報道発表資料 大阪市立中学校3校の敷地における土壌調査の結果について
2025年12月9日
ページ番号:667078
問合せ先:教育委員会事務局 総務部 施設整備課(06-6208-9090)
令和7年12月9日 14時発表
大阪市教育委員会事務局では、建設工事の設計に先立ち、中学校3校において土壌調査を実施し、その結果を取りまとめましたのでお知らせします。
調査の結果、土壌含有量等については土壌汚染対策法に定める指定基準値を超過していますが、学校整備の際などに10センチメートル程度の真砂土で整備しているとともに、周辺地域で地下水の飲用利用が確認されていないことから、中学校や周辺住民の方々の健康に影響を及ぼす可能性はないものと考えています。
現地は、周囲をロープ等で囲うとともに、シートで覆い、活用の際に土壌汚染法等に基づき必要な措置を行います。
1 調査概要
本調査は、調査対象地において、「土壌汚染対策法」及び「大阪府生活環境の保全等に関する条例」等に基づき調査を実施したものです。
(1)調査対象地
- 歌島中学校
大阪市西淀川区歌島2丁目90番他(地番)
- 大桐中学校
大阪市東淀川区大桐4丁目143番他(地番)
- 加賀屋中学校
大阪市住之江区西加賀屋2丁目1-9他(地番)
(2)調査面積
- 歌島中学校 約4,116平方メートル
- 大桐中学校 約3,464平方メートル
- 加賀屋中学校 約8,524平方メートル
(3)調査委託期間
令和7年6月25日(水曜日)~9月30日(火曜日)
(4)調査方法
「土壌汚染対策法」及び「大阪府生活環境の保全等に関する条例」等に基づく調査及び自主調査
(5)調査項目
第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)
クロロエチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ベンゼン
第二種特定有害物質(重金属等)
カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物
第三種特定有害物質(農薬等)
ポリ塩化ビフェニル(PCB)
2 調査結果
歌島中学校
土壌溶出量調査において、基準値を超える「カドミウム及びその化合物」、「水銀及びその化合物」、「鉛及びその化合物」、「砒素及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| カドミウム及び その化合物 |
B8-2 | 0.0032 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.003 ミリグラム/リットル |
1.1倍 |
| 水銀及び その化合物 |
A7-8 | 0.0005 ミリグラム/リットル |
0~0.5メートル | 0.0005 ミリグラム/リットル |
1.0倍 |
| 鉛及び その化合物 |
A8-1 | 0.011 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
1.1倍 |
| 砒素及び その化合物 |
B7-8 | 0.021 ミリグラム/リットル |
0~0.5メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
2.1倍 |
| ふっ素及び その化合物 |
B5-8 | 2.7 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.8 ミリグラム/リットル |
3.4倍 |
土壌含有量調査において、基準値を超える「鉛及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鉛及び その化合物 |
B5-8 | 710 ミリグラム/キログラム |
1.0メートル | 150 ミリグラム/キログラム |
4.7倍 |
大桐中学校
土壌溶出量調査において、基準値を超える「六価クロム化合物」、「セレン及びその化合物」、「鉛及びその化合物」、「砒素及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 六価クロム 化合物 |
B1-1 | 0.06 ミリグラム/リットル |
0.5メートル | 0.05 ミリグラム/リットル |
1.2倍 |
| セレン及び その化合物 |
B1-2 | 0.013 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
1.3倍 |
| 鉛及び その化合物 |
C2-5 | 0.073 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
7.3倍 |
| 砒素及び その化合物 |
B1-4 | 0.022 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
2.2倍 |
| ふっ素及び その化合物 |
C2-5 | 19 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.8 ミリグラム/リットル |
23.8倍 |
土壌含有量調査において、基準値を超える「鉛及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鉛及び その化合物 |
C2-5 | 1500 ミリグラム/キログラム |
2.0メートル | 150 ミリグラム/キログラム |
10倍 |
| E3-6 | 1500 ミリグラム/キログラム |
0.5メートル | 150 ミリグラム/キログラム |
10倍 | |
| ふっ素及び その化合物 |
C2-5 | 5500 ミリグラム/キログラム |
2.0メートル | 4000 ミリグラム/キログラム |
1.4倍 |
加賀屋中学校
土壌溶出量調査において、基準値を超える「水銀及びその化合物」、「セレン及びその化合物」、「鉛及びその化合物」、「砒素及びその化合物」、「ふっ素及びその化合物」、「ほう素及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水銀及び その化合物 |
A3-8 | 0.0025 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.0005 ミリグラム/リットル |
5倍 |
| セレン及び その化合物 |
B3-3 | 0.052 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
5.2倍 |
| 鉛及び その化合物 |
D2-6 | 0.028 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
2.8倍 |
| 砒素及び その化合物 |
A3-8 | 0.074 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.01 ミリグラム/リットル |
7.4倍 |
| ふっ素及び その化合物 |
C2-1 | 9.5 ミリグラム/リットル |
1.0メートル | 0.8 ミリグラム/リットル |
11.9倍 |
| ほう素及び その化合物 |
D1-4 | 2.0 ミリグラム/リットル |
2.0メートル | 1.0 ミリグラム/リットル |
2.0倍 |
土壌含有量調査において、基準値を超える「カドミウム及びその化合物」、「鉛及びその化合物」が検出されました。その他の有害物質については基準値を下回っていました。
| 物質の種類 | 区画 | 最大濃度 | 最大濃度 深度 |
基準値 | 基準値から の最大倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| カドミウム及び その化合物 | D2-6 | 46 ミリグラム/キログラム |
2.0メートル | 45 ミリグラム/キログラム |
1.0倍 |
| 鉛及び その化合物 |
D2-2 | 5200 ミリグラム/キログラム |
1.0メートル | 150 ミリグラム/キログラム |
34.7倍 |
調査結果
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3 中学校や周辺住民の健康への影響について
- 土壌溶出量調査において、一部の区画で土壌溶出量の基準値を超えていますが、中学校やその周辺では地下水の飲用利用は確認されていないため、健康に影響を及ぼす可能性はないものと考えています。
土壌含有量調査において、地表から深さ50センチメートルまでの表層部で、土壌含有量の基準値を超えている超過区画につきましては、直接摂取による健康への影響を回避するため、以下の対策を行います。
なお、学校整備の際などに10センチメートル程度の真砂土で運動場整備をしていますので、健康に影響を及ぼす可能性は低いものと考えています。
対策内容
- 超過区画の周囲をロープ等で立入禁止措置を行うとともに、地表面をシートで覆います。
- 超過区画のうち、歌島中学校の2区画と、大桐中学校の3区画の運動場中央部分については、シートで覆ったままでは授業や部活動等に支障が生ずるため、改築工事までの応急的な措置として、土壌を地表から深さ20センチメートルまで除去し、砕石敷(厚さ7センチメートル)とアスファルト舗装(厚さ3センチメートル)で下層の土壌の封じ込め措置を行った上に、真砂土(厚さ10センチメートル)で地表まで埋め戻します。
- 超過区画については、今後予定の各学校の改築工事の実施により、地表から深さ50センチメートルまでの土壌を撤去のうえ、地表まで購入土で埋め戻しを行います。
- 上記以外で、掘削予定のある区画については、各学校の改築工事の実施により、掘削する深さに応じて土壌を撤去のうえ、地表面まで購入土で埋め戻しを行います。
- 除去した土壌は、法令に基づき適切に処分地への搬出を行います。
4 汚染原因
各校とも、土地の履歴調査において、工場等の履歴があるため、人為的由来による土壌汚染、もしくは、鉛、砒素、ふっ素は自然界にも存在する物質であることから自然由来による汚染も推定されますが、明確な汚染原因は不明です。
5 今後の対応
今回の調査に基づき、土壌汚染対策法に基づく区域指定の申請を行います。今後、本件地の活用の際には、土壌汚染対策法等に基づき必要な措置を行います。
(参考)
土壌溶出量調査
地中に存在する揮発性有機化合物や重金属等が、地下水に溶け込み、この地下水を飲んだ場合、健康に悪影響を及ぼすおそれが考えられます。
土壌溶出量調査は、このような地下水経由の健康被害を防ぐために行うものであり、この調査の対象となる物質には基準値が設定されています。基準値は、「土壌に含まれる有害物質が地下水に溶け出し、その地下水を1日あたり2リットル、一生涯(70年)にわたって飲み続けても健康への影響が現れない濃度」に設定されています。土壌含有量調査
地中や地面に存在する重金属等が、子どもの土遊び等により誤って土が口に入ることなどにより健康に悪影響を及ぼすおそれが考えられます。
土壌含有量調査は、汚染土壌の直接摂取による健康被害を防ぐために行うものであり、この調査の対象となる物質には基準値が設定されています。基準値は「基本的には、1日あたり大人100ミリグラム、子ども200ミリグラムの土壌を、一生涯(70年)にわたって摂食し続けても健康への影響が現れない含有量」に設定されています。





