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淀川左岸線(2期)建設中区間での新技術の実証フィールド提供にかかる取組状況について

2025年5月23日

ページ番号:644869

 大阪市では、万博時に万博会場までのシャトルバス等のアクセスルートとなる淀川左岸線(2期)建設中区間を、SDGsの達成に資する新技術を実証するための「未来社会の実験場」のフィールドとして提供し、多様な共創チャレンジの創出や活動を行う民間企業等を支援しています。詳細はこちらをご覧ください

 申請のあった事業者の取組状況について、概要とともにご紹介いたします。

「光ファイバセンシングによる次世代道路・交通管理技術の開発」

  • 事業者
    鹿島建設株式会社(関西支店)
  • 実施期間
    令和6年5月から令和7年10月まで(準備期間含む)

開発の背景

 人の移動や物流を担い、安心・安全な社会生活を支える道路は、最重要な社会インフラであることは論をまちません。しかしながら、インフラを維持し、運用管理する担い手の不足は深刻さを増し、インフラの維持に伴う環境負荷の低減にも配慮していく必要があります。道路インフラを今後も安定的に維持し、合理的に運用していくには、省人力かつ環境に優れた道路・交通管理技術が必要です。

 そこで、道路に光ファイバを神経として敷設することで、ひずみや温度、振動を常時リアルタイムに分布計測して、道路の健全性や交通状況、気象の変化に伴う路面の状態などを全線で常時モニタリングすることが可能となります。これにより、合理的な維持管理による安心安全で環境負荷の小さい道路インフラや、人口減少にも耐える先端的な道路物流の実現が期待されます。

技術の概要

 光ファイバセンサは、細径・軽量・長寿命で電磁気ノイズの影響を受けず、数kmにわたって光ファイバの全長に沿って、数cm~数m感覚でひずみ・温度・振動の分布情報を得ることができます。そのため、道路構造の内部に光ファイバを埋め込んでおくことにより、目に見えない変化を長期にわたり、網羅的に把握することができます。次世代の道路モニタリング技術として、光ファイバセンサケーブルを舗装構造内に敷設することによって、多機能な道路モニタリングを行います。

現在の状況

 光ファイバ敷設作業が完了し、モニタリング中。

「光ファイバセンシングによる次世代道路・交通管理技術の開発」

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「路面標示用塗料の屋外環境下における実用性検証」

  • 事業者
    株式会社キクテック
  • 実施期間
    令和7年1月から令和7年10月まで(準備期間含む)

開発の背景

 現在、世界では地球温暖化による気候変動が大きな問題となっており、これを解決するためにさまざまな方法でCO₂等の温室効果ガスの排出を抑える取り組みが進められております。一般的な道路に施工された区画線や道路標示に使用されている「路面標示用塗料(3種)」にも石油由来の材料に含まれており、温室効果ガス排出の一因となっております。

 この問題を解決するために路面標示用塗料に含まれる材料の見直しを行い、「環境配慮型路面標示」として新しい塗料を開発いたしました。

 従来の石油由来の材料を含んだ塗料と比較検証を行い、類似した材料物性や施工性を得ることができれば、路面標示用塗料の脱炭素化に向けた利用の実現が期待できます。

技術の概要

「環境配慮型路面標示」として検討するものは、以下の3種類になります。
①石油由来の材料を使わない=石油由来材料の使用量を減らし植物由来材料に置換した塗料
②石油由来の材料の使用回数を減らす=耐摩耗性を向上させ、施工する回数を減らせる塗料
③CO₂を再資源化させた材料を使用する=CO₂再資源化人工石灰石を利用した塗料

 これら3種類の塗料と一般的に使用されている石油由来材料の塗料を並列して施工し、屋外環境下において視認性や耐久性(退色やひび割れ、耐摩耗性能など)の比較検証を行います。

現在の状況

 路面標示用塗料の施工が完了し、モニタリング中。

「路面標示用塗料の屋外環境下における実用性検証」

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「太陽光発電を利用したアクリルゲル粘着材の耐久性」

  • 事業者
    株式会社ケー・エフ・シー
  • 実施期間
    令和7年3月から令和7年10月まで(準備期間含む)

開発の背景

 公共工事の仮設材に設置される夜間注意喚起ライトは、定期的な電池交換が必要であり、手間やコスト、廃棄物の増加といった課題があります。そこで、持続的な電気供給手段として軽量型太陽電池の活用が注目されています。しかしながら、従来の太陽光電池設置には架台が必要であり、台風・強風・積雪・土砂災害時に架台の倒壊・破損のリスクが課題です。この解決策として、軽量で薄膜の太陽光電池にアクリルゲル粘着材をあらかじめ積層する技術を開発しました。これにより、工事仮設材や道路擁壁、建築物の壁面、道路付属物など従来設置が困難であった箇所への直接貼付けが可能となります。

 今回の取組では、この粘着技術の特性を活かし、工事現場の仮設材への適用を検討します。貫通加工やボルト・ナットを用いず、アクリルゲル粘着材による施工を実現し、上述の課題を解決することが可能となります。さらに、ペロブスカイト太陽電池への応用も視野に入れ、工事現場や交通インフラへの再生可能エネルギーの普及拡大に貢献することが期待されます。

技術の概要

 薄膜太陽電池に積層される粘着材として、アクリルゲル粘着を採用しています。アクリルゲル粘着は、透明性が高く、優れた凝集力を有することに加え耐候性、耐久性、耐水性に優れています。また、衝撃吸収性や段差吸収性にも優れることから、様々な箇所への適用が期待されます。作業は離型紙を剥がして貼るという施工性であるため、特別な技能を必要とせず誰でも扱いやすいというメリットがあります。その特性から土木分野での活用も注目されています。

現在の状況

 粘着層付太陽電池が完了し、モニタリング中。

「太陽光発電を利用したアクリルゲル粘着材の耐久性」

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このページの作成者・問合せ先

大阪市 建設局臨海地域事業推進本部淀川左岸線2期建設事務所設計課

住所:〒553-0005 大阪市福島区野田6丁目2番16号

電話:06‐6466‐2180

ファックス:06-6466-2195

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