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答申第482号

2021年10月6日

ページ番号:526139

概要

(1)公開請求の内容

別表項番1から項番4までの(い)欄に記載の旨の公開請求(以下項番順に「本件請求1」から「本件請求4」という。)がありました。

(2)実施機関(=大阪市長)の決定

ア 本件請求1に係る公文書を別表項番1の(え)欄に記載のとおり(以下「本件文書1」及び「本件文書2」という。)特定した上で、同(お)欄に記載の部分が大阪市情報公開条例(以下「条例」という。)第7条第1号又は第5号もしくはその両方に該当することを理由に、条例第10条第1項に基づき、部分公開決定(以下「本件決定1」という。)を行いました。

イ 本件請求2に係る公文書を別表項番2の(え)欄に記載のとおり(以下「本件文書3」という。)特定した上で、本件文書3が条例第7条第1号及び第5号に該当することを理由に、条例第10条第2項に基づき、非公開決定(以下「本件決定2」という。)を行いました。

ウ 本件請求3に係る公文書(以下それぞれ、別表項番3の(い)欄に記載のとおり「本件文書4」から「本件文書7」という。)の不存在を理由に、条例第10条第2項に基づき、非公開決定(以下「本件決定3」という。)を行いました。

エ 本件請求4を拒否する理由を別表項番4の(か)欄に記載のとおり付して、条例第10条第2項に基づき、存否応答拒否決定(以下「本件決定4」といい、本件決定1から本件決定3までとあわせて「本件各決定」という。)を行いました。

(3)審査請求の内容

本件決定1のうち公開しないこととした部分及び本件決定2から本件決定4までの取り消しを求めて審査請求がありました。

(4)答申の結論

本件決定は、妥当である。

(5)答申のポイント

審査会は、次の理由により、上記(4)のとおり判断しています。

ア 本件文書1及び本件文書2で実施機関が公開しないこととした情報のうち「順位開示欄」「整理番号欄」「業績項目能力項目組織運営項目の各評価点欄」「被評価者自由記入欄」「評価者総評欄」「職務への適正欄」及び「面談記録等欄」(以下「本件非公開情報1」という。)並びに「区分欄」及び「業績項目能力項目組織運営項目の合計欄」に記載の情報」(以下「本件非公開情報2」といい、「本件非公開情報1」とあわせて「本件各非公開情報」という。)の公開の可否について以下検討する。

イ 本件各非公開情報の条例第7条第1号該当性について
(ア) 条例第7条第1号本文該当性について
本件各非公開情報は、本件文書1及び本件文書2において非公開とした情報であるが、それぞれの個別の情報自体は単独では職員を識別することができる情報であるとはいえないものの、所属、職位、評価区分を特定して行われた本件請求については、関係職員の範囲が限定されているという本件における特別な事情を踏まえて検討する必要があるところ、本件各非公開情報を全体として見ると、当該所属の関係者が保有している情報又は入手可能であると通常考えられる情報と照合することにより、特定の個人を識別することができる情報であると認められるので、本件各非公開情報は全体として条例第7条第1号本文に該当する。

(イ) 本件非公開情報2に係る類似の他の公開情報との比較の検討について
本件各非公開情報の条例第7条第1号本文該当性については上記(ア)の通りであるが、本件非公開情報2については本件文書2で非公開とする一方、同様の内容の情報について本件文書1では公開としている点については不整合と考えられる可能性がないわけではないため、以下検討する。
実施機関によれば、例年、人事考課の結果に係る苦情相談の際に近しい職員の具体的な点数等が相談者から述べられることも多々見受けられ、人事評価の対象職員が少ない職場ほど、日々の会話の中で職員相互に共有されることにより、本件非公開情報2から職員個人の類推が容易となるとのことであり、人事評価が第3区分である対象職員が本件文書1については21名で少ないとは言えないが、本件文書2については9名と少ないことから、前述のとおり本件非公開情報2から職員個人を類推することが容易となるとの実施機関の説明は納得できるものであり、したがって、本件非公開情報2について、条例第7条第1号本文に該当し、非公開とした実施機関の取扱いは、本件文書1における取扱いと矛盾するものとは言えない。

(ウ) 本件各非公開情報の条例第7条第1号ただし書ア及びイ該当性について
条例第7条第1号ただし書アは、「法令若しくは条例…の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」は、例外的に公開しなければならない旨を規定している。
ここで、実施機関によれば、本件各非公開情報について、これを公にすることとした法令等は存在しないし、公にされる慣行も見当たらないとのことであることから、本件各非公開情報は、条例第7条第1号ただし書アに該当しない。
また、本件各非公開情報は、その性質上、条例第7条第1号ただし書イにも該当しない。

(エ) 本件各非公開情報の条例第7条第1号ただし書ウ該当性について
条例第7条第1号ただし書ウは、「当該個人が公務員等…である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」は例外的に公開しなければならない旨を規定しており、行政事務と不可分の関係にある公務員等の職及び職務遂行の内容に係る部分について公開することとしている。
ここで、「その職務の遂行に係る情報」とは、公務員等が、行政機関その他の国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の一員として、その担任する職務を遂行する場合における当該職務遂行に関する情報をいい、公務員等が受ける勤務評定、懲戒処分、分限処分その他の行政措置は、当該公務員等にとっては、職務に関する情報ではあっても、「その職務の遂行に係る情報」には該当しないと解される。したがって、本件各非公開情報が、人事考課制度において、特定の職員が行った自己評価及び当該職員に対してなされた評価に関する情報であることを踏まえると、本件各非公開情報は、その担任する職務そのものを遂行する場合における当該職務遂行に関する情報であるとは認められず、条例第7条第1号ただし書ウに該当しない。

(オ) 小括
以上を踏まえると、本件各非公開情報は条例第7条第1号に該当する。

イ 本件文書3の条例第7条第1号該当性について
(ア) 本件文書3の条例第7条第1号本文該当性について
本件文書3は、審査請求人(C職員)の第2次評価者がC職員を含む評価対象職員の人事考課において自身が評価を行う際の備忘録のメモとして作成し、その後組織共用されたことから公文書として保有していたものであるが、当審査会で本件文書3を見分したところ、休暇取得状況など個人の私事に関する情報を含む職員の評価に関する事実が記載され、本件文書3が全体として条例第7条第1号本文に該当することは明らかである。

(イ) 本件文書3の条例第7条第1号ただし書該当性について
本件文書3の条例第7条第1号ただし書該当性については、上記ア(ウ)及び(エ)と同様であると認められることから、本件文書3は同号ただし書ア、イ、ウに該当しない。

(ウ) 小括
以上を踏まえると、本件文書3は条例第7条第1号に該当する。

ウ 本件文書4の存否について
本件文書4は、作業現場において審査請求人(C職員)が別の作業員に対し口頭注意を行ったとする事情(以下「当該事情」という。)について、C職員の第1次評価者が報告を受けた際に作成した記録であるが、実施機関に確認したところ、当初、第1次評価者は当該事情を詳細に把握していなかったが、第2次評価者に被評価者の人事考課シート等を提出し、第2次評価者からの聞き取りがあった際に、当該事情の詳細を第2次評価者から口頭で伝えられたとのことであり、本件請求に記載の「第1次評価者が、当該作業員ないし被評価者以外の業務主任から、当該事情の報告を受けた」という事実はないとのことである。また、当該伝達は、第2次評価者から口頭で行われたが、第1次評価者は伝達を受けた記録等を作成していないとのことである。
「人事考課制度運用の手引き」によれば「評価者は日常的に…被評価者の業務取組状況の客観的な把握及び記録に努めてください。」と記載されているものの、公文書を必ず作成しなければならないという義務までは課されておらず、また第1次評価者の担当する被評価者は5人程度であることも踏まえると、特に記録を作成する必要がなかったことから第1次評価者は当該記録を作成しておらず、実際に存在しないとする実施機関の主張に不自然、不合理な点は認められない。

エ 本件文書5の存否について
本件文書5は、第1次評価者が被評価者との面談の前に作成する仮評価メモであるが、本件文書5に該当するメモは、最終的な評価を行う前の検討段階で記載する個人の一時的なメモであり、公文書には該当せず、第1次評価を行った後、適切に廃棄したと実施機関は主張している。
「人事考課制度運用の手引き」によれば、被評価者から人事考課シートの提出を受けた第1次評価者は、「スムーズな評価者面談の実施を可能」とするため、「被評価者の今期の仕事振りについて仮評価を」行うこととされ、その仮評価は「メモとして作成し、評価者面談に臨んで」もよいとされているが、本件文書5は個人的なメモとして記録したものであり、組織的に用いるものとして実施機関が保有しているものとは言えないことから、第1次評価を行った後に廃棄したかどうかを問うまでもなく、公文書に該当しない。

オ 本件文書6の存否について
本件文書6は、審査請求人(C職員)に係る第1次評価における事実確認シートであるが、実施機関に確認したところ、環境局においては環境事業センターに限らず、事実確認シートは、評価期間中の異動により評価者が変更した場合や派遣先職員を派遣元職員が評価する場合など評価者が事実上業務取組状況を確認し難い場合に積極的に活用しており、本件のように同一職場で勤務する職員の評価にあたっては、通常作成していないとのことである。
また、本件においては、第1次評価者は審査請求人の評価にあたって、把握した業務取組状況を第2次評価者に確実に伝達しており、第2次評価者も第1次評価者の伝達内容に加えて、関係職員から審査請求人の業務取組状況について聞き取った内容を踏まえて評価を行っており、そういった状況であることから殊更に本件文書6を作成しなくても第2次評価者として評価に支障はなく、本件文書6を当初から作成しておらず、実際に存在しないと実施機関は主張している。
なお、実施機関によれば、上記伝達は一般的に評価者が任意の方法(メモやメールによる共有、口頭での伝達等)により行い、通常その際に事実確認シートを使用することはないうえ、特に環境事業センターにおいては、口頭での伝達が慣例となっており、本件においても口頭でのみ行われており、当該伝達に関する文書も存在しないとのことである。
「人事考課制度運用の手引き」によれば、第1次評価者は、「日常的に別添資料の『事実確認シート』等を活用するなど、被評価者の業務取組状況の客観的な把握及び記録に努めてください。」とあるものの、必ずしも公文書の作成義務はなく、本件のように第1次評価者の担当する被評価者は5人程度であることも踏まえると、本件において人事評価事務上事実確認シートを作成する必要がなく実際にも存在しないとする実施機関の主張に不自然、不合理な点は認められない。

カ 本件文書7の存否について
本件文書7は、審査請求人(C職員)の第2次評価者が第1次評価者から人事考課シートの提出を受けて行った第1次評価者との意見交換等の記録であるが、第2次評価者は自身が評価を行ううえで特に必要な情報を本件文書3に記録していることから、本件文書3とは別に意見交換等の記録を公文書として作成していなかったものであり、実際に存在しないと実施機関は主張している。また、実施機関に確認したところ、第1次評価者と第2次評価者との間で行われた面談・意見交換においてはメモを作成するまでもなく状況を把握できたことから、公文書のみならず特段メモ等も作成していないとのことである。
「人事考課制度運用の手引き」によれば、第2次評価者は第1次評価者から人事考課シートの提出を受け、「被評価者の日常や第1次評価者との面談等でのやりとりについて積極的に情報収集するなど、事実の把握に努め」、「第1次評価者が記入した『勤務状況』欄と『職務への適正』欄の内容に疑義がある場合については、第1次評価者と十分な意見交換等を行」うこととされているが、当該事実把握や意見交換等について、記録を作成することを求める記載はないことを踏まえると、第2次評価者が評価を行う上で特に必要な情報は本件文書3として記録しており、また面談・意見交換においてはメモすら作成するまでもなく状況を把握できたことから、その記録をそもそも作成しておらず、本件文書7は存在しないとする実施機関の主張に、不自然、不合理な点は認められない。

キ 本件決定4の条例第9条該当性
(ア) 要件1について
まず、審査請求人は「請求する公文書の件名又は内容」欄に「平成30年5月22日、同年6月5日、及び同年6月15日に実施されたC氏(職員番号:〇〇〇〇〇〇〇)の平成29年度人事考課にかかる苦情相談にかかる記録一式。」と記載しているところ、実施機関が、本件請求4に係る公文書について、条例第10条第2項の規定に基づく非公開決定等(当該公文書が不存在であることを理由にする場合を含む。)を行い、その旨を審査請求人に通知すれば、C職員による苦情相談の利用の事実の有無が明らかになり、要件1に該当すると認められる。

(イ) 要件2該当性について
次に、上記(ア)により明らかになる情報の条例第7条第1号該当性について検討すると、上記(ア)により明らかになる情報は、C職員による苦情相談の利用の事実の有無であり、個人に関する情報であって特定の個人を識別できるものであるから、条例第7条第1号本文に該当し、また当該情報は同号ただし書ア、イ、ウのいずれにも該当しない。
なお、審査請求人は、C職員は審査請求人本人であり、審査請求人が苦情相談を申入れ、苦情相談が実施されたものであり、上記対象文書が存在しうること自体は当然認識しているため、公にすることにより個人(審査請求人)の権利利益が害するおそれがあるとは言えず条例第7条第1号に該当しないと主張する。
しかしながら、公開請求は、何人でも行うことができ、条例第7条第1号本文は公開請求者のいかんにかかわらず、一律に適用することとされていることから、公開請求者が自己に関する個人情報の公開を請求した場合であっても、本人以外のものからの公開請求と同様に取り扱うことになるところ、公開請求では本号に該当する個人情報である限り、公開請求者が当該本人であっても、公開することができないものであると解される。
したがって、審査請求人の主張を採用することはできず、本件請求4は要件2に該当すると認められる。

(ウ) 条例第9条該当性について
以上のことから実施機関が行った本件決定4については、条例第9条に該当すると認められる。

答申第482号

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