生きた建築ミュージアム・大阪セレクション　中之島フェスティバルシティ

四つ橋筋を挟んで聳える高さ200mのツインタワーの敷地は、朝日新聞社グループの歴代の名建築が建てられてきた場所。2012（平成24）年に完成した東の中之島フェスティバルタワーは、1958（昭和33）年に竣工した新朝日ビルの音楽の殿堂、フェスティバルホールを継承した構造的にもアクロバティックな超高層ビル。優れた音響特性と、南側の外壁を飾る再生されたレリーフ「牧神、音楽を楽しむの図」がその証。5年遅れて完成した「タワー・ウエスト」は、オフィス、ホテル、美術館などからなる複合ビルで、ベージュのレンガタイルの色やコーナーの曲面は、大阪朝日ビル（1931）と朝日新聞ビル（1968）から引き継がれたデザイン。高さ16mで揃えた開放感あふれるピロティと、そこを行き交う人々のアクティビティが、2棟のタワーをひとつの「シティ」へと統合している。（髙岡伸一）

※解説文は2023年度の選定当初の内容です。

［所在地／建設年］

【中之島フェスティバルタワー（写真右）】大阪市北区中之島2-3-18／2017年

【中之島フェスティバルタワー・ウエスト（写真左）】大阪市北区中之島3-2-4／2012年

［設　計］日建設計