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令和4年2月17日付け裁決(答申第19号)

2023年2月17日

ページ番号:561750

裁決書

審査請求人 ○○○○
処分庁 大阪市長

 審査請求人が令和3年7月2日付けで提起した処分庁大阪市長(以下「処分庁」という。)による令和3年度固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)賦課決定処分(以下「本件処分」という。)に係る審査請求(令和3年度財第11号。以下「本件審査請求」という。) について、次のとおり裁決します。

主文
 本件処分に係る税額のうち、○○円(固定資産税○○円、都市計画税○○円)を超える部分について取り消す。

事案の概要
1 別紙1物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)について、処分庁は、本件土地上に昭和○○年○○月○○日付け新築とした同年○○月○○日付けの建物表題登記を確認したことを受け、同年○○月○○日に現地調査を行いました。調査の結果、本件土地上に別紙1物件目録記載の家屋(以下「本件家屋」といい、本件土地と併せて「本件固定資産」という。)が新築されたことを確認し、その用途について、別紙2(1)記載のとおり、1階を倉庫、2階を居宅及び事務所、3階を居宅と認定したうえで、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち居住部分の面積を○○平方メートル、居住部分の割合を52%と認定し、住宅用地に対する固定資産税等の課税標準の特例措置(以下「住宅用地(地方税法(以下「法」という。)第349条の3の2第1項に規定する住宅用地をいう。以下同じ。)の特例」という。)を適用しました。
2 審査請求人は、平成○○年○○月○○日付けで本件固定資産を他の共有者1名とともに取得し、共有名義で所有権移転登記をしました。
 処分庁は、審査請求人に対する令和2年度の固定資産税等賦課決定処分においても1の認定と同様に、本件家屋の用途を前記1と同様、別紙2(1)記載のとおりであるとして、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち居住部分の面積を○○平方メートル、居住部分の割合を52%と認定し、住宅用地の特例を適用しました。
3 令和2年4月10日付けで本件家屋の1階の一部及び3階が国家戦略特別区域法外国人滞在施設経営事業(以下「特区民泊事業」という。)の特定認定を受けたことから、処分庁は、令和2年6月9日の現地調査において用途の確認を行いました。なお、令和2年12月23日に実施した年末年始調査においても令和2年6月9日の調査時から状況の変化がなく、審査請求人から大阪市市税条例(以下「条例」という。)第100条に基づく住宅用地に関する申告書の提出はありませんでした。
 以上より、処分庁は、令和3年1月1日賦課期日現在の本件家屋の用途を別紙2(2)記載のとおり、1階を特区民泊事業用の施設(以下「特区民泊」という。)及び倉庫、2階を居宅及び事務所、3階を特区民泊及び居宅と認定したうえで、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち居住部分の面積を○○平方メートル、居住部分の割合を22%と認定しました。
 処分庁は、前記認定に基づき、居住部分の割合が4分の1未満であることから、本件土地に住宅用地の特例を適用せずに令和3年4月1日付けで本件処分を行い、審査請求人あて「令和3年度固定資産税・都市計画税(土地・家屋)納税通知書」を送付しました。
4 処分庁は、令和3年5月12日、審査請求人からの申し出により現地調査を行ったところ、調査結果は、別紙2(3)記載のとおり、1階の特区民泊以外の部分の用途を居宅用車庫、2階の用途をすべて居宅、3階の用途をすべて特区民泊とし、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち居宅部分の面積を○○平方メートル、非住宅部分の面積を○○平方メートルとし、居住部分の割合は49%としました。当該調査結果については、令和4年度課税に反映させる予定であるとしています。
5 審査請求人は、令和2年春より現在に至るまで建物の現状は変わっていないこと等を理由として、令和3年7月2日付けで大阪市長に対し、本件処分の変更を求める審査請求をしました。

審理関係人の主張の要旨
1 審査請求人の主張
 本件家屋は特区民泊経営のために建物の3階及び1階の一部を改築し、令和2年春より、その一部は事業用建物となっている。
 令和3年5月12日、処分庁職員の測量によると、総床面積○○平方メートルのうち、住宅面積○○平方メートル、特区民泊面積○○平方メートルで、約49%が居住部分とのことだった。
 本件処分では、令和2年春より現在に至るまで、本件家屋の現状は変わっていないのに、約49%の居住部分が無視された課税標準になっている。
2 処分庁の主張
 処分庁は、令和2年4月10日付けで本件家屋が特区民泊施設に認定された旨の情報提供を受け、令和2年6月9日に行った外観からの調査にて用途を確認した。令和2年12月23日に行った外観からの調査においても状況に変化がないことを確認しており、令和3年1月31日までに審査請求人から条例第100条に基づく住宅用地に関する申告書が提出されていないことから、令和3年度賦課期日現在における居住部分の割合は22%で、住宅用地の特例の要件に該当しないと判断し、令和3年度は住宅用地の特例の対象外の土地としている。
 なお、令和3年5月12日の現地調査では、令和3年度賦課期日が過ぎており、遡って賦課期日時点の状況を確認できないことから、その調査結果は、令和4年度課税に反映させる予定としている。
 以上のことから、本件土地の固定資産税等の税額の算定については、法に基づき適正に行っている。

理由
1 本件審査請求に係る法令等の規定
(1) 固定資産税等の賦課期日等について
ア 固定資産税等の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とされています(法第359条及び法第702条の6)。
イ 都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、固定資産税の賦課徴収と併せて行うこととされています(法第702条の8)。
(2) 住宅用地の特例について
ア 住宅用地とは、専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるものをいい、これに対して課する固定資産税の課税標準は、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1(法第349条の3の2第2項に該当する住宅用地(以下「小規模住宅用地」という。)にあっては6分の1)の額とすることとされています(法第349条の3の2)。
イ 法第349条の3の2第1項の規定の適用を受ける土地に係る都市計画税の課税標準は、当該住宅用地に係る都市計画税の課税標準となるべき価格の3分の2(小規模住宅用地にあっては3分の1)の額とすることとされています(法第702条の3)。
(3)  法第349条の3の2第1項に規定する家屋及び土地について
ア 法第349条の3の2第1項に規定する家屋で政令で定めるものとは、その一部を人の居住の用に供する家屋のうち人の居住の用に供する部分の床面積の当該家屋の床面積に対する割合(以下「居住部分の割合」という。)が4分の1以上である家屋(以下「併用住宅」という。)とされています(法施行令第52条の11第1項)。
イ 法第349条の3の2第1項に規定する土地で政令で定めるものは、次に定める土地とされています(法施行令第52条の11第2項)。
(ア) 専ら人の居住の用に供する家屋の敷地の用に供されている土地については、当該土地(当該土地の面積が当該家屋の床面積の10倍の面積を超える場合には、当該10倍の面積に相当する土地とする。)
(イ) 併用住宅の敷地の用に供されている土地については、次の表の上欄に掲げる家屋の区分及び同表の中欄に掲げる当該家屋に係る居住部分の割合の区分に応じ、同表の下欄に掲げる率を当該土地の面積(当該面積が当該家屋の床面積の10倍の面積を超える場合には、当該10倍の面積とする。)に乗じて得た面積に相当する土地

併用住宅の敷地の用に供されている土地
家屋家屋 居住部分の割合 率 
イ ロに掲げる家屋以外の家屋 4分の1以上2分の1未満 0.5 
イ ロに掲げる家屋以外の家屋 2分の1以上 1.0 
ロ 地上階数五以上を有する耐火建築物である家屋 4分の1以上2分の1未満 0.5 
ロ 地上階数五以上を有する耐火建築物である家屋 2分の1以上4分の3未満 0.75 
ロ 地上階数五以上を有する耐火建築物である家屋 4分の3以上 1.0 

(4)  市町村長は、住宅用地の所有者に、当該市町村の条例の定めるところによって、当該年度に係る賦課期日現在における当該住宅用地について、その所在及び面積、その上に存する家屋の床面積及び用途、その上に存する住居の数その他固定資産税の賦課徴収に関し必要な事項を申告させることができることとされています(法第384条第1項)。
(5)  住宅用地の所有者は、当該年度に係る賦課期日現在における当該住宅用地について、当該年度の初日の属する年の1月31日までに、住宅用地の所有者の氏名、住宅用地の所在、その他市長が必要と認める事項を記載した申告書を市長に提出しなければならないこととされています(条例第100条第1項)。
(6) 商業地等について
 商業地等とは、宅地等のうち住宅用地以外の宅地及び宅地比準土地(宅地以外の土地で当該土地に対して課する当該年度分の固定資産税の課税標準となるべき価格が、当該土地とその状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準とされる価格に比準する価格により決定されたものをいう。)をいい、例えば店舗、事務所、工場など住宅以外の家屋の敷地及び空地がこれにあたります(法附則第17条第4号)。
(7) 土地の固定資産税等に係る税負担の調整措置について
ア 宅地等に係る当該年度分の固定資産税等額が、当該宅地等の前年度分の固定資産税等の課税標準額に、当該宅地等に係る当該年度分の固定資産税等の課税標準となるべき価格(前記(2)の特例を適用して得た額)に100分の5を乗じて得た額を加算した額(令和3年度分の固定資産税にあっては、前年度分の固定資産税の課税標準額)を当該宅地等に係る当該年度分の固定資産税等の課税標準となるべき額とした場合における固定資産税等額(以下「当該宅地等調整固定資産税等額」という。)を超える場合には、当該宅地等調整固定資産税等額とするとされています(法附則第18条第1項及び第25条第1項)。
イ 商業地等のうち当該商業地等の当該年度の負担水準が0.6以上0.7以下のものに係る固定資産税等の額は、当該商業地等の前年度分の固定資産税等の課税標準額を当該商業地等に係る当該年度分の固定資産税等の課税標準となるべき額とした場合における固定資産税等額とするとされています(法附則第18条第4項、第25条第4項)。
(8) (7)に定める「前年度分の固定資産税等の課税標準額」について
ア 令和2年度に係る固定資産税の賦課期日に所在する宅地等(法附則第18条第6項第2号から第4号までに掲げる宅地等のいずれかに該当するに至った場合のその宅地等を除く。)における前年度分の固定資産税等の課税標準額は、当該宅地等の前年度課税標準額をいうとされています(法附則第18条第6項第1号、第25条第6項)。
イ 用途変更のあった宅地等における前年度分の固定資産税等の課税標準額は、当該宅地等に係る前年度分の固定資産税の課税標準の基礎となった価格に、当該市町村内に所在する各用途に係る宅地等の前年度課税標準額の総額を当該市町村内に所在する各用途に係る宅地等の固定資産税の課税標準の基礎となった価格の総額で除して得た数値(以下「平均負担水準」という。)を乗じて得た額とするとされています(法附則第18条の3第1項、第25条の3第1項)。
(9)  2つ以上の用途に供されている宅地等の税負担の調整措置の適用について
 宅地等が、小規模住宅用地、一般住宅用地又は非住宅用宅地等のいずれか2つ以上の用途に供されている場合の税負担の調整措置の適用については、これらの用途ごとに1つの宅地等とみなすとされています(法附則第18条の3第5項、第25条の3第5項)。
(10) 課税標準額の端数計算
 地方税の課税標準額を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき、又はその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるとされています(法第20の4の2第1項)。
(11) 固定資産税等の税率について
 大阪市においては、固定資産税の税率は100分の1.4としており、都市計画税の税率は100分の0.3としています(条例第83条及び第157条)。
(12) 税額の端数計算
 地方税の確定金額に100円未満の端数があるとき、又はその全額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てるとされています(法第20の4の2第3項)。
2 争点等について
(1)  審査請求人は、本件家屋の現状は令和2年春より現在に至るまで変わっていないので、別紙2(3)記載のとおり、1階の特区民泊以外の部分の用途を居宅用車庫、2階の用途をすべて居宅、3階の用途をすべて特区民泊とし、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち、住宅面積○○平方メートル、非住宅面積○○平方メートルで、居住部分の割合を49%とする令和3年5月12日の処分庁職員の現地調査の内容を基に住宅用地の特例を適用して本件処分を行うべきと主張しています。これに対して処分庁は、前記令和3年5月12日の現地調査は令和3年度の賦課期日以後のものであり、遡って賦課期日時点の状況を確認できないことから、特区民泊以外の部分の用途については令和2年度から変更がなかったとして、別紙2(2)記載のとおり、1階の特区民泊以外の部分を倉庫、2階を居宅及び事務所、3階を特区民泊及び居宅とし、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち、住宅面積○○平方メートル、非住宅面積○○平方メートルで、居住部分の割合を22%として本件処分を行っていることが認められます。このことからすると、本件家屋のうち1階の特区民泊の部分及び3階の面積及び用途の認定については、審査請求人及び処分庁において争いはありません。
 したがって、本件家屋のうち1階の特区民泊以外の部分及び2階の令和3年1月1日現在の状況が、住宅用地の特例が適用されるべきものであったかどうかについて、以下判断します。
(2)  住宅用地の特例は、前記1(2)、(3)のとおり、専ら人の居住の用に供する家屋又は居住部分の割合が4分の1以上である人の居住の用に供する家屋の敷地の用に供されている土地に対して適用されるものであり、ここで言う「人の居住の用に供する」とは、特定の者が継続して居住の用に供することをいうとされています。
 また、大阪市においては、住宅用地の特例の適用にあたり、住宅の認定は、居住の用に供することを目的として建築された家屋で、当該家屋に特定人が生活の実態を有しているか否かによって行うものとするとされています。
 これを本件においてみると、本件家屋について審査請求人は、平成31年3月15日に2階及び3階を居住用として工務店にリフォームの依頼をしたとしており、審査請求人から提出された平成31年3月15日付けの改装工事見積書には、2階部分の内装工事の内訳として、子供部屋、和室、洋室、リビング、廊下、階段、押し入れ、トイレ、玄関の記載があります。
 また、審査請求人は、3階部分及び1階の一部を特区民泊として使用するために消防設備を設置し、大阪市港消防署から本件家屋すべての部分についての立ち入り検査を受けたとして、令和2年2月21日付け消防用設備等設計届出書及び令和2年3月4日付け防火対象物使用開始届出書を提出し、同日付けでそれぞれに受付印あるいは検査済印を受領していることが認められ、当該届出書に添付されている2階部分の図面には、台所、便所、洗面設備及び浴室といった特定の者が継続して居住の用に供するために通常必要とされる設備を有していることが確認できます。
 これらのことから、少なくとも令和2年3月4日以降は、本件家屋の2階部分は居住の用に供することを目的として建築されたものであったことが認められます。
 さらに、前記リフォームが終わった後、本件固定資産の共有者の世帯全員が平成31年4月24日付けで本件家屋の所在地に住民登録をしたことが審査請求人から提出された住民票の写しから確認でき、平成31年4月24日以降は、共有者の世帯全員が本件家屋のいずれかの部分に居住していたと考えられ、特定人が生活の実態を有しているといえます。
 これらの状況を鑑みると、本件処分に係る賦課期日である令和3年1月1日現在、本件家屋の2階部分は、居住の用に供することを目的として建築されたもので、特区民泊の対象とはなっておらず、特定の者が継続して居住の用に供しているといえることから、法第349条の3の2に規定する、「人の居住の用に供する」ものに該当すると認めるのが相当です。
(3) 次に、本件家屋の1階の特区民泊以外の部分については、処分庁から提出された令和3年5月12日の電話の記録によると、審査請求人は特区民泊の認定を受けた時点で既に、現況用途とされていた事務所及び倉庫ではなく、居宅及び居宅用車庫として使用していたと申し出ており、同日実施された現地調査時に審査請求人より収受した特区民泊申請時に提出したとする図面において、1階の特区民泊と認定されたと考えられる部分以外の部分に、駐車場という記載が認められます。
 さらに、前記(2)のとおり、本件家屋の2階部分の用途が、本件処分に係る賦課期日である令和3年1月1日現在において、事務所ではなく居宅と判断できることも併せると、本件家屋の1階の特区民泊以外の部分についても、当該賦課期日現在において倉庫ではなく、居住用の駐車場として利用していたと判断するのが相当です。
(4)  処分庁は、本件処分を行った理由のひとつとして、審査請求人から、前記1(5)のとおり、法令等により定められた住宅用地に関する申告書の提出が令和3年1月31日までになかった旨も主張しています。
 しかしながら、この点について、住宅用地の特例の適用については、住宅用地の所有者の申告は要件とされておらず、住宅用地の申告の有無にかかわらず、住宅用地の特例の適用要件の有無を調査し、同特例が適用される土地については同特例に従って算出した価格を固定資産課税台帳に登録した上、この価格に基づき固定資産税等の賦課決定をするべきものです。税法上、住宅用地の申告は、住宅用地の特例の適用の要件とされているわけではなく、法第384条は、住宅用地の所有者に対し、条例の定めるところによって住宅用地の申告をさせることができると規定するにとどまり、あくまで処分庁による住宅用地の認定を補完する制度にすぎない(東京地方裁判所平成25年11月5日判決(平25(ワ)6640号)参照)ものであり、住宅用地に関する申告書の提出がないことを理由に、本件土地に住宅用地の特例を適用しないとする処分庁の主張は採用できません。
(5)  以上のことから、本件家屋の1階の一部及び2階の特区民泊以外の部分について、賦課期日現在、人の居住の用に供する家屋であると認めるのが相当であり、別紙2(3)と同様に、1階の特区民泊以外の部分の用途を居宅用車庫、2階の用途をすべて居宅、3階の用途をすべて特区民泊としたうえで、本件家屋の総床面積○○平方メートルのうち居宅部分の面積を○○平方メートル、非住宅部分の面積を○○平方メートルとし、居住部分の割合は49%と認定することが相当です。
3 納付すべき固定資産税等の税額について
 以上を踏まえ、本件固定資産に関し、審査請求人が納付すべき固定資産税等の税額を計算すると次のとおりとなります。
(1) 本件土地の面積は○○平方メートル、令和3年度価格は○○円です。
(2) 本件家屋の敷地面積及び居住部分の面積は、処分庁から審理員あて提出された資料によると、本件土地は本件家屋の敷地でありその面積は○○平方メートル、本件家屋の総床面積は○○平方メートルです。そして、その用途は、前記2のとおり、1階を特区民泊及び居宅、2階を居宅、3階を特区民泊とすることが妥当であり、本件家屋の居住部分の面積は○○平方メートルとなり、居住部分の割合は49%となります。
(3)  本件家屋は地上階数3の併用住宅で、居住部分の割合は49%で4分の1以上2分の1未満であるため、本件土地の面積に0.5を乗じた面積に相当する土地について住宅用地の特例が適用されます。また、宅地等のうち住宅用地以外の宅地は商業地等とされることから、本件土地の小規模住宅用地相当面積及び商業地等相当面積は次のとおり算出されます。
○○平方メートル×0.5=○○平方メートル(住宅用地相当面積)
○○平方メートル-○○平方メートル=○○平方メートル(商業地等相当面積) 
(4)  200平方メートル以下の住宅用地は小規模住宅用地とされており、本件土地における住宅用地相当面積は○○平方メートルであることから、小規模住宅用地に該当します。
(5)  令和2年度は本件土地の面積すべてが小規模住宅用地相当面積とされていたところ、令和3年度は、小規模住宅用地相当面積を○○平方メートル、商業地等相当面積を○○平方メートルとするのが相当であることから、小規模住宅用地相当面積における前年度課税標準額は、当該相当面積に係る前年度課税標準額となり、商業地等相当面積については、当該面積に係る令和2年度の価格に、用途を商業地等とする場合の平均負担水準を乗じて得た額となります。
 以上の前年度課税標準額について、審理員が処分庁に対し質問したところ、次のとおり回答があったので、これを採用します。

前年度課税標準額
小規模住宅用地固定資産税 ○○円 
小規模住宅用地都市計画税○○円 
商業地等固定資産税 ○○円
商業地等都市計画税 ○○円 

(6) 固定資産税等の課税標準について
ア 小規模住宅用地
○○円(令和3年度価格)×○○平方メートル/○○平方メートル=○○円(小規模住宅用地相当面積に係る令和3年度価格)※1
(ア) 固定資産税の課税標準額
当該年度分の固定資産税の課税標準となるべき価格
○○円×1/6(住宅用地の特例率)=○○円※2 …①
宅地等調整固定資産税等額
○○円(令和3年度分にあっては前年度課税標準額)…②
したがって、①>②のため、②の額を令和3年度課税標準額とします。
(イ) 都市計画税の課税標準額
当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格
○○円×1/3(住宅用地の特例率)=○○円※2 …③
宅地等調整固定資産税等額
○○円(令和3年度にあっては前年度課税標準額)…④
したがって、③>④のため、④の額を令和3年度課税標準額とします。
※1 1,000円未満切り上げ
※2 1円未満切り捨て
イ 商業地等
(ア) 固定資産税額の課税標準額
当該年度分の固定資産税の課税標準となるべき価格
○○円-○○円=○○円(商業地等相当面積に係る令和3年度価格)…⑤
前年度課税標準額 ○○円 …⑥
負担水準 ○○円(⑥)/○○円(⑤)=0.6630…
負担水準が0.6以上0.7以下のため、前年度課税標準額⑥を据え置きする。
(イ) 都市計画税額の課税標準額(第4の1(8)イ)
当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格
○○円-○○円=○○円(商業地等相当面積に係る令和3年度価格)…⑦
前年度課税標準額 ○○円 …⑧
負担水準 ○○円(⑧)/○○円(⑦)=0.6630…
負担水準が0.6以上0.7以下のため、前年度課税標準額⑧を据え置きする。
(7) 納付すべき固定資産税等の税額について
ア 固定資産税について
本件土地の固定資産税の課税標準額
○○円+○○円=○○円
本件家屋の固定資産税の課税標準額
本件家屋については争いがないため、○○円となります。
合計課税標準額
○○円+○○円=○○円※3
税額
○○円×1.4/100=○○円※4
イ 都市計画税について
本件土地の都市計画税の課税標準額
○○円+○○円=○○円
本件家屋の都市計画税の課税標準額
本件家屋については争いがないため、○○円となります。
合計課税標準額
○○円+○○円=○○円※3
税額
○○円×0.3/100=○○円※4
ウ 以上により、納付すべき固定資産税額は○○円、都市計画税額は○○円、合計は○○円となります。
※3 1,000円未満切り捨て
※4 100円未満切り捨て
4 結論
 以上のとおり、本件処分に係る税額のうち○○円を超える部分について違法であり、本件審査請求には理由があることから行政不服審査法第46条第1項の規定により主文のとおり裁決します。

令和4年2月17日
大阪市長 松井 一郎

別紙1物件目録及び別紙2 省略

裁決書(令和3年答申第19号)

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