令和6年度完成物件

一般

• 中央こども相談センター

• 豊臣期石垣公開施設

学校

• 堀江小学校西学舎

　本施設は、児童福祉法に基づく児童相談所であり、森ノ宮にある「中央こども相談センター」の移転先として整備を行ったものです。家庭的な環境の確保に向け児童居室の個室化等を図るとともに、従来型の一時保護機能に加えて入所児童が一時保護所から在籍する学校等に通える開放型一時保護機能を併設しています。

　児童の居室は、少人数単位の複数ユニットで構成し、ユニット毎にリビング、浴室などの共用スペースを配置することで家庭的な雰囲気をつくり出しています。また、男女別の明確なゾーニングを行い、施設運営に配慮した計画としています。

　建物内部は、来所者や児童が安心感を抱けるよう、エントランスポーチ、風除室、エントランスホールの壁と天井に木材を採用しています。また、3か所の光庭（吹抜け）を設けて、自然採光・自然換気を確保しています。

　外観は、誰もが安心感を抱けるデザインとするため、2～3階に全周バルコニー及び庇を配置するとともに、近接するJR大阪環状線からの視線に配慮し外装ルーバーを設置しています。また、2階のパラペット立ち上がりを傾斜させ、住宅の屋根を思わせるようなデザインとするとともに、暖色系の外壁タイルや吹付け材を採用することで、落ち着いた暖かみのある印象となるように計画しています。

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　本施設は、特別史跡大坂城跡の特徴である歴史の重層性を象徴する遺構のひとつとして、徳川期大坂城の下に埋められた豊臣期石垣を公開し、大阪城の歴史を体感できる施設として整備を行ったものです。

　建物は、金蔵東側に1棟で配置し、天守閣への来場者が建物を視認できるようエントランスを南側に配置しています。エントランス前にはオープンスペースを設け、重要文化財である金蔵の景観に配慮した計画としています。

　建物内部は、地上階と地下階の2層で構成しています。地上階のガイダンスルームから地下階展示ホールにアクセスする階段は、かね折れ階段とすることで、展示ホールに入ると眼前に豊臣期石垣が現れ、印象的な出会いを演出できるよう工夫をしています。展示ホールは、多くの来館者が安全に見学できるよう、入口と出口を分離した一方通行の動線計画としています。展示ホールを吹き抜け空間とすることで、地下階で石垣を見た後、地上階からも石垣を見学できる構成としています。

　建物外観は、豊臣期石垣の存在を強調しつつ、周囲の歴史的建造物と同じ印象を持たせないよう、杉板型枠を用いたコンクリート化粧打放しとしています。

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　本施設は、大阪市内中心部での児童の増加に対応するため、堀江小学校の分校として整備を行ったものです。

　敷地の北側から校舎棟、体育館棟、グラウンドを配置し、体育館棟の1階南側の一部をピロティとすることで、グラウンドとの一体的な利用を可能にしています。加えて、普通教室や特別教室などにより構成する7階建ての校舎棟の屋上をグラウンドとし、体育館棟の屋上をプールとすることで、都心の狭小な敷地の学校にあっても子どもたちが活発に活動できる空間を最大限確保しています。

　外観は、周辺に立地する市立中央図書館の石張仕上げを踏襲した石調吹付仕上げとし、重厚感のあるデザインとするとともに、隣接する中学校と調和を図る色調とするなど、周囲の景観に配慮しています。

　平面計画は、将来の学級数変更にも柔軟に対応できるよう普通教室への転用を見越したフレキシブルな設計としています。また、同学年の学び合いを深めるため、教室間の中廊下の幅を広く取り交流の場を設けるとともに、上下階の異学年交流の機会を増やすため、校舎中央部の階段はクロス階段としています。そのほか、感染症対策として、ホール各階に開放型の手洗いカウンターを設け、形状を円型にすることで子どもたちの交流を促しています。

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