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木造阿弥陀如来坐像 1軀

2022年9月21日

ページ番号:570826

木造阿弥陀如来坐像

もくぞうあみだにょらいざぞう

分野/部門

有形文化財/美術工芸品〔彫刻〕

所有者

宗教法人 九応寺(きゅうおうじ)

所在地

大阪市天王寺区生玉寺町

紹介


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木造阿弥陀如来坐像

 上町台地の寺町の浄土宗寺院に伝来する阿弥陀如来像のひとつで、等身大の彫眼(ちょうがん)像である。構造は一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)で、割り首する。衣文(えもん)の彫り口は浅く、高い肉髻(にっけい)、細かい粒の螺髪(らほつ)は、平安時代後期の作風を呈しているが、膝前の張りが大きいことや、体軀の奥行が深いことなどは、鎌倉時代の新しい潮流の影響と思われる。制作年代は、12世紀後半とみられる。平安時代末から鎌倉時代初期に制作がさかのぼる、市域にのこる希少な作例である。また江戸時代には、京仏師の系譜に連なる田中主水(たなかもんど)と、奈良仏師の系統とみられる椿井民部(つばいみんぶ)という、大坂仏師を代表する2者が、本像の修復に携わったことが寺の記録に残っている。

 

用語解説

彫眼(ちょうがん) 木を彫りだして、像の目を表す技法。

一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり) 一本の木を材料として作った像の干割れを防ぐため、制作途中で像を前後に割り放し、大きく内刳をしてそれを再び矧ぎ付ける技法。

肉髻(にっけい) 仏・菩薩の頭の頂上に隆起した、髻(もとどり)のような形の肉塊。

螺髪(らほつ) 縮れて螺旋状をしている頭髪。

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