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大念佛寺南門 1棟

2022年9月21日

ページ番号:570823

大念佛寺南門

だいねんぶつじなんもん

分野/部門

有形文化財/建造物

所有者

宗教法人 大念佛寺(だいねんぶつじ)

所在地

大阪市平野区平野上町1

紹介


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大念佛寺南門

 大念佛寺は融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)の総本山であり、江戸時代初期の元和元年(1615)に平野庄代官の末吉孫左衛門吉康(すえよしまござえもんよしやす、1570~1617)が平野郷内に寺地を寄進し、伽藍が整えられた。南門は山門の南側、境内地の南東部に建つ。間口1間(けん)の薬医門(やくいもん)で、切妻屋根(きりづまやね)、本瓦葺である。親柱上で男梁(おばり)と女梁(めばり)で冠木(かぶき)を挟み、控柱(ひかえばしら)間は虹梁型頭貫(こうりょうがたかしらぬき)で繋ぎ木鼻(きばな)を付ける。妻飾りは蓑束(みのづか)で、軒は二軒疎垂木(ふたのきまばらたるき)である。

 細部に江戸時代初期の様式が用いられており、大念佛寺境内における最も古い建築である。また市域には、江戸時代初期の薬医門の事例は他に、大阪市指定文化財となっている住吉区荘厳浄土寺(しょうごんじょうどじ)山門の一例しかなく、希少な建築である。

用語解説

融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう) 良忍(りょうにん、1073~1132)が開祖の浄土教の宗派の1つ。総本山は大念佛寺。

薬医門(やくいもん) 正面に2本の親柱、後方に2本の控柱を建て、切妻屋根を支える構造。棟木の位置が親柱と控柱の中間よりも前方に位置することが特徴である。城郭や社寺に広く使われた。

切妻屋根(きりづまやね) 棟の両側に、屋根面を傾斜をつけて山形に配置した屋根。本を伏せたような形であり、最も簡単な屋根形式。

冠木(かぶき) 親柱の上をつなぐようにかぶせた横木。この上に棟木を支える束(つか:短い柱)を立て、屋根を支える。

控柱(ひかえばしら) 木構造の建物や壁、門、塀などが傾くのを防ぐために設けられた補助柱もしくは支柱。

虹梁型頭貫(こうりょうがたかしらぬき) 柱の頂部を横方向につなぐ頭貫の形が上方に反りをもち、虹梁(こうりょう:梁の両肩部を円弧状にして、上方にやや反りをもたせた梁。虹のように見えることから、このように呼ばれた。)と同様の形とし、装飾性をもたせたもの。

木鼻(きばな) 柱の上部で頭貫などの水平材の端が柱の反対側に飛び出した部分。装飾性が強く、象や獅子などの形を模したものもある。

蓑束(みのづか) 束(つか:短い柱)の上部に唐草や渦の彫刻が施され、蓑に似た形のもの。

二軒疎垂木(ふたのきまばらたるき) 軒の先端部で、垂木(たるき:屋根板を支えるために棟木から軒桁に架け渡す細長い材)を上下二段に配置し、また横方向の配置では垂木相互の間隔を広くとった軒の形式。

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