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令和3年12月27日付け裁決(答申第12号)

2023年2月17日

ページ番号:555810

裁決書

審査請求人 ○○○○
処分庁 大阪市長

 審査請求人が令和3年6月29日付けで提起した処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)による令和3年度固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)賦課決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(平成3年度財第12号。以下「本件審査請求」という。)について、次のとおり裁決します。

主文
 本件審査請求を棄却します。

事案の概要
1 ○○○○の土地(以下「本件土地」という。)の上には、共同住宅○○棟及び事務所・娯楽場○○棟の合計○○棟が建築されており、○○棟の全家屋が区分所有家屋で敷地権が設定されています。本件土地は住宅用地である部分と非住宅用地である部分を併せ有する土地(以下「併用土地」という。)となっています。
2 処分庁は、本件土地(区分所有に係る家屋の敷地の用に供される土地(以下「共用土地」という。)であり、審査請求人の持分割合は○○/○○となっている。)及び本件土地上の家屋(家屋番号○○)について、令和3年度の賦課期日現在の所有者である審査請求人に対して、令和3年4月1日付けで本件処分を行い、審査請求人あて納税通知書を送付しました。
3 審査請求人は、令和3年6月29日付けで大阪市長に対し、令和3年度の固定資産税等の税額の見直しを求め本件審査請求を提起しました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 評価額の誤り及び住宅用地に対する固定資産税等の課税標準の特例措置(以下「住宅用地の特例」という。)の適用漏れの可能性があるため、税額の見直しを求める。
2 処分庁の主張
(1) 評価額の誤りの可能性があるという主張について
 評価額の誤りの可能性があるという主張は、土地の価格に対する不服であり、地方税法(以下「法」という。)第432条第3項の規定により固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができない。
(2) 住宅用地の特例の適用について
 本件土地については、全地積のうち、○○平方メートルが小規模住宅用地であり、小規模住宅用地相当固定資産税課税標準額は○○円(都市計画税課税標準額○○円)となる。
 審査請求人については、住宅部分を有する者として、その土地の課税標準額は前記の小規模住宅用地相当課税標準額から算出することとなるので、住宅用地の特例を適用している。
 共用土地の固定資産税等の課税標準額については、「共用土地に係る固定資産税及び都市計画税の事務取扱要領(昭和58年9月2日付け 財第510号)」(以下「事務取扱要領」という。)が定められており、本件処分における税額の算定については、これに基づき適正に行っている。

理由
1 本件審査請求に係る法令等の規定
(1) 固定資産税等の賦課期日等について
ア 固定資産税等の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする(法第359条及び第702条の6)。
イ 都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、固定資産税の賦課徴収と併せて行う(法第702条の8)。
(2) 固定資産税等の課税標準について
ア 土地又は家屋に対して課する固定資産税の課税標準は、土地課税台帳等又は家屋課税台帳に登録された価格とする(法第349条)。
イ 土地又は家屋に対して課する都市計画税の課税標準は当該土地又は家屋に係る固定資産税の課税標準となるべき価格とする(法第702条第2項)。
(3) 価格に対する不服の申立てについて
ア 固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある場合は、納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの間において、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる(法第432条第1項)。
イ 固定資産税の賦課についての審査請求においては、法第432条第1項の規定により審査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができない(同条第3項)。
(4) 住宅用地の特例について
ア 住宅用地とは、専ら人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものをいい、これに対して課する固定資産税の課税標準は、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1(法第349条の3の2第2項に該当する住宅用地(以下「小規模住宅用地」という。)にあっては6分の1)の額とする(法第349条の3の2)。
イ 法第349条の3の2第1項の規定の適用を受ける土地に係る都市計画税の課税標準は、当該住宅用地に係る都市計画税の課税標準となるべき価格の3分の2(小規模住宅用地にあっては3分の1)の額とする(法第702条の3)。
(5) 住宅用地の特例の適用に当たり、小規模住宅用地とは、ア 住宅用地でその敷地面積が200平方メートル以下のもの、イ 敷地面積を当該住宅用地のうえに存する住居の数で除して得た面積が200平方メートル以下であるものをいう(住宅用地関係事務取扱要領(平成29年6月13日改正)第1章第3、5(1)(2))。
(6) 区分所有に係る家屋の敷地の用に供される土地について
 共用土地の固定資産税額は、原則として当該土地の各共有者に、土地の持分の割合によって按分した額を各共有者の税額として納付する義務を負う。ただし、税額の算定上、住宅用地である部分と非住宅用地部分を併せ有する土地である場合等においては、当該共用土地の持分割合を補正した割合によって按分することとする(法第352条の2第1項)。
(7) 共用土地の課税標準額の算出方法について
 特定共用土地(併用土地で、住宅部分を有する者で、持分相当地積が200平方メートルを超えるものがあるものを除く。)納税義務者の課税標準は、次により算出することとする。
ア 各共用土地納税義務者の持分に応じた地積
 共用土地の地積×持分の割合(端数は小数点以下第5位切捨)
イ 各共用土地納税者の課税標準額
 共用土地の小規模住宅用地相当課税標準額×持分に応じた地積(アで求めた地積)/共用土地の小規模住宅用地相当地積(端数は千円未満切捨)
(事務取扱要領第1、8)
2 争点等について
(1) 審査請求人は、評価額の誤りの可能性があるため、税額の見直しを求める旨を主張しています。
 しかしながら、前記1(3)のとおり、固定資産課税台帳に登録された価格についての不服は、固定資産評価審査委員会に審査申出ができる事項であるため、固定資産税の賦課についての審査請求の理由とすることができないとされています。
 評価額の誤りに係る不服は、固定資産課税台帳に登録された価格についての不服であることから、固定資産税等の賦課についての審査請求である本件審査請求の理由とすることができず、審査請求人の主張は採用することができません。
(2) 審査請求人は、住宅用地の特例の適用漏れの可能性があるとも主張しています。
 住宅用地の特例の適用に当たっては、前記1(5)のとおり、当該住宅用地の敷地面積が200平方メートルを超える場合、その敷地面積を当該住宅用地の上に存する住居の数で除して得た面積が200平方メートル以下であるものを小規模住宅用地というとされています。
 これを本件においてみると、本件土地は、住宅用地部分である共同住宅○○棟及び非住宅用地部分である事務所・娯楽場○○棟が建築された併用土地であり、本件土地の固定資産税等の課税標準額となるべき価格は○○円であり、住宅用地部分に係る固定資産税等の課税標準額となるべき価格は、前記価格を本件土地の住宅用地部分の地積(○○平方メートル)と非住宅用地部分の地積(○○平方メートル)により按分して算出した○○円であることが認められます。
 また、当該住宅用地部分の地積(○○平方メートル)を当該住宅用地の上に存する住居の数(○○戸)で除して得た面積が200平方メートル以下であるため、当該住宅用地部分は全て小規模住宅用地となることから、本件土地のうち、住宅用地部分に係る固定資産税の課税標準額は、前記○○円に1/6を乗じた○○円(都市計画税の課税標準額は1/3を乗じた○○円)となり、住宅用地の特例を適正に適用して算出されています。
 なお、本件土地のうち、非住宅用地部分に係る固定資産税等の課税標準額は○○円であることが認められることから、住宅用地部分と非住宅用地部分を合算した本件土地に係る固定資産税の課税標準額は、○○円(都市計画税の課税標準額は○○円)となります。
 さらに、特定共用土地に係る固定資産税額等の課税標準額の算出については、前記1(7)のとおりであり、本件処分における土地に係る固定資産税等の課税標準額は、共用土地の小規模住宅用地相当課税標準額(○○円)に、審査請求人の持分割合に応じた地積(○○×○○/○○)を共用土地の小規模住宅用地相当地積(○○平方メートル)で除して算出した割合を乗じて算出した額(○○円)であり、都市計画税の課税標準額は、共用土地の小規模住宅用地相当課税標準額(○○円)に、審査請求人の持分割合に応じた地積(○○×○○/○○)を共用土地の小規模住宅用地相当地積(○○平方メートル)で除して算出した割合を乗じて算出した額(○○円)であることが認められます。
 以上のことから、本件処分における土地に係る固定資産税等の税額算定の基礎となる課税標準額も適正に算出されていることが認められ、本件処分は適正になされています。
3 前記2以外の違法性又は不当性についての検討
 前記2の争点等以外について、本件処分全体として検討したところ、他に違法又は不当な点は認められません。
4 結論
 以上のとおり、本件処分に違法又は不当な点は認められず、本件審査請求は理由がないことから、行政不服審査法第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決します。

令和3年12月27日
大阪市長 松井 一郎

裁決書(令和3年答申第12号)

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