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絵本へのいざないプログラム

2014年12月11日

ページ番号:40161

絵本へのいざないプログラム
 ねらい ・絵本を通して、養育者とこどものコミュニケーションを豊かにする。
 ・保護者自身も絵本に親しみ、読む楽しさを感じられるようにする。
 主な活用場所 在宅子育て支援機関、保育所
 主な対象者 0、1、2歳児とその保護者
 はぐくみたい
 生きる力の基礎
 養育者との愛着形成、外の世界への積極性・学びへの意欲
 内容 概ね0~2歳のこどもとその保護者を対象として、絵本の読み聞かせを中心に、リズム遊びなども入れながら、こどもと大人が楽しい時間を過ごすプログラム。
 プログラムの流れ
(1) はじめのあいさつ・・・「あくしゅでこんにちは」
  ・自己紹介とプログラムの目的や内容の簡単な説明をする。
(2)歌ってあそぼう(その1)・・・リズミカルに歌いながら、表現遊びを楽しむ。
  ・参加者と指導者(読み手)との間に楽しい関係を築く。
(3)絵本の読み聞かせ・・・実物大の動物絵本や、逆さまにしたら絵が変化するしかけ絵本などをこどもと保護者が一緒に見て楽しむ。
  ・絵本を見た後の充足感をたっぷり味わわせ、絵本の魅力を伝えるように配慮する。
(4)歌ってあそぼう(その2)・・・歌詞や動きを楽しみながら、こどもと保護者でふれあう。
  ・体をふれあいながら、コミュニケーションを楽しめるようにする。
(5)おわりのあいさつ・・・「あくしゅでさようなら」
  ・プログラムが楽しく、満足感を味わってプログラムを終わるようにする。

絵本へのいざないプログラムの実践事例(プログラムを実践した在宅子育て支援機関や保育所の取組み内容)

絵本へのいざないプログラム実践事例
プログラムの流れ1 はじめのあいさつ 
2 歌ってあそぼう(その1)大きな声で歌いましょう
 (1)あたま かた ひざ ポンねらい:ボディイメージ
(2)てをたたきましょうねらい:表現
(3)おべんとうばこのうたねらい:見立て表現
3 絵本の読み聞かせ実物大の動物絵本や、逆さまにしたら絵が変化する絵本、手品をテーマにした絵本など仕掛け絵本の楽しさをこどもと一緒に楽しむ
 (1)「サーカスがやってきた」 
  よぐちたかお 作
  (福音館書店)
絵が動くので、初めて見た人はびっくり。炎が燃えるシーンでは思わず手を出しアチチチチ。こどもも大人も楽しめる絵本。
(2)「きんきらきんのはでなやつ」
  デビット・A・カーター 作
  きたむら まさお 訳
  (大日本絵画)
最近日本でも翻訳された。日本の絵本にはない大迫力と、色彩感覚にびっくりする絵本。あまりの迫力にこわがるこどももいるが、小さいこどもから大きなこどもまで楽しめる絵本。
(3)ちょっとした仕掛けが楽しい絵本 「てじな」
 土屋富士夫 作
 (福音館書店)
みんなで魔法の呪文をとなえると、あら不思議。いろんなものがあらわれます。
(4)等身大写真の迫力を楽しむ絵本「ほんとのおおきさ動物園」
 福田豊文 写真 小宮輝之 監修
 (学習研究社)
見ただけで写真の訴える力にびっくりする。余分な背景がカットされ、写真の効果を高めている。
4 歌って遊ぼう(その2) 
 (1)大きなくりのきのしたでねらい:動作模倣
(2)やまごやいっけんねらい:動作模倣
(3)一本橋こちょこちょ   などねらい:感覚遊び
5 おわりのあいさつ 

絵本を読む際のポイント

1 事前に絵本に目を通す。

  楽しいと思った本は気持ちを込めやすい。  

2 読み手自身が絵本を楽しんで読む。(楽しいことは長続きする。) 

  読まねばならないのではなく、こどもと一緒に読みたいと思える気持ちが大切である。

3 自然な読み方をすると、読み手の気持ちは聞き手に伝わりやすい。

  •  言葉がはっきり伝わるように心がける。  (ゆっくり、はっきり、適度な声の大きさ)
  •  効果音(擬音)を使う場合は練習が必要である。
  •  効果音(擬音)はこどもを引き付ける魅力があるので、絵本を読むときには擬音の効果が増すよう、練習をしておくとよい。
  •  何よりも自分流の読み方でよいので、聞き手と一緒に絵本を楽しむ気持ちが大切である。

4 絵本を通して、こどもとのコミュニケーションを楽しむ。

絵本選びのポイント

とびだし絵本

いろんな所に仕掛けがあると、かえってこどもは集中しにくい。いつも真ん中から絵が飛び出すなど、次に起こることに心躍らせ予測しやすい絵本が望ましい。

◇ 絵本の実例

  「のぞいているのはだあれ?」 キース・モアビーク 作 きたむらまさお 訳(大日本絵画)

絵だけの絵本

絵の背景と事物が明確で、すっきりと描かれた絵本がよい。1枚の絵にたくさんの事物が描かれた絵本は、最初は避けたほうが望ましい。

◇ 絵本の実例

  「どうぶつのおやこ」 藪内正幸 絵(福音館書店)

  「じどうしゃ」寺島竜一 絵(福音館書店)

物語絵本

1 初めて物語絵本を与えるときは、言葉のやりとりが繰り返され、擬音がたくさん出てくる絵本が適している。

◇ 絵本の実例

  「ノンタンあわぷくぷくぷぷぷう」 オオトモヤスオミ・サチコ 作・絵(偕成社)

  *「ノンタンあそぼうよ」シリーズは、擬音がいっぱいつまった絵本である。

2 物語絵本の初期は、ストーリーが簡単で、絵が分かりやすい絵本が適している。

◇ 絵本の実例

  「ぞうくんのさんぽ」 なかのひろたか 作・絵(福音館書店)

  *ページごとに絵が楽しく変化があり、こどもの期待がふくらむ絵本は、4~5歳児にも適した絵本である。短く繰り返しのある物語絵本が充分楽しめるようになった後には、内容に起承転結があり、物語の変化に富んだものがよい。

0、1、2歳児の絵本との出会い

0歳児:絵本はオモチャの時期

 この時期のこどもには、絵本はおもちゃのようで、絵本をひっぱったり、なめたり、かんだり、ときには破ったりすることもある。そうしながら、偶然、絵に目が止まり、声を出したり、笑ったり、「何かを発見したよ」というかのように、はしゃいだりする。

 このように、こどもと絵本の最初の出会いは、偶然から生まれ、絵本への興味が徐々に膨んでいく。

 親しみやすい動物や乗り物、食べ物などの具体物がていねいに描かれているものや、絵の対象が、上から横から後方からなど方向や視点を変えて描いている絵本はこどもの興味を広げる。

1歳児:おしゃべりを始める時期

 おしゃべりを始める1歳児の頃は、身の周りの事物を題材にした絵が主体の絵本を好む。そして徐々に簡単なストーリーを楽しむことができるようになる。

 こうしてこどもたちは、絵本を通して、事物や出来事を知り、こども自身と外の世界がつながっていく。

 おしゃべりを始め、好奇心の芽生えが見られるこの時期は、言葉を発することが楽しくて、「これなあに」を連発して、物の名前を聞きたがる。これに対し、大人が「これは犬よ」「これは猫よ」と教えたり、ときには「これはなあに」とこどもに尋ねたりして、こどもの興味を触発することも大切である。

 絵本にあまり興味を示さないこどもには、ポップアップ(飛び出す)絵本などのしかけ絵本を見せることも有効である。

2歳児~:言葉でのやりとりが楽しくなる時期

 言葉でのやりとりが楽しくなるこの時期、言葉に快い響きがあり言葉を大切にした絵本が適している。まだこどもの言葉の量も、まわりの人の話す言葉を理解する力も十分ではないので、大人は、はっきりと、分かりやすい言葉を使うことで、こどもが言葉の意味を実感できるようになる。

 絵本の中には擬音語(雨がザ-ザ-、風がピュ-ピュ-など)、擬態語(うさぎがピョンピョン、象がのっしのっしなど)、擬声語(ワンワン、カ-カ-など)がよく用いられており、身の周りの事物と関連する音や声に親しむことで、こどもの想像力がはぐくまれる。

 こどもの日常によくあることが絵本の題材になり、言葉や出来事の繰り返しがある内容をこどもたちは好む。また、想像力を引き出すためには、人物や動物のしぐさや表情、動きが、絵や言葉で豊かに表現された絵本が望ましい。

 保護者に抱かれたり、寄り添ったりして、その語り口調(ここちよいリズム)に耳を傾け絵本に親しむ体験が、豊かな心を育てる素地になる。

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