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令和3年2月5日付け裁決(答申第10号)

2023年2月17日

ページ番号:531669

裁決書

審査請求人 〇〇〇〇
処分庁 大阪市長

 審査請求人が、令和2年6月29日付けで提起した、処分庁による令和2年度固定資産税及び都市計画税賦課決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(令和2年度財第10号。以下「本件審査請求」という。) について、次のとおり裁決します。

主文
 本件審査請求を棄却します。

事案の概要
1 処分庁は、平成16年11月29日、審査請求人からの土地分割評価届出書の提出に基づき、平成17年3月14日に別紙目録項番1(以下「本件土地1」という。)及び項番2(以下「本件土地2」といい、本件土地1と併せて「本件土地」という。)に対する実地調査を行い、一般貸駐車場とグループホーム(以下「本件家屋」という。)の敷地の一部として利用されていることを確認したため、平成17年度から本件土地を本件土地1と本件土地2とに分割評価のうえ、本件土地2については、第三者が所有する隣地(大阪市〇〇〇〇区〇〇〇〇丁目〇〇〇〇番〇〇〇〇、以下「本件隣地」という。)上に存する本件家屋の敷地として一体的に利用されていたため、一体評価とし、本件隣地とともに画地認定を行いました。
 その結果、本件土地2については、本件家屋が、その一部を人の居住の用に供していたため、住宅用地に対する課税標準の特例措置(以下「住宅用地特例」という。)を適用しました。
2 処分庁は、前記1の状況に基づき令和2年4月1日付けで本件処分を行い、同日付けで審査請求人あて通知しました。
3 令和2年〇月〇日、審査請求人の代理人(以下「代理人」という。)から本件土地1は、平成22年から本件家屋の専用駐車場として貸し付けているため、本件土地の分割評価を取り消し、本件土地と本件家屋の敷地である隣地とを一体評価し、住宅用地特例を過去に遡って適用するよう申出がありました。
4 審査請求人は、令和2年6月29日付けで大阪市長に対し、本件処分を不服として審査請求を提起しました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 本件土地のうち、本件土地1は平成17年度以降、一般貸駐車場として課税されているが、利用状況が平成22年に変わり、本件土地2及び本件隣地上に存する家屋を運営している会社に定期借地権付きで貸しているのだから、令和2年1月1日現在、本件土地1は本件土地2及び本件隣地と区別なく一体として利用されているのに、間違った計算で算出した税金が賦課されている。
 本件土地と本件隣地を併せて二筆を一画地として一体評価し、本件土地1を専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるもの(以下「住宅用地」という。)として認定し、住宅用地特例を適用した額で求めなければならない。
 なお、令和2年度は基準年度ではないので、画地の認定について固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることはできないから、本件は審査請求で取り上げられるべきである。
2 処分庁の主張
 本件土地1は、平成16年11月29日、審査請求人から土地分割評価届出書の提出があってから、住宅用地に関する異動申告書の提出はなく、利用状況が変更されたという申告もない。
 航空写真を活用した机上調査でも、平成22年から平成24年については、利用状況の変化は確認できず、平成25年に本件土地1のアスファルトが撤去され、砂利敷きの状態となったことが確認できるが、車が複数台駐車されているものの、審査請求人が主張するような利用状況の変化について確認はできなかった。
 代理人の求めに応じ、令和2年7月16日に現地の利用状況調査を行ったが、本件土地上には、看板等の表示もなく、本件家屋の敷地として利用していると外観から判断できる状況ではない。
 したがって、本家土地1は令和2年の賦課期日において、住宅用地であったと認められず、評価を変更する理由は認めらない。

理由
1 関係法令等の定め
(1) 固定資産税等の賦課期日について
ア 固定資産税等の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とするとされています(地方税法法(以下「法」という)第359条及び法第702条の6)。
イ 都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、固定資産税の賦課徴収と併せて行うとされています(法第702条の8)。
(2) 住宅用地特例について
ア 住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、法第349条及び第349条の3第12項の規定にかかわらず、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1(法第349条の3の2第2項に該当する住宅用地(以下、「小規模住宅用地」という。)にあっては6分の1)の額とするとされています(法第349条の3の2)。
イ 法第349条の3の2第1項の規定の適用を受ける土地に係る都市計画税の課税標準は、法第702条第1項の規定にかかわらず、当該住宅用地に係る都市計画税の課税標準となるべき価格の3分の2(小規模住宅用地にあっては3分の1)の額とするとされています(法第702条の3)。
(3) 住宅の敷地の認定について
 住宅の敷地の認定について、次のとおり取り扱うこととされている。
 住宅の敷地の用に供されている土地とは、当該住宅を維持し、またはその効用を果たすために使用されている画地の土地をいうとされています(「地方税法第三百四十九条の三の二の規定における住宅用地の認定について」(平成9年4月1日付け 自治固第13号 自治省税務局固定資産税課長通達)三(1))。
(4) 価格に対する不服の申立てについて
ア 固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある場合は、納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの間において、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができるとされています(法第432条第1項)。
イ 固定資産税の賦課についての審査請求においては、法第432条第1項の規定により審査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができないとされています(同条第3項)。
2 争点等について
(1) 審査請求人は、本件土地1にも住宅用地特例を適用し、本件土地に係る令和2年度の固定資産税等の税額を求めるべきであると主張しています。
 住宅用地特例については、前記1(2)に記載のとおり住宅用地(専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるもの)に対して適用され、住宅の敷地の用に供されている土地とは、前記1(3)のとおり、当該住宅を維持し、またはその効用を果たすために使用されている一画地の土地をいうとされています。
 また、大阪市においては、「住宅用地関係取扱要領」により、住宅用地特例に関する取扱いを定めており、当該取扱要領において、住宅用地特例が適用される土地の単位は固定資産評価実施要領の「画地」の単位と同一とされています。
 これを本件においてみると、本件土地1は、令和2年度の、固定資産税等の賦課決定に係る評価において、当該土地のみで一画地を構成していることが認められ、当該土地上には専ら人の居住の用に供する家屋はなく、居住の用に供する家屋の敷地の用に供されている土地であるといえないことから、審査請求人の上記主張は採用することができません。
(2) なお、審査請求人は、本件土地と本件隣地を併せて二筆一画地と認定して一体評価したうえで、本件土地に係る令和2年度の固定資産税等の税額を求めるべきであるとも主張しています。
 しかしながら、上記1(4)イのとおり、固定資産税の賦課についての審査請求においては、法第432条第1項の規定により、審査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができないとされており、審査を申し出ることができる事項とは、固定資産課税台帳に登録された価格及び価格の算出に影響を及ぼすような事項をいい、具体的には、土地の地目、地積、路線価及び画地形状の認定等に関する不服とされています。
 したがって、画地の認定に係る不服は、固定資産税等の賦課についての審査請求である本件審査請求の理由とすることができず、審査請求人の上記主張は採用することができません。
 なお、このことは基準年度又は基準年度以外の年度にかかわらず妥当するものです。 
 以上のとおり、本件処分に違法または不当な点は認められず、本件審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

令和3年2月5日
大阪市長 松井 一郎

別紙物件目録 省略

裁決書(令和2年答申第10号)

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