平成28年度大阪市連結財務諸表について
2017年12月22日
ページ番号:416705
大阪市では、発生主義・複式簿記に加え、日々仕訳を採用した本格的な新公会計制度の運用を平成27年4月より開始しています。これにより、従来の官庁会計では見えにくいストック情報(資産・負債)やコスト情報(減価償却費など)をお知らせすることができるようになりました。
この度、平成28年度決算に基づく連結財務諸表を作成しましたので公表します。
※金額は、表示桁未満を四捨五入して表示していますので、表中の内訳と合計等が一致しない場合があります。
※割合(パーセント)は、小数第2位を四捨五入して表示しています。
1 連結財務諸表とは
◆概念
地方公共団体の行政サービスが第三セクター等の関連団体によっても実施されている実態を踏まえ、地方公共団体と連携協力して行政サービスを実施している関連団体を連結し、一つの行政サービス実施主体とみなして財政状態を明らかにすることを目的として作成している財務諸表です。
◆連結財務諸表の構成
次の財務諸表等を作成しています。
連結貸借対照表
連結行政コスト計算書
連結純資産変動計算書
注記
附属明細表
◆連結財務諸表の対象範囲
連結財務諸表は、下記のとおり、本市各会計に加え、本市が加入している全ての一部事務組合・広域連合、本市が設立した全ての地方独立行政法人・地方公社、本市が一定割合以上出資している第三セクター等を対象(※)とし、関連集団内の取引(投資と資本、貸付金と借入金、繰入れと繰出しなど)を相殺しています。
※連結対象団体の範囲と連結方法は、「平成28年度大阪市連結財務諸表について」の10・11ページをご覧ください。
2 連結貸借対照表の概要
- 貸借対照表は、貸借対照表日時点における財政状態(資産・負債・純資産の残高及び内訳)を表すものです。
- 平成28年度末における資産総額は18兆9,744億円、負債総額は5兆1,389億円、資産から負債を差し引いた純資産は13兆8,355億円となっています。
(連結貸借対照表の内訳等については「連結貸借対照表【概要版】」をご覧ください。)
- 資産の部では、固定資産が総額の94.6パーセントを占めています。
固定資産には、主に公営住宅、学校、公園などの事業用資産と、主に道路、河川構造物(堤防等)、港湾施設(防潮堤等)などのインフラ資産があります。
本市では早くからまちづくりに取り組んできたことから、市民生活に密着した事業用資産とまちづくりの基盤となるインフラ資産を多く保有しており、固定資産の大半を占めています。
しかしながら、事業用資産、インフラ資産いずれも減価償却が進んでいるため、更新計画などのアセットマネジメント(資産管理)が重要となっています。 - 負債の部では、事業用資産やインフラ資産の整備に関する地方債等が、総額の83.2パーセントを占めています。
- 資産に対する負債の割合は一般会計と比べて高くなっています。
【連結】 27.1パーセント(負債 5兆1,389億円/資産 18兆9,744億円)
【一般会計】 18.3パーセント(負債 2兆7,524億円/資産 15兆 692億円)
これは、高速鉄道事業、水道事業など、主として企業債を原資に施設整備等を行う公営企業会計を連結したことなどによるものです。
〇連結貸借対照表(前年度との比較)
- 流動資産
未収金や基金の減などがありますが、現金預金の増などにより、前年度比366億円増の1兆228億円となりました。 - 固定資産
土地の売却や建物の減価償却による事業用資産の減などがありますが、インフラ資産や基金の増などにより、前年度比104億円増の17兆9,516億円となりました。 - 資産総額
前年度比470億円増の18兆9,744億円となりました。
- 流動負債
平成29年度に償還予定の地方債の減などにより、前年度比18億円減の6,923億円となりました。 - 固定負債
平成30年度以降に償還予定の地方債の減などにより前年度比1,694億円減の4兆4,466億円となりました。 - 負債総額
前年度比1,713億円減の5兆1,389億円となりました。 - 純資産総額
行政コスト計算書の収支差額による累積余剰の増や評価・換算差額等の増により前年度比2,183億円増の13兆8,355億円となりました。
3 連結行政コスト計算書の概要
- 行政コスト計算書は、一会計期間の行政サービスの提供に要した費用と、それに対応する収益を表すもので、現金支出を伴わない減価償却費等も費用として計上しています。
- 平成28年度の経常収支差額は1,823億円であり、臨時的な損失や利益による特別収支差額85億円を加えた当年度収支差額は1,908億円となっています。
(連結行政コスト計算書の内訳等については「連結行政コスト計算書【概要版】」をご覧ください。)
- 経常費用には、市民や他団体等の支出に対する給付・補助などの「移転支出的なコスト」、公共施設の運営費や補修費などの「物にかかるコスト」があり、全体の82.6パーセントを占めています。
「移転支出的なコスト」には、生活保護費や障がい者自立支援給付費などの扶助費や、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療給付の負担金などの社会保障関連経費が多く含まれます。
また、「物にかかるコスト」については、本市では早くからまちづくりに取り組んできたことから、事業用資産とインフラ資産を多く保有しているため、施設の運営費や減価償却費が多く含まれます。 - 経常収益では、市税等や国・府支出金、国民健康保険料や介護保険料などの社会保険関連の収入が、全体の75.3パーセントを占めています。
なお、その他の収入には、公営企業会計の営業収益や使用料・手数料などが含まれています。 - 特別収支差額は、市内府営住宅が大阪府から移管されたことによる特別利益を計上(164億円)したほか、資産情報の修正に伴う特別利益、特別損失を計上したことなどにより、85億円となっています。
- 当年度収支差額は1,908億円となり、一般会計(1,433億円)と比べると増加しています。これは、水道事業など、独立採算で収支剰余となっている公営企業会計を連結したことなどによるものです。
- 経常収益
国・府支出金の増などがありますが、交付金や地方交付税の減などにより、前年度比13億円減の2兆6,923億円となりました。 - 経常費用
給与関係費の減などがありますが、扶助費や負担金・補助金・交付金等の増などにより、前年度比139億円増の2兆5,100億円となりました。 - 経常収支差額
前年度比152億円減の1,823億円となりました。
4 連結純資産変動計算書の概要
- 純資産変動計算書は、一会計期間の純資産の変動を表すものです。
当年度末残高13兆8,355億円は、貸借対照表の純資産の額と一致します。 - 純資産の前年度末残高は13兆6,172億円でしたが、当年度に2,183億円増加し、当年度末残高は13兆8,355億円となりました。
- 当年度変動額2,183億円の内訳
累積余剰は、行政コスト計算書の当年度収支差額に、一部事務組合の比例連結割合の変動に伴う差額等を含め、1,873億円となっています。
評価・換算差額等には、有価証券の評価差額(取得原価と時価との差額)等を計上しており、前年度末よりも時価が上がったことなどにより、当年度変動額は310億円となっています。
平成28年度大阪市連結財務諸表について
- 平成28年度大阪市連結財務諸表について(PDF形式, 325.39KB)
平成28年度大阪市連結財務諸表についてまとめた資料です。
- 連結貸借対照表・連結行政コスト計算書【概要版】(PDF形式, 358.70KB)
平成28年度大阪市連結財務諸表の貸借対照表と行政コスト計算書について、主な内容を説明しています
- 本表・注記・附属明細表(PDF形式, 336.33KB)
平成28年度大阪市連結財務諸表の本表、注記、附属明細表です。
- 本表・注記・附属明細表(XLSX形式, 109.43KB)
平成28年度大阪市連結財務諸表の本表、注記、附属明細表のエクセル形式のファイルです。
- 財務諸表用語解説(PDF形式, 250.70KB)
平成28年度大阪市連結財務諸表にかかる用語解説です。
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