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HTLV-1感染症について

2018年12月6日

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 平成20年度の厚生労働省の調査によると、現在、国内には約108万人の感染者がいることが明らかとなりました。これはB型肝炎やC型肝炎に匹敵する感染者数で、決して少ない数ではありません。
 もともと感染者は九州などの地域に多いといわれていましたが、厚生労働省の調査で関東や関西の大都市圏でも増加傾向にあるとわかりました。正しい知識をもって病気を予防しましょう。

どんな病気?

HTLV-1(エイチティーエルブイワン)とは

 ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type1)の略です。このウイルスは、血液中の白血球の1つであるTリンパ球に感染して白血病を起こすウイルスとして発見されたことから、このような名前で呼ばれています。

感染経路

 母子感染(主に母乳)、性交渉による感染、血液感染

感染するとどうなる?

 HTLV-1に感染しても自覚症状はありません。また、約95%の人は生涯病気になることはありません。ウイルスに感染していても症状がない人を「キャリア」と呼びます。
 HTLV-1感染症のごく一部で成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU)を発症します。

[成人T細胞白血病(ATL:エーティーエル)とは]

 成人のHTLV-1キャリアのうち、約45%が発症する白血病、リンパ腫の一種です。潜伏期間は約40年で、男性にやや多い傾向があります。
 症状は、足の付け根、首、わきの下のリンパ節のはれ、だるさ、発熱、発疹などがみられます。また、血液中に異様なリンパ球が増加するため、免疫機能が著しく低下し、重症肺炎などの深刻な感染症にかかることもあります。このような症状がある場合は、血液内科の専門医のいる病院を受診してください。

[HTLV-1関連脊髄症(HAM:ハム)とは]

 HTLV-1キャリアのうち約0.3%が発症する慢性進行性の脊髄麻痺の病気です。潜伏期間は数年以上であり、男女比は12.5 と女性に多く発症します。原因はまだはっきりわかっていませんが、HTLV-1に感染したTリンパ球が脊髄に入り込み、炎症が慢性的に起こり神経細胞が傷つけられると考えられています。
 症状は、両足、腰、膀胱、直腸などへつながる神経の麻痺により、足が動かなくなったり、しびれ感や痛みなどの感覚障害、排尿困難、頻尿、便秘などの膀胱直腸障害がみられます。このような症状がある場合は神経内科の専門医のいる病院を受診してください。
 現在、全国で約3,000人の方が病気と闘っていると推定されています。また、HAMは平成21年度より、厚生労働省難病対策疾患に指定されました。

[HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU:エイチユー)とは]

 HTLV-1感染が原因となって起こる眼の炎症(ぶどう膜炎)です。ぶどう膜炎はHTLV-1以外のウイルスや細菌、真菌、寄生虫などが原因で起こり、適切な治療をしないと失明にいたることもある病気です。HTLV-1キャリアの0.1%が発症し、男女比は1:2と女性に多く発症します。また、多くは成人ですが、小児に発症する場合もあります。
 症状は、飛蚊症(眼の前に虫やゴミが飛んでいるように見える)、霧視(かすんで見える)、眼の充血、視力の低下が急にあらわれます。このような症状がある場合は眼科の専門医のいる病院を受診してください。

感染を防ぐためには?

母子感染の予防

 HTLV-1に感染しているお母さんから赤ちゃんへの感染は、主に母乳中に含まれるHTLV-1に感染したTリンパ球が原因です。母乳からの感染を防ぐために、原則人工栄養(育児用ミルク)に切り替える必要があります。
  
 HTLV-1に感染しているかどうかは、血液検査を行ってHTLV-1の抗体があるかどうかを調べます。妊娠中(妊娠30週まで)に行われる妊婦健康診査の中に、HTLV-1の抗体検査が組み込まれ、無料で受けられますのでご利用ください。 →詳しくは妊婦健康診査ホームページをご覧ください

性交渉による感染の予防

 性交渉によるパートナーからの感染は、精液中に含まれるHTLV-1に感染したTリンパ球が主な原因です。特に長期間にわたって性交渉が続く夫婦間での感染が多いと言われていますが、どのくらいの頻度なら感染が起こるかなど、まだはっきりとわかっていません。性交渉による感染を防ぐにはコンドームの使用が有効です。
 HTLV-1に感染していても妊娠に影響することはありません。また、HTLV-1が原因で赤ちゃんに奇形が生じたり、産まれたあとに異常を起こすこともありません。

血液感染の予防

 血液が付着した歯ブラシやかみそりを共用すること、消毒が不十分な器材を使って刺青(いれずみ)を入れたり、ピアスの穴を開けること、同じ注射器を使って違法薬物などの回し打ちをすることは感染の可能性がある危険行為ですので絶対に行わないようにしましょう。
 また、輸血による感染については、1986年以降、献血された血液がHTLV-1に感染しているかどうかを検査するようになったため、現在では新たな感染はありません。

日常生活でうつりますか?

 HTLV-1は感染力が極めて低いウイルスで、乾燥、熱、洗剤で簡単に死ぬため、水、衣服、食器、寝具からうつることはありません。また、くしゃみや咳などの飛沫感染もありません。隣に座る、握手をする、一緒に食器を使う、一緒にお風呂やプールに入る、トイレを共用するなどといった職場や学校での社会生活の中で感染することはありませんので、HTLV-1に感染してもこれまでと同じように日常生活を送ることができます。

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大阪市 健康局大阪市保健所感染症対策課感染症グループ

住所:〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1丁目2番7-1000号(あべのメディックス11階)

電話:06-6647-0656

ファックス:06-6647-1029

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