火災予防と防火・防災研修の充実
2023年9月1日
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概要(説明)
1. 住宅防火対策
消防局では、住宅における出火防止と火災による被害の軽減に取り組んでいます。
大阪市内で令和4年中に発生した火災のうち、住宅火災の発生件数は建物火災全体の約7割を占めています。
また、住宅火災による死者の約8割が65歳以上の高齢者となっており、今後も高齢化の進展や高齢者の単独世帯数の増加といった社会的傾向から、高齢者の火災被害の増加が危惧されるところであります。
住宅火災による死者の発生原因で最も多いのは、「逃げ遅れ」となっており、住宅用火災警報器の設置が火災発生や火災の発生に至る前段階で発見できる手段として、非常に有効であることから、高齢者宅をはじめとする市内の住宅を戸別訪問し、防火指導を通じて、より効果的な火災予防の啓発を行っています。
2. 青少年層に対する防火・防災研修の充実強化
消防局では、市民防災研修推進プランに基づき、市民の防災意識を高揚させ、防災研修を学校教育の場などで実践するとともに、子どもから大人まで幅広い世代の防災研修、防災訓練への参加を促進することで、災害時に助け合い、的確な行動をとることができるよう防災知識、技術の普及に取り組んでいます。
発端(きっかけ)は何?
1. 住宅防火対策
住宅防火対策は、消防庁において策定された「住宅防火対策に係る基本方針(平成3年策定)」及び「住宅防火基本方針(平成13年策定)」に基づき、住宅火災による死者の大幅な低減を図ることを主眼とする住宅防火対策の一環として、住宅用消火器、住宅用火災警報器をはじめとする住宅用の防災機器や防炎品の普及啓発に努めてきました。
しかしながら、
(1) 近年、高齢者(戸建て住宅に住んでいることが多い)を中心に火災による死者数が急増していること
(2) 高齢者人口は今後も増加し続けることが確実であり、何らかの対策がなければ、火災による被害者人口として顕在化すること
(3) 高齢者の増加に伴う火災による死者の増加傾向は以前から予想されていたため、住宅用火災警報器や住宅用消火器の普及などをはじめとする住宅防火対策を火災予防運動や火災予防啓発活動として訴え続けてきたが、これらはあくまでも「キャンペーン」であり、一般的な意識喚起レベルであり、自ずから限界があること
(4) アメリカ、カナダ、イギリスなどでは、煙を感知するタイプの住宅用火災警報器の設置を義務づけることにより住宅火災による死者数を低減させることに成功していること
これらの要因を受けとめるかたちで、平成16年6月2日に消防法の一部が改正され、すべての戸建・長屋建住宅及び自動火災報知設備の設置が義務付けられていない共同住宅等を対象として、住宅用防災機器の設置が住宅の関係者に義務づけられることとなりました。
消防法の改正を踏まえ、平成17年9月に大阪市火災予防条例が改正され、大阪市内においては新築住宅については平成18年6月1日から、既存住宅については平成23年6月1日から適用されています。
こうしたことから、本市においては、住宅用火災警報器の設置促進を含めた積極的な住宅防火対策を推進し、住宅火災による死者数の低減を目指しているところです。
2. 青少年層に対する防火・防災研修の充実強化
防災研修を推進するなかでも、特に重点的に取り組む必要がある事項として「青少年層に対する防火・防災研修の充実強化」を位置づけて、研修の充実を図ってきました。
東日本大震災を受けて、市民の防災意識は高まる中、特に次世代における防災の担い手となる青少年層に対して、具体的に系統立てた防火・防災研修を段階的・計画的に実施していく必要があります。
寄せられたご意見
1. 住宅防火対策
特にございません
2. 青少年層に対する防火・防災研修の充実強化
特にございません
今後の予定は?
1. 住宅防火対策
市内住戸への戸別訪問による防火指導を行い、火災予防に係る意識啓発と理解促進を図ります。
2. 青少年層に対する防火・防災研修の充実強化
市内の中学校において、防火・防災研修を実施します。
どこまで進んでいるのか?
これまでの経過
1. 住宅防火対策
消防局では、住宅防火対策について局運営方針に掲げ、最重要課題として消防局と市内25消防署が連携し一丸となって取り組んできました。
令和4年度につきましても、前年度から継続し、市内の25消防署がそれぞれの地域特性を活かしながら住宅防火推進計画を策定し、この計画に基づき、住宅用火災警報器の適切な維持管理の促進と、住宅火災による被害の軽減を目指し、取り組んでまいります。
【令和4年度 防火指導実施状況】
戸別訪問による防火指導実施状況
628,496件
2. 青少年層における防火・防災研修の充実強化
各消防署において、青少年等に対する防火・防災研修の推進計画を作成し、市内各中学校等において研修を実施しました。
【令和4年度 研修実施状況】
中学生に対する防火・防災研修実施状況
中学校 142校 56,426人