報道発表資料 大阪市中央卸売市場本場におけるアスベスト含有等の調査結果について
2023年7月14日
ページ番号:602576
問合せ先:中央卸売市場本場(06-6469-7955)
令和5年7月14日14時発表
大阪市中央卸売市場本場西棟(昭和49年建設、昭和56年増築。以下、「西棟」という。)における火災(令和5年4月3日、令和5年4月4日報道発表済み)のごみから、規制対象となる含有量(平成18年9月規制強化)を超えたアスベストが確認されたため、西棟35か所の耐火被覆材を調査した結果、全ての検体から規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認されました。
あわせて、空気環境測定を実施したところ、空気中に健康リスクに影響を与えるアスベストは浮遊していないことが確認されました。
今後、耐火被覆材の損傷等リスクがある箇所にアスベスト飛散防止対策を講じるなど、市場環境の安全確保を行ってまいります。
1 西棟の施設概要
【構造】 SRC造6階建て(4階まで昭和49年建設、5階以上は昭和56年増築)
【建築面積】 22,109.82平方メートル
【延床面積】 53,047.29平方メートル(昭和49年建設:43,554.90平方メートル、昭和56年増築:9,492.39平方メートル)
【耐火被覆材使用部分】 各階鉄骨梁(はり)及び天井
2 今回のアスベスト含有調査の経過
令和5年4月3日(月曜日)に西棟4階部分において火災が発生し(令和5年4月3日、令和5年4月4日報道発表済み)、当該区域の施設使用者が火災により発生した火災ごみを処分するために調査を行ったところ、令和5年4月20日(木曜日)に規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認され、令和5年5月11日(木曜日)に本市に対して報告がありました。
一方、中央卸売市場においては、平成18年度に市場西棟のアスベスト含有調査を行っており、当時の調査結果では、規制対象となる含有量を超えたアスベストは確認されませんでした。
こうした状況において、火災現場から発生した火災ごみのアスベスト含有については、非飛散性アスベストが含まれる天井ボードが火災により焼失したことにより、検査結果に影響を与えた可能性があるため、改めて本市において、当該区域における火災の影響を受けていない4階の梁(はり)部分の耐火被覆材を調査したところ、令和5年6月8日(木曜日)に規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認されました。
火災の影響を受けていない現場の梁(はり)から規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認されたことから、西棟でのアスベスト含有の再調査が必要と判断し、令和5年6月12日(月曜日)に西棟共用部等20か所、令和5年7月3日(月曜日)に2、4階店舗区画等15か所の耐火被覆材を調査したところ、6月16日(金曜日)と7月12日(水曜日)に全ての検体から規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認されました。
あわせて、アスベスト含有調査を実施した箇所(火災があった区画及び一般立入り箇所数17か所)において、空気環境測定を実施したところ、「0.056本/リットル未満~0.45本/リットル」と、環境省が公表している住宅地域の空気環境と比較して概ね同程度の値でした。
なお、市場東棟及び業務管理棟等についても、平成17年度にアスベスト含有調査を行っておりましたが、西棟の結果を踏まえ7月3日(月曜日)に再調査を実施したところ、7月12日(水曜日)に規制対象となる含有量を超えたアスベストは確認されませんでした。
3 耐火被覆材におけるアスベスト(注1)含有調査の結果
全ての検体から規制対象となる含有量を超えたアスベストが確認されました。
(注)アスベストが0.1パーセント(重さに対する割合)を超えて含有する場合は、各法令で規制の対象となっている。
(注)なお、吹付け材については、アスベストが含有されていたとしても、損傷等がなければ、ばく露する危険性は低いと言われている。
調査箇所
調査日
結果判明日
クリソタイル 0.8~2.6パーセント
クロシドライト 0.1パーセント超(注2)
トレモライト、アクチノライト 0.1パーセント超~0.2パーセント
調査箇所
調査日
結果判明日
クロシドライト 0.1パーセント超(注2)
トレモライト、アクチノライト 0.3~0.8パーセント
調査箇所
調査日
結果判明日
クロシドライト 不検出
トレモライト、アクチノライト 不検出
(注1)アスベスト:クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトが含まれる天然の繊維状の鉱物
(注2)0.1パーセント超:0.1パーセント超0.2パーセント未満を示します。
4 空気環境測定の結果
空気中に健康リスクに影響を与えるアスベストは浮遊していない状況が確認されました。
(注)空気中、1リットルあたりの総繊維数濃度(注3)を計測したもの
令和5年6月22日(確報) 西棟10か所(うち一般立入り箇所数6か所)
令和5年7月11日(確報) 西棟15か所(うち一般立入り箇所数11か所)
これは環境省が公表している「令和4年度アスベスト大気濃度調査結果」による住宅地域における空気環境「0.056本/リットル未満~0.39本/リットル」(幾何平均値)(注4)と比較しても概ね同程度の値です。
(注3)総繊維数濃度:長さと幅の比が3:1以上の繊維状物質の濃度を示し、アスベスト以外の繊維も含まれる。
(注4)幾何平均値:比率の平均を求める場合などに用いられる方法
5 今後の対応
今後、西棟各区画のリスク把握を行い、耐火被覆材の損傷等によりアスベストが飛散するリスクの高い場所から順次、アスベスト飛散防止対策に則った工法により除去などを行ってまいります。また、各区画において空気環境測定を継続して行いながら、状況を監視してまいります。
なお、平成18年度の調査では検出されなかったアスベストが、今回の調査で含有していることが判明し、調査結果が異なっていることの原因は特定されておりませんが、結果的に火災によるアスベストの飛散や、火災ごみの清掃及びこれまで西棟の工事に関わった施工事業者の皆様がばく露した可能性があることから、今後、当該事業者への丁寧な説明を行うとともに従事者の特定調査を行い、労働基準監督署の行政指導にも従いながら、アスベスト飛散防止に必要な措置を行い、適切に対処してまいります。
6 本場における過去のアスベスト含有調査の結果
昭和62年度
調査箇所
調査結果
平成17年度
調査箇所
調査結果
平成18年度
調査箇所
調査結果
平成20年度
平成20年1月、トレモライト等3種類のアスベストの新聞報道を受け「これまで行ったアスベスト使用箇所の把握と除去等の対策について再度内容を精査、及びトレモライト等3種類のアスベストが現存する場合の適切な対応について」総務省より指示。
同報道に対し、本市環境科学研究所が「平成18年度までにアスベスト分析を実施し含有なしと判定した試料について、分析データの再度点検を行い、トレモライト等3種類のアスベストについても含有していないことを確認している。」との見解を示す。
環境科学研究所の見解に基づき、本市市有施設対策部会は再調査の必要はないとの通知を発出し、これを受けて中央卸売市場においても再調査は実施せず。
(参考)本場 平面図
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