木造天部立像(金臺寺) 1躯
2024年1月15日
ページ番号:9181
木造天部立像
分野/部門
所有者
宗教法人 金臺寺(こんたいじ)
所在地
大阪市天王寺区下寺町1
紹介

頭体を通して根幹部は一材から彫出する。
彫眼像で割り矧ぎ(わりはぎ)はなく、頭部と体部に背面から内刳り(うちぐり)を施す。
体奥は深く、一木造(いちぼくづくり)特有の量感を生かした像で、腹部から腰にかけては特に堂々としている。
わずかに翻波(ほんぱ)の名残を示す力強い衣文(えもん)も特徴的である。
制作年代は10世紀後半から11世紀前半と考えられる。
現状では正面で合掌し、韋駄天像(いだてんぞう)としてまつられるが、当初は兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)として造像されたものと思われる。
用語解説
彫眼(ちょうがん) 木彫像において、眼を彫り出してあらわしたものを彫眼と呼び、これに対し、眼の内部をくり抜き眼球状の水晶・珠玉・ガラスなどを嵌め込んだものを玉眼という
内刳り(うちぐり) 木の干割れを防ぐため、また重量の軽減化のため、像底や背面から内部を刳ること。一木造りの仏像などでは像底や背面から刳ることが多いが、寄木造りの技法が完成した以後は像内全面に施されることが多い
一木造(いちぼくづくり) 一本の木から頭部と体部の主要部を彫り出す技法。腕・両脚部は別の材であることが多い
翻波式衣文(ほんぱしきえもん) 平安前期の木彫りの仏像にみられる、衣のひだの表現形式の一つ。大きいひだと小さいひだとを交互に表したもので、その断面が波の翻転するさまに似るところからついた名称
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