ホームレス自立支援施策について
2025年1月31日
ページ番号:8085
わが国では、バブル経済崩壊後の景気低迷が深刻化した1996(平成8)年頃から大都市を中心にホームレスが急増し、大きな社会問題となりました。大阪市においてもその現象は顕著にあらわれ、市内のホームレス数は、1998(平成10)年の調査で8,660人と記録が残っています。
2002(平成14)年8月に、ホームレス問題の解決に資することを目的にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成14年法律第105号)が10年間の時限立法として制定されました。その後、2012(平成24)年に5年間延長され、さらに2017(平成29)年に10年間延長されています。
この間、大阪市のホームレス数は820人(2024(令和6)年1月の概数調査)に減少しています。これは、行政だけではなく民間団体、地域住民の協力をいただき、ホームレスが地域社会の中で自立した生活が送れるよう、連携して自立支援施策に取り組んできた成果によるものです。
ホームレス数の減少という量的な問題が解消に向かいつつ、深刻な困難があるホームレスの質的な問題へのアプローチが必要となっています。2021(令和3)年11月に実施された生活実態調査によると、ホームレスの高齢化や野宿生活期間の長期化が一層顕著になるとともに、野宿生活を脱した後、再野宿化するホームレスの存在や、一定程度存在する若年層に少しでも早くアプローチし、さらには支援を受け入れてもらいやすい体制整備を行う必要性など、今後対応を工夫していかなければならない課題があります。
国のホームレスの自立の支援等に関する基本方針や大阪府ホームレスの自立支援等に関する実施計画に沿ったものとしながら、あわせて大阪市の地域福祉基本計画における基本理念を踏まえ策定した「大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 2024(令和6)年度~2028(令和10)年度」を基に、ホームレス問題の解決を図ってまいります。

1 大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画の概要

(1)取組方針
○安定した住居における個別支援の実施
○若年層、新規層への積極的な働きかけ
○就労支援施策の充実

(2)計画の推進
本市では、取組方針に加え、次の観点からも計画を推進してまいります。詳細については、以下に添付している実施計画をご確認ください。
ダウンロードファイル
大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 2024(令和6)年度~2028(令和10)年度(PDF形式, 1.36MB)
【読み上げ用】大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 2024(令和6)年度~2028(令和10)年度(DOCX形式, 886.92KB)
【概要版】大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 2024(令和6)年度~2028(令和10)年度(PDF形式, 143.94KB)
【概要版】大阪市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 2024(令和6)年度~2028(令和10)年度(PPTX形式, 64.19KB)
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロード(無償)
- PDFファイルを閲覧できない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Acrobat Reader DC をダウンロード(無償)してください。

2 本市の主な自立支援策

(1)ホームレス巡回相談事業
相談員が市内を巡回し、ホームレスの就労・健康・悩み等についての相談を行い、帰郷を希望する人については、家族・知人等への連絡・仲介を行い、就労による自立意欲のある人については、自立支援センターへの入所を勧奨しています。また医師による健康相談、精神保健相談等の実施や、高齢・障がいや疾病等により福祉的援護が必要な人については、関係機関と連携を図るなど、個々の状況に適した支援等を行っています。

(2)自立支援センターの設置・運営
就労意欲のあるホームレスが一定期間入所することによって、就労による自立の促進を図ることを目的として、市内1か所に自立支援センターを設置、運営しています。
自立支援センターでは、宿所、食事を提供するとともに、生活相談、健康指導、ハローワークと連携した職業相談、職業紹介などを行っています。
また、民間の賃貸住宅を活用した自立支援センター事業や、退所後の就労自立の継続を支援するためのアフターケア事業も実施しています。
(外部リンク)自立支援センター舞洲(社会福祉法人みおつくし福祉会)

(3)生活ケアセンターの設置・運営
高齢・病弱等により援護を要するホームレス等が短期間入所し、生活指導等を通じて自立の促進を図ることを目的として設置・運営しています。

(4)地域移行支援事業
民間アパートなどの個人のプライバシーが確保された住居において自立に向けた支援を行い、もって安定した住居の確保・移行その後の地域生活の定着を図るために実施しています。

(5)あいりん日雇労働者等自立支援事業
あいりん地域においては、日雇求人が大幅に減少することに加え、日雇労働者の高齢化により日雇労働に就くことが難しい人の割合が増加しています。そのため野宿生活を余儀なくされる人があいりん地域には依然として多い状況にあります。
本市では、あいりんシェルターを設置し、宿泊棟における緊急・一時的な宿泊場所の提供、居場所棟における生活相談・健康相談等各種相談の実施、高齢者特別清掃を通して就労機会の創出・提供、さらに、宿泊棟と居場所棟を活用して年末年始における越年対策を実施し、自立促進を図っています。

3 ホームレスの人々の人権
本市では、ホームレスに対する偏見や差別、また、ホームレスの方が多く集まっている地域に対しての偏見が完全に解消されたとは言えない状況にあることから、啓発活動などの人権の擁護に関する取組を推進します。

4 関係諸機関と連携したホームレス自立支援事業

(1)ホームレス就業支援センター事業
大阪府・本市・民間団体等で協議会を設置。自立支援センター入所者の就業自立の促進と、あいりん地域の高齢日雇労働者に就業機会の提供を図るため、民間事業所等から幅広く仕事を集め、多様な就業機会を提供しています。
(外部リンク)ホームレス就業支援センター

(2)西成労働福祉センター
あいりん地区の日雇労働者を対象に、職業紹介や労災・労働相談などの業務を行っています。
(外部リンク)西成労働福祉センター

(3)大阪社会医療センター附属病院
あいりん地域並びに周辺の居住者及び生計困難者に対し、多様な医療・福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が、個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援するため、地域の社会医学的な実態を把握すると共に、必要かつ迅速な医療を行い、地域住民の保健と福祉の増進に寄与することを目的として、無料低額診療施設の経営や、医療・福祉に関する相談及び支援を行っています。
(外部リンク)大阪社会医療センター附属病院

5 全国調査におけるホームレス数
市内のホームレスは、民間団体、地域住民の協力をいただきながら自立支援施策に取り組んできたことにより減少傾向にあります。
平成 15年 | 平成 20年 | 平成 25年 | 平成 30年 | 平成 31年 | 令和 2年 | 令和 3年 | 令和 4年 | 令和 5年 | 令和 6年 | |
大 阪 市 | 6,603 | 3,647 | 1,909 | 1,023 | 1,002 | 982 | 943 | 923 | 841 | 820 |
国 | 25,296 | 16,018 | 8,265 | 4,977 | 4,555 | 3,992 | 3,824 | 3,448 | 3,065 | 2,820 |
似たページを探す
探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先
大阪市 福祉局生活福祉部自立支援課ホームレス自立支援グループ
住所:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所2階)
電話:06-6208-7924
ファックス:06-6202-0990