建設局におけるDX推進

　大阪市におけるDXは、その取組方針となる「Re-Designおおさか ～大阪市DX戦略～」を令和5年3月に策定し、データやデジタル技術の活用を前提に、サービス利用者の目線で、本市のまちや地域のあり方、サービスや行政のあり方を再デザインし、社会環境の変化にも的確に対応していくことで、本市で生活、経済活動を行う多様な人々がそれぞれの幸せ（Well-being）を実感できる都市へと成長・発展させることとし、大阪市のあらゆる行政分野・施策を対象として取り組んでいる。

　建設局では道路、橋梁、河川、公園、下水道など、持続可能な都市を支える重要な都市インフラを所管しているが、膨大な量の都市インフラの維持管理などに加え、震災・風水害などに備えた機能拡充、都市の成長を牽引する施設整備などを、適切かつ効率的に実施していく必要がある。このため、建設局では「業務効率化・生産性の向上」及び「デジタルデータを活用したまちづくり」という観点から、ICT等先端技術を活用したDXの取組を推進していく。

　ICT機器やAI等の新技術を活用して、業務プロセスの見直しや維持管理手法の最適化・高度化などに取り組み、業務効率化や生産性向上を推進していき、技術継承、人材育成、不適正施工の防止、迅速な市民対応にもつなげていく。

　施工現場にウェアラブルカメラ等のICT機器を活用することで、現場管理の効率化を図り、職員の業務効率化や技術継承を促進させ、人材育成、不適正施工の防止を図る。

　特殊車両の取締り業務において、走行車両を撮影した動画から特殊車両を識別し、車両番号を認識するAIを活用することで省人化と効率化を図る。また、許認可業務において、国のシステムを改修し、他システムの機能を集約・連携することにより、業務改善を行う。

　公園施設管理及び樹木管理における一元的なシステム管理により公園維持管理業務の効率化・最適化を図るとともに、施設や樹木データを活用した市民向け情報発信により市民サービス向上を推進する。

　夢洲・舞洲の高架橋についてBIM/CIMモデル等を活用して3次元モデルを構築することで、建設生産・管理システムの効率化に向けた検証を行い、今後の事業に対する活用手法についても検討を実施する。

　3次元モデル作成による夢洲の主要な道路・埋設管等のデータ化やAIを活用した路面の劣化予測など、維持管理等の高度化につながる手法を検討する。

　橋梁点検において新技術の導入により作業時間や点検コストの削減を図るとともに、橋梁点検における画像診断を活用した橋梁の健全度の高度な評価方法の検証により橋梁の安心安全の確保を推進する。

　市民や事業者が専用サイトから簡便に設計図書等を取得できる仕組みを構築し、情報提供に必要となる手間や時間を軽減する。

　ドライブレコーダーの映像データ等を活用したAI解析による区画線の劣化度判定等の手法を検証し、道路の維持管理業務の高度化・効率化を推進する。

　ビッグデータを活用した道路空間の利活用のあり方や運用の検討、メタバースを活用したナレッジの蓄積・共有・継承、AR技術を活用した文化財の魅力発信など、デジタルデータを活用して安心安全で快適なにぎわいあるまちづくりを推進していく。

　AIカメラを導入し、荷さばき・沿道アクセススペースの運用省力化や持続可能な巡回型監視などの仕組みの構築を図る。人流ビッグデータの活用により御堂筋及びその周辺エリアへの回遊性向上などの整備効果を波及させる。

　淀川左岸線（2期）における事業記録のアーカイブ化とメタバース空間の活用により、住民等との合意形成、国などの関係機関との連携、技術職員の人材育成を図る。

　国指定の文化財である難波宮跡附法円坂遺跡について、AR技術等を活用した魅力発信を多言語で行うことにより、文化財の付加価値を高め、観光コンテンツ等としての活用を促進する。