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答申第132号

2019年9月9日

ページ番号:523024

概要

(1)利用停止請求の内容

「2016年7月~2017年4月14日までの大阪市淀川区役所2F保健福祉課(健康相談)のカルテの内容(全文)」の利用停止請求(以下「本件請求」といいます。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件請求に係る保有個人情報を、「2016年7月~2017年4月14日までの大阪市淀川区役所2F保健福祉課(健康相談)のカルテの内容(全文)」(以下「本件情報」といいます。)と特定した上で、利用停止不承認決定(以下「本件決定」といいます。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件決定の取消しを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

実施機関が行った本件決定は、妥当である。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 精神保健福祉相談に係る事務について
実施機関は、職員の接遇や広聴事務に関する申出について広聴事務として収集及び利用したことを主張しているが、精神保健福祉相談では人間関係の悪化がストレスとなっていること等を相談する際に職員に対する不満や苦情等を述べることは十分予想されるところ、そのような場合においては、精神保健福祉相談に係る事務には相談者からの意見・申出を聴き取るという広聴としての事務の性質も含まれていると考えられる。

イ 本件情報を広聴担当部門と共有した理由について
審査請求人は、実施機関が本件情報を精神保健福祉相談事務の目的の範囲を超えて利用していることを主張しているため、上記アを踏まえて実施機関に対し、精神保健福祉相談事務の目的及び本件情報の一部を広聴担当部門と共有した理由について改めて確認したところ次のとおり説明があった。
精神保健福祉相談は、精神福祉に関する問題や課題について、自らもしくは身近な相談支援のみで解決できない状況に陥った時、精神保健福祉相談員等(以下「相談員」といいます。)の適切な助言や情報により問題や課題を整理し、相談員の指示を得て安心感を得ること、さらには相談者自らが相談員らとともに問題の解決を図ることを目的としており、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号。以下「精神保健福祉法」といいます。)第47条第5項には、市町村及び保健所等は本人・家族その他関係者への相談や指導をするにあたって関係機関と連携を図るよう努めなければならない旨が定められている。
実施機関としては、精神保健福祉相談において、審査請求人より区役所職員の対応がストレスとなって自身の病状に悪影響が出ている旨、広聴担当部門に伝達を希望する旨の申出が平成28年8月30日をはじめとする複数の面談時にあったことから、審査請求人が抱える心の問題を解決するためには広聴担当部門と連携した上で、適切な対応を図る必要があると判断し、本件情報のうち「職員の接遇及び広聴事務に関する要望内容」を精神保健福祉相談に係る事務として広聴担当部門と共有したものである。
また、平成29年3月10日に保健福祉課の課長(以下「本件課長」といいます。)が審査請求人と行った面談(以下「本件面談」といいます。)は、精神保健福祉相談において区役所職員の対応がストレスとなって自身の病状に悪影響が出ている旨の申し出があることを踏まえて、精神保健福祉相談事務の従事者である本件課長が精神保健福祉相談に係る事務として行ったものである。なお、通常、精神保健福祉相談事務は、医師、精神保健福祉相談員である保健師等が対応するものであるが、精神保健福祉法第47条第1項の規定により、精神保健福祉相談事務の従事者は精神保健福祉相談員等の有資格者に限定されず、行政職の事務職員も含まれていると解される。

ウ  本件情報に係る条例第10条第1項違反の該当性について
(ア) 審議会において本件情報を見分したところ、相談内容には、審査請求人が区役所職員の対応に心の健康を害している旨及び審査請求人が自らの申出の一部を広聴担当部門と共有することを求めている旨の記載があること、保健福祉課が広聴担当部門と共有したとする情報は、審査請求人が心の健康を害したと主張している区役所職員の接遇や対応に関する内容であることが認められた。
また、本件面談は、精神保健福祉相談の電話予約に係る保健福祉課職員の接遇により不快な思いをしたとの審査請求人の申出により行ったものであり、審査請求人がこれまで区役所職員の対応により心の健康を害していることを相談している状況を踏まえると、本件課長が、審査請求人の心の健康問題に対応するために精神保健福祉相談として本件面談を行ったとする実施機関の説明は首肯しうるものである。

(イ) 前記アのとおり精神保健福祉相談に係る事務には広聴としての性質の事務も含まれること及び上記(ア)を踏まえると、本件情報のうち「職員の接遇及び広聴事務に関する要望内容」を広聴担当部門と共有したことは、相談者の相談の原因となっている問題や課題を解消するという精神保健福祉相談の事務の目的の範囲を超えていないとする実施機関の主張に、特段、不自然不合理な点は認められない。
また、本件情報のうち「職員の接遇及び広聴事務に関する要望内容」を除いたその他の情報は、精神保健福祉相談に係る相談内容や保健福祉課職員の所見であり、そもそも他の部署で連携する蓋然性は認められず実際に連携していないとのことであるから、精神保健福祉相談事務の目的の範囲を超えて利用していないとの実施機関の説明は不自然、不合理とはいえず、これを覆すに足りる事情も認められない。
したがって、実施機関が条例第10条第1項に違反して本件情報を事務の目的の範囲を超えて利用したとは認められない。

答申第132号

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