大阪市国民健康保険料減免事務取扱要領
2024年8月2日
ページ番号:580438
1 根拠条例及び趣旨
(1)この事務取扱要領は、国民健康保険法第77条に基づく、大阪市国民健康保険条例(以下「条例」という。)第21条及び同施行規則(以下「規則」という。)第17条並びに「大阪市国民健康保険料徴収猶予、減免基準」(以下「減免基準」という。)に規定する保険料減免に係る事務について必要な事項を定めるものとする。
なお、この事務取扱要領の業務は、大阪市業務継続計画の対象業務であり、計画発動時には概ね2週間以内から実施(再開)する。
(2)条例第21条に規定する「災害その他特別の理由」について、規則第17条では、(1)災害により重大な損害を受けたとき(2)その他の理由により収入が著しく減少したとき(3)その他市長が特に必要があると認めるとき、の3号に分けて規定している。その範囲及び認定の基準は減免基準の第2項各号に定められているとおりであって、それ以上ではないこと。
(3)また、「保険料の全額負担に堪えることが困難であると認められる者」とは「災害その他特別の理由により」現在の所得(収入)の状態において、保険料の全額あるいは一部を負担する能力に欠ける状態にあると認められる者をいう。すなわち保険料の賦課が制度上過去の所得に基づいて決定されているのに対して保険料を納付できるか否かは、現在の収入状態の如何にかかっている。したがって、未確定で実務上扱いにくい概念ではあるが、現在の所得(収入)を把握することが、どうしても必要となってくる。
保険料は、大阪府に事業費納付金を納めるために徴収しなければならないが、減免を適用することで、事業費納付金を納めるために必要な額に満たないこととなるため、あらかじめ保険料の算定に含んでいる。よって、減免にあたっては、他の被保険者との公平性の観点からも、当該被保険者の保険料負担能力について客観的な状況把握を充分に行い、適用を検討する必要がある。
(4)条例第17条の2に規定する法定軽減が、減額した後の額を賦課するのに対し、条例第21条の減免措置は、賦課決定後に当該者の申請(規則第17条第2項)に基づいて行うものである。
そこで、この申請主義については、減免該当者への説明等充分配慮したうえで取り扱われたい。
申請にあたっては、各担当者は当該被保険者の申立てを誠実に聴取のうえ、仮に減免基準に該当せず減免できない場合でも、当該被保険者が充分納得できるように説明するとともに、必要に応じて他に適切な相談窓口がある場合はそちらを紹介する等、他の救済方法がとれないかどうかについても検討されたい。
2 保険料減免の申請手続き
(1)保険料減免の申請は、保険料納付義務者(被保険者の属する世帯の世帯主)本人の申請を原則とするが、これにより難い場合は、当該減免の措置を必要とする者(被保険者)の申請によることができる。
(2)申請は、規則第17条第2項及び第3項に基づき、所定の減免申請書【様式1】に申請理由を証し得る資料を添付のうえ、保険料の減免を受けようとする月の納期限までに提出させるものとする。
(3)前号について、申請が遅れたことに相当の理由があり、やむを得ないと認められるとき(理由を明らかにする書類の提出がある場合)はこの限りではない。
なお、書類の提出が困難と判断される場合は、原則、申請者から申立書を徴することとする。
(4)保険料減免は、年度ごとに申請書の提出を必要とする(同一事由による減免が複数年度にわたる場合も含む)が、減免基準第2項第3号(旧被扶養者減免)のみ翌年度以降の減免申請を不要とし、当初申請に基づき、減免適用を行うものとする。
(5)保険料減免は納付義務者の保険料負担能力に着目して適用する点を勘案し、申請の受付は当該年度の保険料額が決定・通知された後に行うものとする。
ただし、拘禁減免及び旧被扶養者減免については、賦課決定前である4月又は5月であっても申請の受付を可能とする(審査、決定に関しては保険料額決定後となることに留意する)。
(6)保険料減免は納付義務者である世帯主に対して適用されることから、減免適用後に世帯主の変更があった場合には、その都度申請が必要となることに留意する。
3 減免基準の解釈と認定
(1)減免基準について
本市の減免基準は、府内共通の基準である、大阪府国民健康保険運営方針「別に定める基準」を基に規定している。
減免適用にあたっては、国保構成世帯員全員(擬制世帯主を含む)の所得把握がされていることが必要である。
なお、市府民税の申告免除者等、市民税公簿上で、所得が把握できない者については、国保所得申告書の提出を求めること。
(2)減免基準第2項第1号について
①本号の適用対象は、事業又は業務の倒産、廃業、休業、退職等の他に、所得税の予定納税額の減額承認又は府事業税の減免を受けた場合、失踪、盗難、交通事故などの場合であり、無収入又は減収状態が相当期間にわたると認められる世帯をいう。
ただし、申請時点で当該世帯が再就職等により資力が回復し、減免を適用するまでもなく保険料を納付できると認められる場合は、減免基準は適用されないので、これらの確認については、充分留意すること。
②同一事由による本号の適用は、保険料を納付することが可能となるまでの間であるが、最大で、事実が発生した日の属する年度の翌年度末までとする。
③本号は、応能割である所得割保険料の減免であるため、減免率の判定に用いる所得は、減免対象世帯に属する者のうち被保険者であるものに係る地方税法第313条第9項中雑損失の金額に係る部分の規定の適用がないものとして算定した同法第314条の2第1項に規定する総所得金額及び山林所得金額並びに他の所得と区分して計算される所得の金額(条例第13条第1項に規定する他の所得と区分して計算される所得の金額をいう。)の合計額(以下「基礎控除前の総所得金額等」という。)とする。
また、国民健康保険法施行令第29条の7の2第2項に規定する特例対象被保険者等(非自発的失業者に係る軽減に該当する者)については、給与所得の算出時には当該規定を適用する(給与所得を100分の30とする)ものとする。
④減免基準中「当該状況が発生した月以降の平均月額見積所得(退職所得を除く)を基に算出した1年間の見込所得」は、倒産、廃業、退職等の事実の発生した日の属する月の翌月(ただし、申請日の属する月が事実の発生した月の翌月から起算して3か月を超える場合は、申請日の属する月の2か月前)から1年間の見込所得で算出した基礎控除前の総所得金額等とする。
基礎控除前の総所得金額等のうち所得税法施行令第198条第1号に規定する経常所得の金額を除く金額(非経常所得金額)については、前年中に比し減少している場合は、前年中と同額があるものとみなして算出する。
⑤前記④の認定にあたっては、収入状況申告書【様式1(別紙)】その他事実を証し得る資料により判断するが、書類審査だけで事実の認定が困難な場合は、実地調査によって確認すること。
なお、減少後の所得を適正に見込むことが困難な場合等は、当該年度の3月の納期限を限度として審査を保留し、確定申告書の控え等、事実を証し得る資料により減少後の所得を確認することとする。
⑥「該当世帯の基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額又は介護納付金賦課額それぞれの所得割額」とは、該当世帯の賦課限度額を考慮しない、算定上の所得割額である。
⑦「減免率を乗じて得た額」とは、前記⑥の所得割額に減免率を乗じて得た額であり、賦課限度額を考慮しない算定上の基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額又は介護納付金賦課額からそれぞれの減免額を差し引いたものが、減免後の保険料額となる。したがって、限度額超過世帯については、概算減免相当額(算定上の所得割額に減免率を乗じて得た賦課限度額を考慮しない額)と適用減免額(実質の減免額)とが異なることとなる。
また、減免適用後の基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額がそれぞれの賦課限度額以上の場合は、実質の減免額は発生しない。
(3)減免基準第2項第2号について
①本号の適用にあたっては、り災証明書等、被災の事実を証明する資料及び被害程度の確認ができる資料の写しの提出を求め、その内容に基づき減免可否及び減免割合を決定する。被災の程度の具体的判定基準は、別表を参考にすること。
なお、被災の程度の判定が、り災証明書等だけでは困難なものにあっては、消防署、固定資産税担当及び防災担当等の証明書発行所属に確認すること。
②本号の適用対象は、主たる居住用住宅がり災したときであり、被災時点の世帯(主)に対して減免を行うものとなる。
なお、被災後に本市へ転入する場合も想定されるが、被災の事実に変わりはなく、生活の立て直しには一定期間を要することもあるため、被災時点の本市国保資格の有無は問わないものとする。
③損害保険等の契約に基づき被害に対する給付を受ける場合でも、保険契約自体が任意であること、契約内容(補償内容や金額)が多種多様であること、被災した事実は補填の多寡にかかわらず同じであることから、減免可否及び減免割合を決定する際には、考慮しないものとする。
(4)減免基準第2項第3号について
①本号は、被用者保険の加入者が後期高齢者医療制度に移行することによって、被扶養者であった者(65歳以上)が国民健康保険に加入する場合に、当該被保険者にかかる保険料を申請により減免するものである。
②社会保険離脱(被扶養者抹消)による旧被扶養者の認定については、健康保険等資格喪失証明書(被扶養者抹消証明書)等において行う。
③市外転入による旧被扶養者の認定については、転入前の市町村が発行する「旧被扶養者異動連絡票」において行う。
④旧被扶養者が市外転出する場合は、「旧被扶養者異動連絡票」を発行し、当該者に交付する。
⑤本項は、国通知に基づき実施している減免である。均等割保険料(及び平等割保険料)は、資格取得日の属する月以後2年を経過する月までの間に限り減免する。
なお、所得割保険料の適用期間に関しては、原則「2年間」とされているところについて「当分の間」に延長されているものであり、この延長期間中においては、適用対象者が本市国保の適用を終了するまで減免適用が継続されることに留意する。
(5)減免基準第2項第4号(拘禁減免)については、所得等に関わりなく、国保給付を受けられない拘禁状態にある期間について保険料を免除する規定であり、申請主義の原則は、減免基準の他項と同様である。
なお、当該世帯の基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額及び介護納付金賦課額それぞれの賦課限度額は、給付制限の対象となる被保険者を含む所得割賦課標準により該当する賦課限度額とする。
申請時には、在所証明等の事実が確認できる資料の添付が必要である。
ただし、単身者等の場合で、住所が当該拘禁施設等の所在地にあると認められる被保険者については、届出等により、適用終了の処理を行うこと。
4 保険料の減免期間及び減免額の算定
(1)減免対象となる保険料は、原則として申請時点で納期未到来かつ未納保険料である。
また、減免額の算定にあたっては、保険料が月割賦課であることを勘案し、申請日の属する月から減免事由が消滅した日の属する月の前月までとする。
(2)前号において、申請書の提出が納期限経過後となったことについて相当の理由がある場合(第2項「申請の手続き」第3号による)は、賦課権の期間制限満了前の保険料に限り、その事実が発生した日の属する月を限度として、算定の開始月を遡ることができる。
(3)前々号において、6月期の納期限までに申請を行った者については、賦課期日以降の保険料を減免対象とする。また、算定にあたっては、減免事由が発生した月が前年度以前である場合は起算月を4月とし、現年度である場合は減免事由が発生した日の属する月とする。
(4)減免基準第2項第2号(災害減免)は、被災した日が属する月を起算月として、最大で12か月までとする。
(5)第1号及び第2号において、減免基準第2項第4号(拘禁減免)にあっては、納付の有無に関わらず、賦課権の期間制限の範囲内で減免基準に該当する事実が発生した日の属する月を起算月とする。(期間制限満了後の保険料については、保険料の変更決定ができないことについて十分に被保険者に説明を行うこと。)
(6)第1号において、遡及賦課を行った場合の当該保険料の減免については、実質対象外となる。ただし、適用開始の届出を14日以内に行う等、被保険者が適正に届出義務等を果たしている場合にあっては、この限りではない。
また、届出が遅れた場合にあっては、第2号の適用は可能である。
5 保険料減免の決定及び通知
(1)減免基準に該当するか否かの決定に要する事項を調査のうえ、減免申請書の決議欄に詳記のうえ決裁し、減免承認又は不承認を決定する。
減免結果票を国保等システムから出力するので事務処理の参考とすること。
なお、非自発的失業者の保険料軽減が適用されている者に対する減免の決定については、国保等システム入力時、減免事由は「退職(非自発)」を選択する。
(2)減免申請を承認したときは、申請者あてに通知することとなるが、保険料変更決定通知書により、減免承認通知書に代えるものとする。(規則第17条第4項)
(3)減免を不承認した場合の通知は、減免不承認通知書【様式2】によること。
6 保険料減免の取消
(1)取消の事由及び取消の時期
規則第18条第1項第1号による取消については、減免基準に該当する事実に変動が生じた月以降分を取り消す。
規則第18条第1項第2号による取消については、保険料を不正に免れようとする行為があった時点が減免を開始した月以前の場合は減免を開始した月に遡ってその全額を取り消すこととし、保険料を不正に免れようとする行為があった時点が減免を開始した月の翌月以降の場合は行為があった月に遡ってその全額を取り消すこととする。
(2)取消の事務処理・通知
前号に該当する旨の届出(「大阪市国民健康保険料減免事由消滅届【様式3】」)があった場合もしくはその事実が判明した場合は、所要の調査を行い、決議のうえ、保険料減免取消通知書【様式4】及び保険料変更決定通知書により通知を行うこと。
7 保険料減免状況の報告
減免にかかる報告は、減免状況報告書(現年度賦課分、過年度賦課分とも福祉局に配信出力される)により行う。
なお、各区単位に減免状況集計表を配信出力するので供覧後、保管すること。
8 実施期日
改正した大阪市国民健康保険料減免事務取扱要領は、令和6年度分から適用し、令和5年度分以前の保険料については、なお従前の例による。
(昭和55年8月13日改正)
(昭和56年4月1日改正)
(昭和57年5月21日改正)
(昭和59年5月31日改正)
(平成4年4月1日改正)
(平成9年4月1日改正)
(平成11年4月1日改正)
(平成12年4月1日改正)
(平成15年7月1日改正)
(平成16年4月1日改正)
(平成18年4月1日改正)
(平成19年4月1日改正)
(平成20年4月1日改正)
(平成21年4月1日改正)
(平成22年4月1日改正)
(平成24年4月1日改正)
(平成25年2月21日改正)
(平成28年4月1日改正)
(平成28年11月1日改正)
(平成29年4月1日改正)
(平成30年4月1日改正)
(平成31年4月1日改正)
(令和2年4月1日改正)
(令和3年12月24日改正)
(令和6年6月1日改正)
(別表)
減免基準第2項第2号に規定する災害減免の適用にあたっての、被災の程度の具体的判定基準は次のとおりとする。
区分 | 判定基準 | 減免率 |
---|---|---|
全壊・全焼 | 住家がその居住のための基本的機能を喪失したもの、すなわち、住家全部が倒壊、流失、埋没、焼失したもの、または住家の損壊が甚だしく、補修により元通りに再使用することが困難なもので、具体的には、住家の損壊、焼失若しくは流失した部分の床面積がその住家の延床面積の70%以上に達した程度のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が50%以上に達した程度のものとする。 | 100% |
大規模半壊 | 居住する住宅が半壊し、構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難なもの。具体的には、損壊部分がその住家の延床面積の50%以上70%未満のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が40%以上50%未満のものとする。 | 100% |
半壊・半焼 | 住家がその居住のための基本的機能の一部を喪失したもの、すなわち、住家の損壊が甚だしいが、補修すれば元通りに再使用できる程度のもので、具体的には、損壊部分がその住家の延床面積の20%以上70%未満のもの、または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し、その住家の損害割合が20%以上50%未満のものとする。 | 70% |
火災による水損 又は床上浸水 | 火災の消火活動に伴う水損により被害を受けたもの。 全壊、半壊には該当しないが、住家の床より上に浸水したもの。 | 50% |
判定基準については、「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(内閣府(防災担当)策定)の認定基準に準じる。
様式1~3
【様式1】国民健康保険料減免申請書(PDF形式, 289.21KB)
【様式1】(別紙)収入状況申告書(PDF形式, 115.82KB)
【様式2】国民健康保険料減免不承認通知書(PDF形式, 99.59KB)
【様式3】大阪市国民健康保険料減免事由消滅届出書(DOCX形式, 18.88KB)
【様式4】国民健康保険料減免取消通知書(PDF形式, 81.59KB)
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