査請求人が依拠する車庫の収容能力が○○.○平方メートルであるという「証明願」の記載は、官公庁によって証明されたものではなく、客観的裏付けを欠いており、また当該記載は、仮にそれが正しいとしても、本件建物(車庫兼居宅)の車庫部分の事業用自動車の収容能力を示すものにすぎないのであって、本件建物全体の1階床面積を示すものということはできません。
 むしろ、本件不動産に係る登記事項証明書によると、別紙物件目録1記載の土地の地積は○○.○○平方メートル、別紙物件目録2記載の土地の地積は○○.○○平方メートルであることから、2筆の合計地積は○○.○○平方メートルである一方、当該土地上に存する本件建物の1階床面積は○○.○○平方メートルであるところ、当該建物の1階床面積が、別紙物件目録1及び2記載の両土地の合計地積を優に超えていることは明らかであって、本件公売公告において、○○○○と記載されたことについて、誤りがあったということはできません。
 その他、審査請求人は、自らの上記主張を裏付ける証拠を提出せず、審査請求人の主張を認めるに足りる証拠はありません。
 さらに、本件公売公告のその余の記載事項及び手続についても、徴収法第95条の規定に照らして違法又は不当というべき点は認められません。
 したがって、審査請求人の本件処分1に対する上記主張は認められません。
(2) 本件処分2について
 審査請求人は、本件処分1が違法であることを前提に、違法な本件処分1に基づいてなされた本件処分2も違法である旨主張しています。
 しかしながら、前記⑴のとおり、本件処分1については、違法又は不当な点が認められないため、審査請求人の主張には理由がありません。
 また、本件不動産の公売に係る最高価申込者の決定の手続についても、徴収法第104条第1項の規定に照らして違法又は不当というべき点は認められません。
 したがって、審査請求人の本件処分2に対する上記主張は認められません。
(3) その他の審査請求人の主張について
 審査請求人は、不動産業者による運送業務に対する嫌がらせがある旨等も主張していますが、それらの主張は本件各処分に対する違法性又は不当性に関する主張とは認められないため、採用することはできません。
3 結論
 以上のとおり、本件各処分に違法又は不当な点は認められず、本件各審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

令和元年9月17日
大阪市長 松井 一郎

裁決書(令和元年答申第8号)

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