ペットのための防災対策
2024年1月4日
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大規模災害はいつ起こるか分かりません。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震では多くのペットが被災しました。いざというとき、ペットを守れるのは飼い主だけです。避難が必要な場合には、ペットと一緒に避難場所まで避難する同行避難が基本です。飼い主とペットがともに安全に避難でき、周りの人へ迷惑をかけず、安心して過ごすためには、日頃からの心構えと備えが大切です。
同行避難とは
災害発生時に、飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所等まで安全に避難することです。同行避難とは、ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指し、避難所等において飼い主とペットが同一の空間で過ごすことを意味するものではありません。
災害時に役立つ社会化やしつけ
人や動物に慣らしておく
犬は子犬の頃から、なるべく多くの人や動物に接することで社会性をつけさせましょう。成長してからでも様々な物に慣らしていくことは可能です。
猫も、来客に遊んでもらうなど無理のない範囲で、家族以外の人にも慣らしておくといいでしょう。
様々な音や物に慣らしておく
いつもと違う音や物に囲まれることは、ペットにとっても大きなストレスです。いつもと違う散歩コースを歩くなど日頃からいろいろな環境を無理なく体験させておくと、環境の変化によるストレスを軽減させることができます。
ケージに慣らしておく
ケージやキャリーバッグは動物病院に連れて行く時だけに使うのではなく、日頃から扉を開けた状態で部屋に置き、ペットがくつろいだり眠ったりする「安心できる場所」として慣れておくようにします。避難時の速やかな連れ出しもでき、ケージの中で過ごす時間が長くなる避難生活でもペットのストレス軽減につながります。
むやみに吠えないようにしておく
普段はおとなしいペットでも、たくさんの人や動物が集まる避難所などでは慣れない環境によるストレスで鳴いたり吠えたりすることもあるでしょう。迷惑にならないよう、日頃からむやみに吠えないようにしておくこと、また、ストレスをやわらげられるよう、犬が吠える原因を知り、対策を考えておきましょう。
特に、要求吠えをする犬をそのままにしておくと避難所では大変困ることになりがちです。日頃から犬が吠えたときに要求をかなえたり関心を向けたりしないように心がけ、静かにしているときにほめたり要求をかなえるようにしたりして、しつけておきましょう。
体のどこでも触れるようにしておく
どこでも触れるようにしておくことで、災害時の健康チェックや応急処置、病院に行ったときなどにも役に立ち、安心です。足先、口元など、先端部分は敏感なので、嫌がる場合にはフードを使いながら慣らしていきましょう。
ペットのための備蓄品
優先順位1(命や健康に関わるもの)
・療法食
・フード、水(5日分以上)
・予備の首輪、リード
・食器
・ガムテープ(ケージの補修など多用途に使用可能)
優先順位2(飼い主や動物の情報)
・飼い主の連絡先
・動物の写真
・ワクチン接種状況
・既往歴、健康状態
・かかりつけの動物病院
など
優先順位3(ペット用品)
・ペットシーツ
・排せつ物の処理用具
・トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
・タオル、ブラシ
・おもちゃ
・洗濯ネット(狭いところを好む傾向の強い猫は、洗濯ネットに入ると落ち着くと言われています)
など
迷子札とマイクロチップ
突然の災害に驚いて逃げてしまい、ペットが迷子になることがあります。ペットが迷子になり、どこかで保護されたとき、すぐに飼い主が分かるように普段から身元を示すものをつけましょう。外から見えて誰でもすぐに分かる迷子札(鳥は足環など)をつけるとともに、半永久的に識別可能で確実な身元証明としてマイクロチップを入れるといった、二重の対策をとりましょう。
※犬の鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は狂犬病予防法で飼い主に義務付けられています。
災害が起きてしまったら
自宅が危険な場合や避難指示が出ている場合は、ペットと避難場所に同行避難します。また、避難所での対応は、災害の規模や収容施設の大きさ、被災者の数などにより様々です。安全な状態であれば、避難所に行かずに自宅にとどまるという選択肢もあります。自分とペットの安全を優先して選ぶようにしましょう。
避難所で生活する
避難所では人とペットは別の場所で生活し、ペットの世話は飼い主が自ら行うことが原則です。いつも以上に周りの人に配慮し、決められたルールを必ず守りましょう。
自宅で生活する
自宅が安全であれば、住み慣れた自宅にいる方がペットも安心です。ただし、救援物資と情報は避難所に集まるので、必要に応じて取りに行くようにしましょう。人は無理でもペットが自宅で生活できる状況であれば、避難所から世話に通う方法もあります。二次災害の危険があるときは、同行避難をしましょう。
車の中で生活する
周りに気をつかわず過ごせますが、狭い空間ではエコノミークラス症候群にならないよう定期的に車外に出して動いたり、水分をこまめに取りましょう。また、車内温度は思ったよりも上昇するため、人もペットも熱中症の危険があります。温度や湿度に注意しましょう。
施設に預ける
避難所に入れない場合や、飼い主の事情、ペットの健康状態により、動物病院、動物保護団体などで預かってもらう場合があります。預ける前に条件や期間、費用などについて必ず確認しましょう。
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