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令和2年11月17日付け裁決(答申第7号)

2023年2月17日

ページ番号:523809

裁決書

審査請求人 ○○○○
処分庁 大阪市長

 審査請求人が令和2年4月2日付けで提起した処分庁による令和2年3月23日付け令和元年度個人市民税及び府民税(以下「市民税等」という。)(第4期分)減免不承認決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(令和2年度財第1号。以下「本件審査請求」という。) について、次のとおり裁決します。

主文
 本件審査請求を棄却します。

事案の概要
1 審査請求人は、大阪市市税条例(以下「市税条例」という。)第57条第1項第2号(失業者)に該当するとして令和元年10月23日付けで令和元年度市民税・府民税減免申請書(以下「本件減免申請書」という。)を処分庁あて提出し、処分庁は、同日付けで令和元年度第3期分(納期限:令和元年10月31日)の減免を承認し、令和元年度市民税・府民税納税通知書兼税額変更(決定)通知書(以下「本件決定通知書」という。)を審査請求人あて送付しました。
2 審査請求人は、令和2年3月13日付けで失業(求職)状況申告書(以下「失業申告書」という。)を処分庁あて提出しました。
3 処分庁は、令和元年度第4期(納期限:令和2年1月31日)において大阪市個人市民税減免取扱要綱(以下「要綱」という。)第6条第5項に定める期日までに引き続き失業している旨の申告がなく、失業状態の継続確認ができないことを理由として、令和2年3月23日付けで本件処分を行い、令和元年度市民税・府民税減免不承認決定通知書(以下「本件不承認通知書」という。)を令和2年3月24日、審査請求人あて送付しました。
4 審査請求人は、令和2年4月2日付けで、処分庁に対し、本件処分の取消しを求めて審査請求を提起しました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
(1) 第3期分から減免措置があることを知り、あべの市税事務所で手続きをした。
 第4期分も手続きすることを知らず減免になっていなかったため、電話であべの市税事務所に問い合わせたところ、第3期分手続き時に、第4期分の書類は窓口で渡しており、それを提出していないので減免できないと言われた。窓口でもらった記憶はないので調べてほしいと言ったが、渡し終えたと書類に記載してあるので必ず渡しているとの一点張りだった。
 後日、手渡しではなく郵送しており間違いだったと言われた。郵送されているはずの書類も自宅には届いておらず、あべの市税事務所の言うことが二転三転し書類も、送っているのかどうか信じられない。
 あべの市税事務所は手渡しをした証拠があると言っており、事務の杜撰な管理体制があるのだと感じた。
(2) 弁明書の事実の経緯に、令和元年10月23日、減免の審査を行う旨を口頭で行ったとあるが、電話で確認した際は、書類を手渡ししたと言われた。書類が手元にないため、再確認してほしい旨伝えたところ、後日書類は手渡ししていなかったと認めた。減免が数度にわたりあることの理解ができておらず、口頭で説明を受けた記憶はない。
 失業者が減免を受けるためには雇用保険受給資格者証の写し等必要書類の申告がなければならない旨は理解した。ただ、送ったと言われた書類は自宅には届いていない。せめて失業期間が確実であると判断できる間の失業者に係る個人市民税等の減免だけは認めてもらえないかと切に願う。
2 処分庁の主張
(1) 令和元年10月23日、令和元年度市民税・府民税に係る減免申請書が提出された際に、失業を理由とする減免については、期別に失業・求職状況を申告する必要があり、第3期分の減免が承認されても第4期分の減免は失業申告書等の提出をもって減免の審査を行う旨を口頭で説明した。
 同日に本件決定通知書を郵送した際には、第4期分の納期限である令和2年1月31日時点においても失業状態が継続し納付が困難であり減免を受けようとする場合は令和2年2月10日までに失業申告書等の提出が必要な旨を記載した重要事項確認書及び失業申告書を同封した。なお、当該通知書について未着返戻となった記録はない。
 令和2年3月6日、審査請求人から電話により、失業状態が続いているにもかかわらず、期日までに失業申告書の提出がないことのみを理由に、第4期分の減免ができないことについて納得できない旨の申出があった。
 令和2年3月13日、審査請求人から郵送により、個人市民税等の第4期分の減免に係る失業申告書の提出があり、受理した。
 令和2年3月23日、市税条例第60条及び要綱第6条第5項の規定により、申告期限を経過していることから、第4期分の減免について不承認の決定を行った。
 令和2年3月24日、審査請求人あてに、本件不承認通知書を郵送した。
(2) 審査請求人は、第4期分の減免については別途申告書の提出が必要であることを窓口でも郵送でも知らされていなかったため、提出期限を経過したことを理由に減免不承認の決定をしたことに納得がいかないと主張しているが、本市からの申告手続に関する案内の有無にかかわらず、令和2年2月10日までに、申請期限(第4期分の納期限である令和2年1月31日)の日現在において、引き続き失業している旨を申告しなければならないことは要綱に規定されている。
 以上のことから、本件処分は、失業申告書関係書類の提示・提出期間を経過して、令和2年3月13日に提出されたことによるものであり適法である。
 なお、令和元年10月23日に減免申請を受け付けた際に、第4期分の減免には再度失業申告書関係書類の提出が必要であることを口頭で伝えた記録があり、あわせて第3期分の減免の適用に伴い令和元年10月25日に郵送した本件決定通知書に、失業申告書及び重要事項確認書を同封した発送記録があり、当該通知書は返戻された記録がないことから、必要な申告手続きの案内についても適切に行っている。

理由
1 本件に係る法令等の規定について
(1) 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができるとされています(地方税法(以下「法」という。)第323条)。
(2) 個人の道府県民税の賦課徴収は、法第2章第1節第2款に特別の定めがある場合を除くほか、当該道府県の区域内の市町村が、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収の例により、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収と併せて行うものとするとされています(法第41条第1項)。
(3) 個人の道府県民税の減免について、市町村長が個人の市町村民税を減免した場合においては、当該納税者に係る個人の道府県民税についても当該市町村民税に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されたものとするとされています(法第45条)。
(4) 失業者等に該当する者のうち市民税の全額負担に堪えることが困難であると市長が認めるものに対しては、申請に基づき、市税条例第41条の納期に係る納付額ごとに、市民税を減免する。ただし、失業者については、失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限るとされています(市税条例第57条第1項)。
(5) 普通徴収の方法によって徴収する市民税について、市税条例第57条の規定によって減免を受けようとする者は、当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないとされています(市税条例第60条第1項第1号)。
(6) 市税条例第57条第1項第2号の失業者に該当する者が2以上の納期又は徴収月に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期又は徴収月に係る申請期限から起算して10日以内に、雇用保険受給資格者証の写し又は失業により求職活動を行っていることを証する書類の写しを提示又は提出して当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされています(要綱第6条第5項)。
2 本件処分の違法性又は不当性について
 審査請求人は、第3期分から減免措置があることを知り、手続きをしたが、第4期分も手続きすることを知らずに減免になっていなかったため、令和2年3月13日に提出した失業申告書によって減免を認めてほしい旨及びあべの市税事務所が第4期分の書類を窓口で渡したと言うのは間違いであり、郵送したと言うが自宅には届いておらず、あべの市税事務所の言うことは二転三転し、書類も送っているのかどうか信じられない旨を主張しています。
 失業者に該当する者に係る個人の市民税については、前記1(4)のとおり失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限り、各納期に係る納付額ごとに、減免すると定められています。また、その手続については前記1(5)のとおり当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないと定められているところですが、前記1(6)のとおり、失業者に該当する者が2以上の納期に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期に係る申請期限から起算して10日以内に、当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされています。
 これを本件においてみると、審査請求人から引き続き失業している旨を申告する書類として失業申告書の提出があったのは、令和2年3月13日であり、令和元年度第4期分の納期限である同年1月31日から起算して10日を経過していることは明らかです。
 また、処分庁からの減免申請手続に係る案内や提出書類の送付は法令等によって義務付けられているものではないため、仮に審査請求人が主張するような処分庁からの申請手続きに係る案内の不足や書類の不着等の経緯があったとしても、当該経緯の如何が減免の承認の可否に影響を及ぼすものではありません。
 したがって、本件処分に違法又は不当な点は認められず、審査請求人の主張を採用することはできません。
3 上記以外の違法性又は不当性について
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められません。   
4  結論
 以上のとおり、本件処分に違法または不当な点は認められず、本件審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

令和2年11月17日
大阪市長 松井 一郎

裁決書(令和2年答申第7号)

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