広報誌特集記事!10月号(城東区のきらりヒト 紙戸屋・中野表具店)
2024年12月1日
ページ番号:595530
部屋の間仕切りとしての建具「ふすま」は、日本ならではのくらしの文化です。
城東区で三代続く紙戸屋(しとや)・中野表具店(なかのひょうぐてん)の皆さんに、「ふすま」について伺いました。
いま一度、「ふすま」文化を見なおしてみませんか。

家族でチームワーク
二代目である父親の病気を機に、三代目の一級表具師として、家業の表具店を継いだ中野 泰仁さん。表具師とは、ふすま・障子の建具から屏風・掛け軸の仕立て・修復をする職業のことです。「最近では、表具師という言葉を知らない人が多くなりました」と語る泰仁さん。
表具師になりたての頃は、店で働いていた職人さんや問屋の方々から教えを請い、必死で技術を習得されたそうです。その技術が認められ、平成26年度大阪市の「わが街のプロフェッショナル」にて、技能功労者として表彰されました。
家業は泰仁さんのほか、染師で妻の中野 幸代さん、意匠作成・一級表具師で妹の中野 智佳子さんの3人で営まれています。

日本の「ふすま」は、ECOでSDGs
昔ながらのふすまは金具を使わず、竹釘、手漉(てすき)和紙、天然染料とすべて自然の素材を使用し、手加工で作る伝統製法で作成されています。胴張りには、兵庫県の名塩に伝わる手漉き和紙「名塩和紙」を使用しており、この和紙は名塩産の泥を入れて漉かれるのが特徴です。また、蓑(みの)がけで使う反古紙(ほごし)(昔の古い和紙)に書かれた墨文字もあわせて防虫効果があるそうです。
「昔から日本人はSDGsの取組みをくらしに取り入れていた」と泰仁さんと智佳子さんに教えていただきました。ふすまは張替をすることで長く使うことができます。昔から現在まで環境に優しいECOなくらしとして先人の知恵が受け継がれています。

オリジナルデザインのふすま「町家ふすま®」誕生
住環境の変化でふすまや障子のある家屋が少なくなり、仕事が減少していく中、他の表具店との差別化を図るために、オリジナルデザインのふすまが考案されました。
当時、グラフィックデザイナーとしてホームページの制作を仕事としていた智佳子さんが協力するために家業に加わります。
印刷が主流のふすま紙ですが、中野さんたちは「いっそのこと徹底的にこだわろう」という思いのもと、試行錯誤を繰り返し、天然染料、手加工、柄付けをすべて店内で完結させるというこだわりの詰まった、印刷では表現できない絵画のような「町家ふすま」が誕生しました。
ふすまの引手(ひきて)も丸形だけでなく、千鳥やひょうたんなど多種多様。組み合わせで世界に一枚しかないオリジナルデザインのふすまになります。
また、「町家ふすま」のほか、着物や帯をふすまに仕立て直した、「小袖ふすま」や「束ね熨斗(たばねのし)」もあります。いずれも大阪府表具内装組合の展示会に出品し、高い評価を得ています。
この他にも、本襖の作成工程、表具師としての取組み、ふすまの豆知識や区民の皆さんへを掲載していますのでぜひご覧ください。

紙戸屋・中野表具店
営業時間 10時~18時
休業日 土曜日・日曜日・祝日、年末年始、お盆
ところ 事務所(城東区野江4-3-29)
工房(城東区野江3-28-11)
問合せ 電話06-6931-4856 ファックス06-6935-1245
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