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答申第477号

2024年3月22日

ページ番号:508282

概要

(1)公開請求の内容

特定事業者の新規介護保険事業者指定申請に関し、①指定前研修受講申込書、②指定申請予約申込票、③来訪者記録(特定事業者の指定申請~指定決定(事業開始)までの間における大阪市における来訪者記録(面談予定表、来訪者台帳など(特定事業者のみ)))、④訪問入浴介護事業者指定にかかる申請書類(介護保険施設指定・指定居宅介護支援事業者申請書(様式第1号)、法人の定款、訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護事業者の指定に係る記載事項(様式第2号)、従業者の勤務の体制及勤務形態一覧表、組織体制図、事業所の平面図等、利用者からの苦情を処理するために講じる措置の概要、財産目録等)の公開を求める旨の請求(以下「本件請求」という。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件請求にかかる公文書として別表2項番1から項番10までの(あ)欄に記載の公文書(以下項番順に「本件文書1」から「本件文書10」という。)と特定した上で、大阪市情報公開条例(以下「条例」という。)第10条第1項に基づき、公開しないこととした部分及び公開しない理由を別表2項番1から項番10までの(い)欄及び(う)欄のとおり付して、部分公開決定(以下「本件決定」という。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件決定を取り消し、本件決定で公開しないこととした情報を公開することを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

本件決定において公開しないこととした部分のうち、介護保険事業者指定前研修申込書の法人代表者及び管理者の氏名、指定申請予約申込票の法人代表者の氏名、別表1に掲げる事業者の電話番号及び来庁受付簿の実施機関の職員の氏名を公開すべきである。

(5)答申のポイント

審査会は、次の理由により、上記(4)のとおり判断しています。

ア 本件文書1における非公開情報について
(ア) 法人代表者及び管理者の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書1に記載の法人代表者の氏名は、法人等を代表する者が当該法人の職務として行う介護保険事業指定申請行為に関する情報であると認められるため、条例第7条第1号の「個人に関する情報」に該当せず、また本件文書1に記載の管理者の氏名は、慣行として公にされていることから、同号ただし書アに該当する。
したがって、法人代表者及び管理者の氏名は、条例第7条第1号に該当しない。
また、実施機関は、当該情報は法人代表者及び管理者の署名であり、これを公にすることにより偽造あるいは転用が可能となることから、当該個人の権利利益を害するおそれがあると主張するが、実施機関に確認したところ、本件文書1の記名者を代表者等本人に限定していないとのことであるから、氏名の記載が偽造あるいは転用されることにより、必ずしも当該個人の権利利益を害するおそれがあるとも認められないため、上記判断を左右するものではない。
(イ) 事業者の電話番号の条例第7条第1号及び第2号該当性について
実施機関は、本件文書1に記載の事業者の電話番号は、担当者個人の携帯電話番号である可能性があるため、条例第7条第1号に該当すると主張するが、当該情報は事業者の指定申請に係る連絡先として届け出られた情報であり、法人等の職務として行われているため、個人に関する情報であるとはいえないことから、条例第7条第1号に該当しない。
この点を踏まえ、条例第7条第2号該当性についてあらためて実施機関に確認したところ、当該電話番号については、事業者の関係者のみが使用し、公にされていないとのことであり、これらを公にすると、いたずらや偽計等に使用され、当該事業者の業務に支障を及ぼすなど、法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるとのことである。
そうすると、当該情報は、公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められることから、条例第7条第2号に該当する。

イ 本件文書2における非公開情報について
(ア) 法人代表者の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書2に記載の代表者の氏名は、上記ア(ア)と同一の情報であることから、条例第7条第1号に該当しない。
(イ) 申請担当者の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書2に記載の申請担当者の氏名は、法人代表者や事業所の管理者ではない従業員の氏名であり、単に当該法人の事務手続きを行っている担当者であることが認められ、審査請求人が主張する「代表者に準ずる地位ないし権限の下に職務として行っている」行為とは評価できない。よって、当該情報は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当し、またその情報の性質上、ただし書ア、イ、ウにも該当しない。
したがって、申請担当者の氏名は条例第7条第1号に該当する。
(ウ) 事業者の電話番号の条例第7条第1号及び第2号該当性について
本件文書2に記載の事業者の電話番号は、上記ア(イ)と同一の情報であることから、条例第7条第2号に該当する。

ウ 本件文書3における非公開情報について
(ア) 担当者の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書3に記載の担当者の氏名は、当該法人の事務手続きを行っている申請担当者の氏名であると認められることから、上記イ(イ)と同様に、条例第7条第1号に該当する。
(イ) 事業者の電話番号の条例第7条第1号及び第2号該当性について
実施機関は、本件文書3に記載の事業者の電話番号は、担当者個人の携帯電話番号又は自宅の電話番号である可能性があるため、条例第7条第1号に該当すると主張するが、本件文書3に記載の事業者の電話番号は、事業者の指定申請に係る電話番号であり、個人に関する情報であるとはいえないことから、条例第7条第1号に該当しない。
当該電話番号が事業者の指定申請に係る電話番号であることから、条例第7条第2号該当についてあらためて実施機関に確認したところ,事業者の電話番号のうち別表1に記載の事業者を除く事業者の電話番号については公にされていないとのことであり、これらを公にすると、いたずらや偽計等に使用され、当該事業者の業務に支障を及ぼすなど、法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる。
事業者の電話番号のうち別表1に記載の事業者の電話番号については、実施機関に確認したところ、既に公表されているとのことであり、これらを公にしても当該事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるとは認められない。
したがって、事業者の電話番号のうち別表1に記載の事業者を除く事業者の電話番号については条例第7条第2号に該当するが、別表1に記載の事業者の電話番号については条例第7条第2号に該当しない。

エ 本件文書4における非公開情報について
(ア) 担当者の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書4に記載の担当者は、当該法人の事務手続きを行っている申請担当者であると認められることから、上記イ(イ)と同様に、条例第7条第1号に該当する。
(イ) 実施機関の職員の氏名の条例第7条第1号該当性について
本件文書4に記載の実施機関の職員の氏名は、慣行として公にされていることから、条例第7条第1号ただし書アに該当する。
したがって、実施機関の職員の氏名は、条例第7条第1号に該当しない。
また、実施機関は、職員の氏名は署名であり、これを公にすることにより偽造あるいは転用が可能となることから、当該個人の権利利益を害するおそれがあると主張するが、実施機関に確認したところ、本件文書4は、実施機関における窓口対応の順番を管理する為に対応した職員の氏名を記載するものであり、記名者を対応した本人に限定していないとのことであるから、氏名の記載が偽造あるいは転用されることにより、必ずしも当該個人の権利利益を害するおそれがあるとも認められないため、上記判断を左右するものではない。

オ 本件文書5における非公開情報について
本件文書5に記載の、法人の代表者の生年月日及び自宅電話番号は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当し、またその性質上、ただし書ア、イ、ウにも該当しない。

カ 本件文書6における非公開情報について
(ア) 法人の印影の条例第7条第2号該当性について
本件文書6に記載の法人の印影は、法人等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、公にすることにより偽造等のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められることから条例第7条第2号本文に該当し、かつ同号ただし書にも該当しない。
(イ) 発起人の住所及び氏名・印影の条例第7条第1号該当性について
本件文書6に記載の発起人の住所、氏名及び印影は、個人の自宅住所、氏名及び印影であり、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当し、またその性質上、ただし書ア、イ、ウにも該当しない。
(ウ) 公証人の署名の条例第7条第1号該当性及び印影の条例第7条第2号該当性について
本件文書6を見分したところ、本件文書6に記載の署名は、公証人が自署により記載したものと認められるため、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当する。また、実施機関が公証人の署名及び印影の全てではなく、おおむねその4分の3の部分を非公開としたことが認められる。
公証人の署名については、本人が手書きで自己の氏名を記したにとどまらず、社会経済活動上、署名が個人の認証機能として果たしている役割を考慮すると、署名は公にすることにより偽造等当該個人の権利利益を害する場合もあると認められることから、公証人の氏名について公表する慣行があるからといって、必ずしも当該署名を公開することが妥当であるとは言えない。
そこで、当該署名の条例第7条第1号ただし書該当性を検討するに、当該署名は、本件文書6が不特定多数の者に広く知られる状態に置かれているとは認められないことから条例第7条第1号ただし書アに該当せず、かつ、その性質上、同号ただし書イ及びウにも該当しない。
また、本件文書6に記載の公証人の印影については、公にすることにより偽造等のおそれがあり、当該法人等の事業運営が損なわれるおそれがあると認められることから条例第7条第2号本文に該当し、かつ同号ただし書にも該当しない。

キ 本件文書7における非公開情報について
本件文書7に記載の、管理者の生年月日及び自宅住所・郵便番号・電話番号は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当し、またその性質上、ただし書ア、イ、ウにも該当しない。

ク 本件文書8、9及び10における非公開情報について
本件文書8、9及び10に記載の氏名は、事業者の従業員の氏名であり、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、条例第7条第1号本文に該当し、またその性質上、ただし書ア、イ、ウにも該当しない。

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