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大阪市会計別財務諸表作成基準

2024年1月26日

ページ番号:485915

第1章 総則

1  目的

  本基準は、会計規則第112条の2により、会計管理者が会計(地方自治法第209条第1項に定める一般会計及び特別会計(地方公営企業法の全部又は一部の適用を受ける企業に係る特別会計を除く。)をいう。)を報告主体とする財務諸表を作成するために必要な事項を定める。なお、本基準に用いる語の定義は、特に定める場合を除き地方自治法によるものとする。

2  作成基準日

  財務諸表の作成基準日は、会計年度末(3月31日)とする。ただし、出納整理期間中の現金の受払い等を終了した後の計数をもって会計年度末の計数とする。

 

第2章 一般原則

3  真実性の原則

  財務諸表は、報告主体の財政状態及び運営状況に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

4  正規の簿記の原則

 (1) 報告主体は、財政状態及び運営状況に関する全ての取引及び事象について、複式簿記により体系的に記録し、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

 (2) 会計帳簿は、報告主体の財政状態及び運営状況に関する全ての取引及び事象について、網羅的かつ検証可能な形で作成されなければならない。

 (3) 財務諸表は、正確な会計帳簿に基づき作成し、相互に整合性を有するものでなければならない。

5  明瞭性の原則

  報告主体は、財務諸表によって、市民その他の利害関係者に対し必要な会計情報を明瞭に表示し、報告主体の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

6  重要性の原則

 (1) 報告主体は、市民その他の利害関係者に報告主体の財政状態及び運営状況に関する判断を誤らせないようにするため、取引及び事象の金額的側面及び質的側面の両面からの重要性を勘案して、適切な記録、計算及び表示を行わなければならない。

 (2) 質的側面の考慮においては、会計の見地からの判断に加え、公共的性格に基づく判断も加味して行わなければならない。

 (3) 重要性の乏しいものについては、本来の方法によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則及び明瞭性の原則に従った処理として認められる。(注1。(注は大阪市会計別財務諸表作成基準注解の項番を指す。以下同じ。))

7  継続性の原則

  報告主体は、会計処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

8  保守主義の原則

 (1) 報告主体は、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならない。

 (2) 報告主体は、過度に保守的な会計処理を行うことにより、財政状態及び運営状況の真実な報告をゆがめてはならない。

 

第3章 概念

9  資産の定義

 (1) 資産とは、過去の事象の結果として支配し、かつ、将来の経済的便益又はサービス提供能力が、主体に流入することが期待される資源をいう。

 (2) 資産は、流動資産及び固定資産に分類される。

10 流動資産

  次に掲げる資産は、流動資産に属するものとする。

 (1) 現金預金

 (2) 未収金(通常の業務活動において発生した未収入金)

 (3) 基金のうち、財政調整基金の総額及び公債償還基金で翌年度に取り崩されると認められるもの

 (4) 貸付金で、翌年度に現金化できると認められるもの

 (5) 棚卸資産(通常の事業過程において販売を目的として保有されているもの、又はその販売を目的とする生産の過程にあるもの)

 (6) その他の資産で、翌年度に現金化できると認められるもの

11 固定資産

  固定資産は、事業用資産、インフラ資産、重要物品、リース資産、ソフトウェア、建設仮勘定、出資金、信託受益権、基金、長期貸付金及びその他債権に分類される。(注2

12 事業用資産

  事業用資産とは、インフラ資産及びその他の固定資産に属するものを除く有形固定資産及び無形固定資産をいう。事業用資産は、土地、建物、工作物のように性質に応じて区分し、表記する。

13 インフラ資産

  インフラ資産の表記は事業用資産の例に従う。(注2

14 重要物品

  重要物品とは、物品のうち取得原価が100万円以上のものをいう。

15 リース資産

   リース資産とは、リース契約によって借り入れている物件をいう。(注3

16 ソフトウェア

  ソフトウェアとは、コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラム等をいう。その利用により将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる場合には、当該ソフトウェアの取得に要した費用に相当する額を固定資産として計上しなければならない。(注4

17 建設仮勘定

  建設中の建物や製作中の機械など、完成前の固定資産への支出等を仮に計上しておくためのものをいう。

18 長期貸付金

  長期貸付金とは、貸付金で流動資産に分類されるもの以外のものをいう。

19 負債の定義

 (1) 負債とは、過去の事象の結果として支配し、かつ、将来の経済的便益又はサービス提供能力が、主体に流入することが期待される資源を放棄又は引き渡す義務をいう。

 (2) 負債は、流動負債及び固定負債に分類される。

20 流動負債

  次に掲げる負債は、流動負債に属するものとする。

 (1) 地方債で、翌年度に支払又は返済すると認められるもの

 (2) 借入金で、翌年度に支払又は返済すると認められるもの

 (3) 賞与引当金

 (4) 未払金

 (5) 還付未済金(年度末時点で還付に係る支出決定がなされているにも関わらず未払のもの)

 (6) リース債務で、翌年度に履行されると認められるもの

 (7) その他の負債で、翌年度に支払又は返済すると認められるもの

21 固定負債

  次に掲げる負債は、固定負債に属するものとする。

 (1) 地方債。ただし、流動負債として計上するものを除く。

 (2) 借入金。ただし、流動負債として計上するものを除く。

 (3) 退職手当引当金

 (4) 損失補償等引当金

 (5) 長期未払金

 (6) リース債務。ただし、流動負債として計上するものを除く。

 (7) その他の負債。ただし、流動負債として計上するものを除く。

22 引当金

 (1) 将来の支出の増加又は将来の収入の減少であって、その発生が当年度以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には、当該金額を引当金として流動負債又は固定負債に計上するとともに、当年度の負担に帰すべき金額を費用に計上する。ただし、引当金のうち資産に係る引当金の場合は、資産の控除項目として計上する。

 (2) 発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金は計上することができない。

23 純資産の定義

 (1) 純資産とは、資産から負債を控除した額に相当するものをいう。

 (2) 純資産は、累積余剰及び評価・換算差額等に分類される。

24 費用の定義

  費用とは、会計期間中の資産の流出若しくは消費又は負債の発生の形をとる経済的便益又はサービス提供能力の減少をいう。

25 収益の定義

  収益とは、会計期間中の純資産の増加をもたらす経済的便益又はサービス提供能力の流入をいう。

26 キャッシュ・フロー計算書の現金預金

  キャッシュ・フロー計算書が対象とする現金預金の範囲は、歳計現金及び歳入歳出外現金とする。

 

第4章 認識及び測定

27 取得原価主義

  貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。

28 無償取得資産の評価

  譲与、贈与その他無償で取得した資産については、時価等を基準として公正に評価した額をもって取得原価とする。

29 出資金の評価

  出資金は、保有する目的等に応じて区分し、それぞれ区分ごとの評価額をもって貸借対照表価額とし、評価差額等について処理しなければならない。

30 基金の評価

  基金の評価基準は、基金を構成する資産の種類に応じて適用する。

31 棚卸資産の評価基準及び評価方法

  棚卸資産については、原則として製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法(取得原価の異なる棚卸資産を区別して記録し、その個々の実際原価によって期末棚卸資産の価額を算定する方法)を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。

  ただし、時価が取得原価よりも下落した場合には時価をもって貸借対照表価額としなければならない。

32 債権等の貸借対照表価額

 (1) 債権等(債権、未収金及びそれらで基金に属するものをいう。以下同じ。)の貸借対照表価額は、取得価額から貸倒引当金を控除した金額とする。なお、貸倒引当金は、資産の控除項目として貸借対照表に計上するものとする。

 (2) 貸倒引当金は、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、次のように区分し、それぞれ区分ごとの貸倒見積高をもって計上しなければならない。

 ① 一般債権(経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権等をいう。)については、同種・同類の債権ごとに、債権等の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率により算定する。

 ② 貸倒懸念債権(経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権等をいう。)については、債権等の状況に応じて次のいずれかの方法により貸倒見積高を算定する。

  ア 債権等額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法

  イ 債権等の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権等については、債権等の元本及び利息について元本の回収及び利息の受取りが見込まれるときから当年度末までの期間にわたり当初の約定利子率で割り引いた金額の総額と債権等の帳簿価額との差額を貸倒見積高とする方法

 ③ 破産更生債権等(経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権等をいう。)については、債権等額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする。

33 有形固定資産の評価

 (1) 有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。

 (2) 有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の引取費用等の付随費用を含めて算定した金額とする。

 (3) 償却済の有形固定資産は、除却されるまで備忘価額で記載する。

34 無形固定資産の評価

  無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。

35 賞与引当金の計上方法

  賞与引当金は、期末手当及び勤勉手当の翌年度における支払見込額(共済費含む。)のうち、当年度の負担に属する額とする。

36 退職手当引当金の計上方法

  退職手当引当金は、会計年度末に全職員が自己都合退職した場合の退職手当支給見込額とする。

37 損失補償等引当金の計上方法

  損失補償等引当金は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)施行規則第14条第2号に基づき算定した負担見込額とする。ただし、他の勘定科目に属するものを除く。

38 費用配分の原則

  資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各会計年度に配分しなければならない。減価償却による場合、定額法によるものとする。

39 発生主義の原則

 (1) 全ての費用及び収益は、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない。

 (2) 未実現収益は、計上してはならない。

 

第5章 財務諸表の体系

40 財務諸表の体系

  財務諸表の体系は、次のとおりである。

 (1) 貸借対照表

 (2) 行政コスト計算書

 (3) 純資産変動計算書

 (4) キャッシュ・フロー計算書

 (5) 附属明細表

41 貸借対照表の作成目的

  貸借対照表は、報告主体の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日における全ての資産、負債及び純資産を記載し、市民その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。

42 行政コスト計算書の作成目的

  行政コスト計算書は、報告主体の運営状況を明らかにするため、一会計期間に属する全ての費用とこれに対応する全ての収益とを記載しなければならない。

43 純資産変動計算書の作成目的

  純資産変動計算書は、報告主体の一会計期間における純資産の変動について明らかにするため、構成要素別に、表示しなければならない。

44 キャッシュ・フロー計算書の作成目的

  キャッシュ・フロー計算書は、報告主体の一会計期間におけるキャッシュ・フローの状況を報告するため、キャッシュ・フローを一定の活動区分別に表示しなければならない。

 

第6章 貸借対照表

45 表示区分

  貸借対照表は、資産の部、負債の部及び純資産の部の三区分に分かち、更に資産の部を流動資産及び固定資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。

46 資産、負債及び純資産の記載の基準

  資産、負債及び純資産は、適切な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。

47 総額主義の原則

  資産、負債及び純資産は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は純資産の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。

48 資産と負債・純資産の均衡

  貸借対照表の資産の合計金額は、負債と純資産の合計金額に一致しなければならない。

49 配列

  資産及び負債の項目の配列は、この基準に定めるもののほか、流動性配列法によるものとする。

50 貸借対照表科目の分類

 (1) 資産、負債及び純資産の各科目は、一定の基準に従って明確に分類しなければならない。

 (2) 資産は、流動資産に属する資産及び固定資産に属する資産に分類しなければならない。

 (3) 負債は、流動負債に属する負債及び固定負債に属する負債に分類しなければならない。

 (4) 純資産は、累積剰余及び評価・換算差額等に分類しなければならない。

51 資産の表示項目

  資産は、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

52 負債の表示項目

  負債は、当該負債を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。

53 純資産の表示項目

  純資産のうち、評価・換算差額等は当該差額の内容を示す名称を付した科目をもって内訳として表示しなければならない。

54 貸借対照表の様式

  貸借対照表の標準的な様式は、様式第一号のとおりとする。

 

第7章 行政コスト計算書

55 表示区分

  行政コスト計算書には、経常収支差額計算及び当年度収支差額計算の区分を設けなければならない。

56 総額主義の原則

  費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を行政コスト計算書から除去してはならない。

57 費用収益対応の原則

  費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各費用項目とそれに関連する収益項目とを行政コスト計算書に対応表示しなければならない。

58 行政コスト計算書科目の分類

 (1) 経常収支差額計算の区分は、業務活動から生じた費用及び収益を記載して、経常収支差額を計算する。

 (2) 当年度収支差額計算の区分は、経常収支差額計算の結果を受けて、資産売却損益等の臨時的な損益を記載し、当年度収支差額を計算する。 

59 費用の表示項目

  費用はその性質に従って集計し、表示しなければならない。

60 収益の表示項目

  収益はその性質に従って集計し、表示しなければならない。

61 行政コスト計算書の様式

  行政コスト計算書の標準的な様式は、様式第二号のとおりとする。

 

第8章 純資産変動計算書

62 表示区分

  純資産変動計算書は、累積余剰及び評価・換算差額等の各項目の別に、前会計年度末残高、当会計年度変動額、当会計年度末残高を表示しなければならない。

63 純資産変動計算書の様式

  純資産変動計算書の標準的な様式は、様式第三号のとおりとする。

 

第9章 キャッシュ・フロー計算書

64 表示区分

 (1) キャッシュ・フロー計算書には、行政サービス活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの区分を設けなければならない。

 (2) 行政サービス活動によるキャッシュ・フローの区分には、投資活動及び財務活動以外の取引によるキャッシュ・フローを記載する。

 (3) 投資活動によるキャッシュ・フローの区分には、固定資産の取得及び売却、金融資産の取得及び売却等によるキャッシュ・フローを記載する。

 (4) 財務活動によるキャッシュ・フローの区分には、資金の調達及び返済によるキャッシュ・フローを記載する。

 (5) キャッシュ・フローは、主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法により表示しなければならない。

65 キャッシュ・フロー計算書の様式

  キャッシュ・フロー計算書の標準的な様式は、様式第四号のとおりとする。

 

第10章 附属明細表及び注記

66 附属明細表

  財務諸表の内容を補足するため、次の事項を明らかにした附属明細表を作成しなければならない。

 (1) 有形固定資産等明細表(様式第五号)

 (2) 基金明細表(様式第六号)

 (3) 出資金明細表(様式第七号)

 (4) 貸付金明細表(様式第八号)

 (5) 引当金明細表(様式第九号)

67 注記

 (1) 財務諸表には、重要な会計方針、重要な債務負担行為、その作成日までに発生した重要な後発事象及びその他財政状況を適切に開示するために必要な会計情報を注記しなければならない。(注5

 (2) 重要な会計方針に係る注記事項は、まとめて記載するものとする。その他の注記事項についても、重要な会計方針の次に記載することができる。

 

 附則

この基準は、平成27年4月1日から施行する。

 附則

この基準は、平成28年8月19日から施行する。

 附則

この基準は、令和元年11月26日から施行する。

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