大阪市災害時健康危機管理支援チーム・災害派遣公衆衛生チームの派遣基本指針
2025年4月14日
ページ番号:520804
1 趣旨
この指針は、大規模災害の発生により、他の被災自治体の公衆衛生活動体制が不十分となった場合に、公衆衛生活動を支援することを目的として派遣する大阪市災害時健康危機管理支援チーム(以下「DHEAT*」という。)及び災害派遣公衆衛生チーム(以下「公衆衛生派遣チーム」という。)に関する基本的な事項を定める。
*DHEAT:Disaster Health Emergency Assistance Team
2 派遣の決定
DHEAT及び公衆衛生派遣チームの派遣については、派遣調整会議において企画立案・連絡調整し、健康局長が決定する。
3 派遣の順序
国等からの要請・指示、または他自治体等との災害時協力協定等(以下「要請等」という。)に基づき、要請等が早いものから順に受諾し派遣する。ただし、同時に複数から要請等がある場合は、指定都市市長会、厚生労働省、関西広域連合の順序とする。
また、DHEAT及び公衆衛生派遣チームの要請が同時にあった際は、派遣調整会議において、被災状況等を考慮して調整・検討を行う。
4 DHEAT及び公衆衛生派遣チームの構成
(1) 被災自治体の状況に応じて、次の職から都度必要な職でチームを構成する。
① DHEAT
被災地の保健医療福祉調整本部又は保健所の指揮調整機能を支援するチーム
構成員・・・公衆衛生医師/保健師/栄養士/監視員/ロジスティクス(業務調整員)=事務職員、技能職員等
②公衆衛生派遣チーム
(ⅰ)保健衛生活動チーム
避難所等における被災者の健康被害等の防止及び被災地現場の公衆衛生活動を支援するチーム
構成員・・・公衆衛生医師/保健師/栄養士/監視員/ロジスティクス(業務調整員)=事務職員、技能職員等
(ⅱ)心のケア活動チーム
避難所等における被災者のこころのケアや被災地現場におけるこころのケア活動を支援するチーム
構成員・・・精神科医師/精神保健福祉相談員/保健師/心理職員/ロジスティクス(業務調整員)=事務職員、技能職員等
ただし、心のケア活動チームを大阪市単独で構成することが困難な場合は、大阪府等によって組織される大阪災害派遣精神医療チーム(大阪DPAT) に参画する。
(2)ロジスティクス(業務調整員)については事務職員、技能職員以外の職で派遣する場合がある。
(3)次の時期に保健衛生活動チームを派遣する場合は、各職の派遣について考慮する。
栄養士:栄養士が未配置の自治体で、炊き出しの開始等が可能となった時期
監視員:蚊媒介感染症予防、害虫駆除のため6月から夏期
(4)DHEATについて、専門的な訓練を受けた職員の派遣を基本とするが、必要に応じ、上記表中以外のその他の専門職や専門的研修・訓練を受けていない職員も応援派遣できるものとする。
5 DHEAT及び公衆衛生派遣チームを構成する各職の基本的な役割
(1)DHEAT
・保健医療福祉調整本部・保健所・市町村のいずれかにおいて、本部体制組織の立ち上げをはじめとする指揮調整機能を応援するマネジメント支援
・収集された情報の整理・分析、受援調整、業務再開に向けたロードマップの作成等
・派遣された職員は、各職種の特性を活かしつつ、実働においては職種の枠にとらわれず協働すること
① 公衆衛生医師: 派遣先本部における公衆衛生診断及び保健衛生活動チームメンバーへの専門的・技術的助言
② 保健師: 派遣先本部における保健衛生活動への専門的・技術的助言
③ 栄養士: 派遣先本部における栄養・食生活支援への専門的・技術的助言
④ 監視員: 派遣先本部における生活衛生対策への専門的・技術的助言
⑤ ロジスティクス(業務調整員): 緊急支援物資の調達、被災状況の情報収集、支援ニーズの調査、現地官公庁との連絡調整、
支援活動のための自動車運転業務、支援活動費用・備品の管理、スケジュール管理、行動の記録、
上記①~④の活動補助及び本市への活動等の報告
(2)公衆衛生派遣チーム
①
公衆衛生医師: 派遣先における公衆衛生診断及び保健衛生活動チームメンバーへの専門的・技術的助言
② 保健師: 派遣先被災地域を対象とした保健衛生活動
③
栄養士: 派遣先被災地域を対象とした栄養・食生活支援
④ 監視員: 派遣先被災地域を対象とした生活衛生対策
⑤
精神科医師: 派遣先被災地域を対象とした健康教育・心のケア及び、心のケア活動チームメンバーへの専門的・技術的助言
⑥ 精神保健福祉相談員・心理職員:派遣先被災地域を対象とした健康教育・心のケア
⑦ ロジスティクス(業務調整員): 緊急支援物資の調達、被災状況の情報収集、支援ニーズの調査、現地官公庁との連絡調整、
支援活動のための自動車運転業務、支援活動費用・備品の管理、スケジュール管理、行動の記録、
上記①~⑥の活動補助及び本市への活動等の報告
6 チームリーダー
(1)DHEAT
DHEATのリーダーは、原則として、派遣する公衆衛生医師の中から選任する。
(2)公衆衛生派遣チーム
①保健衛生活動チームのリーダーは、原則として、派遣する公衆衛生医師の中から選任する。
ただし、公衆衛生医師を派遣しない場合は、派遣する者の中からチームリーダーを選任する。
②心のケア活動チームのリーダーは、原則として、派遣する精神科医師の中から選任する。
ただし、精神科医師を派遣しない場合は、派遣する者の中からチームリーダーを選任する。
7 活動内容
(1)基本情報の把握
別紙1「DHEAT・公衆衛生派遣チームチェックリスト」に記載する項目を派遣先の基本情報として把握する。
(2)情報交換及び提案
派遣先の避難所等を実質的に運営している組織がある場合は、当該組織と公衆衛生に関する情報交換を行うとともに、当該組織に対し必要な提案を行う。また、派遣先の公衆衛生を担う保健所等の行政機関と公衆衛生に関する情報交換を行うとともに、当該機関に対し必要な提案を行う。
(3)個別の活動内容
派遣先の状況に応じて、別紙2「DHEAT・公衆衛生派遣チームの個別活動」に記載する個別活動を行う。ただし、派遣先の状況に応じて、臨機応変にその他必要な公衆衛生活動も実施する。
(4)派遣時期ごとの活動留意点
①初期初動時期
第1次派遣チームや第2次派遣チーム等の初期初動時期の活動は、今後の具体的な活動の方向性を定めるものとなることから、派遣先の状況把握に努めるとともに、派遣先の公衆衛生を担う保健所等の行政機関や派遣先の他の支援団体等との役割調整に努めること。
②維持活動時期
具体的な活動の方向性が定まった後の維持活動時期は、チーム間における活動の引き継ぎを円滑に行うこと。また、今後の活動の検討に資するため、派遣先におけるライフラインの復旧見込みや仮設住宅設置計画、公衆衛生活動体制の今後の見込みなど、派遣先の今後の状況見込みの情報把握に努めること。
③終息活動時期
第10項で定める派遣調整会議から派遣終了に向けた調整の指示を受けた派遣チームは、派遣先の避難所等を実質的に運営している組織または派遣先の公衆衛生を担う保健所等の行政機関や派遣先の他の支援団体等に必要な活動の引継ぎを行うよう努めること。
(5)次派遣チームへの引継ぎ留意点
派遣チームが派遣先で交代する際は、別紙3「次派遣チームへの引継ぎに関する留意点」に留意し引継ぎを行うこと。
(6)報告
派遣先で収集した情報及び派遣先での活動結果を派遣調整会議に報告する。
8 派遣期間
派遣期間は、4泊5日から6泊7日を基本とするが、派遣場所及び被災規模を考慮して決定する。
9 派遣終了の目途
派遣先において、次のいずれかの状態が見受けられた場合、その都度、派遣の終了時期について検討し、必要に応じて派遣先自治体と派遣終了の調整を行う。
(1)水道、電気、ガス、交通手段、通信手段などのライフラインの復旧
(2)生活必需品調達の平常化
(3)避難所の規模の縮小
(4)被災による保健ニーズの減少
(5)仮設住宅設置計画の公表
(6)被災自治体の公衆衛生活動体制の復旧
10 派遣調整会議
(1)派遣調整会議の調整事項とメンバー
①派遣調整会議は、次の事項について企画立案・連絡調整を行う。
(ⅰ)派遣開始の検討
(ⅱ)チームごとの構成職
(ⅲ)チームごとのメンバー(派遣者)
(ⅳ)チームごとのリーダー
(ⅴ)チームごとの派遣期間
(ⅵ)派遣時に必要な物品の確保
(ⅶ)チームごとの活動計画
(ⅷ)チームごとの派遣活動の評価
(ⅸ)派遣終了の検討
(ⅹ)その他、派遣に関する関係機関との連絡調整
②次の職にある者を派遣調整会議のメンバーとする。
(ⅰ)健康推進部健康施策課長
(ⅱ)健康推進部医務主幹又は医務副主幹(健康施策課医師)
(ⅲ)健康局健康推進部保健主幹(健康施策課保健師)
(ⅳ)健康推進部保健主幹(健康づくり課栄養士)
(ⅴ)生活衛生部生活衛生課長
(ⅵ)健康推進部こころの健康センター精神保健医療担当課長
(ⅶ)保健所管理課長
(ⅷ)総務部総務課長
③健康施策課長を派遣調整会議の責任者とする。
④派遣調整会議の責任者は、緊急対応が必要な場合等、派遣調整会議を開催できない時は、いずれかの派遣調整会議のメンバーから個別に意見を聴き、局部長級職員の意見も参酌しながら企画立案・連絡調整を行う。
⑤派遣調整会議の庶務は健康施策課で行う。
(2) 派遣時の情報の集約・後方支援
健康局各部署は活動に関係する情報収集に努め、収集した情報を派遣調整会議に報告する。派遣調整会議事務局は、派遣職員に対して、各部署から収集した情報や被災地に関する情報についての派遣前後のオリエンテーションを行い、派遣期間中も必要な情報について情報提供するなど、後方支援に努める。
(3) 平時の活動
①派遣調整会議は、大規模災害発生時に迅速に対応するため、各職ごとかつDHEAT及び公衆衛生派遣チーム別の初期のメンバー候補(以下「初期候補者」という。)を複数定めておく。ただし、複数定めることができない場合は1名登録、もしくはDHEAT及び公衆衛生派遣チームの重複登録とする。なお、初期候補者の選任にあたっては、派遣時に今後の活動の方向性を定める重要な活動を行うこととなることに十分留意し選任する。
②初期候補者は、迅速・的確な活動を行うため、年1回以上、初期候補者による活動の確認・検討会を開催し、より効果的な活動に関する意見など必要に応じてその内容を派遣調整会議に報告する。
③派遣調整会議は、年1回以上開催し、より効果的な活動の検討等を行う。
④派遣調整会議のメンバーは、所掌業務に関連する活動に必要な物品がある場合は、その準備に努める。
⑤派遣調整会議のメンバーは、関係職員に対し、活動に関する研修若しくは訓練を実施する。
11 応援派遣にかかる費用弁償及び補償
DHEATの応援派遣に要する費用については、原則として応援派遣元都道府県市の負担となるが、地方公共団体間の相互応援協定等や応援要請の根拠となる災害対策基本法等に基づき、応援派遣元都道府県市より応援派遣先都道府県に対し、費用を求償することが可能な場合がある(平成30年3月20日健健発0320第1号)。また、公衆衛生派遣チームの応援派遣に要する費用については、①災害対策基本法第67条または第74条、②「応援要請自治体が費用負担する」旨がかかれている応援協定による応援要請を受けた場合は、派遣先自治体に求償が可能である。さらに災害救助法の費用求償や特別交付税の申請ができる場合がある。
補償については、地方公務員であるDHEAT及び公衆衛生派遣チーム の構成員が、応援活動に従事し、そのため公務上の災害(負傷、疾病、障害 又は死亡)又は通勤による災害を受けた場合においては、地方公務員災害補償法に基づき、地方公務員災害補償基金からの補償を受けることとなる。
12 その他
DHEAT及び公衆衛生派遣チームの活動にあたっては、「大規模災害時における保健師活動マニュアル」、「災害時メンタルヘルス支援マニュアル」、「災害時における保健医療職員の応援要請及び応援派遣の手引き」及び「DHEAT活動ハンドブック」を参考すること。
13 指針の見直し
本指針は国等の動向を見ながら必要に応じて改訂する。
附則
この指針は、平成24年10月22日から実施する。
この指針は、平成25年7月4日から実施する。
この指針は、平成26年10月2日から実施する。
この指針は、平成28年4月1日から実施する。
この指針は、平成28年12月1日から実施する。
この指針は、平成29年4月1日から実施する。
この指針は、平成31年4月1日から実施する。
この指針は、令和元年11月29日から実施する。
この指針は、令和4年10月13日から実施する。
この指針は、令和5年9月5日から実施する。
この指針は、令和7年4月11日から実施する。
別紙
別紙1「DHEAT・公衆衛生派遣チームチェックリスト」(PDF形式, 403.35KB)
別紙2「DHEAT・公衆衛生派遣チームの個別活動」(PDF形式, 210.56KB)
別紙3「次派遣チームへの引継ぎに関する留意点」(PDF形式, 104.68KB)
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