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令和3年4月23日付け裁決(答申第1号)

2023年2月17日

ページ番号:536711

裁決書

審査請求人 〇〇〇〇
処分庁 大阪市長

 審査請求人が令和2年11月20日付けで提起した処分庁による令和2年10月2日付け令和2年度市民税・府民税(以下「市民税等」という。)(2期分)減免不承認決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(令和2年度財第18号。以下「本件審査請求」という。) について、次のとおり裁決します。

主文
 本件審査請求を棄却します。

事案の概要
1 処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)の担当職員は、令和2年6月16日、審査請求人より、失業中で納付が困難であるとの電話相談を受け、審査請求人の了承を得たうえで、本件の代理人から事情を聴取のうえ、減免手続きに係る説明を行い、失業減免申請書等の書類を郵送しました。
2 処分庁は、令和2年6月30日、大阪市市税条例(以下「市税条例」という。)第57条第1項第2号に該当するとして審査請求人が提出した令和2年度市民税等減免申請書を受理しました。
3 処分庁は、令和2年7月3日付けで、令和2年度市民税等納税通知書兼税額変更(決定)通知書(以下「本件決定通知書」という。)を審査請求人あて送付し、令和2年度市民税等のうち、第1期分(納期限:令和2年6月30日)の税額に係る減免を承認しました。
4 処分庁は、令和2年10月1日、令和2年度市民税等に係る失業(求職)状況申告書(第2期分)(以下「本件失業申告書」という。)を受理しました。
5 処分庁は、大阪市個人市民税減免取扱要綱(以下「要綱」という。)に定める期日までに、審査請求人から引き続き失業している旨の申告がないことを理由として、令和2年10月2日、令和2年度市民税等のうち、第2期分(納期限:令和2年8月31日)の税額に係り、本件処分を行い、同日付けで令和2年度市民税等減免不承認決定通知書を審査請求人あて送付しました。
6 審査請求人は、令和2年11月20日、大阪市長に対して、本件処分の取消しを求めて本件審査請求をしました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 審査請求人は精神疾患を患い、現在も通院中で失業中である。
 減免申請書を一度だけ提出しておけば状況が変更しない限り、自動継続され減額になると思っていた。申請期限というのは、変更があった際に申し出ると勘違いし、書類等の変更が無ければ、引き続き減額された納付書が届くと思っていたので、一度提出すれば大丈夫だと思い込んでいた。
 一度も催告の電話や手紙もなく、たった18日間申し出がなかっただけで、状況も変わっていないのに減免してもらえないのは納得できない。第3期分は減額されており、このままだと、第2期分だけが減額されないことになり、おかしい。
2 処分庁の主張
 失業者に該当する者に係る個人の市民税の減免で、2以上の納期に係る税額について減免の申請をした場合には、要綱第6条第5項において、各納期に係る申請期限から起算して10日以内に、申請書にその証拠となる書類を添付して、当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされている。
 第2期分の減免適用を継続して受けるには、令和2年9月9日までに、申請期限(第2期分の納期限である令和2年8月31日)の日現在において、引き続き失業している旨を申告しなければならないが、審査請求人から本件失業申告書が提出されたのは令和2年10月1日であり、申請期限から起算して10日を経過していることは明らかであるため、審査請求人の主張は認められない。

理由
1 本件に係る法令等の規定について
(1) 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免することができるとされています(地方税法(以下「法」という。)第323条)。
(2) 個人の道府県民税の賦課徴収は、法第2章第1節第2款に特別の定めがある場合を除くほか、当該道府県の区域内の市長村が、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収の例により、当該市町村の個人の市町村民税の賦課徴収と併せて行うものとするとされています(法第41条第1項)。
(3) 個人の道府県民税の減免について、市町村長が個人の市町村民税を減免した場合においては、当該納税者に係る個人の道府県民税についても当該市町村民税に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されたものとするとされています(法第45条)。
(4) 失業者等に該当する者のうち市民税の全額負担に堪えることが困難であると市長が認めるものに対しては、申請に基づき、市税条例第41条の納期に係る納付額ごとに、市民税を減免する。ただし、失業者については、失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限るとされています(市税条例第57条第1項第2号)。
(5) 普通徴収の方法によって徴収する市民税について、市税条例第57条の規定によって減免を受けようとする者は、当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないとされています(市税条例第60条第1項第1号)。
(6) 市税条例第57条第1項第2号の失業者に該当する者が2以上の納期又は徴収月に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期又は徴収月に係る申請期限から起算して10日以内に、雇用保険受給資格者証の写し又は失業により求職活動を行っていることを証する書類の写しを提示又は提出して当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされています(要綱第6条第5項)。
2 本件処分の違法性又は不当性について
 失業者に該当する者に係る個人の市民税については、前記1(4)のとおり失業期間中に納期限が到来する部分の税額の減免に限り、各納期に係る納付額ごとに、減免すると定められています。また、その手続については前記1(5)のとおり当該市民税の各納期限までに、申請書に、その証拠となる書類を添付して、市長に提出しなければならないと定められているところですが、前記1(6)のとおり、失業者に該当する者が2以上の納期に係る税額について減免の申請をした場合には、各納期に係る申請期限から起算して10日以内に、当該申請期限の日現在において引き続き失業している旨を市長に申告しなければならないとされています。
 これを本件においてみると、令和2年度市民税等第2期分について、審査請求人から引き続き失業している旨を申告する書類として本件失業申告書の提出があったのは、令和2年10月1日であり、令和2年度第2期分の納期限である令和2年8月31日から起算して10日を経過していることは明らかです。
 審査請求人は、減免申請書を一度だけ提出しておけば状況が変更しない限り、自動継続され減額になると思っていた旨及び処分庁から一度も催告の電話や手紙がなかった旨を主張しています。
 しかしながら、前述のとおり、失業者に該当する者が2以上の納期に係る税額について減免の申請をした場合には、引き続き失業している旨を各納期に係る申請期限から起算して10日以内に申告しなければならないとされています。
 また、処分庁からの減免申請手続に係る案内や提出書類の送付は法令等によって義務付けられているものではありませんが、処分庁は、令和2年6月16日に代理人から電話にて問い合わせを受けた際に、口頭で納期ごとに失業(求職)状況申告書と証明書類が必要である旨説明し、本件決定通知書等を送付する際に、令和2年9月9日までに失業(求職)状況申告書等の提出が必要である旨を記載した書面及び失業(求職)状況申告書(第2期分~第4期分)を同封しています。
 よって、審査請求人の主張は採用できません。
 したがって、本件処分に違法又は不当な点は認められません。
3 上記以外の違法性又は不当性について
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められません。
4  結論
 以上のとおり、本件処分に違法または不当な点は認められず、本件審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

令和3年4月23日
大阪市長 松井 一郎

裁決書(令和3年答申第1号)

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