大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業環境影響評価準備書に関する市長意見を述べました
2024年3月8日
ページ番号:619608
大阪市では、大阪市環境影響評価条例第20条第1項の規定により、令和6年3月8日付けで大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業環境影響評価準備書について、事業者に対し市長意見を述べました。
市長意見は、大阪市環境影響評価専門委員会からの答申を踏まえ、SDGs達成への貢献や、騒音、廃棄物・残土、地球環境等に関する配慮等を求めています。
大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業環境影響評価準備書に関する市長意見
供給処理計画
太陽光発電設備については、MICE施設や夢洲1区でも導入し、事業計画地内に電力を供給する計画であるが、再生可能エネルギーの利用促進のため、事業計画地全体における再生可能エネルギー比率等について目標値を設定すること。
SDGs達成への貢献
大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標及びSDGsのゴールと関連付けられた行動計画が示されているが、本事業は、夢洲の特性を活かして最先端技術の実証・実装の場を設けるとともに、SDGsの達成に貢献するサステナブルなIRをめざしていることから、環境への配慮については、地球温暖化や生物多様性の減少など環境問題に関する国際的な動向を踏まえつつ、他の地域のモデルとなるよう先導的な取組みを促進するとともに、その内容等を積極的に発信すること。
大気質
施設の供用に伴う影響など大気質に及ぶ影響の予測にあたっては、気象モデルの風向・風速(予測地点の風速の補正値)について適切に設定した上で再予測を行い、その結果を評価書で示すこと。
水質・底質
工事排水の雨水管から海域への排出可否によらず、公共下水道整備後は、適切な処理を行った上で、計画的に下水道へ排水することにより公共用水域への影響を最小限にとどめるとともに、公共用水域に排水する場合は、適切に事後調査を実施すること。
騒音
- コンサート・花火に伴う騒音についての事後調査を、供用時(集客を見込む大規模イベント開催時)に此花区ほか適切な環境保全施設等において実施すること。
- 施設関連車両等が走行する臨港道路コスモ北線の予測地点周辺区間の遮音壁について、現地調査時点では未設置であったため、日本音響学会式にて予測評価していたが、現在、遮音壁は設置済みであるため、遮音壁の減衰効果を実測にて確認し、評価書に反映すること。
- 本事業の工事関連車両と他事業との複合影響において、市道福島桜島線(北港通)と国道172号(みなと通)における予測地点で、夜間騒音の環境基準値を超過していることから、関係機関と工事工程の調整等を行うとともに、夜間については可能な限りこれら幹線道路を避け、高速道路から此花大橋を通行するルートを利用することにより、騒音の影響を低減すること。
廃棄物・残土
- 本事業で発生する残土うち最大約50万立方メートルは、大阪・関西万博開催期間等において夢洲島内での移動が制限されることを理由に、夢洲島外で処分する計画としていることから、その期間等における工事中の残土の発生抑制対策を検討するとともに、夢洲島内で埋立材として再利用できるよう仮置き場を最大限確保し、また、夢洲島外で処分する場合であっても浄化等処理施設において処理・再利用を実施することにより、最終処分量(埋立量)ゼロをめざすこと。
- 本事業の杭工事により発生する建設汚泥は、大阪市域における年間発生量(令和元年度)の約2倍にあたる約120万立方メートルと予測されることから、発生量が少ない杭工法の採用による発生抑制はもとより、埋立地特例区域から発生する汚泥を処理する際には、予め、分析項目や頻度など処理先の受入基準を適合することの確認方法について中間処理業者等と十分調整の上、可能な限り再生利用し、最終処分量を低減すること。
地球環境
- 本事業では、二酸化炭素削減目標を約50パーセントとしていることから、事後調査では、準備書で設定した標準的な施設との比較だけでなく、供用後の二酸化炭素排出量を正確に算定した上で計画施設の予測結果の妥当性を検証するとともに、削減目標の達成見込みについて評価すること。
- 現時点ではシャトルバスの運行計画が未定であることから、施設関連車両の二酸化炭素排出量の算出範囲を夢洲内に限定しているが、事後調査では、シャトルバスの各地ターミナルと事業計画地間の走行による二酸化炭素排出量を算定すること。
- 夢洲1区で計画している太陽光発電設備の導入はもとより、再生可能エネルギーの調達等を積極的に進めるとともに、省エネルギー機器や高効率機器の導入、建築物におけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化など、徹底した省エネルギー対策に取り組むこと。
- 来場者の公共交通利用の促進を図るとともに、シャトルバスの電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)等の電動車の導入など、さらなる環境保全対策、最新技術の導入により、カーボンニュートラルの早期実現をめざすこと。
動植物生態系
生物多様性の保全の観点から、工事着手前に鳥類の飛来状況の確認及び陸域動物(重要種)の生息状況並びに陸域植物(重要種)の生育状況について調査を行い、その結果を事後調査とともに報告すること。
大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業環境影響評価準備書に関する市長意見
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