平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源(わがまちナイススポット)
2024年1月30日
ページ番号:80994
都市景観資源(わがまちナイススポット)の紹介
大阪市では、市民のみなさんが日頃から親しみを感じている建造物や橋梁、樹木などの魅力的な景観を募集し、寄せられたご意見をもとに、大阪市都市景観委員会で審議していただき、平成15年度及び平成16年度に22件の都市景観資源(旧・指定景観形成物)を登録しました。
これら22件の都市景観資源は、「大阪城天守閣」や「通天閣」をはじめとする、市民のみなさんにとって身近で、来訪者にとってもよく知られている景観です。
今後は、区ごとに新たな都市景観資源を発掘し、登録・活用をしていきます。
北区 | 大阪市中央公会堂、お初天神(露天神社)、桜宮橋(都島区との間)、大阪府立中之島図書館、毛馬桜之宮公園(一部は都島区)、淀屋橋(中央区との間) |
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中央区 | 大阪城天守閣、旧小西家住宅、道頓堀グリコサイン、生駒時計店(生駒ビルヂング)、一般社団法人大阪倶楽部、綿業会館 |
港区 | 港大橋(住之江区との間) |
天王寺区 | 一心寺、総本山四天王寺 |
浪速区 | 通天閣 |
東淀川区 | 菅原城北大橋(旭区との間)、水道記念館(旧柴島浄水場第1配水ポンプ場) |
鶴見区 | 花博記念公園鶴見緑地 |
住吉区 | 宗教法人住吉大社 |
平野区 | 杭全神社、大念佛寺 |
大阪市中央公会堂(おおさかしちゅうおうこうかいどう)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
3階にまでのびるネオ・バロック様式の大アーチを両脇の塔状階段室で挟む正面の構成は、力強く華麗でかつ親しみが感じられ、大正、昭和を通じて近代都市大阪の顔として市民に愛されてきた。しかも、土佐堀川や堂島川に面する側面に、同じ塔のモチーフが繰り返されていく景観も魅力的で、華やかな色調の煉瓦壁と縦長窓の繰り返しのリズム感は、遠近ともに遠くから眺めても、近づいて細部を眺めても飽きがこない。川面に映る夜景も美しく、ライトアップが景観上の効果を盛り上げている。 [大阪市都市景観委員 東孝光]
お初天神(露天神社)(おはつてんじん[つゆのてんじんじゃ])
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
通りの先に鳥居、通りの先に祠、歓楽街の通りの先に突然現れるのは、雑踏とした空気の中の、エアーポケット。はまり込んだらそこには空の高さと、楠の木陰がある。鉄の扉のその中で、切り取られた自然に出会う。桜、紅葉、梅、四季折々の演出と、猫に鳩が、生物である人間を蘇らせる。「曾根崎心中」の熱い物語を持ったこの土地は、その聖域を宗教上にとどめず、景観上の聖域としての素質も兼ね備えているようだ。今日もこの聖域で心洗われて、ビジネスの戦場に挑む人々が多くいる事だろう。 [大阪市都市景観委員 藤本英子]
桜宮橋(さくらのみやばし)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
本橋は地盤変動に対応出来るよう力学的には3ヒンジアーチで、この種のアーチは世界的に見ても本橋以外殆ど無い。アーチ部材の中間が力強い断面を持ち、本橋の特長となっており、斜めから見た橋が美観的に一番よい。アーチの両端に、橋頭堡とも言うべき塔があり、橋全体の印象を高めている。回りの公園ともマッチしており、最近出来た超高層ビルにも俺は負けてはいないぞと威厳を保っている。銀色に塗られているので、銀橋とよばれ親しまれている。
現在国道1号線の拡幅に合わせ、隣に新しい橋が建設される予定で、本橋と合わせて如何に良い景観を構成するか種々の検討が行われている。 [大阪市都市景観委員 山田善一]
大阪府立中之島図書館(おおさかふりつなかのしまとしょかん)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
寄贈者、設計者、施工者及び管理運営者のそれぞれが第一級の組合わせで出現した、明治大阪の名建築である。北に堂島川、南が土佐堀川、東隣りが公会堂、西隣りが市庁舎、加えて中之島公園の緑に囲まれ、その立地環境も抜群の公共図書館である。中之島東部の都市景観は、日本銀行大阪支店(旧館)と、この図書館があって、はじめて成り立つ。築100年、国内でも指折りの景観の宝として後代に伝えなければならないと思う。 [大阪市都市景観委員 三輪雅久]
毛馬桜之宮公園(けまさくらのみやこうえん)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
明治16年(1883年)から続く春の風物詩「造幣局の通り抜け」に繋がる桜の名所である。どこまでも桜並木が続き、緩やかに蛇行する大川の水面と相俟って、高層高密化した大都市大阪にあって、開放的な潤いある風景が広がる。春の桜、夏の濃い緑と天神祭、秋の紅葉と四季を通じた風景が楽しめる。右岸沿いには公園に隣接して泉布観(せんぷかん)、造幣局など明治初期を代表する建築物が並び、その対岸には旧藤田邸庭園も修復後開放され、日本の近代化を誘導した明治の面影も偲ばれる。 [大阪市都市景観委員 増田昇]
淀屋橋(よどやばし)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
大阪市
4 概要
5 講評
中之島を挟み、北側の大江橋とともに昭和10年(1935年)に完成した淀屋橋は、京阪電鉄と地下鉄の淀屋橋駅に隣接し、その名はより広く知られている。実際は形式を同じくする大江橋の方が5割方長い。両橋とも御堂筋の基幹をなす橋として、形式は鉄骨鉄筋コンクリートアーチで、その重厚な中に洗練された形と共にブロンズ製の照明器具や張り出したバルコニーなど、景観上の配慮もなされ、大阪市庁舎や日本銀行とともに優れた景観を形成している。 [大阪市都市景観委員 山田善一]
大阪城天守閣(おおさかじょうてんしゅかく)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
今の大阪城天守閣は昭和6年(1931年)に再建されたものではあるが、大川(旧淀川)と寝屋川の合流部の真南、上町台地の北端に位置し、隣接する難波宮跡(なにわのみやあと)や豊臣秀吉の築城などの大阪の歴史や文化とともに大阪の個性的な地形のシンボルともなっている。北から大阪に至るルートや上町台地の西側に広がる船場からの絶好のランドマーク(目印)となるとともに足下に広がる100haにおよぶ大阪城公園の深い緑と調和した絶妙な景観を呈している。 [大阪市都市景観委員 増田昇]
旧小西家住宅(きゅうこにしけじゅうたく)
1 登録年月日
平成15年4月11日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
北浜は、第二次大戦末期の戦災を免れたこともあって、すぐれた近代建築や和風町家などの歴史的建築物が各所に残されており、それらが現代的なビルや商業建築と調和的に混じり合う多様性ゆたかな都心景観を楽しめる一帯を形成している。
「旧小西家住宅」は、このような特徴ある北浜の景観をつくり出すうえで最も貢献している建築物のひとつである。土蔵造り・伝統的ファサード構成の大規模町家がかもし出す端正さと威厳は、最新の建築デザインとも巧みに共存し、まわりの景観を引き締め、町並みの水準を高めるなど、他に替え難い役割を果たしているのである。 [大阪市都市景観委員 田端修]
道頓堀グリコサイン(どうとんぼりグリコサイン)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
五階建ビルの一つの壁面全部を占める、高さ20m、横幅約10mの大型広告看板であるグリコサインは、それ自体で一つの都市景観である。昭和10年(1935年)に戎橋の傍に出現した両手を挙げてゴールインするランナーは、第二次世界大戦を潜り抜け、戦後の混乱期と復興、その後の驚異的な経済発展とバブルの崩壊、そして今日の経済不況も見続けている。常に元気なその姿は、大阪の人々に明日への希望を与え、今では道頓堀に無くてはならない風景の一部になっている。
生駒時計店(生駒ビルヂング)(いこまとけいてん[いこまビルヂング])
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
堺筋と平野町通りの角地に建ち、時計塔を持ったこのビルは、この界隈でひときわ人目を引く存在である。スクラッチタイルの外壁に、テラコッタの窓台で水平線が強調され、陰影のある外観を構成している。彫刻風の装飾や石造の鷲が一種の不思議さをかもし出しており、それが現代建築にはない魅力となっている。このビルを残し街の魅力づくりに貢献したいというビルオーナーの思いが実り、新しい機能を得て再生がかなった。長く存続させたいビルの1つである。 [大阪市都市景観委員 鳴海邦碩]
一般社団法人大阪倶楽部(いっぱんしゃだんほうじんおおさかくらぶ)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
古い格式を誇る大阪財界人の社交倶楽部会館として竣工以来、現在も使用されている建築物である。設計者安井武雄は「南欧風の様式に東洋風の手法を加味せるもの」と説明しており、スパニッシュスタイルを基調に、細部装飾にはインドやイスラムの手法を取り入れ、穏やかな佇まいながら不思議な存在感を感じさせる。世界に雄飛していた近代大阪の繁栄ぶりを今に伝えるとともに、魚の棚筋まちなみ景観の要となっている。 [大阪市都市景観委員 岩井珠惠]
綿業会館(めんぎょうかいかん)
1 登録年月日
平成16年10月8日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
昭和初期に完成した商都大阪のシンボルのひとつである。大阪が東洋のマンチェスターといわれ、イギリスを抑えて綿製品輸出世界一となった頃の記念碑である。落着いたレンガ色のタイル貼りが、戦禍、阪神淡路大震災に耐え、高度成長時にも他のビルとは異なり、リニューアルなどを寄せつけなかったことを誇らしげに主張している。最近の総ガラス張りと違って、大きくないが階毎に異なった形の窓が人を惹きつける。あたかも昭和史が壁に刻まれているようでもある。 [大阪市都市景観委員 楢崎正博]
港大橋(みなとおおはし)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
港大橋はその名のとおり、大阪港を代表する橋である。その鮮やかな赤い色と全長910mという大架構は、遠くからも一目でわかる堂々たる大阪港のランドマークの一つとなっている。とりわけ間近に寄って見上げたトラス構造は、実に巨大で圧倒される。この橋は、旧港地区と南港地区を結ぶ重要な位置にあり、完成後30年を経ていることもあって、近代的な構築物ながら人々にとって忘れられない存在感をもっている。 [大阪市都市景観委員 鳴海邦碩]
一心寺(いっしんじ)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
大阪の歴史発祥地、上町台地の集積の中で、古代の四天王寺、近代の美術館や通天閣をつないでいる。大勢の参詣者の姿と一体となった納骨堂や本堂。次々再建されていく伽藍建築が個性的で、斬新なデザインの山門と境内の静寂な墓石群の妙がある。また谷町筋の大通りと四天王寺西門からの坂道の交差する地点にあり、昔からのランドマークを保っている。また近辺の参詣する人々のための仏具や花の店々との一体性が景観を柔らかくしている。 [大阪市都市景観委員 槙村久子]
総本山四天王寺(そうほんざんしてんのうじ)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
歴史のある建造物として大阪市内においてももっとも有名なものの1つである。建物の中には昭和の再建もあるが、全体として四天王寺様式を伝える重要な建造物であるとともに、広大な伽藍は付近の景観を形成する重要な要素である。4月の舞楽大法要はじめ年中行事は建築物だけでなく、人々と渾然一体となった文化の香りを持つ。木造建築物は門前町とともに伝統的な大阪を伝えるまちなみを形成している。 [大阪市都市景観委員 荏原明則]
通天閣(つうてんかく)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
商都大阪のエッフェル塔として、明治45年(1912年)に竣工。東京タワーに先立つこと約半世紀。昭和31年(1956年)に再建された二代目も、坂田三吉、「王将」の名のもとに、大阪庶民の心意気を象徴しており、景観価値は、その物理的側面より以上に、その存在が内包している精神的側面に見出すことができる。通天閣は、平成の「王将」が出現することを待望している。 [大阪市都市景観委員 真砂泰輔]
菅原城北大橋(すがはらしろきたおおはし)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
上流からも下流からも遠望のきく美しい橋である。2ヶ所の高い支柱と88本の鋼索で支えられた橋が軽やかに見える。両端の鉄筋コンクリートの部分もさまざまな工夫に満ちており、とりわけ城北公園をまたぐあたりも、公園とひとつになった景観をつくっている。
淀川はもとより、両側の堤防、わんど、城北公園,周囲の市街地とも景観のとりあわせに目くばりのきいた施設であると共に、それ自身が高水準の景観資源である。 [大阪市都市景観委員長 三輪雅久]
水道記念館(旧柴島浄水場第1配水ポンプ場)(すいどうきねんかん[きゅうくにじまじょうすいじょうだい1はいすいポンプじょう])
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
煉瓦造平屋建てのこの建物は、昭和61(1986)年に新しいポンプ場が完成するまで、大阪市水道の主力ポンプ場として活躍、市民に安全で良質な水を送り続けてくれた。設計は、大正・昭和の関西建築界の重鎮、宗兵藏。赤煉瓦を基調に要所に花崗岩を混ぜたネオ・ルネッサンス様式の外観に特徴があり、建物正面、ペディメント(三角形の切妻壁)の真ん中に大阪市章を輝かせ、玄関アーチ上部の煉瓦と石を交互に用いた旭日旗を思わせるファサード意匠に微笑みが湧く。 [大阪市都市景観委員 小林正美]
花博記念公園鶴見緑地(はなはくきねんこうえんつるみりょくち)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
地下鉄鶴見緑地駅を上がると眼前に緑の帯が広がる。メタセコイヤの巨木の並木は人々を公園の奥へと誘う。大阪市を代表する公園で、平成2(1990)年の国際花と緑の博覧会の開催後、再整備され、国際庭園、子どもの森、木立の中を流れる緑のせせらぎ、里山や田園を思わせる花の谷、草花のスロープの花桟敷、バラ園、風車等また咲くやこの花館や生き生き地球館も景を添え、大都市の中の豊かな四季は市民を引き付けている。 [大阪市都市景観委員 槇村久子]
宗教法人住吉大社(しゅうきょうほうじんすみよしたいしゃ)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
住吉大社はその杜と共に、上町台地南端の崖と浜の出会うポイントに位置し、大阪のまちの景観に強い影響を与えてきた。文学や和歌・句に詠われ、人々の心の中にイメージされる景観としての価値も高い。「美しい日本の国土を後世に残すこと」を景観のめざすところと考えると、難波宮造営の頃より現在地にあり、市内唯一の国宝建造物の社殿を中心として緑豊かな杜を持つ住吉大社は、大阪を代表する景観物といえる。 [大阪市都市景観委員 岩井珠惠]
杭全神社(くまたじんじゃ)
1 登録年月日
2 所在地
2 所有者
4 概要
5 講評
時と大地が育てた木々は、立派な緑のかたまりとして、この厳かな空間を包み込んでいる。樹齢1000年の楠、500年を超える銀杏、それらに負けずと育ち続ける周辺の木立の中、周囲の街並とは一線を引く聖域が存在する。緑の襞の中、分け入ると、社殿、連歌所が歴史の襞も刻みながら、願い人、散歩人の日常を受け入れる。東には平野の歴史を語る旧環濠の流れが残り、周辺に整備された公園と共に、重要な地域の景観拠点となっている。 [大阪市都市景観委員 藤本英子]
大念佛寺(だいねんぶつじ)
1 登録年月日
2 所在地
3 所有者
4 概要
5 講評
大念佛寺は、碁盤目の町並みの環濠集落として中近世期に大いに繁栄した旧平野郷の西北隅に位置する。瀟洒な意匠の参道部を経て山門を潜るとゆったりした境内空間に包み込まれ、気分が落ち着く。悠然と控える最大級の木造建築・本堂、余裕のある施設配置、クスノキ・イチョウの保存樹を中心とする豊かな緑などが景観的魅力の源泉である。その空間的・景観的ゆとりは、旧集落や周辺市街地の高密度感を和らげる役割をも担っている。 [大阪市都市景観委員 田端修]
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- 平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源紹介(その2)※平成16年作成(PDF形式, 714.52KB)
- 平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源紹介(その3)※平成16年作成(PDF形式, 707.62KB)
- 平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源紹介(その4)※平成16年作成(PDF形式, 735.85KB)
- 平成15年度・平成16年度登録の都市景観資源紹介(その5)※平成16年作成(PDF形式, 404.14KB)
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計画調整局 計画部 都市計画課(都市景観)
電話: 06-6208-7887 ファックス: 06-6231-3751
住所: 〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所7階)