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答申第476号

2024年3月22日

ページ番号:508278

概要

(1)公開請求の内容

「職員の通勤で公共交通を利用する者について、通勤定期以外を利用(ピタパ等)している場合、そのことについて確認している文書のすべて」(以下このうち「リハセンについてでH24年分・H29年度分について」を求める請求を「本件請求1」、「人事室総務グループのH29年度について」の公開を求める請求を「本件請求2」及び「福祉局保有分のすべて」を求める請求を「本件請求3」といい、これらをあわせて「本件各請求」いう。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件各請求に係る公文書の存否を答えることにより大阪市情報公開条例(以下「条例」という。)第7条第1号に該当する情報が明らかになることを理由として、条例第10条第2項に基づき、本件各請求に対してそれぞれ公開請求拒否決定(以下本件各請求に付した番号順に「本件決定1」から「本件決定3」という。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件決定1から本件決定3までの取り消しを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

本件決定1から本件決定3は妥当である。

(5)答申のポイント

審査会は、次の理由により、上記(4)のとおり判断しています。

ア 条例第9条が適用されるためには、①特定の個人を名指しして、または特定の事項(場所や分野)を限定して公開請求がなされているため、非公開決定(当該公文書が不存在であることを理由にする場合を含む。)を行って、その旨を請求者に通知することにより、何らかの情報が明らかになること(以下「要件1」という。)及び②当該情報が条例第7条各号のいずれかに該当すること(以下「要件2」という。)の2つの要件を備えていることが必要であると解される。

イ 本件決定1の条例第9条該当性について
(ア) 要件1該当性について
実施機関では通勤手当の支給状況が適正であるかどうかを職員に定期券等の提示を求めることにより確認を行っていることから、本件請求1に対し、仮に全人数分の確認書類を特定して部分公開決定を行えば、心身障がい者リハビリテーションセンター(以下「福祉局特定部署」という。)の全職員が通勤定期以外(ピタパ等)を利用していることが判明し、また仮に不存在による非公開決定を行うことにより、福祉局特定部署の全職員が通勤定期以外(ピタパ等)を利用していないことが判明する。
ここで、実施機関によると、実施機関の職員の氏名及び所属する部署を公表しているとのことであるから、福祉局特定部署の全職員の氏名はすでに明らかである。よって、本件請求1に対し全人数分の確認書類を特定して部分公開決定を行うこと又は不存在による非公開決定行うことにより、福祉局特定部署に所属する特定の個人が通勤定期以外(ピタパ等)を利用しているか否かの情報が明らかになると認められる。
また、福祉局特定部署の一部の職員が通勤定期以外(ピタパ等)を利用している場合に、一部の職員の確認書類を特定して部分公開決定をしても通勤定期以外(ピタパ等)を利用している特定の個人を識別することはできないが、存否応答拒否が必要な類型の文書については、実際に文書が存在すると否とを問わず、常に存否応答拒否をすべきであり、文書が一部存在する場合には存在すると答え、文書が存在しない又は全員分が存在する場合のみ存否応答拒否決定をしたのでは、存否応答拒否決定をする場合は文書が存在しない又は全員分が存在する場合であることを請求者に推測されてしまう。
したがって、本件請求1に係る公文書を実施機関が保有しているか否かを答えることにより、特定の個人が通勤定期以外(ピタパ等)を利用しているか否かの情報が明らかになることから、要件1に該当すると認められる。
(イ) 要件2該当性について
次に、上記(ア)により明らかになる情報の条例第7条第1号該当性について検討する。
(a) 上記(ア)により明らかになる情報は、特定の個人が通勤定期以外(ピタパ等)を利用しているか否か(以下「本件情報」という。)であり、職員の通勤に関する情報である。実施機関の職員の氏名が公表されていることから、本件情報は、個人に関する情報であって特定の個人を識別できるものであるから、条例第7条第1号本文に該当する。
(b) 続いて、本件情報の条例第7条第1号ただし書ウ該当性を検討する。
条例第7条第1号ただし書ウは、同条本文に規定する個人情報に該当する情報であっても、当該情報が公務員等の職務遂行に係る情報であるときは、当該公務員等の職及び職務遂行の内容に係る部分を公開すべきものとしている。職務の遂行に係る情報とは、公務員がその担任する職務を遂行する場合における具体的な職務遂行内容と直接の関連を有する情報を対象としていると解される。
ここで、通勤が公務員の職務遂行に該当するかどうかであるが、通勤とは、勤務場所と自宅との間を往復する行為であり、その性質上、公務員の職務とは明確に区別されていると解されるから、通勤という行為そのものは、当該公務員の職務遂行には該当しないと認められる。
したがって、本件情報は、条例第7条第1号ただし書ウに該当しない。
(c) また、通勤に係る本件情報が慣行として公にされている事実は認められないから、ただし書アに該当せず、その性質上、ただし書イにも該当しない。
(d) 上記(a)から(c)を踏まえると、本件請求1は要件2に該当すると認められる。
(ウ) 結論
以上のことから、実施機関が行った本件決定1については、条例第9条に該当すると認められる。

ウ 本件決定2及び本件決定3の条例第9条該当性について
本件請求2及び本件請求3はいずれも、対象職員が違うものの本件請求1と同様の請求であると認められることから、本件請求2及び本件請求3は上記イと同様に要件1及び要件2に該当すると認められる。以上のことから、実施機関が行った本件決定2及び本件決定3については、条例第9条に該当すると認められる。

答申第476号

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