ページの先頭です

第68回 大阪市住宅審議会

2014年9月10日

ページ番号:5424

1. 日時


平成15年1月29日(水) 午後2時00分~3時30分

 

2. 場所


大阪キャッスルホテル

 

3. 出席者

(委員)
大山委員、尾嶋委員、梶川委員、北浦委員、佐々木委員、塩委員、宍戸委員、白澤委員、鈴木委員、田口委員、巽委員、土井委員、徳矢委員、橋本委員、服部委員、宮本委員、三輪委員、村田委員、山下委員、山原委員、山本委員

(大阪市)
井越助役、岸野住宅局長、河合計画調整局理事、坂住宅局理事、北山住宅局理事兼建設部長、岩城管理部長、西本企画部長、菊植建築指導部長、中村住環境整備担当部長 他

(注) JISコードにない漢字は一番近い字で代用しています。

4. 会議の議題


(1) 新委員の紹介及び会長の選出について

(2) 今後の住宅施策の方向について

 

5. 議事要旨


(1) 新委員の紹介及び会長の選出について

 平成14年度に改選された委員の紹介及び会長の選出を行い、三輪委員が会長として選出された。

 

(2) 今後の住宅施策の方向について

 大阪市より今後の住宅施策の方向について本委員会に諮問を行い、質疑等を行った。

 

6. 諮問要旨及び説明に係る議事概要

(1) 「今後の住宅施策の方向について(諮問)」

[1] 諮問趣旨概要

  • 大阪市では、人口の回復と活力あるまちづくりの推進に向け、これまで各種の住宅施策の展開に努めており、平成9年9月には本住宅審議会より「魅力ある大都市居住の実現」を基本目標とした「今後の住宅施策の方向について」の答申を頂きこれに基づき施策展開を積極的に図っている。こうした施策の効果もあり市民の住宅・住環境水準は着実に向上し、特に都心部を中心として人口も回復傾向にある。

  • 本市の住宅事情は依然として厳しいものがあり、子育て世帯をはじめとした中堅層については市外への転出超過となっている。また、前回の答申から約5年が経過しており、住宅を取り巻く社会経済情勢についても変化が見られ、市民の住宅・住環境に対するニーズもますます多様化・高度化している。NPOとの協働や建築指導行政との連携も求められているところである。

  • このような時代の変革期を迎え、本市が今後、活力と魅力にあふれる持続可能な都市として発展を遂げていくためにも、住宅・住環境水準の一層の向上を図り構成バランスのとれた人口回復に向けた都市居住の促進を進めていくことが重要な課題となっている。  ・ こうした状況を踏まえ、今後、本市が取り組むべき新たな住宅施策の方向について諮問させていただくものである。

[2] 委員発言等要旨

(会長)

 この諮問の答申についてはおよそいつ頃までを目途にしたらいいのか。

 

(市)

 現在の社会経済情勢や、新しい総合計画の策定作業との兼ね合いもあることから、できるだけ早い時期に答申をいただきたく、1年程度ご議論をお願いし、15年度末頃までに中間報告のような形でまとめていただき、その後市のほうでパブリックコメントを実施いたしたいと考えている。その結果も合わせ、最終的には16年の夏ぐらいに本答申を頂ければ、と思っている。

 

(委員)

 総合計画そのもののこれからの改訂作業のペースも知りたい。

 

(市)

 平成14年8月に新しい総合計画を策定いただくということで、総合計画審議会に諮問をさせていただき、2月に将来構想委員会を開いて議論を頂き、具体には、16年の秋ごろに草案を公表したいということで思っている。その後中間答申を頂き、最終的には17年の秋ぐらいに基本計画を策定して参りたい。

(2) 最近の大阪市の住宅事情について

[1] 住宅事情説明概要

  • 本市の常住人口については、昭和40年の約315万6千人をピークに減少傾向を示し、平成12年に約259万9千人となった。最近は都心部を中心としたマンションの供給量の増加もあり人口が増加し、平成14年では約262万人となった。都心6区の北区・福島区・中央区・西区・天王寺区・浪速区は近年の回復基調が市域全体に比べても非常に大きくなっており都心回帰といった傾向が見られる。

  • しかしながら、本市の人口構成はアンバランスなものとなっており、いわゆる中堅層と言われる人口は徐々に度合いは減ってきているものの、依然として転出傾向にある。世帯構成を見ると1人世帯と2人世帯が増加しており、多子世帯が減少している。本市の世帯の約65%が1人か2人という状況である。そうしたことから、1世帯あたりの人員についても、昭和30年代は4人を超えていたものが、平成12年度においては2.22人となっている。

  • 住宅の状況については、着工戸数はバブル後非常に落ち込んだものの、平成5年以降は徐々に増加し、平成8年は4万戸を超えたものの、その後、やや減少傾向が続き、ここ数年は3万戸程度で推移している。所有関係別で見ると平成4年以降は持家が増加する傾向にあり、平成13年で見ると市内の新規供給の約65%が持家、約35%が借家となっている。新設住宅の床面積は徐々に増加傾向にあるが、持家と借家の床面積には大きな格差がある。

  • 民間マンションの供給については、バブル後、減少傾向が続いていたが、平成5年から増加に転じ、平成13年には、過去最高水準の年間約9千戸を超える供給がされている。平方m当たりの単価についても、平成4年以降下降を続けており、これに伴い、戸当たりの分譲価格も低くなり、住戸専用面積75平方mの物件の標準的分譲価格が平成2年度は年収倍率の12.6倍となっていたものが、平成13年度では年収倍率の4.5倍と取得しやすくなってきている。

  • 戸建、マンションを併せた市内の既存ストックとしての総住宅数は増加しており平成10年で約133万8千戸となっている。市内全体の空家率については平成10年で約16%と、大阪府・全国に比べ少し高い数字になっており徐々にではあるが増加傾向にある。

  • 所有関係別、構造別で見ると、平成10年では持家が約38%、借家が約59.7%となっており、経年的に見ると分譲マンション等が増加している。一方、木造の民営の借家が減り、耐火構造の非木造が増え、構造別で見ると木造が約35%、非木造が65%となっている。

  • 建て方別で見ると、戸建、長屋建、共同建の割合は、概ね2対1対7という形で共同住宅が7割近くを占めている。これらのうち、長屋の終戦前のものと木造の共同住宅を老朽木造住宅と呼んでいるが、平成10年では約11万3千戸ある。

  • 国が定めている最低居住水準以下の世帯は、平成10年で、全体の約12%程となっており減少傾向にある。

  • 分譲マンションについては、昭和30年頃に公的な分譲マンションが供給されたことを始めとし、これまで民間・公的なもの併せて、市内に約20万戸余り供給されている。築30年以上経過しているものが約7千戸あり、全体の約3%、築20年以上経過しているものが約7万4千戸、全体の約35.8%あり、今後、急速に老朽化の割合が増えていく状況にある。

  • 市営住宅の状況であるが、現在、管理戸数は、約10万戸であり、市内約110万戸の住宅ストックの約1割を占めている。昭和30年代後半から40年代にかけて非常に多く建設された時期があり、これらの時期の市営住宅の居住水準については、建替、住戸改善、2戸1化等を行い、居住水準は着実に向上している。これらのストックを活用していくため、建替事業と併せ、トータル・リモデル等の住戸改善を計画的に行い良質なストックとしていくため「ストック活用計画」を策定した。また、市営住宅の応募状況に関しては全体の平均倍率は約21倍から約30倍となっている。

  • 住宅・居住環境の市民の方々の評価では、総合評価の内、非常に不満及び多少不満の合計は年々減ってきているものの、約4割近くとなっている。各要素で見ると、住宅に対する総合評価にかかる不満が約54%、個々の具体的項目で見ると高齢者への配慮に対する不満が約66%となっている。住環境に対する総合評価にかかる不満が約45%、その内、騒音等公害の状況に対する不満が約58%となっている一方で都市の利便性にかかるものについては、不満率が低くなっている。

 

[2] 委員発言等要旨

(会長)

 前回の答申の頃には阪神・淡路大震災の大きな災害体験があり、今回は可能性として南海地震というようなこともある。市民生活がはたして安全であるかどうかというのは、やはりある意味で今度の答申の中の1項目になるのではないか。

 

(委員)

 前回の答申以降、マンションに関する法律が改正あるいは新設され、マンション管理士も誕生した。これから中古マンションがどんどん増えていくため、支援体制が非常に重要なのではないか。
 環境に関しては、具体的なこととして屋上緑化や周辺緑化ということについてはこれまで以上に実施していく必要があると思う。
 今回は、前回の答申以上に、住宅はもちろん一番大事であるが、住宅を取り巻くさまざまものに対し、取り組むべきことが広がっていくのではないか。

 

(委員)

 安全というのは非常に大事な問題であり、住宅等を建てるときに、防災の視点というのはこれからどうしても必要になってくるのではないか。
 「持続可能な」という言葉は、非常にいい言葉であり、環境、都市としての活力というようなことが含まれていると思うが、持続可能なということでくくらずに、分けたほうが論議がしやすいと思う。

 

(委員)

 かつての答申は「都心居住のために」というような目標を掲げたり、様々な緊急性のある課題に取り組み、成功した部分もあるが、今度の答申では、いま少し長期的に考え直してみようとする場合、解決されかかっているとはいえ依然として残っている問題や、最近になって急にクローズアップされてきた問題を確認し検討する必要がある。
 個人的な考え方になるが、大都市の住宅事情という観点から見た場合に、大阪市の弱点というのはやはり借家の弱さということだと思われる。今後腰を据えて見直していくという場合にはこれをどうするかという問題がある。分譲マンションは、一部非常に好調な拡大を示してきているが、賃貸は居住条件、内容、設備条件等が良くないままで推移してきており、こうした住宅の質が向上できるようにするにはどうしたらいいか、この部分に潤沢な民間資金が流れ込む仕組みをどうやってつくるのかというような事柄について、何とかできないものかと考える。
 最近の分譲マンションの中で、大規模なものほど売れ行きが良いということだが、その場合には様々な付帯サービスがあり、そのようなものが非常に売れ行きを良くしているという話がある。そういう新しい住み良さのニーズをどう捉えて市域レベルで対応したら良いかを考えなければならないのでは。

 

(委員)

 サスティナブルというのはできるだけ現在ある住宅を使いこなしていく、あるいは、少し改善してでもなるべく長持ちさせるということかと考えるが、いまあるストックを長持ちさせるという観点の住宅政策も重要ではないか。
 安全の問題では阪神・淡路大震災の後に住宅の耐震診断と耐震補強という施策が全国的に行われたが、十分活用されてない。住宅の個々の安全性というのも大事で、改めて付言するべきではないかと思う。
 もう一点は、最近マンションが増えて人口が回復しつつあるという素地には地価が下がって、あるいは工場跡地を安く買ってというような供給側の条件が非常にあると思う。そこに入居者がどういう需要により入ってきているかという調査を行えば、いろんなことがわかるのではないか。

 

(委員)

 答申というのは大体何年ぐらい先まで見通してだすべきなのか。例えば、5年後、10年後なのか、それとも20年、30年の長期ビジョンまでを念頭に置くのか。

 

(市)

 先程申しあげた大阪市の総合計画は全体の計画で、これは概ね10年を目途としている。見通しとしては10年ぐらいを視野に置いて総合計画にも反映したいと思っているので、10年ぐらいを目途とし、具体的な施策を提言していただく場合には大体5年ぐらい先と考えている。

 

(委員)

 住宅及び住宅環境だけを委員会で論議するよりももう少し拡げればと思う。たとえば安全の問題では、防災、震災の問題、耐震設計とかだけではなく、大阪は、不法駐車や、ひったくりの問題もあるので、警察や司法の分野かも知れないが、治安の問題も考えるべきではないか。景観と言えばやはり青テントの問題がある。このようなことを考えると、単に、住宅だけではなく、魅力ある都市づくりの観点が大事だと思う。
 例えば子育て世代が出ていくことについては、学校がどんどんなくなっており、市内でも小学校なども結構閉鎖されているようで、新婚世帯は便利だから都心に住むが、子どもができると、子どもを持つ親としてのいろいろな要因から市外に転出していく。
 本当にバランスのとれた人口構成をめざす場合、教育等の問題まで議論として踏み込まなければならないという感じがしている。

 

(市)

 ベースとしてはそうした問題はもちろんあろうかと思う。そういう全体の環境も含めた問題意識を持っていただきながら議論をいただき、提言としては最終的には住宅・住環境施策に絞っていただきたいと思っている。

 

(委員)

 地域が活性化するためには、やはり子どもがいないといけない。都心に子どもを持つ人が住みたいと思うような家をつくらないと、いくら都心を活性化させても、大人だけの地域というのは不自然な感じがする。子どもを持つ親が住みたいと思うようにしなければならない。
 その連続に、緑被率の問題があると思う。住宅を建てることだけではなくて本当の地面のついた緑をどれだけ残していくかということも必要である。

 

(委員)

 住環境として緑を増やしていくということを考えながらの住宅施策が大切かと思う。
 平成9年の前回答申に基づいて様々な施策が展開されたが、このままこれらをさらに発展させるのかどうかという検討も行ってはどうかと思う。大阪市に人口を増やすための施策を行ってきたなかで、30~40代の人が出ていっているという結果だが、この理由を考えないといけない。
 今まで提言した内容からできた事業の制度の再度の見直しと、それからこれらをさらにどういうふうに展開させていくのかという検討が必要である。
 大阪が、本当に定住して、働いて活力を持ちながら住むという気持ちがわいてくるような環境と住宅をめざすには何が必要かということを考えたい。
 住宅や周辺を含めた環境がきれいになったら、自分たちのまちを愛する気持ちもわいてくると思う。やはり基本として住むところがきれいになり、まわりもきれいになれば、住んでいる人の心もなごやかになるという、そういうものをまちづくりとして考えたい。

 

(会長)

 意見等が出尽くしたようなので、今後の進め方について、確認をさせていただきたい。
 審議会については、適当な間隔で開催し、その場で委員の皆様から意見を頂き、事務局で次回の委員会に資料に反映させてもらうこととしたい。諮問にあたっても、一定の期間の中で答申を出して欲しいとの、先程の、市側の話もあることから、概ね3ヶ月に1回程度の開催でどうかと考えている。
 次回の審議会では、社会経済情勢の変化等や住宅施策の実施状況について、皆様の意見を頂きたいと考えているのでよろしくお願いいたしたい。
 それでは本会議の議題は全て終了致しましたので閉会させていただきます。

 

閉会 午後3時30分

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 都市整備局企画部住宅政策課住宅政策グループ

住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所6階)

電話:06-6208-9217

ファックス:06-6202-7064

メール送信フォーム