ページの先頭です

HTLV-1感染症について

2023年12月6日

ページ番号:154743

国民の100~150人に1人は、HTLV-1キャリアと推定されています。もともと感染者は九州や沖縄地域に多いといわれていましたが、近年、人口の大都市圏への移動・集中により、大都市圏でも増加傾向にあります。

HTLV-1を感染しても、必ずしも病気を発症するとは限りません。また、HTLV-1は感染力の弱いウイルスであり感染経路も限られています。正しい知識をもって病気を予防しましょう。

HTLV-1(エイチティーエルブイワン)ってなに?

ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type1)の略称です。

このウイルスは、血液中の白血球の1つであるTリンパ球に感染します。

感染ルートは?

HTLV-1の感染は、HTLV-1感染者の血液、母乳、精液などに含まれるウイルスに感染した細胞が生きたままの状態で大量に体内に入り込むことで起こります。

主な感染ルートは母子感染(主に母乳)、性行為による感染、血液感染です。

HTLV-1は感染力が極めて低いウイルスであり、授乳や性行為を除く日常生活では感染しません。くしゃみや咳など飛沫感染や握手、一緒にお風呂に入る、トイレを共有するといったことでも感染しません。ただし、注射器の共有や血液が付着した歯ブラシやカミソリなどの物品の共有は感染の可能性があります。

感染したらどうなるの?

HTLV-1に感染しても自覚症状はありません。また、約95%の人は生涯HTLV-1感染が原因となっておこる病気になることはありません。

ウイルスに感染していても症状がない人を「キャリア」と呼びます。

HTLV-1キャリアのごく一部の人は、成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU)等の病気を発症します。

成人T細胞白血病(ATL:エーティーエル)とは

ATLは成人T細胞白血球・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma)の略称で、白血病やリンパ腫の一種です。HTLV-1キャリアのうち、約5%が発症すると言われ、男性にやや多い傾向があります。40歳以下の発症はまれで発症のピークは60歳代後半です。
症状は、足の付け根、首、わきの下のリンパ節のはれ、だるさ、発熱、発疹などがみられます。また、血液中に異様なリンパ球が増加するため、免疫機能が著しく低下し、重症肺炎などの深刻な感染症にかかることもあります。このような症状がある場合は、血液内科の専門医のいる病院を受診してください。受診の際は、①自分がキャリアであること、②いつから症状があるか、③症状の程度はどのくらいかを医師に伝えましょう。

HTLV-1関連脊髄症(HAM:ハム)とは

HAMは、HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-Associated Myelopathy)の略称で国の難病に指定されています。HTLV-1キャリアのうち約0.3%が発症すると言われ、男女比は1:2~3と女性に多く発症します。

原因はまだはっきりわかっていませんが、HTLV-1に感染したTリンパ球が脊髄に入り込み、炎症を引き起こすことが原因と言われています。慢性的な炎症により、脊髄にある神経細胞が傷つけられてしまいます。脊髄には、両足や腰、膀胱、直腸につながる神経が通っていることから、足がつっぱったり、力が入らないなどの運動障害やしびれ感や痛みなどの感覚障害、排尿困難や頻尿などの膀胱機能障害、便秘などの排便障害が現れます。
このような症状がある場合は神経内科の専門医のいる病院を受診してください。受診の際は、①自分がキャリアであること、②いつから症状があるか、③症状の程度はどのくらいかを医師に伝えましょう。

HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU/HAU:エイチユー/エイチエーユー)とは

HU/HAUはHTLV-1関連ブドウ膜炎(HTLV-1 Uveitis/HTLV-1-associated Uveitis)の略称で眼のぶどう膜に炎症が起こる病気です。HTLV-1キャリアの約0.1%がHU/HAUを有していると言われています。男女比は1:2と女性に多く発症し、HU/HAUはHAMとの合併がよく見られます。
症状は、飛蚊症(眼の前に虫やゴミが飛んでいるように見える)、霧視(かすんで見える)、眼の充血、視力の低下です。このような症状がある場合は眼科の専門医のいる病院を受診してください。受診の際は、①自分がキャリアであること、②いつから症状があるか、③症状の程度はどのくらいかを医師に伝えましょう。

予防方法って?

母子感染の予防

HTLV-1に感染しているお母さんから赤ちゃんへの感染は、主に母乳中に含まれるHTLV-1に感染したTリンパ球が原因で起こります。最近では、ごくまれに胎盤からの感染の可能性もあるという研究データが得られています。

母子感染に関する詳しい情報は妊婦の方とHTLV-1について(厚生労働省)別ウィンドウで開くをご参照ください。

HTLV-1に感染しているかどうかは、血液検査を行ってHTLV-1の抗体があるかどうかを調べます。妊娠中(妊娠30週まで)に行われる妊婦健康診査の中に、HTLV-1の抗体検査が組み込まれ、無料で受けられますのでご利用ください。詳しくは妊婦健康診査ホームページをご覧ください。

性交渉による感染の予防

性交渉によるパートナーからの感染は、精液等に含まれるHTLV-1に感染したTリンパ球が主な原因です。特に長期間にわたって性交渉が続く夫婦間での感染が多いと言われています。

性交渉による感染を防ぐにはコンドームの使用が有効です。

血液感染の予防

血液が付着した歯ブラシやかみそりを共用すること、消毒が不十分な器材を使って刺青(いれずみ)を入れたり、ピアスの穴を開けること、同じ注射器を使って違法薬物などの回し打ちをすることは感染の可能性がある危険行為ですので絶対に行わないようにしましょう。
また、輸血による感染については、1986年以降、献血された血液がHTLV-1に感染しているかどうかを検査するようになったため、現在では新たな感染はありません。

相談したい

ほっとらいぶ HTLV-1情報ポータルサイト

HTLV-1キャリア(HTLV-1陽性またはその疑いがある方)のための医師とのオンライン相談や、HTLV-1キャリア(及び家族やパートナー)と医療従事者のための無料電話相談があります。

詳しくは、ほっとらいぶ HTLV-1情報ポータルサイト別ウィンドウで開くをご参照ください。

大阪市の相談窓口

大阪市ではHTLV-1の検査(妊婦健康診査を除く)を実施していません。

大阪府下保健所ではHTLV-1相談により、HTLV-1抗体検査(スクリーニング検査及び確認検査)を受けられる場合があります。(大阪市民の方もご相談できます。)

詳しくは、大阪府下保健所(池田・茨木・守口・四条畷・藤井寺・富田林・和泉・岸和田・泉佐野)へご相談ください。

ご相談のみであれば、大阪市保健所や各区保健福祉センターでお受けできます。大阪府下保健所や大阪市保健所及び各区保健福祉センターの連絡先は、HTLV-1(厚生労働省)別ウィンドウで開くをご確認ください。

もっと詳しく知りたい!

SNSリンクは別ウィンドウで開きます

  • Facebookでシェア
  • Xでポストする
  • LINEで送る

探している情報が見つからない

このページの作成者・問合せ先

大阪市 健康局大阪市保健所感染症対策課感染症グループ

住所:〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1丁目2番7-1000号(あべのメディックス11階)

電話:06-6647-0656

ファックス:06-6647-1029

メール送信フォーム