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特定調停の内容等

2007年1月7日

ページ番号:33917

特定調停を申し立てた理由

  • (株)湊町開発センター

     事業の主体となるOCATビルは、平成8年3月に開業しましたが、主たる事業として予定していたCAT事業が、当初予測の需要数に至らなかったこと、またバブル崩壊の影響を受け、商業施設が低調に推移したことなどから欠損状況が続き、平成15年3月期には、約95億円の債務超過状態にあるため、事業の継続に支障をきたすことなく返済期にある債務を返済することが困難な状態にあった。
     会社としては、これまで会社の自立的・継続的な存続に向けた抜本的な経営改善策について、大阪市や市中金融機関と協議を重ねてきましたが、関係者の合意には至らなかった。
     会社の再建は社会的にも注目を集め、関係当事者も多数に上り、その影響も決して小さくない点を考慮し、今後事業の再建策をまとめるために、公平性・透明性を保持できる公正な手続を経ることが望ましいと考えらたことから、特定調停法に基づく特定調停の申立を行うこととしたものである。

  • アジア太平洋トレードセンター(株)

     会社は事業の継続に支障をきたすことなく返済期にある債務を返済することが困難な状態にあり、また、開業1年目の平成7年度から累積損失を計上し、平成15年3月期では約253億円の債務超過状態にあった。
     会社としては、これまで会社の自立的・継続的な存続に向けた抜本的な経営改善策について、大阪市や市中金融機関と協議を重ねてきましたが、関係者の合意には至らなかった。
     会社の再建は社会的にも注目を集め、関係当事者も多数に上り、その影響も決して小さくない点を考慮し、今後事業の再建策をまとめるために、公平性・透明性を保持できる公正な手続を経ることが望ましいと考えらたことから、特定調停法に基づく特定調停の申立を行うこととしたものである。

  • (株)大阪ワールドトレードセンタービルディング

     会社は事業の継続に支障をきたすことなく返済期にある債務を返済することが困難な状態にあり、また開業1年目の平成7年から累積損失を計上し、平成15年3月期では約236億円の債務超過状態にある。
     会社としては、これまで会社の自立的・継続的な存続に向けた抜本的な経営改善策について、大阪市や市中金融機関と協議を重ねてきましたが、関係者の合意には至らなかった。
     会社の再建は社会的にも注目を集め、関係当事者も多数に上り、その影響も決して小さくない点を考慮し、今後事業の再建策をまとめるために、公平性・透明性を保持できる公正な手続を経ることが望ましいと考えらたことから、特定調停法に基づく特定調停の申立を行うこととしたものである。

特定調停の経過

  • 平成15年6月20日 3社が裁判所に特定調停の申し立て
  • 平成15年8月21日 第1回調停期日
  • 平成15年10月30日 第2回調停期日
  • 平成15年12月2日 第3回調停期日
  • 平成16年1月13日 第4回調停期日
  • 平成16年1月31日 大阪市会に調停案受諾の議案の上程・可決(附帯決議)

調停案の受諾理由

  • 会社を法的整理するよりも、調停案による再建を図る方が経済合理性を有すると考えられること
    • テナント保証金の毀損や社会的な影響などを総合的に勘案すれば、法的整理と比べ経済合理性を有すると考えられること
  • 本調停案の内容に合理性と実現可能性が認められること
    • 調停案の再建計画には、収益の低下を見込む一方経費の増加や金利の上昇などを見込んでおり、その内容には合理性と実現可能性が認められること
  • 関係者の合意によって会社を再建することが、将来の大阪市政に資すると考えられること
    • 地域の中核施設として公共的役割を担う各社が、関係者の合意のもとに着実な再建を果たし、大阪の都市再生など先導的役割を担っていくのであれば、本市のまちづくりの推進にも寄与し、将来の大阪市政に資すると思われること

調停案(本市関係)

(株)湊町開発センター(MDC)

  1. 債務の確認
     MDCは大阪市に対し、借入金債務として元金31,079,393,000円(有利子借入金20,376,900,000円、無利子借入金10,702,493,000円)及び有利子貸付金に対する約定利息の支払義務があることを認める。
  2. 債務の株式化(DES)
     MDCは、平成16年9月末日までに、大阪市に対する有利子借入金20,376,900,000を別途協議する方法により株式化する。
  3. 無利子借入金債務の弁済方法については、MDCと大阪市の間で別途協議する。
  4. 損失補償
     大阪市は、各金融機関がMDCに対して有する貸金債権の元本並びにこれに対する未払利息及び損害金の一部又は全部について、担保物件の処分(担保権の実行による処分を含む。)などの回収努力をしてもなお回収不能が発生した場合には、当該回収不能が発生した各対象債権を有する債権者に対し、当該回収不能額を損失としてその損失額を補償する。
  5. 出資
     大阪市は、平成16年9月末日までに、MDCに対して2,433,000,000円の出資を行う。

アジア太平洋トレードセンター(株)(ATC)

  1. 債務の確認
     ATCは大阪市に対し、借入金債務として元金18,700,000,000円及びこれに対する約定利息の支払義務があることを認める。
  2. 代物弁済
     大阪市はATCとの間で、平成16年3月末日までに、残元金のうちATCと大阪市において協議の上合意する相当な金額の弁済に代えて、駐車場(敷地部分を含む。)の所有権を譲り受け旨の合意を締結する。
  3. 劣後債権化(DDS)
     ATCは、大阪市の残元金のうち代物弁済を実施した後の残元金につき、各金融機関の債務が完済されるまでは、大阪市に対して支払わない。
  4. 損失補償
     大阪市は、各金融機関がATCに対して有する貸金債権の元本並びにこれに対する未払利息及び損害金の一部又は全部について、担保物件の処分(担保権の実行による処分を含む。)などの回収努力をしてもなお回収不能が発生した場合には、当該回収不能が発生した各対象債権を有する債権者に対し、当該回収不能額を損失としてその損失額を補償する。
  5. 出資
     大阪市は、平成16年9月末日までに、ATCに対して4,000,000,000円の出資を行う。

(株)大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)

  1. 債務の確認
     WTCは大阪市に対し、借入金債務として元金20,000,000,000円及びこれに対する約定利息の支払義務があることを認める。
  2. 債務の株式化(DES)
     WTCは、平成16年9月末日までに、大阪市に対する借入金のうち12,500,000,000を別途協議する方法により株式化する。
  3. 劣後債権化(DDS)
     WTCは、大阪市残元金のうち債務の株式化を実施した後の残元金7,500,000,000円につき、各金融機関の債務が完済されるまでは、大阪市に対して支払わない。
  4. 損失補償
     大阪市は、各金融機関がWTCに対して有する貸金債権の元本並びにこれに対する未払利息及び損害金の一部又は全部について、担保物件の処分(担保権の実行による処分を含む。)などの回収努力をしてもなお回収不能が発生した場合には、当該回収不能が発生した各対象債権を有する債権者に対し、当該回収不能額を損失としてその損失額を補償する。
  5. 出資
     大阪市は、平成16年9月末日までに、WTCに対して4,000,000,000円の出資を行う。

補正予算

債務負担行為の追加

  • 一般会計
    • アジア太平洋トレードセンター(株)に係る特定調停に伴う追加出資
      (16年度)4,000,000千円
    • アジア太平洋トレードセンター(株)に係る特定調停に伴う資金借入金に対する損失補償
      (15年度~債務消滅時)特定調停における調停条項の定めによるところにより損失補償をすべき額
    • (株)湊町開発センターに係る特定調停に伴う追加出資
      (16年度)2,400,000千円
    • (株)湊町開発センターに係る特定調停に伴う資金借入金に対する損失補償
      (15年度~債務消滅時)特定調停における調停条項の定めによるところにより損失補償をすべき額
  • 港営事業会計
    • (株)大阪ワールドトレードセンタービルディングに係る特定調停に伴う追加出資
      (16年度)4,000,000千円
    • (株)大阪ワールドトレードセンタービルディングに係る特定調停に伴う資金借入金に対する損失補償
      (15年度~債務消滅時)特定調停における調停条項の定めによるところにより損失補償をすべき額
  • 債務負担行為とは、当年度以降にわたって債務を負担することであり、将来に支出義務を伴うものであることから予算事項とされており、別途、支出予算を計上する必要がある。なお、損失補償については、その対象に損失がなかった場合は支出を伴う必要がなくなる。
  • 損失補償は履行遅延のみでは「損失」と観念できないため、客観的に債権回収の見込みがない場合に「損失」が生じたとされ、その時点で履行する義務を負う。この点で、主たる債務が履行遅延になると直ちに履行する義務を負うことになる債務保証とは性質を異にする。

市会での市長説明

 アジア太平洋トレードセンター株式会社、株式会社湊町開発センター及び株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディングの3社は昨年6月20日に特定調停の申し立てを行っていましたが、本年1月13日に大阪地方裁判所の調停委員会から調停条項案の提示がありました。
 本調停案については、将来の本市財政に与える影響、これからのまちづくりのあり方、これまでの第3セクターという手法により主導的に事業を推進してきた行政としての立場など様々な観点から、検討してきました。
 その内容は市民の負担を伴うものの、これを受諾せず法的整理に移行すると一般の債権者にも影響が及ぶだけでなく、本市の信用が失墜し、本市の進める施策への協力姿勢が消極的になるなど、今後の事業運営への支障は図り知れず、市民の皆様方により多くの負担を強いる結果にもなりかねないことから、関係者が合意して会社を再建することが将来の大阪市政に資するとの結論に至り、本調停条項案を受諾するものです。
 調停条項の受諾に関連する補正予算としまして、出資金及び損失補償について所要の措置を講ずる必要があることから、アジア太平洋トレードセンター株式会社、株式会社湊町開発センター及び株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディングの出資及び資金借入金に対する損失補償に係る債務負担行為の追加をいたします。

 なお、調停案を受諾したことに伴う私をはじめ、現職であるか否かを問わず、関係者の責任について、各社役員の経営責任とあわせ、早急に明らかにしたいと考えています。
 また、これまでの経過と問題点を会社の設立時にさかのぼって調査し、明らかとなった事態に適切に対処することにより、市民に対する説明責任を果たしてたいと考えています。
 さらに、これが会社再建の最後の機会であるとの認識のもと、各社が二次破綻などを起こさぬよう、民間人による経営体制を築いていきます。
 その上で、総務省の改定指針の趣旨にのっとり、各社を適切に監理するとともに、外部の専門家の協力も得て本市の監理のあり方についてもチェックできるような経営監視体制を早急に構築していきます。

 今後、2月12日に行われる予定の第5回調停において、大阪市として調停案受諾の意思表明を行います。その際、他の債権者も受諾の意思表明を行えば、3社の特定調停が成立することになり、各社は、再建に向けての第1歩を踏み出すことになります。
 市としましては、新しい経営体制の構築及び経営監理体制の充実などに努めていくとともに、各社がこうした事態に立ち至った経過の検証を通じ責任の所在を明らかにし、市民の皆様への説明責任を果たしていきます。

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