高齢者向け優良賃貸住宅(大阪市住宅供給公社)整備基準
2022年1月20日
ページ番号:199831
制 定 平成11年3月23日
最近改正 平成23年10月11日
高齢者向け優良賃貸住宅等供給促進事業(大阪市住宅供給公社)制度要綱(以下「要綱」という。)第3条第2号に規定する整備基準は、次のとおりとする。
第1章 総則
(健全な地域社会の形成等)
第1条 賃貸住宅は、その周辺の地域を含めた健全な地域社会の形成に資するように考慮して整備しなければならない。
(良好な居住環境の確保)
第2条 賃貸住宅は、安全、衛生、美観等を考慮し、かつ、入居者にとって便利で快適なものとなるように整備しなければならない。
(定義)
第3条 この基準における用語の意義は、要綱に定める用語の意義と同一とする。
第2章 敷地の基準
(位置の指定)
第4条 賃貸住宅の敷地(以下「敷地」という。)の位置は、災害の発生のおそれが多い土地及び公害等により居住環境が著しく阻害されるおそれがある土地をできる限り避け、かつ、日用品の購買、医療機関等の利用その他入居者の日常生活の利便を考慮して選定しなければならない。
(敷地の安全等)
第5条 敷地が地盤の軟弱な土地、がけ崩れ又は出水のおそれがある土地その他これらに類する土地であるときは、当該敷地に地盤の改良、擁壁の設置等安全上必要な措置が講じられていなければならない。
2 敷地には、雨水及び汚水を有効に排出し、又は処理するために必要な施設が設けられていなければならない。
第3章 住棟及び住戸専用部分の基準
第1節 通則
(住棟の基準)
第6条 住棟その他の建築物は、敷地内及びその周辺の地域の良好な居住環境を確保するために必要な日照、通風、採光、開放性及びプライバシーの確保、災害の防止、騒音等による居住環境の阻害の防止等を考慮した配置でなければならない。
(住宅の規模、構造、設備等)
第7条 賃貸住宅は、居住室(寝室、居間、食事室その他居住の目的のため継続的に使用する室を言う。以下同じ。)並びに台所、水洗便所、収納スペース、洗面所及び浴室を有し、独立した生活を営むことができるものでなければならない。
2 賃貸住宅は、1戸当たりの床面積(バルコニー及び共同住宅にあっては共用部分の床面積を除く。)が25平方メートル以上で、人数に応じた適切な規模でなければならない。
3 賃貸住宅は、規則に規定する耐火構造の住宅でなければならない。
4 賃貸住宅には、防火、避難、防犯、断熱及び遮音のための適切な措置が講じられていなければならない。
(日照)
第8条 主たる居住室の開口部が冬至日において原則として2時間以上(特定地域内においては1時間以上)、敷地の形状等でやむをえない場合は1時間以上日照を受けることができなければならない。
2 前項における特定地域とは、JR大阪環状線の内側及びその周辺で、指定容積率が 400%、500%、600%、800%、1000%の商業地域並びに指定容積率が300%、400%の近隣商業地域、第2種住居地域又は準住居地域のうち大阪市が指定する区域をいう。
(段差等)
第9条 住戸内の床は、原則として段差のない構造(5ミリメートル以下の段差が生じるものを含む)のものでなければならない。ただし、玄関の出入口及び上がりがまち、浴室出入口、バルコニー等への出入口等にあっては、この限りでない。
(手すり)
第10条 浴室は、浴槽出入りのための手すりを設置したものであるとともに、できる限り浴室出入のための手すりを設置したものでなければならない。
2 玄関は、上がりがまち部の昇降や靴等の着脱のために手すりを設置しなければならない。
3 便所は、立ち座りのための縦型及び姿勢保持のための横型の手すり又は縦横兼用のL型の手すりを設置したものでなければならない。
4 脱衣室は、衣服の着脱等のための手すり等を設けたものでなければならない。
5 居住室等及び廊下等には、手すりを設けたもの又は設置できるようにしたものでなければならない。
6 廊下、洗面所、居間・居住室等の移動のために設ける手すりの設置高さは、床仕上面から 750ミリメートルを標準とする。
7 手すりは、使用しやすい形状及び材質で、適切な位置に設置されたものでなければならない。
8 水平手すりの端部は、できる限り壁側又は下側に曲げたものでなければならない。
(住戸内廊下等の通路・出入口の幅員)
第11条 通路の有効幅員は、 780ミリメートル(柱等の箇所にあっては 750ミリメートル)以上でなければならない。
2 出入口の有効幅員(開き戸においては、建具の厚み、引き戸では引き残しを除いた幅員)は、750ミリメートル以上(浴室の出入口にあっては 650ミリメートル以上)でなければならない。
3 廊下の屈曲部及び廊下から直進できない出入口に接する廊下は、できる限り介助用車いすの回転が可能な空間を設けたものでなければならない。
(床・壁の仕上げ)
第12条 床は、滑りにくい仕上げとしたものであるとともに、転倒した場合の衝撃をやわらげるよう仕上げの材質等に配慮したものでなければならない。特に浴室については、十分に配慮したものとする。
2 壁の出隅部は、できる限り、面とりを行う等形状・仕上げに配慮したものでなければならない。
(建具)
第13条 建具は、開閉がしやすく、安全に配慮したものとする。また、建具の把手、引き手及び錠は使いやすい形状のものとし、適切な位置に取付けたものでなければならない。
2 玄関ドアを含め、住戸内の開き戸の取っ手はレバー型のものとする。
3 玄関ドアが開き戸形式の場合、急激な開閉を防ぐため、ドアクローザーを設置等したものでなければならない。
4 浴室及び便所の建具の錠は、外からの開錠が可能なものでなければならない。
5 出入口ドア等にガラスを入れる場合は、安全ガラスを用いるか又は桟付建具として1枚当たりのガラス面を小さくしたものでなければならない。
(設備)
第14条 住戸内の給水給湯設備、電気設備、ガス設備は、安全性に配慮するとともに、操作が容易なものでなければならない。
2 水栓金具は、レバー式等操作しやすい形状のものであるとともに、湯温調整が安全に行えるものでなければならない。
3 電気設備のスイッチ、コンセント等は、使いやすい高さに設置したものであるとともに、できる限りスイッチの操作する部分は大きなものとし、又は明かりをつける等使用の利便に配慮したものでなければならない。
4 住戸内の照明設備は安全上必要な箇所に設置するとともに、十分な照度を確保しなければならない。
5 ガス調理器具は、立消え安全装置付きのものでなければならない
(緊急通報装置等)
第15条 便所、浴室及び寝室からの緊急時の通報が可能な装置を設置したものでなければならない。
2 台所にはガス漏れ検知器及び火災警報器を設置したものでなければならない。
(温熱環境)
第16条 各居室等の温度差をできる限りなくすよう断熱及び換気に配慮するとともに、便所、洗面所、脱衣所、居間・食事室及び寝室には暖房設備を設けるか又は暖房機器を設置できるようにするほか、地域の気候に応じて、居間・食事室及び寝室には冷房設備を設けられるようにしたものでなければならない。
(収納スペース)
第17条 日常使用する収納スペースは、適切な量を確保したものであるほか、無理のない姿勢で出し入れできる位置に設けたものでなければならない。
第2節 住戸内各部
(玄関)
第18条 玄関は、できる限りベンチ等を設置できる空間を確保したものでなければならない。
2 玄関の出入口においては、くつずりと玄関外側の高低差が20ミリメートル以下、くつずりと玄関土間の高低差は5ミリメートル以下としたものでなければならない。
3 玄関の上がりがまちの段差は 110ミリメートル以下でなければならない。ただし、やむを得ない場合は式台を設置したものか、又は設置できる空間を設け、土間と式台との段差及び式台と上がりがまちの段差を各 180ミリメートル以下としたものでなければならない。
4 玄関の上がりがまち及び式台は、段差がわかりやすいよう、できる限り材質、色等で変化を持たせたものでなければならない。
(便所)
第19条 便所は、できる限り便器側方に介助スペースを確保したもの、もしくは軽微な改善により確保できるものでなければならない。
2 便所の長辺は、内法寸法で1,300ミリメートル以上、緊急時の救助に支障のない構造のものでなければならない。
3 便器は、腰掛け式のものでなければならない。
(洗面所・脱衣室)
第20条 洗面所は、手洗い等の利便性に配慮したものでなければならない。
2 脱衣室は、衣服の着脱等の安全性等に配慮したものでなければならない。
(浴室)
第21条 浴室の広さは、腰掛け台等を設置しても入浴行為に支障のない広さとして、内法で短辺 1,400ミリメートル以上かつ広さ 2.5平方メートル以上としたものでなければならない。ただし、やむを得ない場合にあっては短辺 1,200ミリメートル以上かつ長辺 1,600ミリメートル以上としたものは、この限りでない。
2 浴室の出入口の段差は、原則として20ミリメートル以下の単純段差とし、やむを得ない場合は手すりを設置しつつ、浴室内外の高低差 120ミリメートル以下かつまたぎ高さ 180ミリメートル以下としたものでなければならない。
3 出入口建具は引戸又は折れ戸を原則とし、やむを得ず内開き戸とする場合は、緊急時には外部から取りはずせる構造のものでなければならない。
4 浴槽は、安全性に配慮した形状・寸法とし、縁の高さは原則として 300ミリメートル以上 500ミリメートル以下でなければならない。
(寝室)
第22条 寝室の広さは、約12平方メートル以上とし、やむを得ない場合は約10平方メートル以上とする。
2 寝室は遮音性能及び避難のしやすさに配慮したものでなければならない。
(バルコニー等)
第23条 バルコニー、テラス等への出入口の段差は、原則として 180ミリメートル以下の単純段差とし、やむを得ない場合は、 250ミリメートル以下の単純段差か屋内側、屋外側とも 180ミリメートル以下のまたぎ段差とし、かつ、手すりを設置できるようにしたものでなければならない。
2 物干し金物の高さは、できる限り高齢者等に配慮したものでなければならない。
第4章 屋外空間及び共用部分の基準
(アプローチ等)
第24条 通路は幅員を 900ミリメートル以上とし、かつ、部分的に幅の広いところを設けたものであるとともに、高低差が生じる場合には傾斜路を設けたものでなければならない。
2 屋外に設ける階段は、R(蹴上げ、以下同じ)≦ 160ミリメートル及びT(踏面、以下同じ)≧300ミリメートル、やむを得ない場合には、T≧240ミリメートル、550ミリメートル≦T+2R≦650ミリメートルとしたものでなければならない。
3 傾斜路は、有効幅員 1,200ミリメートル以上、1/12以下の勾配とし、かつ、高低差 750ミリメートル毎に 1,500ミリメートル以上の踊り場を設けたものでなければならない。
4 住棟出入口付近は、できる限り、自動車が寄りつけるようにしたものであるとともに、駐車スペースを確保したものでなければならない。
(共用階段)
第25条 共用階段は、階段及び踊り場ともできる限り有効幅員を 1,200ミリメートル以上とするとともに、勾配は7/11以下、 550ミリメートル≦T+2R≦ 650ミリメートル、やむを得ない場合は、T≧240ミリメートル、550ミリメートル≦T+2R≦650ミリメートルとしたものでなければならない。(ただし、日常時の昇降はエレベーターによって行われる等の共用階段であって、専ら非常時の避難用として利用されると考えられるものを除く。)
2 共用階段の構造は、最上段の通路等への食い込み及び最下段の通路等への突出を避けるとともに、できる限り踊り場付き折れ階段又は直階段としたものでなければならない。
3 踏面のノンスリップを設ける場合はできる限り踏面と同一面とし、蹴込み板を設置し、できる限り段鼻を出さないようにするとともに、蹴込み寸法を20ミリメートル(やむを得ない場合は30ミリメートル)以下とする。
(共用廊下)
第26条 共用廊下の有効幅員は、できる限り 1,400ミリメートル以上とし、部分的に車いすのすれ違いのためのスペースを確保したものでなければならない。
2 共用廊下に面する玄関ドアの共用廊下側には、できる限りアルコーブ(入り込みスペース)を設けたものとしなければならない。
3 共用廊下は、段差のない構造でなければならない。
(床の仕上げ及び手すり)
第27条 アプローチ、住棟出入口、階段、傾斜路及び共用廊下等の床の仕上げは、滑りやつまづきに対する安全性に配慮したものでなければならない。
2 共用廊下、階段及び傾斜路は、少なくとも片側に手すりを設けたものであるとともに、その端部は、できる限り 200ミリメートル以上水平に延ばしたものとしなければならない。
(エレベーター)
第28条 地上階数6以上の賃貸住宅はエレベーターが設けられていなければならず、地上階数3以上5以下の賃貸住宅は原則としてエレベーターが設けられていなければならない。
2 住棟出入口から1階エレベーターホールへ至る通路に高低差がある場合は、できる限り階段に傾斜路(勾配1/15以下)を併設するとともに、有効幅員は階段にあっては 1,200ミリメートル以上、傾斜路にあっては 1,500ミリメートル以上としたものでなければならない。
3 エレベーターホールは、車いすの回転のための空間として、 1,500ミリメートル角以上の空間を確保したものであるとともに、エレベーター開口幅は 800ミリメートル以上でなければならない。
4 エレベーターのかごの形状、寸法等、エレベーターの乗り場ボタン及びかご内の操作盤は、車いす利用者に配慮したものでなければならない。
(照明設備)
第29条 屋外アプローチ及び共用部分の照明設備は、安全性に配慮した十分な照度を確保したものでなければならない。
2 共用階段の照明は、複数設置等により踏面に影ができないようにしたものでなけらばならない。
(附帯施設)
第30条 敷地内には、必要な自転車置場、物置、ごみ置場等の附帯施設が設けられていなければならない。
2 前項の附帯施設は、入居者の衛生、利便等及び良好な居住環境の確保に支障が生じないように考慮されたものでなければならない。
(共同施設)
第31条 共同施設とは、賃貸住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設をいう。
2 共同施設の位置及び規模は、敷地内の住戸数、敷地の規模及び形状、住棟の配置等に応じて、入居者の利便を確保した適切なものでなければならない。
(公園、広場及び緑地)
第32条 公園、広場及び緑地の位置及び規模は、良好な居住環境の維持増進に資する用に考慮されたものでなければならない。
(共同の利便施設)
第33条 敷地面積が3,000平方メートル以上又は戸数が50戸以上の団地として建設する場合には、集会所その他入居者の共同の利便のための施設を設置しなければならない。ただし、当該団地の周辺に利用可能な相当規模の集会所その他当該団地を含む地域の住民の共同の利便のための施設がある場合においては、この限りでない。
(集会所)
第34条 集会所の位置、構造及び設備は、団地の規模及び形状、住宅及び児童遊園の配置等に応じて、入居者が利用しやすいものとしなければならない。
2 集会所の床面積は、住宅の戸数が 150戸未満のものについては、70平方メートル、 150戸以上のものについては 100平方メートルを標準とする。する用に考慮されたものでなければならない。
(通路)
第35条 敷地内の通路は、敷地の規模及び形状、住棟等の配置並びに周辺の状況を考慮して、日常生活の利便、通行の安全、災害の防止、環境の保全等に支障がないような規模及び構造で合理的に配置されたものでなければならない。
2 通路における階段は、高齢者等の通行の安全に配慮し、必要な補助手すり又は傾斜路が設けられていなければならない。
附 則
この整備基準は、平成11年3月23日から施行する。
附 則
1 この整備基準は、平成13年9月25日から施行する。
2 この整備基準の改正前に供給計画の認定を受けた公社高優賃住宅は従前の規定を適用する。
附 則
この整備基準は、平成23年10月11日から施行する。
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