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答申第135号

2019年9月9日

ページ番号:523146

概要

(1)開示請求の内容

「①H30 7/10にマイナンバーカードを使用し京都市から大阪市阿倍野区へ2回転入した時においての転入届書の交付一式②H30 7/10に京都市から大阪市阿倍野区へ同一平成年(H30)と同一年月日(7月10日付)で転籍を2回行なった届書の交付一式③H30 7/10に阿倍野区役所1Fで転入転籍のため住民票を交付した時の届書の交付一式④H30 7/12に阿倍野区役所で転入転籍の2回目においてのこせきとう本を交付した時の届書の交付⑤H30 8/6阿倍野区役所へ転入転籍2回目において住民票の交付の届書の交付とこせきの附票の交付の届書の交付」を求める旨の開示請求(以下「本件請求」といいます。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

実施機関は、本件請求のうち請求内容①及び③から⑤に係る保有個人情報を「請求者にかかる住民異動届(平成30年7月10日届出)」(以下「本件情報1」といいます。)、「住民票の写し・印鑑登録証明書・戸籍の附票の写し等請求書(平成30年7月10日請求)(平成30年8月6日請求)」(以下「本件情報2」といいます。)、「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等交付請求書(平成30年7月12日請求)」(以下「本件情報3」といいます。)と特定した上で、そのうち「委託業者の職員氏名及び本市職員の署名」の部分については、大阪市個人情報保護条例(平成7年大阪市条例第11号。以下「条例」といいます。)第19条第2号に該当することを理由に非開示とする部分開示決定(以下「本件決定1」といいます。)を行いました。
実施機関は、本件請求のうち請求内容②に係る保有個人情報を「転籍届(平成30年7月10日届出)」(以下「本件情報4」といいます。)と特定した上で、条例第19条第8号に該当することを理由にその全てを開示しないこととする非開示決定(以下「本件決定2」といい、本件決定1とあわせて「本件各決定」といいます。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件各決定の取消しを求めて、審査請求がありました。

(4)答申の結論

実施機関が行った本件各決定は、妥当である。

(5)答申のポイント

審議会は次のとおり判断しています。

ア 本件決定1において特定した保有個人情報及び非開示部分について
(ア) 本件決定1を行った保有個人情報のうち、本件情報1は住民基本台帳法(昭和42年法律第811号)第22条等に基づき実施機関が作成した住民異動届の様式、本件情報2は同法第12条等に基づき実施機関が作成した住民票の写し・印鑑登録証明書・戸籍の附票の写し等請求書の様式、本件情報3は法務省通知「戸籍法及び戸籍法施行規則の一部改正に伴う戸籍事務の取り扱いについて」に基づき実施機関が作成した戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等交付請求書である。

(イ) 本件決定1における非開示情報について
本件決定1において実施機関が非開示とした情報は、本件情報1、本件情報2及び本件情報3の「委託業者の職員氏名」及び「実施機関の職員の署名」(以下「本件非開示部分」といいます。)であることが認められる。また、実施機関が「実施機関の職員の署名」の全てではなく、おおむねその4分の3の部分を非開示としたことが認められる。

イ 本件決定2に係る保有個人情報について
本件情報4は法務省の通達(届け出書類標準様式に関する昭和59年11月1日法務省民事局民二第5502号通達)による戸籍関係届書類標準様式に基づき実施機関が作成した転籍届の様式である。

ウ 本件非開示部分の条例第19条第2号該当性について  
(ア) 「委託業者の職員氏名」については、審査請求人以外の個人に関する情報であって、当該情報そのものにより、審査請求人以外の特定の個人を識別することができるものであり、業務委託している民間従事者の氏名は慣行として公にしていない情報であることから、条例第19条第2号本文に該当し、またその性質上、同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。

(イ) 「実施機関の職員の署名」は、実施機関の職員が自書したことが認められるため、審査請求人以外の個人に関する情報であって、審査請求人以外の特定の個人を識別することができることから、条例第19条第2号本文に該当する。また、「実施機関の職員の署名」は、本人が自書したにとどまらず、個人の認証機能として果たしている役割を考慮すると、開示することにより偽造等当該個人の権利利益を害する場合もあると認められることから、実施機関の職員の氏名について公表する慣行があるからといって、当該署名を開示することが妥当であるとは認められず、条例第19条第2号ただし書アに該当せず、かつ、その性質上、同号ただし書イ及びウのいずれにも該当しない。

エ 本件決定2について  
(ア) 本件情報4の開示の条例第71条第4項本文該当性について
戸籍法第129条において、転籍届を含む戸籍法「第48条第2項に規定する書類」すなわち「届書その他市町村長が受理した書類」に記録されている保有個人情報については、行政機関個人情報保護法第4章(開示、訂正及び利用停止)の規定が適用除外とされている。
一方、戸籍法第48条第2項では「利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。」と規定されている。
実施機関に確認したところ、利害関係人とは届出事件本人、届出人及び届出事件本人の親族などとされており、届出人は戸籍法第48条第2項の「利害関係人」に該当するとのことである。
また、通常利害関係人が閲覧を希望した場合、DV等による支援措置対象者等に対しては被害者の保護を図る必要から届書にマスキング処理をして開示することもあるが、それ以外の場合は届書そのものを閲覧することができ、記載事項についての証明書を希望した場合も同様に、届書そのものの写しを作成し証明書として発行するとのことである。なお、特別の事由がある場合に限りとは、戸籍の訂正に係り当該証明書を裁判所に提出する場合等であるとのことである。
よって、届出人である審査請求人は、届書の全てを閲覧すること及び記載事項すべてについての証明書の交付を受けることができることから、戸籍法第48条第2項は、要件に該当する場合に、独自に開示請求制度を定めているものと解することができる。
したがって、本件情報4の開示は、条例第71条第4項本文の「保有個人情報…の開示、訂正又は利用停止について他の法令等の定めがあるとき」に該当する。

(イ) 本件情報4の開示の条例第71条第4項ただし書該当性について
実施機関に確認したところ、戸籍法第48条第2項で規定する書類のうち本籍分の届書については約1ヶ月間、非本籍分の届書については約1年間区役所において保管され、その後管轄の大阪法務局へ移管され、大阪法務局において27年間保存され、その間は届書の閲覧及び記載事項についての証明書の請求を行うことができるとのことである。
よって、特段請求期間や手法の制限が確認できないことから、条例第71条第4項ただし書の「保有個人情報…の開示をすることができる期間又は方法等が限られている」とは認められず、本件情報4の開示は、条例第71条第4項ただし書には該当しない。

(ウ) 本件決定2の妥当性について
以上より、本件情報4の開示については、条例第71条第4項本文に該当し、かつ、同項ただし書には該当しないことから、本来、不適法な請求であることを理由に条例第23条第2項に基づき開示請求を却下する決定を行うべきであったと解される。
しかし、いずれの決定によったとしても、条例第23条第2項に基づく開示しない旨の決定であることには変わりがないことから、その意味において、本件決定2は妥当である。

答申第135号

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