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報道発表資料 南港発電所更新計画に係る環境影響評価準備書について答申を受けました

2025年10月17日

ページ番号:661686

問合せ先:環境局 環境管理部 環境管理課(06-6615-7630)

令和7年10月17日 14時発表

 大阪市は、令和7年8月7日付けで大阪市環境影響評価専門委員会に諮問した「南港発電所更新計画に係る環境影響評価準備書」(令和7年7月30日報道発表済み)について、令和7年10月10日付けで同委員会より答申を受けましたので、お知らせします。

 同委員会では、本事業に係る環境影響について、環境影響評価項目ごとに専門的・技術的な立場から検討が行われ、「南港発電所更新計画に係る環境影響評価準備書の調査審議について(答申)」が取りまとめられました。

 本市では、今後、同答申の内容を踏まえ、環境の保全の見地から市長意見を述べてまいります。

 なお、環境影響評価準備書は、大阪府ホームぺージ「南港発電所更新計画別ウィンドウで開く」でご覧いただけます。

南港発電所更新計画に係る環境影響評価準備書の調査審議について(答申)の概要

事業計画の概要

 既存の南港発電所の敷地内で最新鋭の高効率GTCC(ガスタービン及び汽力のコンバインドサイクル発電方式)に設備更新する事業

専門委員会からの指摘事項
1 全般的事項

(1)工事計画

 本事業の実施にあたって、既設の煙突やタービン建屋等の再利用しない施設については、将来、ゼロカーボン燃料やCCUS等の導入の見通しが立ち、撤去の必要が生じた時期に撤去計画を策定するとされている。将来の撤去工事については、環境省の「火力発電所リプレースに係る環境影響評価手法の合理化に関するガイドライン」に従い、環境影響評価の対象外とされているが、既存施設の撤去の際は多量の廃棄物や建設発生土が生じると想定されることから、大気質、騒音及び廃棄物等に係る環境影響を最大限低減すること。また、景観等の観点から既存施設が撤去されるまでの間、適切な維持管理に取り組むこと。

(2)緑化計画

 工事に伴い緑地の一部が改変され、可能な限り緑地を復旧されることで緑地面積の法令要件は満たされるものの、現状から約2万平方メートル(約15パーセント)が減少することを踏まえ、残置及び復旧される緑地の保全・維持管理を適切に行うこと。

2 環境影響評価項目

(1)大気質、騒音

  1. 建設機械からの排ガスによる二酸化窒素濃度の予測結果は、事業計画地敷地境界付近において環境基準を上回っていることから、排出ガス対策型建設機械の使用等、準備書に記載の環境保全措置を確実に実施し、周辺環境への影響を最小限にとどめること。
  2. 設備更新する発電施設は、窒素酸化物の排出濃度及び単位時間あたりの排出量が低減されるものの、年間利用率の増加により年間排出量が増加することが想定される。また、二酸化窒素の最大着地濃度が0.00004ピーピーエムと十分低いレベルであるとされているが現状よりも増加している。地域環境への負荷をより低減するために、施設の導入時点において最新鋭の排ガス処理装置を採用するとともに、施設の稼働後は適切な維持管理を徹底すること。
  3. 資材等の搬出入等に用いる車両の騒音予測地点において、一部のルートの現況値が既に環境基準を超えている地点があることから、本事業の実施においては、これらの地点に対して十分な環境配慮が必要であり、騒音レベルの上昇を最大限抑制するために静音性の高い車両の使用を検討するとともに、輸送計画の工夫や車両の適切な維持管理など一層の環境保全措置に取り組むこと。
  4. 本事業と他事業との工事関連車両による大気質、交通騒音等の複合影響については、事業計画地周辺の大規模工事の状況を把握したうえで、本事業の運行管理を適切に行うこと。

(2)水質

 本事業の工事範囲の主な雨水排水については、仮設排水処理装置による処理を経て海域へ排出される計画となっているが、事業計画地約50万平方メートルに及ぶ広大な範囲内で工事が実施されるため、コンクリート等の建設資材や工事で発生した廃棄物等に接触した雨水が仮設排水処理装置に流入することが想定される。雨水への汚濁物質の混入防止のため、工事現場内の清掃を徹底するとともに、仮設排水処理装置の適切な維持管理や環境監視を継続的に実施し、海域への負荷を最大限低減すること。

(3)植物

 事業計画地内で確認されたキンラン、カワツルモ、ツルソバの重要種については、専門家等の意見を聴きながら、以下の措置を講じること。

  • 工事により生育地が消失するキンランを移植する場合は、生育地周辺の土壌ごと採取し、移植予定先は日当り等の現状の生育環境に近い場所を選定するなど十分に配慮した上で行うこと。
  • カワツルモ、ツルソバが確認された場所には、重要種の存在を表示するとともに、工事等の作業員に周知し、生育する重要種が不用意に根絶されることのないよう適切に管理すること。
  • 生物多様性の保全等の観点から、重要種の記録、標本の作製及び学術機関での保存等に努めること。

(4)廃棄物、残土

  1. 発電所の運転に伴う産業廃棄物の発生量が現状の約2倍程度増加すると予測されていることから、品目毎に目標値を設定するなど発生抑制及び有効利用に積極的に取り組むこと。
  2. 有効利用が困難な産業廃棄物については、法令に基づき適正に処理するため、環境への負荷は小さいと評価されているが、現状より産業廃棄物の発生量の増加に伴い、処分量も増加すると予測されていることを踏まえ、適切な評価を行い、評価書に反映すること。
  3. 発電所の運転に伴い発生する産業廃棄物について、その影響を低減するための環境保全措置について記載されているが、事業系一般廃棄物についても継続的に発生することが想定されるため、これらの環境保全措置について評価書に記載すること。
  4. 工事の実施に伴い発生する約54万立方メートルの残土のうち、約12万立方メートルは適正に処理する計画となっているが、他の建設工事への再利用など積極的に残土の有効利用を図ること。

(5)温室効果ガス

  1. 設備更新する発電施設は、現状と比較して二酸化炭素の年間排出量及び排出原単位は低減されているものの、二酸化炭素排出量は本市域の総排出量(2022年度実績)の約4分の1に相当する。市域における二酸化炭素排出量の削減の観点からも、今後、ゼロカーボン燃料への転換やCCUS等の導入を積極的に検討するとともに、適切な維持管理等による、省エネルギー化や発電効率の向上に取り組むこと。
  2. 発電設備以外の建築物においても、高効率機器の導入や断熱性能の向上を図るなど二酸化炭素排出量の削減に取り組むこと。

南港発電所更新計画に係る環境影響評価準備書の調査審議について(答申)

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