畔田翠山腊葉資料 一括(963葉)
2024年1月15日
ページ番号:9208
畔田翠山腊葉資料
分野/部門
所有者
大阪市
所在地
大阪市東住吉区長居公園 大阪市立自然史博物館
紹介
畔田翠山(源伴存)は、江戸時代後期の和歌山藩の本草学者とされている。ただし観察対象を環境との関連でとらえ、和漢古今の諸文献にも通じ、これらを駆使した厳密な考証をおこなうなど、博物学者といえる実績を残している。対象は植物だけでなく、動物(魚類、昆虫)、鉱物など、幅広い分野に膨大な著書を著した。植物標本の採集は広範囲におよび、紀伊山地、畿内を中心に、北陸の白山、立山にまで及んだ。
腊葉資料はこれらの地域に採集した資料を整理、標本としたものであり、『和州吉野郡山記』や『和州吉野郡中物産志』などの著書に収められている内容について、その基礎資料となるものである。
翠山の研究を実物資料で追跡できる一次資料であり、また当時の植物学のレベルを顕彰する資料として貴重である。
資料は翠山の唯一の門人であった大阪の商人堀田龍之助(ほったたつのすけ)が、翠山の息子から譲り受けたものであり、これを龍之助の子孫が大阪市に寄贈したものである。
用語解説
腊葉(さくよう) 植物を平らにひろげて押して乾燥した標本。押し葉。「さくよう」は「せきよう」の慣用読み