未来に向けて今できることを SDGs・「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」動画
2020年12月4日
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2020年、大阪市は大阪府とともに、内閣府により「SDGs未来都市」に選ばれ、特に先導的な取組みとして「自治体SDGsモデル事業」に選定された、大阪発「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」推進プロジェクトがスタートしています。
「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」について知っていただくとともに、SDGsをもっと身近に感じてもらえるよう、動画を作成しました。[動画] 大小島真木さんがSDGsについて語るショートムービー
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「自分ごととして、持続可能な社会を考える」 -大小島真木さんインタビュー (1分37秒)
大小島 真木(おおこじま まき)さんのプロフィール
1987年、東京都生まれ。2011年、女子美術大学大学院修士課程終了。
2009年にトーキョーワンダーウォール賞、2014年にVOCA奨励賞を受賞。2017年には、気候変動や環境破壊が海洋に及ぼす影響を調査する海洋科学探査船「タラ号」に乗船した。
大小島 真木さんロングインタビュー
自分ごととして、持続可能な社会を考える
アーティストの大小島真木(おおこじま まき)さんは、作家としても、この地球で生きている一人の人間としても、“more than human(人間以上)”の視点を持つことをとても大切にしています。
「SDGsについて考えるときは、まずは持続可能な社会とは誰視点の、誰のためのものなのかを考えることから始めてみるといいのではないでしょうか。地球のためと考えてしまうと、何かとても大きなことをしなければいけないようなイメージを持ってしまいがちですが、実はそうではないと気づけるはず」。
大小島さんのお話から、私たち一人ひとりが行動を起こすための取っ掛かりを探りました。
大切にしているのは“more than human”の視点
――大小島さんはこれまで、命や自然をテーマに数多くの作品を生み出してきました。
子どもの頃からずっと人間を含めた「生命」というものが不思議で、「どうして生きているんだろう」「私たちの体は何でできているんだろう」とぐるぐる考えては、そのときどきの思考をメモするような感覚で絵を描いてきました。答えのない問いを考え続けるプロセスを形にして提示していくのは、とてもおもしろい作業です。
これまで、世界各地に滞在して制作を行ってきました。中でも、2017年に経験した海洋科学探査船「タラ号」での2ヶ月半に及ぶ航海は、私にとって大きな恵みとなりました。
気候変動や環境破壊が海洋に及ぼす影響について調査をする船に、科学者と共にアーティストも乗り込むというプロジェクトだったのですが、地球の酸素の半分は海で作られていることを知ったり、自分自身の体がわずかな期間で船酔いをしない海上に適した体に作り替えられていく感覚に驚いたりと、船で体験したすべてのことが創作に繋がりました。
――特に印象深かった出来事は。
7mもある大きなクジラの死骸を見たことは、今でも忘れられません。皮が剥がれ落ちてむき出しになった白い脂肪に鳥や魚が群がっている様は、まさにクジラの“死”そのもの。けれど、単に“死”の場面に遭遇したのとは違う感覚がありました。大量の生物を食べてきたクジラが、大量の生物に食べられる。この事象が幾度となく繰り返されてきた海は、まるで生命のスープのようだと感じたんです。
思えば、森でも同じことは起こっていますよね。人間だって森で死ねば他の生物に食べられて、バクテリアに分解され、土に還る。森に食べられるようなものです。
生と死。言葉で分けることはできても、本質的には生も死も連続的なもので、明確に切り分けることはできません。この世のあらゆる事象は繋がっていて、私たち人間も大きなサイクルの中で他の存在と絡まり合って生きています。
人間のことは人間視点だけでは語りえないからこそ、日頃から人間視点だけでなく、“more than human”の視点で事象を見るようにしています。
“more than human(人間以上)”という言葉は、奥野克巳さんが主催するマルチスピーシーズ人類学研究会に参加させていただいた時に出会いました。
鳥や森、ときには鉱物など、さまざまなものの視点から世界はどう見えるのかを想像したり、意識を寄り添わせてみたりすることは、作家としても、地球に生きる一人の人間としても、生きていく上で、とても大切なことだと感じています。
持続可能な社会とは、誰のためのものなのか
――“more than human”の視点を持つことが、創作活動の場以外でも大切だというのはどういうことですか?
私たちは、このままだと手遅れになるかもしれない時代に生きています。手遅れといっても、地球にとっての手遅れではありません。地球は、全球凍結していた時代も、今よりもっと暑かった時代も、変わらず存在していたわけですから。他の生物・非生物との共存なくしては生きられない私たちが、この先も存続できる環境を保持できるかどうかの瀬戸際なんです。
SDGs、持続可能な開発目標の達成に向けて様々な取り組みが行われていますが、誰にとって持続可能な社会を目指すのかというと……人間ですよね。ただ、人間は人間だけでは生きていけない。だからこそ、他の視点、“more than human”の視点に立ってSDGsを多種との協働としてとらえてみることが必要ではないかと感じています。
――自分ごととして持続可能な社会の実現を考えるにあたり、具体的にはどんなアプローチをしてみるといいでしょうか。
私の場合は、自分の皮膚から感覚を広げて、オゾン層も人間にとって第二の皮膚といえるのではないか? 自分の皮膚をケアするように、第二の皮膚を守るには……と考えたりもしますが、人それぞれ、自分の興味のあるところからイメージを広げて、別の視点から事象を見ると意識も変わっていくはずです。
当たり前に享受しているものが、どういった経路で自分のところまでたどり着いているのか想像してみるのもいいと思います。たとえば、お店で売られている野菜は、なぜ規格が揃っているのか。何気なく食べ残したお肉が、もとは命だったことを忘れてはいないか。この包装は、過剰ではないのか。
もちろん必要なプラスチックもありますし、お肉を食べること自体が悪だというつもりはありません。ただ、何の疑問も違和感も抱かずにいるのは、違うんじゃないかなと思うんです。
未来に向けて いま自分にできることを
――SDGsの達成に向けた取組みの一環として、大阪市では2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることをめざす、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けた取組みを進めており、マイボトルやエコバッグを持つことを推奨しているのですが、大小島さんは使っていますか?
マイボトルもエコバッグも、もう何年も使っています。単純に、あると便利なんです。最近はレジ袋が有料化されて持つ人が増えましたが、今まではコンビニで商品を袋に入れて渡されるのが当たり前だっただけで、なければないで別に困らないですよね。ペットボトル飲料も、必要以上には買いません。本当に必要か考えて、買うか買わないか選択するようにしています。
――海洋プラスチックごみについて考えるようになったのは、いつ頃からでしょうか。
「タラ号」で瀬戸内海に浮かぶ美しい島・粟島に立ち寄ったときに、海岸でゾワッとするほど大量の海洋プラスチックごみを目にしたことが、身の回りのプラスチック製品について考えるきっかけになりました。
島の人が捨てたごみじゃないんですよ。世界ごみとも呼ばれているそうなのですが、拾っても拾っても追いつかないくらいのものすごい速さで、海流が世界中からごみを運んでくるんです。
自分がうっかり地面に落としたものが、風に乗って海に落ちたこともあったかもしれない。自分の何気ない行動が、この島の海岸のごみに繋がっている可能性があるのなら、少しの便利さよりも、不要なプラスチックは使わない方が気持ちがいいと自然と思うようになりました。
知ることで、意識や行動は変わります。一人ひとりにできることは小さくても、集まればすごく大きな力になる。未来に向けて、自分が気持ちいいと思える選択をこれからもしていきたいですね。
SDGsと「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」 PR動画
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「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」と大阪市の取組み
2019年G20大阪サミットで採択された、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」は、2050年(令和32年)までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することをめざすものです。
大阪市では、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けた取組みをはじめとする地球環境への貢献を通して、『SDGs達成に貢献する環境先進都市』をめざしています。
関連リンク
SDGsは、2030年を期限とする国際社会全体の17の開発目標で、経済・社会・環境をめぐる広範囲な課題に統合的に取り組むものです。
- 持続可能な開発目標(SDGs)とは?
大阪市のSDGsの取組みを紹介しています。
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