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報道発表資料 第37回大阪市ハウジングデザイン賞受賞住宅が決定しました

2024年12月12日

ページ番号:639534

問合せ先:都市整備局企画部住宅政策課民間助成グループ(06-6208-9218)

令和6年12月12日 14時発表

 大阪市は、第37回大阪市ハウジングデザイン賞の受賞住宅を決定しました。

 令和6年4月1日(月曜日)から6月20日(木曜日)まで、市民の皆様や住宅供給に携わる方々からの推薦を募集したところ(令和6年4月1日報道発表済み、262件の応募が寄せられ、そのうち82件について第37回大阪市ハウジングデザイン賞選考有識者会議で意見を聴取し審査した結果、大阪市ハウジングデザイン賞(総合的な観点から見て優れたもの)は北区の「Brillia Tower堂島」、住吉区の「カーサ・リベラ-彫刻のある家」、大阪市ハウジングデザイン賞特別賞(特定の分野において特に優れているもの)は北区の「梅田シティビラアクトⅢ」に決定しました。令和6年4月1日報道発表済み


Brillia Tower堂島
撮影:ナカサアンドパートナーズ


カーサ・リベラ-彫刻のある家
撮影:河合 止揚


梅田シティビラアクトⅢ

 大阪市ハウジングデザイン賞は、魅力ある良質な都市型集合住宅の供給や、既存ストックの有効活用、良好な維持管理を行う住宅の普及を促進するとともに、広く市民の皆様や住宅供給に携わる方々の住宅に対する関心を高めていただくことを目的として、昭和62年度から実施しています。毎回、優れた民間集合住宅を表彰し、受賞住宅には大阪市ハウジングデザイン賞の銘板を取り付けています。

 これまでの受賞作品は大阪市ホームページ「大阪市ハウジングデザイン賞について」からご覧いただけます。

第37回大阪市ハウジングデザイン賞

総評

 今回で第37回を迎える大阪市ハウジングデザイン賞の募集に対して、262件の応募をいただいた。ストックの時代と言われて久しいが、相変わらず、新築分譲住宅の応募が多数を占める中で、個性ある賃貸住宅や意欲的な既存住宅管理などの応募も垣間見られた。

 選考有識者会議では、書類審査、現地審査を経て、多面的な視点からメンバー相互の議論を重ね、今回は、総合的な観点から評価される住宅に贈られるハウジングデザイン賞2件、特定の分野において評価されるハウジングデザイン賞特別賞1件を選定した。

 本賞では、創設以来、大阪のまちと関わる都市型集合住宅の提案を求め続けてきたが、今回は、新築分譲住宅、新築賃貸住宅、既存住宅管理の3分野で、それぞれ周辺地域との関係を強く意識した提案や実践が受賞作品として選定された。

 住宅とホテルの併存建築である「ブリリアタワー堂島」は、建物からの眺望とともに堂島地域の都市景観に強いインパクトを与える質の高いデザインが高く評価された。また、木造の賃貸住宅である「カーサ・リベラ-彫刻のある家」は、家主の住宅を含めて、帝塚山地区のまちなみや生活環境に溶け込む作品で、細部にわたる丁寧な設計も高く評価された。さらに、「維持管理」の観点から特別賞を受賞した既存区分所有集合住宅「梅田シティビラアクトⅢ」は、キタの歓楽街に接するという特別な立地の中で、管理組合役員による面談などを通じて入退去に伴うトラブルを未然に防止する活動を継続されてきたことなどが高く評価された。

 今後、地球環境問題や少子高齢化が極限的に深刻化している中で、大阪市の都市居住の現状を十分に踏まえた上で、環境的、社会的、文化的持続可能性を追求した提案的住宅や、まちと深く関わる住宅などがより多く応募されることを期待したい。

(選考有識者会議座長・髙田 光雄)

大阪市ハウジングデザイン賞受賞住宅
Brillia Tower堂島(新築・分譲)
ブリリアタワー堂島の夜景
ギャラリーラウンジ
パーティルーム

撮影:ナカサアンドパートナーズ

所在地:北区堂島2丁目
事業者:東京建物株式会社
設計者:株式会社日建設計、株式会社日建ハウジングシステム
施工者:株式会社竹中工務店
構造・規模:鉄筋コンクリート一部鉄骨造、地上49階地下1階、457戸

【講評】

 大阪市の中心部に聳(そび)え立つタワーマンションは、オフィスとともに都心の風景を彩り、その姿は洗練されてきた。洗練のプロセスは、バルコニーに漂う生活臭をいかに消去し、2方向避難とどう折り合うか、試行錯誤の足跡でもある。その問いに、「ブリリアタワー堂島」はこれまでにない解き方を提示している。サービス用と割り切り、建物に帯状に巻き付くバルコニーは、スムーズな避難動線を確保するだけでなく、住戸からの眺望に思わぬ効果をもたらし、窓際に立った時の恐怖感を和らげている。しかも、帯をまとった外観はホテルを包み込み、優雅な曲線を描く姿は遠方から美しい。建物足回りとまちとの関係、アートの維持管理は気になるが、共用空間、住戸、サービスのすべてが単にハイスペックであるだけでなく、すまいとして丁寧につくられ、尖らず穏やかな、心地よい住空間を生み出している。これらの丁寧で絶妙なデザインこそが、ハウジングデザイン賞にふさわしいと評価された。

(選考有識者会議メンバー・大谷 由紀子)

カーサ・リベラ-彫刻のある家(新築・賃貸)
西側道路からの外観
彫刻
LDK

撮影:河合 止揚

所在地:住吉区帝塚山西3丁目
事業者:河合 隆三
設計者:空間計画株式会社
施工者:株式会社コアー建築工房
構造・規模:木造、地上2階、2戸

【講評】

 1900年代に良好な郊外住宅地を目指して開発された帝塚山。以後、ゆとりある敷地に瀟洒(しょうしゃ)な住宅が建ち並ぶエリアとして知られてきた。大阪を代表する住宅地も開発から100年を経て、土地の分割やマンションへの建て替えが進んでいる。

 本住宅は、こうした自邸を含む敷地利用の更新のなかで建てられた2戸の庭付き戸建て賃貸住宅である。市内の賃貸住宅はマンション等の集合住宅が大勢であるなかで、代々土地を受け継いできたオーナーの帝塚山のまちなみにふさわしく、かつ、隣り合って暮らす家主と借主の顔が互いに見える関係が築ける住宅をとの思いから戸建てが選択された。

 敷地前面には、ヤマボウシと彫刻家であったオーナーの作品が配され、住人と客を優しく出迎える。住宅は紀州材や吉野材、淡路瓦、土佐和紙ほかの自然素材を、丁寧な設計と大工仕事で仕上げたほっとする建物である。内部や敷地奥の庭はつくり込み過ぎず、住人の好みや工夫が発揮できる余地を大きく残していることが、住人がこの住宅に愛着を抱き、大事に思う仕掛けとなっている。

 地域に寄り添い、家主と借主との関係を大切にする本住宅は、戸建て賃貸住宅の魅力と可能性を示す優れた事例として高く評価できる。

(選考有識者会議メンバー・中嶋 節子)

大阪市ハウジングデザイン賞特別賞受賞住宅
梅田シティビラアクトⅢ(維持管理・分譲)
梅田シティビラアクトⅢの外観

ふれあい喫茶の様子

クリスマスイベント

  

所在地:北区堂山町
管理組合:梅田シティビラアクトⅢ管理組合
管理会社:日本管財住宅管理株式会社
構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造、地上14階地下1階、147戸

【講評】

 「梅田シティビラアクトⅢ」は、北区の繁華街にある築44年の総戸数147戸のマンションである。

計画的な大規模修繕の他、住宅部分のエントランス等、建物のバリューアップに努めている。44年の時の経過と立地性から、戸数の2割が自己使用、6割が賃貸住戸、その他は事務所等の利用であるが、コミュニティ活動は活発で、毎月広報を発行する他、ホームレス支援、ふれあい喫茶等の活動を積極的に行い、地域住民も参加している。

 管理組合では、積極的に建物補修・改修・植栽管理を行い、経費を削減し、管理費の余剰金を積立金に回し、将来の修繕費等に充当している。

 特筆すべきは、理事会で入居者面談制度を30年位前から行っていることで、区分所有者・賃貸居住者を問わず、入居の際、生活ルールについての周知徹底と風俗営業等、使用細則禁止事項に抵触する事項については、仲介業者も含めて誓約書を求めている。

 このため、繁華街にありながら、ファミリーが安心して住める環境を維持している点において、評価できる。

(選考有識者会議メンバー・難波 里美)

大阪市ハウジングデザイン賞関連イベント

受賞住宅見学会

 令和7年3月に、第37回大阪市ハウジングデザイン賞関連イベントとして受賞住宅の見学会を開催予定です。

 詳細については、大阪市立住まい情報センターのホームページ別ウィンドウで開くをご覧ください。

(イベントの詳細は令和71月下旬頃公開予定)

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